代謝と肥満のメカニズム 2011.

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Transcript 代謝と肥満のメカニズム 2011.

炭水化物
代謝経路イメージ図
アルコール
グルコース
インシュリ
ン・運動
GLUT2
△I
アディポネクティン
GLUT4
グリ
コーゲ
ン
グリコーゲン
脂肪細胞
グルコース
グリセロール
ジヒドロキシアセトンリン酸
ピルビン酸
乳酸
△I
肝臓
肺
糖
新
生
グリセロー
ル3リン酸
中性
脂肪
中性脂肪
ピルビン酸
無
乳酸
酸
素
解
糖 骨格筋
系
コレステ
ロール
クエン酸
ミトコンドリア
遊離脂肪酸
腎臓
脂肪酸
有 酸 素 解 糖 系
ク エ ン 酸 回 路
△I
解 +I
糖
系
アセチルCoA
酸素
Co2
アミノ酸
血糖
グルコース6リン酸
+I
タンパク質
リンパ管⇒
血管
小腸
+I
1
脂肪
ケトン性
アミノ酸
リボゾーム
水
電子伝達
系
構造タンパク
ATP
尿酸回路
糖原性アミノ酸
栄養素の代謝
2
炭水化物(糖類)は、小腸でグルコース(ブドウ糖)に消化され、GLUT2を介し、K/Naポンプにより小腸管で吸収され、門
脈を経由し、膵臓から肝臓に移行する。(Naと結合して吸収されるので、塩分はブドウ糖の吸収を促進する)
膵臓を経由する過程で、グルコース濃度に誘発され、インスリンが放出される。
肝臓に移行したグルコースは、4つの経路の何れかを進み、
①一部はそのまま血管に放出され体内に供給され、各組織では、GLUT4を介し、脂肪細胞から放出されたアデポネクチ
ンやインスリンに触媒され、細胞内に吸収される(骨格筋はグルコースの70%を吸収)。細胞質で無酸素解糖され、更に
ミトコンドリアで有酸素解糖(クエン酸回路)され、電子伝達系によりATPを産生し生命活動を維持する。(無酸素解糖では
2モルのグリコーゲンから2モルのATP。有酸素解糖では37モルのATPを産生する)<グルコース放出・解糖>
②インスリン濃度が高い場合には、グルコース6リン酸からグリコーゲンとなって貯蔵が促進される。(骨格筋にも貯蔵さ
れるが、多くは肝臓、70kgの男性で370gのみ600kcalの貯蔵可能)<グリコーゲン貯蔵>
③無酸素で解糖され、クエン酸から産生された脂肪酸と、グルコースから産生されたグルコース3リン酸とが結合しトリグ
リセロール(中性脂肪)が合成される(グルコース50gで14gの中性脂肪)。<中性脂肪合成>
④又は、解糖系のアセチルCoAからコレステロールが合成される。<コレステロール合成>
⑤一部はクエン酸回路から糖性アミノ酸が合成され、蛋白質に転換する。<アミノ酸合成>アルコールの過剰摂取は、グ
ルコースから解糖され中性脂肪が産生され、肥満を誘発する。
⑥アエチルCoAは、ATPが不足している時(運動時など)はクエン酸回路にスイッチし、過剰なときは、クエン酸から脂肪酸産
生にスイッチする役割を果たす(グルコースの50%は、脂肪又は蛋白質に転換する。)②~⑥は黒矢印
食事時には膵臓から分泌されたインスリンが、グリコーゲンの産生を亢進するが、少ないとそのまま血中に放出される。
(肝臓の糖取り込み率の低下)また、骨格筋がインスリン抵抗性となると食後高血糖となる。
脂質は、小腸からリンパ管で吸収され、血管に放出され各組織に供給される。各組織では、脂肪酸とグリセロールに加水
分解され、グルコースの解糖系に入り、燃焼される。過剰な脂肪は、脂肪細胞に蓄積される。(蓄積されると脂肪細胞は膨
張し、肥満となる)
蛋白質は、小腸でアミノ酸に消化され、小腸で吸収され各組織に供給される。各組織は蛋白質を合成され、各種酵素、構
造蛋白(コラーゲン)に使用される。不要なアミノ酸は、糖新生でグリコーゲンに、解糖系から脂肪酸に転換される
空腹時(有酸素運動時)には、貯蔵してあったグリコーゲンの分解や中性脂肪と蛋白質の分解が促進され、糖新生により
グルコースを産生する。また、無酸素運動時には、筋肉から放出される乳酸から糖新生される。
中性脂肪の加水分解により産生したグリセロールは細胞質でグルコースに、脂肪酸はミトコンドリア内に移行しアセチルC
oAとなり、TCA回路を促進して糖新生に参加する。インスリンにより糖新生が抑制されるが、少ないと糖新生が亢進し、
空腹時高血糖になる。緑矢印
糖尿病のメカニズム
【2型糖尿】
NIDDM
3
過剰なカロリーの摂取
骨格筋量の低下
高インスリ
ン症
腎臓でのN
a吸収促進
交感神経刺激
Ca増加
水分過剰摂取
(のどの渇き)
高血圧症
骨格筋がインスリン抵抗
性(GLUT4の非活性)に
骨格筋でのグルコースの
吸収減少
過剰カロリーは、中性脂肪
に転換→脂肪肝・筋
遊離脂肪酸の増加→脂肪
毒の発現→インスリン抵
抗の拡大
肥満→アデポネクチンの産生
抑制→GLUT4の非活性
運動不足→非インスリンでの
GLUT4活性化減少
隠れ糖尿
インスリン量の低下
ランゲ
ルハン
ス島の
アポ
トーシ
ス
血中に余分な糖、中性脂肪が滞留
=食後高血糖
【1型糖尿】
脂肪細胞の脂肪
酸遊離抑制力の
減少
糖新生の抑制力減少
=空腹時高血糖
肥満の経路
加齢
運動量の減少
筋量の減少
脂肪毒の産生・
血圧上昇・血糖・
血中脂肪の増加
基礎代謝減少
アディポネクティ
ン産生の減少
骨格筋グリコー
ゲン満杯
脂肪細胞の肥大
=肥満
骨格筋インシュ
リン抵抗性
脂肪細胞への脂
肪蓄積
骨格筋インシュリ
ン感受性回復
アディポネクティ
ン産生の増加
4
有酸素運動
骨格筋インシュ
リン抵抗性でも
GLUT4を活性
化し、グルコー
スの取り込みを
亢進
クエン酸回路によ
る、脂肪の燃焼
脂肪細胞の縮小