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活動カリキュラム 活動プログラム について 「宇宙教育リーダー育成」委員会 中 村 隆 嗣 中村教育研究所代表 特定非営利活動法人日本宇宙少年団 備後ローズスター分団専務理事:事務局長 はじめに ~ながれ ※「宇宙教育の目標」「リーダーの役割と子ども理解」受講済み、 を前提としています ※基本形のため、写真、デザインなどを省略しています • カリキュラムはなぜ必要か • 宇宙教育カリキュラム構築の手順 – 年間活動計画の立案 – 各回の活動計画・プログラムの立案 • 活動計画を立案してみよう 【実習】 • おわりに カリキュラムはなぜ必要か • カリキュラムとは – 教育課程。教育の内容・計画・時間を発達段階や学習目 的に応じて配列したもの – 走るコース、走路 ~ 人生の来歴、教育経験の来歴 • 社会教育におけるカリキュラムの必要性 – 参加者の成長や指導者の資質向上のために – 具体的な「目指す姿」を設定することで、参加者と「見通 し」を共有することができる – 指導者に求められる知識・能力を見定め、研修や交流、 実践経験の積み上げの目標を具体的に把握することが できる – 参加者の成長について、尺度を持って見とることができる ようになり、「気付き、ほめる」ことができる – 活動について、バランスよく計画・実施することができる 宇宙教育カリキュラム構築の手順 (プログラム) 1. 実態の把握 …(参加者・指導者・取り巻く環境) 2. 目指す子ども(参加者)の姿の検討・共有 3. 年間活動計画の立案 4. 各回活動計画(プログラム)の立案、手だて・重 点の明確化 5. 各活動をふまえての再調整 1. 実態の把握 …(参加者・指導者・取り巻く環境) 2. 目指す子ども(参加者)の姿の検討・共有 1.2.は平行して検討をおこなう 「主役は子ども」をキーワードに… 1.実態の把握 …(参加者・指導者を取り巻く環境) • 参加者について – 年齢構成、興味関心の方向、現状のスキル – 人間関係、 – 保護者の関与度、関心の方向、期待など • 指導者を取り巻く環境 – 指導者の構成、得手不得手、興味関心の方向 – 活動環境(活動場所、予算、指導助言者の有無) – 地域との連携協力(行政、地域組織ほか) • 過去の活動履歴など 2.目指す子ども(参加者)の姿 の検討・共有 • 実態把握とあわせてブレインストーミング • 具体的に「こう育ってほしい」というリーダー側 の願い・ねらいを洗い出し • 優先順位を明らかにして、リーダー間で共有 • そこへ至るためにどのような活動、手だて、関 わりが必要かを検討 → 重点課題の具現化 3.年間活動計画の立案 ※数年に一度は長期目標(複数年)目指す方 向の検討 3-1)目標の明確化とストーリーの構築 3-2)カリキュラムマップの活用 ~宇宙教育ス トーリー 3-3)具体的な活動の配置のノウハウ例 3-1)目標の明確化と ストーリーの構築 • 実態の把握、及び長期目標に基づき、検討 – 活動・内容に関わる目標 • 宇宙・科学教育の内容・活動の質に関わる目標 • 宇宙・科学への興味・関心、知識・技能の向上 – 資質・能力に関わる目標 • 将来、社会で活躍する上で必要となる資質、能力に関わ る目標 • 例)コミュニケーションに関わる諸力、人間関係力、発想力、 持久力、探求心、社会・自然事象に対して興味関心を持 つ力、プロジェクト立案・遂行能力、地域社会と関わる力、 • 生活・学習に関わる基礎・基本的な技能、知識 例)工作技能ほか 3-1)目標の明確化と ストーリーの構築 • 内容に関わる目標・ねがいから年間の軸となるテー マの絞り込み – 例)「飛ぶ」「宇宙での生活」「探査機・ロボット」など – →3-2)カリキュラムマップの活用 • テーマに関わる「実現可能な活動」の洗い出し →ブ レインストーミング • 活動内容の整合性、順序、実態(参加者の興味関 心・技能、リーダーの準備状況等)に応じた活動の 配置の最適化 3-2)カリキュラムマップの活用 • 活動資料「カリキュラムマップ」を参照 →(p.8) • 各活動を意識的・具体的に「宇宙・科学」に関 連づけるために • 活動を仮配置 → 活動の重点、弱点を確認 • 長期的には活動のバランスがとれるように心 がける • 先進実践事例などを参考に • カリキュラムに関係なく、活動のプログラム化 カリキュラムマップ 4.