資料組織概説 第11回 分類法(1)

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Transcript 資料組織概説 第11回 分類法(1)

資料組織概説 第9回
分類法(1)
2011年11月15日(火)
第4時限
R101教室
復習小テスト
1.
2.
3.
4.
件名標目と分類標目の違いは何か?
日本の代表的な件名標目表を2つあげよ。
米国の代表的な件名標目表を3つあげよ。
件名標目表やシソーラスによって意味範囲
や互いの関係が定義された、限定された検
索語のことを何と言うか?
標目
著者目録
タイトル目録
シリョウ ソシキ ガイセツ
ジェイエルエイ トショカンジョウホウガク テキス
ト シリーズ 9
資料組織概説 / 柴田正美著. – 新
訂版. – 東京 : 日本図書館協会, 2001.
– 286p ; 26cm. – (JLA図書館情報学
テキストシリーズ ; 9)
シバタ, マサミ
資料組織概説 / 柴田正美著. – 新
訂版. – 東京 : 日本図書館協会, 2001.
– 286p ; 26cm. – (JLA図書館情報学
テキストシリーズ ; 9)
t1. シリョウ ソシキ ガイセツ t2. ジェイエ
ルエイ トショカンジョウホウガク テキスト
シリーズ 9 a1. シバタ, マサミ s1. 資料目
録法 s2. 資料分類法 ①014
t1. シリョウ ソシキ ガイセツ t2. ジェイエ
ルエイ トショカンジョウホウガク テキスト
シリーズ 9 a1. シバタ, マサミ s1. 資料目
録法 s2. 資料分類法 ①014
標目指示
標目
件名目録
分類目録
シリョウ モクロクホウ(資料分類法)
シリョウ ブンルイホウ(資料分類法)
資料組織概説 / 柴田正美著. – 新
訂版. – 東京 : 日本図書館協会, 2001.
– 286p ; 26cm. – (JLA図書館情報学
テキストシリーズ ; 9)
014
資料組織概説 / 柴田正美著. – 新
訂版. – 東京 : 日本図書館協会, 2001.
– 286p ; 26cm. – (JLA図書館情報学
テキストシリーズ ; 9)
t1. シリョウ ソシキ ガイセツ t2. ジェイエ
ルエイ トショカンジョウホウガク テキスト
シリーズ 9 a1. シバタ, マサミ s1. 資料目
録法 s2. 資料分類法 ①014
t1. シリョウ ソシキ ガイセツ t2. ジェイエ
ルエイ トショカンジョウホウガク テキスト
シリーズ 9 a1. シバタ, マサミ s1. 資料目
録法 s2. 資料分類法 ①014
標目指示
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分類とは(1)
• 辞書の定義
– ぶん‐るい【分類】
•
•
種類によって分けること。類別。「昆虫を―する」
〔論〕(classification) 区分を徹底的に行い、事物ま
たはその認識を整頓し、体系づけること。彙類イルイ。
– い【彙】イ
• たぐい。同類のもの。その集り。それを集めること。
「彙報・語彙」
『広辞苑第5版』
分類とは(2)
• 辞書の定義(つづき)
– く‐ぶん【区分】
• 区別して分けること。また、その分けたそ
れぞれの仕切り。区分け。「土地を―する」
• 〔論〕(division) 類概念をそれに従属する
種概念に分けること。例えば三角形を不
等辺・等辺・二等辺に分けること。概念の
外延を細分すること
『広辞苑第5版』
外延と内包
• 外延
– ある概念が適用される範囲に含まれる事物。
たとえば「動物」という概念の外延は虫、魚、鳥、
犬、猫、人間などすべての動物
• 内包
– ある概念が適用される対象に含まれる共通の
属性の総体。たとえば「動物」の内包は、自分
で動く、植物や他の動物を食べる、など
• 概念を細分化すると外延は減り、内包は増
える
図書館情報学における分類(1)
•
分類 classify
1. 多くの事物から、単数または複数のクラス
を形成または表現すること。また、クラスを
ある順序に排列すること、または特定の原
則や概念、目的、関心に従って、あるシステ
ムの中でクラスを関連付けること
2. 図書や文献のような、物自体を、それぞれ
に分類表の分類記号を付与して、分類体系
の順序に排列すること
『ALA図書館情報学辞典』丸善, 1988
図書館情報学における分類(2)
分類 classification
• 事象の中にクラスを概念的に認識し、つい
でクラス間の関係性を認識する過程のこと
– 概念に名辞を与え、ほかの概念と区別
– 概念間の関係性を定める
– それらを構造的に表示
• 資料に対して、分類表を用いて分類記号を
付与する作業
『図書館情報学用語辞典 第3版』丸善, 2007
図書館情報学における分類(3)
•
•
ある事物またはそれに関する知識を、区
分する規則に基づいて細かに区分し、整
合的な組織体に組み立てること
共通の性質を持つものを集めてグループ
を作るということと、他方、異質のものを
