ひび割れ解析(改正) - FEM勉強会(FEMST)
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FEM勉強会(11/04/2012)
RC構造の設計においてコンクリー
トのひび割れの影響を考慮した解
析法など必要なのか?
平成24年4月11日
園田 恵一郎
道路橋示方書(コンクリート橋編,H14)による規定
設計荷重時:曲げに対しては,コンクリートの引張強度を無視し,平面保持の仮
定の下でのコンクリートおよび鉄筋の応力度の算定値が別に定めた許容曲げ応
力度を超えないこと.せん断に対しては,斜引張鉄筋応力が許容引張応力度を
超えないこと.
m
Sh
a
bw d
コンクリートの負担できるせん断
応力以下であること.
終局荷重時:曲げに対して,部材の最大曲げモーメントが断面耐力(破壊抵抗曲
げモーメント)を超えないこと.せん断に対しては,最大せん断力がウエブコンク
リート圧壊および斜引張破壊に対する断面耐力を超えないこと.算定法はトラス
理論のような終局強度モデルによる.
その他,変形量の規定?,たわみ,クリープ変形,耐震性(塑性変形能)などはひび
割れの影響を受けるが,明確な規定は無いようである.
トラスアナロジーによる終局せん断耐力解析
t
T
T
t
ウエブコンクリートの圧壊耐力:
斜引張破壊に対する耐力:
S uc max bw d
S uc S c S p
S c k c bw d
ひび割れの有無で静定系と不静定系での
曲げモーメント図の相違
q
q
x
x
Mx
BMD
静定系:曲げモーメント図は剛
性に依存しなく,一定である.
Mx
BMD
不静定系:曲げモーメント図は剛
性に依存し,荷重の増加につれ
て変化する(モーメント分配).
高次不静定系のRCラーメン橋脚の場合
P
BMD
Pcol
M2u
M2u
M3u
M1u
M1u
終局時のBMD
崩壊メ カ ニ ズム
M3u
ひび割れの影響を考慮したRCはりの解析法
ーファイバーモデルの不十分性ー
P
ひび割れ間隔の影響を無視し,鉄
筋の付着特性を考慮せず.その結
果,たわみ(変形)を過大に与える.
Pcol
フ ァ イ バーモ デル
Pcr
δ
0
EcI g
ひび割れ前
EcI cr
後
等分布荷重を受ける単純ばりでのたわみの比較の計算例
8
7
6
荷重
5
Branson
fiber model
4
3
2
1
0
0
5
10
15
20
25
30
35
40
スパン中央のたわみ
荷重制御と変位制御
ひび割れを有するRCはりまたは板の解析のために
必要な曲げモーメントと曲率の関係
M x E c I x x
M x M cr なら I x I g
M cr M x M sy なら I x I e
M
全断面有効
引張硬化
Msy
Mcr
RC板の場合:
Mx
I x
M
E
c I1
y
M xy
0
I1
Iy
0
0 x
0 y
I xy xy
0
ひび割れ断面
φ
Bransonの実験式
Bransonによる最大曲げモーメント(Ma)とたわみ(Δ)の関係
対象:単純はり,
連続はり
Bransonの実験式に基づく曲げモーメントと
曲率の関係
M Ec I e
曲率:
I e M cr / M 4 I g 1 ( M cr / M ) 4 I cr
2w
x 2
道路橋示方書(耐震設計編)に基づくRCラーメン
橋脚の変形解析についての一検討
P
HA
VA
HB
VB
一般的な解析手順
P
2
1
P3
3
P1
4
Mu1
塑性ヒ ン ジ
P4
Mu2
Mu2
P2
Mu4
Mu1
P =P
Mu3 u 4
Mu2
Mu3
: 塑性ヒ ン ジ
Mu1
Mu4
Mu1
Mu4
Mu1
Mu4
崩壊メ カ ニ ズム
道路橋示方書での構造解析上の各種の規定
u L pu
u
y :降伏曲率 u :終局曲率
50
j 1
j 1
N i ci Acj sj Asj
50
50
j 1
j 1
M i ci x j Acj sj x j Asj
Lp
終局曲げ状態
50
Mu
Mp
Np
塑性回転バネヒンジ
今後検討すべきと思われる課題
(1) コンクリートの圧縮限界ひずみの採り方,(2) 相関曲線上での軸力の変動の
取り扱い,(3) 引張軸力の作用下でのせん断耐力の評価,など
RC床版の解析についてのコメント
板やシェル構造は骨組み構造に比べて高次不静定系であるので,コン
クリートのひび割れによる剛性低下の影響が顕著に現われる.
q0
単純支持
( 4)
( 5)
( 2)
( 2)
( 1)
( 1)
( 5)
( 2)
( 4)
( 4)
( 3)
( 3)
( 2)
単純支持
( 4)
下面ひび割れ
上面ひび割れ
降伏線
実験による検証:Sawczuk & Jaeger:Grenztragfahigkeits-Theorie der Platten,
Springer-Verlag, 1963による.