『新たな国民病「慢性腎臓病」』講演スライド(PPT:8558KB)

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日本慢性腎臓病対策協議会
(J-CKDI)
http://j-ckdi.jp
宮城県慢性腎臓病対策協議会
(M-CKDI)
地域に密着した慢性腎臓病対策のため、関連組織
と協力して啓発活動を展開していきます。
宮城県慢性腎臓病
対策協議会
宮城県
仙台市
宮城県医師会
仙台市医師会
宮城県薬剤師会
宮城県栄養士会
宮城県腎臓協会
宮城県透析医会
宮城県腎不全看護研究会
宮城県腎臓病患者連絡協議会
河北新報社
東北大学先進統合腎臓科学コアセンター
J-CKDIのコア組織の宮城県評議員
2010年11月28日
仙台メディアテーク
CKD市民公開講座
新たな国民病「慢性腎臓病」
東北大学大学院 内科病態学講座 腎・高血圧・内分泌学分野
伊 藤 貞 嘉
腎臓病はどんな病気
•
•
•
•
•
•
•
•
浮腫む(顔や足が腫れる) ○
オシッコが少なくなる・出なくなる ○×
治らない ○×
進むと透析になる ○
血圧が高くなる ○
脳卒中や心筋梗塞になりやすい ○
認知症になりやすい ○
肺炎になりやすい ○
血液透析
週3回
1回4時間
慢性透析患者数の推移
人
300,000
275,119
264,473
257,765
450人に一人
250,000
248,166
237,710
229,538
219,183
206,134
197,213
200,000
185,322
175,988
167,192
154,413
150,000
143,709
134,298
123,926
116,303
103,296
100,000
88,534 ※
83,221
80,553
73,537
66,310
59,811
53,017
47,978
50,000
42,223
36,397
32,331
27,048
22,579
215
0
301
3,631
949 1,826
6,148
9,245
18,010
13,059
68/ 69/ 70/ 71/ 72/ 73/ 74/ 75/ 76/ 77/ 78/ 79/ 80/ 81/ 82/ 83/ 84/ 85/ 86/ 87/ 88/ 89/ 90/ 91/ 92/ 93/ 94/ 95/ 96/ 97/ 98/ 99/ 00/ 01/ 02/ 03/ 04/ 05/ 06/ 07/
04 04 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12
年
年別透析導入患者の主要原疾患の推移
16000
患14000
糖尿病性腎症
者12000
人10000
数
8000
慢性糸球体腎炎
6000
4000
腎硬化症
2000
0
83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 0
1
2
3
4
5
(年)
4A-2
日本透析医学会編:わが国の慢性透析療法の現況(2005年12月31日現在)
透析患者の生命予後
65歳
%
100
70歳
93.6
90
89.4
85.0
83.9
79.0
80
慢性糸球体腎炎
嚢胞腎
慢性腎盂腎炎
腎硬化症(高血圧)
糖尿病性腎症
75.5
69.8
70
64.6
累 60
積
生 50
存
率
40
55.0
47.9
53.3
48.6
44.8
41.7%
40.8%
36.1%
30
23.6
20
23.2
12.6%
11.5%
10
0
29
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12 13 14
15 (年)
医療費と受診患者総数:透析は高額医療です
25000
(億円)
一人年間500万円
20000
8000
(千人)
7000
6000
6000
15000
5000
4000
10000
3000
2000
5000
1000
0
175万円
悪
性
新
生
物
糖
尿
病
白
内
障
高
血
圧
性
疾
患
虚
血
性
心
疾
患
脳
血
管
疾
患
喘
息
胃十
潰二
瘍指
及腸
び潰
瘍
透
析
0
(国民衛生の動向
2009)
腎臓を悪くしないためには
• 腎臓のことを知りましょう:
敵を知り、己を知れば、百戦危うからず(孫子)
• 透析の三大原因:
①糖尿病、②腎炎、③高血圧
• 透析になりやすい人:
①尿蛋白の多い人、②血圧の高い人
腎臓のはたらきは何でしょう。
・腎臓のはたらき
・腎不全のとき
-ろ過機能
-尿毒症
-造血作用
-腎性貧血
-血圧の調節
-高血圧、低血圧
-骨の強化
-腎性くる病