分離するという両面を有する
『図書館情報ハンドブック 第2版』 丸善, 1999 (この
項の執筆者:吉田暁史)
区分原理と区分肢
• 区分原理 principle of division
– 区分を行うために注目する性質
– 区分の観点あるいは区分特性と言う場合も
• 区分肢 member of division
– 区分されてできる部分
cf. 緑川信之『本を分類する』勁草書房, 1996
• 区分を進めると区分肢(クラス)が小さくな
り、外延は減少、内包は増大
区分の原則
• 包括的区分
– すべての対象がいずれかの区分肢に属すること
• 相互排他的区分
– ひとつの対象が複数の区分肢に属さないこと
例)人間を性という区分原理で分ける
– 男か女かどちらかの区分肢に入れることができる、
入らないものはない(包括的区分)
– どちらか一方だけに入る(相互排他的区分)
cf. 緑川信之『本を分類する』勁草書房, 1996
不合理な区分方法(1)
• 交差分類(区分)
– 同一レベルにおいて二つ以上の区分原理を適
用する方法
– 例)油彩画、風景画、水彩画、静物画
• 画材と主題という二つの区分原理を適用
– 相互排他の原則を崩す
cf. 『図書館情報ハンドブック 第2版』 丸善, 1999 (こ
の項の執筆者:吉田暁史)
不合理な区分方法(2)
• 非漸進的区分
– 細分化を段階を踏まずに行うこと
– 例) 彫刻、絵画、写真、木版画、銅版画
• 「版画」という段階を省略していきなり木版画、銅
版画と区分
– 分類のレベルがおかしくなる
cf. 『図書館情報ハンドブック 第2版』 丸善, 1999
(この項の執筆者:吉田暁史)
• 実際には、交差分類も非漸進的区分も、
しばしば行われる
結局、図書館における分類とは…
• 図書館資料を何らかの種類によって分け
る(区分する)こと
• 主題または形式によって分類する
• 分類体系を定めた分類表に従う
• 分類は記号で表す
• 図書館資料は分類記号の順に排列
分類法
• 分類法 classification
– ある原則や概念、目的、関心、あるいはそれら
の組合せに従って特定の順序に並べた一連の
クラス、または体系
『ALA図書館情報学辞典』丸善, 1988
– クラスおよびクラス間の関係性を認識する過程と
しての分類、資料に対して分類記号を付与する
分類作業、および分類記号を与える基礎となる
分類表、これらを統合的に把握する方法をいう
『図書館情報学用語辞典 第3版』丸善, 2007
分類表
• 分類表 classification schedule (scheme)
– 分類体系を表すクラス名のリストで、クラスの名
称を表現する記号の体系である分類記号を伴
う
『ALA図書館情報学辞典』丸善, 1988
– クラス間の関係性を体系的に表示するために
作成された一覧表。クラスを表す名辞は記号に
より相対的な順序を定められる
『図書館情報学用語辞典 第3版』丸善, 2007
• 分類法と分類表は区別せず使われることが
多い
分類法・分類表の種類
• 対象領域の観点から
– 一般分類表と特殊分類表
• 使用する記号の観点から
– 純粋記号法と混合記号法
• 利用目的の観点から
– 書架分類と書誌分類
• 分類表の構造の観点から
– 列挙型分類法と分析合成型分類法
一般分類表と特殊分類表
• 一般分類表(法、規程)
– すべての主題領域を対象とする
– 例) NDC,DDC,LOCなど
• 特殊分類表(法、規程)(専門分類表)
– 特定の領域のみを対象とする
– 周辺分野を含むことも
– 例) NLMC(米国国立医学図書館分類法)
純粋記号法と混合記号法
• 純粋記号法
– 数字のみ、アルファベットのみのように1種類
の記号体系だけを用いるもの
– 例) DDC, NDC
*ピリオドなど少数の特殊記号は使う
• 混合記号法
– 2種類以上の記号体系を用いるもの
– 例) LCC(数字と英語アルファベット)、CC
(数字、英語アルファベット、ギリシア文字)
書架分類と書誌分類(1)
• 書架分類
– 資料を主題によって体系的に分類し排列する
ための分類
– 資料を書架上に並べるためのもの
– 分類記号は通常資料のラベルに表示
– 分類記号は簡潔で識別しやすいことが必要
– 一つの資料に対して一つの分類記号
– 簡略分類
書架分類と書誌分類(2)
• 書誌分類
– 資料または書誌的記録の主題を、それと外延
を等しくする分類記号で表現する分類
『図書館情報学用語辞典 第3版』丸善, 2007
– つまり妥協せずぴったりの分類を与えること
– 書誌の記録上のもので、排架のことは考慮し
ない
– 分類記号は長くなってもいいし、複数の分類を
与えることもできる
– 詳細分類
第9回のまとめ
• 分類に関するさまざまな定義
– 外延と内包
• 図書館では、主題の分類体系を定めた分
類法に従って、資料に分類記号を付与
• 分類法(分類表)はいくつかの観点により種
類分けができる
– 一般分類法と特殊分類法
– 純粋記号法と混合記号法
– 書架分類と書誌分類