Transcript がん検診の基礎知識
がん検診の基礎知識 がん予防推進員として活動するため に 大分県福祉保健部健康対策課 池邉 淑子 大分県がん検診受診率向上プロジェ クト 大分県と企業8社は がん検診受診率の向上に取り 組むため 平成22年3月に協定を締結しました 《協定締結企業》 アフラック 東京海上日動火災保険 東京海上日動あんしん生命 第一生命 大分銀行 豊和銀行 大分みらい信用金 庫 (財)大分がん研究振興財団 1 がん予防推進員とは 2010年7月20日・26日 協定企業の窓口業務担当者等を 対象とした講習会を開催 【講習内容】 ・がんの現状 ・がんの予防と治療 ・がん検診の必要性 修了証を交付 2 がん予防推進員の活動 日常業務の中で がんの予防や がん検診に関する情報を 多くの 人々に提供する ・がん検診の受診を勧めるチラシ配布 ・市町村のがん検診のお知らせ ・がんに関する講演会等のお知らせ 3 2人に1人が がんになります がんの生涯リスク* (一生涯のうちでがんに罹る危険度) *平成16年がん対策情報センターによる推計値 男性 53% 女性 41% 4 3人に1人が がんで亡くなりま す 大分県のがんによる死亡 年間3530人 男性 2062人 女性 1468人 (平成20年 人口動態統計) 悪性新生物 その他 心疾患 肺炎 脳血管疾患 5 がん検診を受けているのは 4人に1人 です % 大分県のがん検診受診率 50 40.4 40 30 20 10 0 26.6 22.3 25.7 21.6 22.0 15.3 15.9 10.6 胃がん H19年度 H20年度 肺がん 大腸がん 子宮がん 12.9 乳がん 6 がん死亡の部位別割合 (平成17年人口動態統計:大分県) 7 肺がん 男女とも 年々増加している がん死亡の第1位(男性1位 女性2位) 喫煙により発生の危険が高まる 受動喫煙の影響も大きい 予防に まず禁煙 がんが進行すると 5年生存率が急激に低下 早期がん76.5% 他臓器転移があると3.1% かなり進行するまで自覚症状がほとんどない 8 肺がん検診の方法 胸部エックス線検査 いわゆるレントゲン検査 喀痰細胞診 喫煙者は肺の入り口付近に がんができることが多くそ の時には 痰の中にがん細 胞が混ざる 9 胃がん 男女とも死亡率は減少傾向 がん死亡の第2位 男性:第2位 女性:第3位 患者数は がんの中で最多 死亡は減っているが 発生はあまり減っていな い? 早期がんであれば 5年生存率は98.4% 他臓器に転移があると5年生存率は6.2% 10 胃がん検診の方法 胃エックス線造影検査 発泡剤とバリウムを飲んで エックス線で造影検査 精密検査は胃内視鏡検査 カメラで直接胃の中を見るこ とで 小さな病変でも見つける ことができる 11 大腸がん 男女とも増加傾向 がん死亡の 男性では3位 女性では1位 食生活の欧米化(高脂肪食)が要因 働き盛り(40~50歳代)の世代に増加 早期がんの5年生存率はほぼ100% 検診による早期発見と・治療がカギ 進行すると生存率は低下 12 大腸がん検診の方法 便潜血反応検査 がんが発生すると 微量の血液が便の中に混 じっていることが多いため 便検査で早期発見 が可能 精密検査は大腸内視鏡検査 痔の出血だと思って放置せずに 必ず大腸内視 鏡検査を受けることが重要 ごく早期であれば 検査時に取り除き完治も 13 乳がん 増加傾向 女性のがん死亡の第4位 30~40歳代から乳がんが増加 女性の25人に1人は発症するという推計も 早期がんの5年生存率は98.5% 乳房温存のためにも早期発見が重要 14 乳がん検診の方法 定期的な自己チェック 月に1回 しこりのチェック 医師による視触診 医師が 視て触って診察する マンモグラフィ検査 がん情報サービス(国立がん研究センター)より引 用 乳房をプラスチック板で挟み 扁平にしてX線 撮影 1ミリ程度の小さながんも発見できる 15 子宮頸がん 子宮の入り口部分に発生 死亡率は低下している 20~30歳代の発症が増加傾向 若い世代の発症は 妊娠出産にも影響 ごく早期であれば子宮を残す手術もあり得る 20歳から定期的に検診を 16 子宮頸がん検診の方法 子宮頸部細胞診 子宮の入り口付近の細胞をこすり取り 胞がないかを顕微鏡で検査する がん細 17 子宮頸がんとヒトパピローマウイ ルス 18 乳がん・子宮頸がん検診 無料クー ポン券 子宮頸がん対象者 20・25・30・35・40歳 乳がん検診対象者 40・45・50・55・60歳 2-000000 1-000000 今年は黄色 19 前立腺がん 高齢化に伴い 増加傾向 50歳以上の男性はこの症状に要注意! 夜間の尿回数が2回以上 尿が出にくい 尿に勢いがない 排尿後に残尿感がある 症状が気になる人は 血清PSA検査を 採血検査でPSAという物質を測定 高値であれば泌尿器科で精密検査 20 肝臓がん 原因の多くは 肝炎ウイルス(B型・C型) 男女とも がん死亡の第4位 肝臓は沈黙の臓器 病状が進行しても自覚症状がない 生存率は他のがんに比べて低い 21 肝臓がんの予防のために 一生に一度は肝炎ウイルス検査(血液検 査)を受け 感染の有無をきちんと知ること が 肝臓がん予防の第一歩 肝炎ウイルスに感染している人は 肝機能 検査に異常がなくても 自覚症状がなくても 専門医での定期的管理が必要 22 がん検診を受けよう! 市町村のがん検診 住民を対象に、がん検診を実施しています。 職場のがん検診 勤務先や健康保険組合では、各種がん検診の受 診機会を提供しています。配偶者も受診可能な場 合もあります。 人間ドック型検診 費用は比較的高額ですが、精度の高い検査もあり、 多くの検査を受けることができます。 23