拡大
●
●
●
尿
100倍に濃縮
腎臓が悪くなる過程
フルイ
正常
篩の破壊
硬化
尿蛋白+
尿潜血+
濾過量正常
濾過量減少
毒素の蓄積
28歳女性:2-3年前から検診で尿蛋白、尿潜血を指摘さ
れていたが腎機能が正常範囲(クレアチニン0.8 mg/dl)な
ので経過観察されていた。今年は尿所見が悪化していた。
200万個ある糸球体が少しずつ壊れて減っていく
腎臓は働き者
100ml/分
腎臓は働き者
100ml/分
腎臓は働き者
100ml/分
腎臓は働き者
100ml/分
腎機能は濾過量を表し
ているのみで、腎機能で
は腎組織の良し悪しを
判定できない:腎機能が
低下し始めたら腎組織
は相当悪化している
腎臓病の経過
短い
期間
長い期間:自覚症状なし
蛋白尿
血尿
高血圧
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
自覚
症状
沈黙の殺人者
(早い時期に治療する
と治すことができる
ものがあります。)
ここで手を打つ
→→→→
透
析
慢性腎臓病
(CKD:シーケーディー)
•
•
•
•
•
聞いたこともない
名前は聞いたことはある
内容をある程度知っている
内容を大体知っている
内容をよく知っている
慢性腎臓病
‐3カ月以上続く‐
1.尿蛋白、微量アルブミン、尿潜血
検尿で分かります
2.腎機能が正常の60%未満
糸球体濾過量が60ml/分/1.73m2未満
血液検査で分かります
最近わかったこと
慢性腎臓病
(CKD)
脳卒中
死亡
心筋梗塞
自覚症状がない
腎機能と死亡率の関係:東北版 大迫研究
死亡率
(N=1997, 7.8年の追跡)
(2.7-17.9)
7.0
(2.4-11.7)
5.2
5.0
-40
Scr1.1
(0.5-9.2)
2.0
2.3
(1.2-4.4)
7
6
5
4
3
2
1
0
(2.2-11.5)
相対危険度
HR
40-70
ref.
(+)
(-)
尿蛋白
70-
腎機能・CCR(ml/min)
(Nakayama M et al. : Nephrol Dial Transplant, 22(7):1910-5, 2007)
慢性腎臓病は
1. こわい:透析、心血管病を起こす
2. 多い:1300万人
3. 治療できる:早期なら治せる
脳卒中
心筋梗塞
慢性腎臓病
•尿蛋白(尿検査)
または
•GFR<60ml/分(血液検査)
血液透析
腎臓を護ることは命を守ること
社会を守ること
腎臓病のサイン(敵を知る)
•
•
•
•
•
•
尿異常:血尿:たん白尿
目で見てもわからないので検査(テープ)
腎機能が正常でも安心できない
急性の腎臓病はよくなることが多い
慢性の腎臓病は良くするのが困難
初期には症状がない(沈黙の殺人者)
腎臓を悪くしないためには
• 腎臓のことを知りましょう:
敵を知り、己を知れば、百戦危うからず(孫子)
• 透析の三大原因:
①糖尿病、②腎炎、③高血圧
• 透析になりやすい人:
①尿蛋白の多い人、②血圧の高い人
血圧値による末期腎不全の累積発症率
男
女
末
期
腎
不
全
の
累
積
発
症
率
追跡期間(年)
至適;<120
正常 ;120-130
正常高値;130-140
軽症;140-160
中等症;160-180
重症;>180
(Tozawa M, et al: Hypertension 41; 1341-1345, 2003)
蛋白尿があると透析になりやすい
蛋白尿 ≥3+
15
累
積 10
発
症
率
・
% 5
蛋白尿 2+
蛋白尿 1+
蛋白尿 
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
蛋白尿-
9 10 11 12 13 14 15 16 17
検診後の期間、年
3-B-1
(Iseki K et al. Kidney Int 63:1468-1474, 2003)
要注意:糖尿病
• 尿蛋白1+は重症
• 尿のアルブミンを測ってもら
いましょう(30以下が正常)
• 血圧を低くしましょう
家庭血圧125/75
腎臓を悪くしないためには
• 血圧は低いほうが良いです
130/80 mmHg: 一週間の平均で見ます
家庭血圧では125/75mmHgです
• 尿蛋白がないほうが良いです
あったら治療で減らしましょう、できるだけ少な
くしましょう
腎臓病を見つけるには(己を知る)
• 尿を調べましょう:蛋白、糖、潜血
●尿蛋白の量を知りましょう
g/クレアチニン(g):一日量の目安
●自分の糸球体濾過(GFR)を知りましょう
•
•
•
•
腎臓専門医への紹介の目安
eGFR<50ml/min
尿蛋白2+、または、0.5g/gCr
尿蛋白+、かつ、尿潜血+以上
