研究室訪問パワーポイント

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Transcript 研究室訪問パワーポイント

2010.12.20 (mon)
研究室紹介
~素粒子実験研究室~
presented by High Energy Physics Lab.
Today’s Topics
素粒子とは?実験して何がわかる?
グループの紹介
– CDF実験
– ILC計画
– ATLAS実験
– STJ検出器
研究室での生活について
質疑応答
各グループの見学(希望者)
素粒子実験研究室
ニュートン祭研究室紹介
佐藤構二
12月20日
素粒子物理学とは
物質を細分化していくと何に行き着くか?
それ以上分けられない物質は?
⇒ 物質の究極の構成要素=素粒子
水の分子10-7cm
原子核10-12cm
クォーク≤10-16cm
?
酸素原子10-8cm
陽子10-13cm
?
物質を構成する素粒子
• 物質は、クォークとレプトンからなる。
• クォーク、レプトンそれぞれ3世代。
物質を構成する素粒子
• 重力はまだ、素粒子に働く力としては観測さ
れていない。
素粒子の質量
物質粒子
ゲージ粒子
第1世代
クォーク
レプトン
第2世代
第3世代
u
3 MeV
c
1.25 GeV
t
173.3 GeV
d
5 MeV
s
100 MeV
b
4.2 GeV
ne
nm
nt
~0
~0
~0
e
0.511 MeV
m
t
106 MeV
1.77 GeV
(強い力)
g
0
(電磁力)
g
0
(弱い力)
W
Z
80.4 GeV
91.2 GeV
• 力を媒介するゲージ粒子のうち、なぜWとZ
だけが重いのか??
質量とは?
ビッグバン直後
粒子は真空から力を受けずに飛
び回る。
現在
真空にはヒッグス場が充満して
いる。
粒子はヒッグス場(粒子)とぶつ
かりながら飛ぶので抵抗を受け
る。 ⇒ 質量を獲得
ヒッグス機構
ヒッグスポテンシャル
• V (f) = m2f2 + lf4 ( l
ビッグバン直後
m2>0
現在
m2<0
ヒッグスポテンシャル
真空
自発的対象性の破れ
(真空の相転移)
真空
ヒッグス場
F1,F2は複素数。
標準理論の世界
標準理論の成功
• 世界中さまざまな実験でいろ
いろな物理量が測られている
が、いまのところ標準理論と矛
盾する結果はない。
• いまのところ大成功を収めて
いる理論。
全部3σ以内で一致!!
標準理論の問題点
第1世代
クォーク
レプトン
第2世代
第3世代
u
3 MeV
c
1.25 GeV
t
173.3 GeV
d
5 MeV
s
100 MeV
b
4.2 GeV
ne
nm
nt
~0
~0
~0
e
0.511 MeV
m
t
106 MeV
1.77 GeV
(強い力)
g
0
(電磁力)
g
0
(弱い力)
W
Z
80.4 GeV
91.2 GeV
ヒッグス
H
?
• なぜ3世代あるのか説明していない。
• 重力が入っていない。
• クォークとレプトンの質量は、標準理論では予言できないフリーパラメータである。
– Mtop/Me ~O(105)
• 実験で決定すべきパラメータが多すぎる。
→ 標準理論を超えるもっとよい理論があるのではないか?
提唱されている新しい理論
超対称模型
超対称性のために2次
発散がない。
余剰次元模型
時空は4次元以上。
標準模型の粒子はブレイン上に。
プランクスケールは実は小さい。
Little Higgs模型
Higgs粒子は対称性の破れの
NGボソンなので質量が軽い
ことは保障されている。
Higgsless模型
Higgs粒子が実は5次元にすむ
ゲージ場の一部。
ゲージ対称性で軽い質量を保障。
Technicolor模型
強い未知の相互作用で
標準模型のゲージ群が破れた。
13
どれが正しいのか、どれが間違っているのかは、実験データで検証しなくては
いけない。
どう検証していくか。
• すでに見つかっている粒子(Bハドロン、トップクォーク、W、Z、νなど)をじっくり精密
測定して、標準理論からのずれ(新しい理論のヒント)を探す。
• 未発見のヒッグス粒子探す。
• ヒッグス粒子を発見後、じっくりと精密測定することで標準理論が説明で
きないことに関するヒントを探す。
• いままで発見されている素粒子とは性質がまったく違う粒子なので、期待
大!