年間活動計画の立案 • 留意したい4つの観点 1.動機・興味関心の喚起・持続 2.活動の深まり・つながり(性質) 3.集団としての成長 4.技能・知識 ※カリキュラムに沿うものとそうでないもの(プロ グラム) 年間活動計画立案の際の、おおまかなねらいの持ち方の「例」 活動の性質 集団と個人 コミュニケーション ・「やってみたい」「知 りたい」と実感できる ・どんなことをするか 見通しを持たせる ・比較的に簡単 に取り組め、すぐ に成果が見える 活動 ・完結する活動 ・アイスブレーキング ・年齢に応じて、集団の 役割を意識させる ・異年齢の関わり ・リーダーとの関係構築 ・概要をつかむ ・基本的な道具の 活用 ・ ・テーマに関わる全 体像をとらえる ・ひとりひとりが興 味・自信が持てる ジャンルを持つ ・テーマに関わる 代表的な課題・ 内容に触れる ・グループで活動を進 めることができる ・場面に応じて、気軽に 話し合うことができる ・その後の活動で 必要となる知識、技 能を鍛える ・「失敗の機会」を 得る 10月~12月 【深める】 ・実態に応じて、より 高度な「わかった」 「できた」を実現し、 自己実現の機会をつ くる ・より高度な内容 ・継続活動 ・前半活動の高 度化・応用 ・グループで共通の目 標に向かって、継続的 に取り組むことができる ・自らの意見を互いに 述べることができる ・既習技術を活用・ 応用することができ る ・より専門的な知識 技能を得る 1月~3月 【まとめる】 【つなげる】 ・成就感・達成感が 得られる ・次に取り組みたい テーマを見つけ、意 思表示できる ・発表・交流 ・大きな課題の 完成 ・他者からの評 価 ・グループの一年間の 取り組みを振り返る ・グループ活動の良さ に気付き、関わって良 かったと実感できる ・成果物などから振 り返り、まとめること ができる ・一年間の成長を 跡づける 月 4月~6月 【つかむ】 7月~9月 【広げる】 動機付け 興味関心の高まり 技能・知識など 実態に応じた運用を • 参加者の参加意欲を損なわせないために – 合宿、外部人材・専門家の登用、見学・実習など を合間に組み入れる – 参加者・リーダーの実態に応じて、各活動の重点 の見直し、順番の組み替えなどを柔軟におこなう • 参加者の多年継続の傾向に従って、動機付 け、技能向上、ストーリーの継続・発展などに 留意したい 4.各回活動の立案(企画書の作成) • その回の活動内容が持つ魅力、重点はどこか • 参加者の実態に照らし、技術・知識的な課題点はど こか • (特に)解決が困難な課題はどれか – その課題は事前の準備により回避可能か • 最も時間を掛けて取り組ませたいところはどこか – リーダー(大人)の手伝うところ、見守るところはどこか • 全体の時間進行に無理はないか • 安全への配慮 • 「企画書」は団体長宛に提出し、協議に掛けるもの 各回活動案の項目例 • 活動名 • 目標・ねらい – 目標① …(内容面の目標) – 目標② …(資質・能力に関わる目標) • 活動の流れ – 活動の順番、時間の目安 – 指導上の留意点 – 支援・指導(関わり)と評価(みとり)のポイント – 人員配置、安全上の配慮 – まとめ、次回の活動への【つなぎ】 活動名、目標について • 活動名 – できるだけ魅力ある、参加者・リーダーを引きつ けるネーミングを • 目標 – できるかぎり具体的に、期待する参加者の姿、成 果が見て取れるように記述 – 年間活動計画、および参加者の実態を勘案して 設定 ※必ず忘れず【あいさつ】を… 活動の流れ ①導入場面 • 一回の活動を3~4場面に区分 • ①導入場面 – 今回の活動を意識づける – 「やってみたい」 – これまでの活動とのつながり – 「課題となるポイント」「安全に関わる留意点」など 活動の流れ ②③活動・展開場面 • 中心となる活動に焦点化 • 複数の活動が内在する場合 には優先順位づけ • 活動の難易度により、無理の ない時間配分を • 参加者自身で解決困難な課 題については事前準備等に よる回避の検討を • 安全に関わる留意事項があ る場合には、リーダーの配置 ・役割分担などに留意 • 活動の中心 – 参加者が興味を持つところ – 課題の難易度が高いところ • ただし、参加者の能力・意欲ででき るぎりぎりの(可能であれば、ほんの 少し上回る)ところを勘案して – ↑基本的には時間内で解決できる ように – 必要に応じて、作業場面③と中心課 題解決・共有・実行場面④に区分 ※活動記録を必ずおこなう • 写真撮影など • まとめ・ふりかえり・ポートフォリ オなどで活用 活動の流れ ④まとめ • かならず、その会の活動を まとめる時間を確保する – 例)5分話し合い+10分感想 文記入(合計15分) • 活動の中で見られた評価 ポイントについて伝える – 頑張った、工夫した、根気強 く取り組んだ、なかまと協力し て取り組んだetc. – ひとりひとりのこだわり、これ までとの変化(成長)をできる 限り捉え、【ほめる】 • 【つなげる】 – 次回以降、あるいは次の機 会に直接繋がる活動がある 場合には、言及 – 次回の活動について、動機 形成、及び準備、予習すべき 項目等について説明 ※活動終了後、速やかにその 日の活動の検討会(反省会 )の開催 活動案(企画書)を作成してみよう • ワークシートを参照 • ワークシートの項目に従い、教材集から教材 を選んで、一回の活動計画を立案しよう • 前半は各個人で取り組んでください。 • 後半はグループで打ち合わせ、完成させてく ださい 企画書の様式(必要事項) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. ※ ※ ※ 日付・宛先・差出人(企画者) 主題 前文 本文 (1) テーマ(活動主題) (10) 服装など (2) 目的 (11) 問合せ先 (3) 内容 (12) 緊急時連絡先 (4) 日時(含:雨天時の留意事項) ① 警察 ② 消防 ③ 病院 (5) 場所(会場) ④ 参加者の家庭 (6) 参加申し込み締切日 (13) 会場までの案内図 (7) 参加費 (14) 担当リーダー (8) 準備物 ① 事務局対応の物 (15) 役割分担 ② 参加者持参の物 (16) 収支予算書 (9) 具体的な日程や活動内容 (17) その他 危機管理・安全対策に関する事項 返信用葉書・案内状原稿 その他 (17)の内容としては:製作講座の場合は、具体的な立体図か設計図面など リーダーの事前研修会が必要な場合は、その日程・内容・場所・指導者など 7. その他の内容としては:1.~6.に入らないもので必要と考えられるもの総て 「カリキュラム」と「プログラム」 ・Curriculum(カリキュラム) もとはラテン語の「走る」(currere)から由来した言 葉で、「走るコース」「走路」「ランニングコース」のこと。 第2次大戦後、アメリカから入ってきた概念で「教育 課程」と呼びかえられている(文部科学省)。 ・Program(プログラム) (・・)の計画・予定・行事計画・スケジュール・日程 ギリシャ語programma(pro→前もって + gramma →書いたもの) ある物事の進行状態についての計画や予定、予定表 ・プログラムはカリキュラムにはしばられません。戦略 (カリキュラム)と戦術(プログラム)と理解されたい。 おわりに • カリキュラム、活動内容について、外部機関、 他地域のリーダーと連携を • 【可視化が大切】面倒でも、例に挙げた項目 を意識して、計画立案を – 慣れれば時間もかからないように – 確実な【気付き】【予測】につなげるために – 年間計画に基づきつつ、参加者の実態に応じ、 柔軟に各回活動の組み替えを • 参加者の、社会で活躍する「人としての成長」 をより確かなものとするために