第14回日本の放送制度

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メディア論
第14回日本の放送制度
(2014.7.14)
担当:野原仁
本日のテーマ
日本の放送の仕組みについて
放送法の具体的な検討
電波法の具体的な検討
テレビの種類と放送局
地上波アナログ:NHK・地上波民放
地上波デジタル:同
BSアナログ:NHK・WOWOW
BSデジタル:NHK・民放キー局系列
局など
CSアナログ:すべて終了
CSデジタル:スカパー・そのほか準備中
CATV
放送局をつくるには?
誰でも自由に作ることができる
しかし、電波を発射するには。国か
ら免許を発行してもらうことが必要
なぜ?=①電波の希少性②放送の社
会的責任
電波の希少性とは?①
電波の希少性とは②
電波=有限の資源=人類共通の財
産
国連電気通信連合(ITU)を通
じて、各国に利用できる周波数帯
を配分
それぞれの国は、法律にもとづい
て、免許の付与により電波を利用
できる人を特定・制限
日本のテレビ・ラジオを規制する法律
放送法(&それに関連する諸規定)
放送の仕組みや内容について細かく定
められている
有線テレビジョン放送法(&それに関連
する諸規定)
電波法(&それに関連する諸規定)
放送だけでなく、あらゆる電波の利用
に関することや免許の交付条件などにつ
いて細かく定められている
日本の放送制度の特徴
1. 公営放送(=NHK)と商業放送
との2本立て
2. 国による中央集権的管理
3. 放送監理行政の政府からの非独立
性
4. ハード(放送設備)とソフト(放
送番組)の両方を兼ね備えている
放送局がメインになっている
NHK=日本放送協会
 総務省の特殊法人
 「みなさまの受信料」で運営さ
れている
 組織や運営方法が放送法に細か
く定められている
 予算や人事は国会の承認が必要
 職員数約11,000人
地上波商業放送=民放
 地上波放送局はテレビ・ラジオあわせて全





国に202社
すべて株式会社
スポンサーからの広告料が収入の中心
地上波テレビは5つ・中波(AM)ラジオは
2つのネットワークを組んでいる
ネットワークとは、加盟各社が協定を結ん
で番組のやりとりをしたり、取材を分担し
て行ったりする連合体のこと
東京のキー局・大阪の準キー局・その他の
地方局の3種類がある
電波法の主な規定
放送局の免許に関する規定
放送局の施設に関する規定
電波の強さや届く範囲につ
いての規定
などなど
放送法の主な内容
番組内容に関する規定
放送の指導監督に関する規定
NHKの仕組みに関する規定
民放についての規定
などなど
放送法のポイント①
第1条:政府にこの目的を達成
するような政策をとるように義
務づけたもの
第3条~第6条:すべての放送
事業者に義務づけたもの
第7条など:NHKにだけ義務
づけたもの
放送法のポイント②
第1条=政府の義務
1. 放送がすべての国民に役立つよう
にしなければならない
2. 放送の不偏不党・真実を保障しな
ければならない
3. 放送が民主主義の発展に役立つよ
うにしなければならない
放送法のポイント③
第4条=放送局の義務
1. 公安及び善良な風俗を害しない
2. 政治的に公平であること
3. 報道は事実をまげないですること
4. 意見が対立している問題は、でき
るだけ多くの角度から論点を明ら
かにすること
NHKの
組織
NHK経営委員会とは
NHKの最高議決機関
委員は名目上は「国民の代表」
衆参両院の同意を得て、総理大臣が任
命
NHK外部の人間に限定
実際は、自民党と総務省が委員の人選
を行う
財界人が多い
経営委員会の主な仕事
予算の最終決定
事業計画の最終決定
番組基準などの最終決定
会長の任命&副会長・理事の承認
などなど
経営委員会の実情
理事会の原案をそのまま承認するだけ
月1回お茶のみ会に参加するだけ
詳細は不明だが、かなりの報酬をも
らっているらしい(月1回のお茶のみ
会参加で100万円?)
委員のほとんどは放送の素人
単なる「お飾り」の印象が強い
会長と理事会
実質的にNHKの運営を仕切っているの
が理事会であり、そのトップが会長
理事会は、会長・副会長・理事で構成
される
副会長・理事は会長が任命する
会長と理事会の実情
会長は、経営委員会が任命することに
なっているが、実際は自民党が決めて
いる
副会長・理事は派閥争いで決まるが、
会長が任命するので、会長の独裁体制
になる危険性がある
NHKと国会・内閣の関係
経営委員の任命
総理大
臣
経営委員の承認
NHK
国会
予算・事業計画などの承認
国際放送などの実施要請
総務大
臣
業務報告書の提出
業務報告書の報告
など
など
受信料とは?
放送法64条:協会の放送を受信する
ことのできる受信設備を設置した者は、
協会とその放送の受信についての契約
をしなければならない(後略)
NHKをみんなで支える負担金
払わなくても罰則はない
ラジオだけなら払わなくてもよい
受信料の実情
下宿生で受信料を払っている人は?
受信料を払っていない人=NHKの発表
では10%だが、実際には30%近い
人が払っていない
受信料だけとって視聴者の意見は無視
する傾向が強い
日本の民放の特徴
親会社が新聞社というところが多い
ネットワークは全国紙ごとに形成され
ている→日本テレビ系列=読売新聞、
TBS系列=毎日新聞、フジテレビ系
列=産経新聞、テレビ朝日系列=朝日
新聞、テレビ東京系列=日本経済新聞
ネットワークに所属しない、「独立U
局」と呼ばれる局も13ある
NHKと政治
NHKは、予算・事業計画などを国会
に承認してもらわないといけない
国会→多数決だよ→野党はどうでもい
いよ→与党の政治家にはアタマが上が
らないよ
2001年1月29日放送「問われる戦時性
暴力」改竄事件で、またもや与党政治
家への「媚びへつらい」が露呈
民放はどうなの?
何か問題を起こすと…法的には
総務省から厳重注意&最悪
は免許取消
国会から厳重注意
やっぱりアタマあがらない
デジタル化・多チャンネル化と放送制度
ハード(放送設備)を運営する会
社とソフト(放送番組)をつくる
会社との分離→例)スカパー
双方向放送の実現
インターネット放送が主流になる
可能性