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人口経済論 第8回
2008年6月16日(月)
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国際人口移動の歴史
フロンティア型人口移動
ヨーロッパ人が、西洋文明の力を持って、南
北アメリカ、オーストラリア・ニュージーランド、
南アフリカに植民地を経営し、大量の人口移
動を行ったのが最初
フロンティア型人口移動は20世紀半ばには
終焉
2
新しい国際人口移動のパターン
・発展途上国から先進国へ
・先進国の中でも貧しい国から富める国へ
・途上国の中でも貧しいインド亜大陸、東南ア
ジア諸国などからアラブの石油産出国のよう
な富める国・資源の豊かな国へ
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新しい型の人口移動
米国・カナダ・オーストラリア・ニュージーラン
ドへの移動
・1970-2000年の間に、移民の数か1590万
人から4640万人へと増加。
・例えば米国における外国人生まれの人口は
970万人から3500万人へと増加。
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ヨーロッパへの出稼ぎ移動
・地中海沿岸の諸国から西部ヨーロッパあるいは北部ヨー
ロッパへ向かう流れ、ガスとアルバイター
・ドイツ、オーストラリア、スイスのドイツ語圏へ(イタリア、トル
コ、ユーゴスラビア、ギリシア、スペインから)、減少傾向
・フランス・ベルギーのフランス語圏へ(北アフリカ(アルジェリ
ア、モロッコなどの旧フランス植民地)、ポルトガル、スペイン、
イタリアのラテン系)、近年減少傾向
・イギリス(英語圏へ)(旧植民地、インド、パキスタン)、増加
傾向
5
アラブ石油産出国への出稼ぎ移動
・1970年代以降の新しい移動形態。ペルシア湾岸地域のア
ラブ石油産出国に向かう、他のアラブ諸国、インド亜大陸、
東南部アジアなどからの、出稼ぎ人口移動。
・発展途上国の中で、比較的貧しい国々から資源の豊かな
富める国々への人口移動。
・近年急増している。
・移動労働者の多くは、技術者・熟練労働者なので一種の頭
脳流出を引き起こし、本国での技術者・熟練労働者の不
足をもたらし、工業生産性の低下を生じている場合がある。
・また、技術者・熟練労働者の流出により、未熟練労働者の
活用が十分行えず、失業を引き起こす例もある。

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その他
非合法移住者、不法滞在者
不法残留
不法入国(密入国)
 難民
1951年の「難民の地位に関する条約」(難民条約)では、
難民は、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の
社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受
けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃
れた」人々と定義されている。今日、難民とは、政治的な
迫害のほか、武力紛争や人権侵害などを逃れるために国
境を越えて他国に庇護を求めた人々を指すようになってい
る。

参考:法務省入国管理局HP、http://www.immi-moj.go.jp/index.html
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南米から
アジア
から
米国・カナダへ
日本へ
東南アジ
アから
吉田良夫・河野稠果編著(2006)『国際人口移動の新時代』原書房
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近年の特徴
特定の国に人口の流入が集中している
 ヨーロッパが1970年以前は送出国であった
が、以降は受入国となっていること
 国際人口移動の半分が女性であること
 恒久的にすみ続けるのではなく、暫定的に
滞在するタイプが見られるようになってきた
こと

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国際人口移動の要因
プル要因・供給
ネットワーク
プッシュ要因・需要
経済的タイプ
・ゲストワーカーのプ
ログラム
・受入国の外国人に
対する雇用
・転勤・部署転換
・業主・メディア・同国
人からの就業に関す
る情報
・外国人労働者リク
ルート請負業者,不
法人口交流,マンパ
ワー密輸業者
・送出国での失業,潜
在失業
・低賃金
経済的タイプ以外
・家族の再会
・結婚
・外国に移住したいと
いう願望
・運輸通信ネットワー
ク
・家族や友人からの
就業機会に関する私
信
・難民救済期間によ
る受け入れ斡旋
・戦争,政治的紛争
・政治的宗教的迫害
出所:Martin and Eidgren(1996), 河野他編(2006)『国際人口移動の新潮流』
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国際人口移動の理論
新古典派経済理論(Neoclassical
economics)
 新家族経済学派理論(Neo economics of
migration)
 労働市場二重構造論(Dual labor market
theory)
 世界システム論(World system theory)
 ネットワーク理論(Network theory)

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