• 標準理論にない新しい素粒子を探す。
• 超対象性粒子、重力子、テクニカラー粒子、クォークの内部構造など。
• 素粒子同士を衝突させて、粒子を作り出す。
→ 高エネルギー加速器実験
• 宇宙の構成・進化の過程の中での素粒子反応を理解する。
• ダークマター(暗黒物質)が物質的に何であるかはまるでわかっていない。
• ダークマターは未知の素粒子かもしれない。
• 宇宙の構成を素粒子の反応として理解する(ビッグバン理論へのインプット)。
• 宇宙から降ってくる素粒子を観測し、新粒子発見、精密測定を目指す。
→ 衛星による観測・地上での観測
高エネルギー加速器実験
• なぜ素粒子を高エネルギーに
加速して衝突させたいか?
– もし素粒子に内部構造があれ
ば、十分にエネルギーを与えれ
ば素粒子を壊すことができる。
(実際に陽子を衝突させるとき、これ
ほど単純なことがおこっているわけ
ではない...。)
– 素粒子間の反応で生成された粒
子、およびその粒子が崩壊を調
べる。
重心系エネルギーとルミノシティ
• 相対論の不変質量は
M 2  ECM  p CM  ECM  ( E1  E2 ) 2
2
2
2
( pCM  0)
2
– M新粒子<ECM以内の粒子なら生成される可能性あり。
– 衝突の重心系エネルギーが新粒子(ヒッグス)質量よ
り大きくないと、 新粒子は発見できない。
– 重い新粒子探索は世界最高エネルギーの加速器で
行うのが効率的。
新粒子
• ルミノシティ L
– 反応断面積σの単位は b (=10-24cm2,バーン)
• pb (=10-12)を使うことが多い。
– 反応断面積に掛けると事象数になる量、
• したがって単位はpb-1
• ルミノシティLはデータ量を表す。
1
n  L
2
ハドロン衝突型加速器
• レプトン衝突型と違って、ハドロン衝突型加速器では、素過程
(興味ある素粒子反応)に全エネルギーを使えない。
– Spectator Partonがエネルギーを持ち去ってしまうため。
• 重心系エネルギーの10分の1くらいを使える(目安)。
– 重心系エネルギー2 TeVのTevatron
⇒200 GeVくらいまでのヒッグス粒子を探せる。
Parton
distribution
p
p
Spectator partons
ヒッグス
粒子生成!
最近から近未来の最高エネルギー加速器
SLC
e +e 91 GeV
SLAC
USA
Tevatron
ppbar
1.8-1.96 TeV
Fermilab
USA
CDF実験
米国シカゴ郊外
ILC
e +e 0.5-1 TeV
?
?
トップクォーク発見
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2020
W/Zボソン発見
SppS
ppbar
630 GeV
CERN
Switzerland
LEP
e +e 91-209 GeV
CERN
Switzerland
LHC
pp
7-14 TeV
CERN
Switzerland
ATLAS実験
スイス
ジュネーブ郊外
最近から近未来の最高エネルギー加速器
SLC
e +e 91 GeV
SLAC
USA
Tevatron
ppbar
1.8-1.96 TeV
Fermilab
USA
CDF実験
米国シカゴ郊外
ILC
e +e 0.5-1 TeV
?
?