尿潜血2+以上
早期発見
蛋白尿・血尿の指導区分について
蛋白尿の指導区分は下記のとおりとすることが望ましい。
異状なし(正常範囲)
(―)
(±) → 糖尿病
なし
あり → 要医療(要精密検査)※
要医療(要精密検査)
(+)以上
血尿の指導区分は下記のとおりとすることが望ましい。
異状なし(正常範囲)
(―)
(±)
要医療(要精密検査)
(+)以上
※糖尿病の場合,尿蛋白(±)であっても,糖尿病性腎症の可能性があり,医療機関(かかりつ
け医を含む)を受診し、精密検査を受けるよう指導する。
尿所見の評価法
検診
かかりつけ医
蛋白尿・血尿
翌年の検診へ
かかりつけ医の検査で異常なし
1.問診
自覚症状の有無 家族歴 薬物服用歴など
2.身体所見
浮腫の有無 血圧など
3.早朝尿(または随時尿)を用いて
①試験紙法により蛋白尿と血尿を再検
②尿蛋白濃度(mg/㎗)と尿クレアチニン濃度(mg/㎗)を測定
⇒尿蛋白濃度/尿クレアチニン濃度を算出
③尿沈渣(望ましい)
4.血清クレアチニン濃度を測定 ⇒推定GFR値(eGFR)を算出
腎臓専門医
経過観察の注意点
内科的検査・腎生検
尿蛋白 0.5/dayへの増加・GFRの低下
早期発見
かかりつけ医で実施する検査等
•検尿再検(蛋白尿と血尿―試験紙法)
•試験紙法による蛋白尿が陰性であっても,糖尿病を有している場合には,
微量アルブミン尿の測定が勧められる。
•尿蛋白濃度/尿中クレアチニン濃度,および推定GFR値(eGFR)を算出
•その他必要に応じて:電解質(Na, K, Cl)、貧血検査など
•糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満・喫煙・貧血等のCKD悪化因子を把握
腎専門医に紹介するタイミング
•尿蛋白量が多い場合
尿蛋白/尿中クレアチニン比が0.5g/gクレアチニン以上、または2+以上の蛋白尿
•蛋白尿1+以上かつ血尿1+以上の場合
•血尿2+以上の場合
•eGFR50ml/min/1.73㎡未満の場合
•糖尿病患者では尿中アルブミンが30 mg/gクレアチニン以上、かつ、コントロール不
良高血圧または治療抵抗性高血圧がある場合
このような人は
一度は必ず腎臓内科へ
•
•
•
•
尿蛋白が2+
尿蛋白+で尿潜血+
尿潜血2+
eGFRが50ml/min/1.73㎡未満:安定している
場合(60歳以上)で尿異常が無いときは観察
• 特に血圧が高い人、薬を飲んでも下がらない
意外と知られていない高血圧基準値
• 年齢+90
• 上160 mmHg、 下90 mmHg
• 上150 mmHg、 下90 mmHg
• 上140 mmHg、 下90 mmHg
平成5年
高血圧とは
• 外来での血圧で収縮期(上)が140 mmHg ま
たは拡張期(下)が90 mmHg 以上
• 自宅で測定した血圧(家庭血圧)で収縮期
(上)が135 mmHg または拡張期(下)が85
mmHg 以上
• 家庭血圧が135 mmHg 以上が続くなら、確
実に高血圧で、何らかの治療が必要です
家庭血圧の
測定法
起床、排尿後30分以内、服薬
前、安静(約5分)を保って測定
する。
上腕は心臓(乳房)の高さで固定。
カフは緩くもきつくもない程度に、
中心が腕の内側にくるように巻く
手首
指先
そでで上腕を
締めつけない。
上腕の筋肉の緊張を解くため、
指関節をやや屈曲させる。
血圧計は上腕で
測定するタイプを推奨
X
前腕は机で支え、
筋肉が緊張しない
よう注意する。
背のあるいすに腰掛けて座位で測定
血圧について
• 自宅血圧を測定しよう
• 高血圧: 140mmHg (診察室、健診)
135mmHg(自宅血圧)
• 150 mmHg (自宅血圧)あったら必ず医師に
相談しよう。50歳以下では絶対に相談しよう
:治る高血圧もある(けっこう多い)
• 薬を飲んでも150mmHg以上が続く、変動が
多きい時は、腎臓、高血圧の専門医に一度
見てもらいましょう
腎臓を護ることは命を守ること
社会を守ること
健康は何のためにある
•
•
•
•
•
•
健康は目的ではない
健康は自分をより良く生きるための手段である
生きがいを持つ、生きがいのある社会を作る
検査値が正常だから健康である?
誤った健康情報(マスコミ)に惑わされるな
正しい情報を「知る、共有する、教える」社会全
体での取り組み:家庭から学校教育そして社会
健康は社会の財産である
健康維持は
立派な社会貢献
ホームページ
• 宮城県慢性腎臓病対策協議会
(作成中)
• 東北大学腎コアセンター
• http://www.art.med.tohoku.ac.jp/introductio
n/renal/index.html
• 宮城県健康推進課