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情報資源組織論 第11回
その他の分類法
2013年12月10日(火)
第4時限
R101教室
復習小テスト
1. 日本十進分類法の略称は何か?
2. 日本十進分類法の第一次区分で「3」は何を表
すか?
3. 日本十進分類法の第三次区分で数学(全般)
はどう表されるか?
4. 日本十進分類法で言葉から記号を検索できる
ツールを何と言うか?
5. 形式区分で「01」は何を表すか?
6. 分類の一貫性を保つため、主題が複合的な場
合の取り扱いを定めたルールを何と言うか?
分類法・分類表の種類
• 対象領域の観点から
– 一般分類表と特殊分類表
• 利用目的の観点から
– 書架分類と書誌分類
• 使用する記号の観点から
– 純粋記号法と混合記号法
• 分類表の構造の観点から
– 列挙型分類法と分析合成型分類法
一般分類表と特殊分類表
• 一般分類表(法、規程)
– すべての主題領域を対象とする
– 例) NDC,DDC,LCCなど
• 特殊分類表(法、規程)(専門分類表)
– 特定の領域のみを対象とする
– 周辺分野を含むことも
– 例) NLMC(米国国立医学図書館分類法)
書架分類と書誌分類(1)
• 書架分類
– 資料を主題によって体系的に分類し排列する
ための分類
– 資料を書架上に並べるためのもの
– 分類記号は通常資料のラベルに表示
– 分類記号は簡潔で識別しやすいことが必要
– 一つの資料に対して一つの分類記号
– 簡略分類
書架分類と書誌分類(2)
• 書誌分類
– 資料または書誌的記録の主題を、それと外延
を等しくする分類記号で表現する分類
『図書館情報学用語辞典 第3版』丸善, 2007
– つまり妥協せずぴったりの分類を与えること
– 書誌の記録上のもので、排架のことは考慮し
ない
– 分類記号は長くなってもいいし、複数の分類を
与えることもできる
– 詳細分類
純粋記号法と混合記号法
• 純粋記号法
– 数字のみ、アルファベットのみのように1種類
の記号体系だけを用いるもの
– 例) DDC, NDC
*ピリオドなど少数の特殊記号は使う
• 混合記号法
– 2種類以上の記号体系を用いるもの
– 例) LCC(数字と英語アルファベット)、CC
(数字、英語アルファベット、ギリシア文字)
列挙型分類法と分析合成型分類法(1)
• 列挙型分類法
– すべての主題に対応した分類項目をあらかじ
め分類表に用意する方式
(例)デューイ十進分類法、日本十進分類法、
米議会図書館分類法
• 分析合成型分類法(ファセット分類法)
– 主題を複数の区分原理に基づいて多次元的
に分類し、それらを合成して表す方式
(例)コロン分類法
列挙型分類法と分析合成型分類法(2)
• 現実には完全に列挙型である分類表はない
– あり得るすべての主題を予測し、列挙しておくこ
とは不可能
– 補助表などの形で合成手法を取り入れている
• 準列挙型分類法という概念もある
– 基本的には列挙型分類法だが、補助表や組合
せ記号を豊富に用意し、かなりの程度合成手法
を取り入れているもの
(例)国際十進分類法
列挙型分類法と分析合成型分類法(3)
• 列挙型と分析合成型という二分法は不適切
という指摘も
– 表示(列挙表示か合成表示か)と構造(階層構
造か多次元構造か)とを分け、これを組み合わ
せて考えるべき
階層構造:列挙表示 多次元構造:列挙表示
階層構造:合成表示 多次元構造:合成表示
cf. 緑川信之『本を分類する』勁草書房, 1996
• が、一般には列挙型と分析合成型に分ける
日本十進分類法は
•
•
•
•
一般分類表であり、
主に書架分類に用いられ、
純粋記号法であり、
列挙型分類法である
世界の主要な分類法
• 列挙型分類法
– デューイ十進分類法(DDC)
– 国際十進分類法(UDC)
– 日本十進分類法(NDC)
– 議会図書館分類法(LCC)
– 国立国会図書館分類表(NDLC)
• 分析合成型分類法
– コロン分類法(CC)
– 書誌分類法 (BC)
デューイ十進分類法
Dewey Decimal Classification (DDC)
• Melvil Deweyが1876年に発表
• フランシス・ベーコン(1561-1626)の学問分類を
逆順にしたウィリアム・ハリス(1835-1909)の分
類が元になっている
• 17版(1965)以降、分析合成手法を取り入れる
• 最新版は2011年刊行の第23版
– 第22版は2003年、第21版は1996年