博士課程: トップクォーク発見
CDF・ATLAS実験に参加し、現地で長期滞在。
修士課程:
日本での活動が主だが、多くの学生は数ヶ月
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2020
間の海外学習を体験(宇宙氏コース)。
W/Zボソン発見
SppS
ppbar
630 GeV
CERN
Switzerland
LEP
e +e 91-209 GeV
CERN
Switzerland
LHC
pp
7-14 TeV
CERN
Switzerland
ATLAS実験
スイス
ジュネーブ郊外
CDF実験:米国フェルミ国立加速器研究所
シカゴ郊外にある高エネルギー物理の研究所
CDF
2k
m
20
ATLAS実験:スイスCERN研究所
ジュネーブ郊外にある高エネルギー物理の研究所
粒子の同定,電荷・運動量の測定
ミューオン検出器
最小電離作用のみ
ハドロンカロリメータ
横方向消失エネルギー
電磁カロリメータ
電磁シャワー
ソレノイド電磁石
Time of Flight
ハドロンシャワー
ドリフトチェンバー
シリコン飛跡検出器
衝突点
ジェット
粒子検出に用いられる技術
(CDF実験の例)
プラスチックシンチレータ
光電子増倍管
微弱な光を電気信号
に変換する。
左のシンチレータと
組み合わせて荷電粒
子をとらえる。
ワイヤーチェンバー
荷電粒子の通過に伴い微弱な光を出す
荷電粒子の通過した位置を数十ミク
ロン間隔で埋め込まれた電極により
測定
シリコンマイクロストリップセンサ
荷電粒子が通ると充満されている
ガスが電離してワイヤーに信号を23
研究室のアクティビティー
• CDF実験 (Tevatron加速器、米国フェルミ国立加速器研究所)
– 2TeV 陽子・反陽子衝突実験 現在稼動中
– 物理解析 (トップクォーク、B粒子、強い相互作用、電弱相互作用、ヒッグ
ス粒子等未知粒子の探索)
– 検出器運転・維持
• ATLAS実験 (LHC加速器、欧州合同原子核研究機関、スイス)
–
–
–
–
14TeV(現在は7GeV) 陽子・陽子衝突実験 2009年開始
検出器開発 (シリコン飛跡検出器)
検出器運転・維持(シリコン飛跡検出器)
物理解析物理解析 (トップクォーク、B粒子、強い相互作用、電弱相互作
用、ヒッグス粒子等未知粒子の探索)
• ILC実験
– 電子・陽電子衝突型線形加速器 計画中
– 検出器開発 (カロリメータ)
• STJ検出器開発
– 宇宙背景ニュートリノの発見・観測を目指す新しい衛生実験
– n粒子崩壊光検出を目指した検出器開発
24
4年生の課題
• 4年生は、素粒子物理や測定器開発の基礎
を学びながら、決まった課題について研究を
行います。例年、検出器の開発・テスト(ハー
ドウェア、ソフトウェア)を行っています。
– ATLAS: 検出器開発(シリコン飛跡検出器)など
– ILC: カロリメータ用光検出素子の開発など
– CDF: カロリメータ用光電子増倍管(PMT)の研究
– STJ: 超伝導赤外線検出器の開発
25
研究室メンバー
• 教授: 金信弘、受川史彦
• 講師: 原和彦、武内勇司、佐藤構二
• 研究員: 倉田正和(CERN)、戸村友宣、三宅秀樹、永井義一
ATLAS
CDF
ILC
STJ
2
1
1
2
D3
D2
2
D1
2
M2
2
M1
4
4年生
3
1
1
1
26
研究室メンバー
• 教授: 金信弘、受川史彦
• 講師: 原和彦、武内勇司、佐藤構二
• 研究員: 倉田正和、戸村友宣、三宅秀樹、永井義一
•
•
•
•
D3:
D2:須藤裕司、武政健一
D1:塙慶太、林隆康
M2:木内健司、黒川悠文、小池博子、田中航平、橋本就吾、
濱崎菜都美
• M1:園城尊、小池憲一郎、新庄康平、高橋優、望月一也、
丁亨尚、萩原達也
• 四年生:石神健太、大宮唯、金井伸也、堀内元貴、山田崇
人
ATLAS, CDF, ILC, STJ
27
最近の卒業生の進路
• 修士課程修了者
2009年度:日本原子力研究開発機構(2)、NTT東日本、浜
松ホトニクス、エプコ、博士進学(4)
2008年度:シャープ、日立、博士進学(3)
2007年度:東芝、NEC
2006年度:IBM、富士通、NEC
2005年度:手代木中学、日本電産、博士進学(1)
• 博士課程修了者
2008年度:早稲田大、東京大
2007年度:東京大、放射線医学研究所、キーウォーカー、
2006年度:ブレインチャイルド
2005年度:米国フェルミ国立研究所、カナダ・トライアンフ研
究所、信州大
おわりに
• 素粒子物理学
• ハードウェア(検出器開発、エレクトロニクスなど)
• ソフトウェア(特に、Unix/Linuxや、C++などのオブジェク
ト指向プログラミング)
に興味がある意欲的な学生の来訪を期待しています
29
CDFグループ
紹介
研究室訪問
2010年12月
修士2年 橋本
現在行っている研究
CDF実験は長期間にわたる実験
(2001年~2014年?)
CDF実験で使用されている光電子増倍管の
長期的な特性の変動を知る必要がある。
長期に渡り測定した例
この研究室で学べること
•
•
•
実験装置の制御
– 手動でミス無いようにコンピュータから自動で。
実験結果の解析
– 膨大なデータを扱う。
コンピュータの取り扱い
プログラミング(C++)
統計処理
– データはきちんと誤差とかも整理して誰が見ても納
得のいく結論とその理由を示す。
実験のセットアップ
– 必要な装置を調べ、集める。
ハードウェアの取り扱い
– 無いもの(で簡単なもの)は作る。
ものを作ったりいじったりする楽しさ
– いろいろな装置を組み合わせる。
•素粒子物理という世界の究極の所の物理
•自分の手で扱う実験
二つの相反しそうなもの両方に触れるこ
とができる
+α コンピュータは主にLinuxを使っているのでコンピュータに強くなれるかも
33
4年生から見た研究室
•
•
•
•
•
•
•
仲が良い。
先生、先輩方が素敵。
自分のペースでできる。
飲み物が充実している。
PCが山ほどある。
海外出張が多い。
スポーツが好きな人が多い。
34
最後に
たのしい研究室です!
35
LHC and ATLAS Detector
MONT BLANC
Lac Léman
Geneva Air Port
LHCb
CMS
ATLAS
ALICE
37
2010年度の研究課題
1.P型Si 放射線試験
レーザーによるPTPの評価
Lorentz角の評価
卒論では主にここらへん
新しい検出器を作るための研究!
KEKで実験することが多いかも。。
2.SOI 荷電粒子の検出、薄型化
3.ATLASの調整と運転
γコンバージョン物質量
Zによる運動量スケール評価
飛跡再構成の研究
SCT運転シフト
4.ATLASでの物理Z粒子⇒Higgs?
τ再構成の研究
W+jets⇒top?
jet生成の研究
J/Ψの生成
SUSYやBHを見つける
PC中心!
新しい物理を見つけるための研究
研究場所は自分のデスク
詳しくは見学で!!
STJ group
2010/12/10
41
目的
ニュートリノは νi →νj +γと崩壊する(i>j, i=2,3)。
この崩壊光のエネルギー分布を測定し、
ニュートリノの質量を決定する。
2010/12/10
42
超伝導トンネル接合素子(STJ)
Superconducting Tunnel Junction : STJ
超伝導膜/絶縁膜/超伝導膜の構造のジョセフソン素子
絶縁用のSiO2 、読み出し配線、基板
超伝導膜 : Nb、Al
配線 : Nb
基板 : Si
がよく用いられる
超伝導膜
絶縁用のSiO2
200μ角
5mm
絶縁膜
100μ角
5mm
50μ角
基板
2010/12/10
読み出し配線
43
研究・活動内容
• STJ検出器の制作(@KEK)
• STJの性能評価
• 光源study
2010/12/10
KEKクリーンルーム
希釈冷凍機
44
研究室での生活
Memories
ご清聴ありがとうございました。
みなさんが自分にあった研究室に入れるよう応援しています。
◆ここからの流れ◆
希望者は各グループの見学をすることができます。
(CDF ATLAS ILC STJ)
各グループの先輩が実験器具などを説明してくれます。
研究以外のことでも何でも質問してください!
休憩後、この教室から移動を開始します。