– Web版も
• 英語圏を中心に世界中で広く使用されている
デューイ十進分類法の第一次区分
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000 コンピュータサイエンス、情報および総記
100 哲学および心理学
200 宗教
300 社会科学
400 言語
500 自然科学および数学
600 技術
700 芸術
800 文学および修辞学
900 歴史および地理
国際十進分類法
Universal Decimal Classification (UDC)
• DDC第5版(1894)を国際的視野から拡張
• 1905年国際第1版(フランス語版)、1953年
日本語版簡略第1版
• 言語別、詳細度別の諸版を刊行
• 1994年の中間版改訂第3版は日本語版も
• UDC Consortium が維持管理、日本版は情
報科学技術協会が担当していたが脱退
• 分析合成手法を取り入れ、標数と呼ぶ数字と
連結記号を用いて多面的に主題を表現
議会図書館分類法
Library of Congress Classification (LCC)
• アメリカ議会図書館(LC)のための一館分類法
• 米国内の大学図書館等で採用しているところも
• カッターの展開分類法を基礎に1899年最初の大綱
を作成
• LC所蔵資料に対応した詳細な展開
• 分類記号はアルファベット1~2文字+数字で表す
• USMARCデータに付いているため分類の参考、検
索等に広く利用される
• アウトラインはWebで閲覧可能。完全版は購入が
必要
国立国会図書館分類表
National Diet Library Classification (NDLC)
• LCCを参考に国立国会図書館が制定
• 1987年改定版が冊子体としては最後
• 2003年3月から最新版をインターネット
で公開
• 分類記号はLCC同様、アルファベット+数
字
• JAPAN/MARCデータに付いているため分
類の参考、検索等に利用される
コロン分類法(1)
Colon Classification (CC)
• インドのランガナタンが1933年、世界最初の
分析合成型(ファセット)分類法として発表
• 1990年第8版
• 名称はファセット指示子として使用されたコ
ロン(:)に由来
• 理論的には優れているが、複雑で難解
• 書架分類に適用できない
• インドの少数の図書館のみで採用
コロン分類法(2)
Colon Classification (CC)
• 例)「1980年代の日本の大学図書館における古
文書の整理」という主題を表す分類記号=
2,34;128:85.42’N8
ファセット
主類
パーソナリ
ティ
フォーカ
ス
図書館学
大学図書館 古文書
記号
2
34
物
128
エネルギー 空間
時間
整理
日本
1980
年代
42
N8
85
書誌分類法
Bibliographic Classification (BC)
• ブリス(Henry E. Bliss 1870-1955)が1910
年概要発表した分析合成型分類法
• ブリス分類法協会が維持管理
• 1977-1996年第2版(BC2)
• イギリスの一部の図書館で採用
• 日本でも一部の研究者に支持される
– cf. ミルズ『資料分類法の基礎理論』日外アソシ
エーツ,1997
展開分類法
Expansive Classification (EC)
• カッター(Charles A. Cutter 1837-1903)が
1891年以降発表
• 彼の死後、1911年まで公表され続けたが
未完
• 全7表から構成、展開が行える階層性を備
える
• LCC、NDCに影響を与えるなど歴史的に
重要な分類法
分類作業のプロセス
• 分類方針の策定(図書館全体)
– 分類表の選択(ふつう日本十進分類法)
– 分類記号と資料配置の関係
– 分類表の適用範囲
• 分類記号の桁数制限と独自の展開
• 個々の資料の分類作業(カタロガー)
– 資料内容の把握(主題分析)
– 分類表へのあてはめ
第11回のまとめ
• 分類法・分類表の種類
• デューイ十進分類法、日本十進分類法、議会図書
館分類法、国立国会図書館分類法など広く使われ
ているものは列挙型に属するが、分析合成型の手
法も取り入れている
• コロン分類法、ブリスの書誌分類法など分析合成型
分類法は、理論的な評価は高いが、実用性に乏しく
実際の採用例は少ない
• 歴史的に重要なものとしてカッターの展開分類法
• 分類作業のプロセス