次世代自動車普及とCO2排出削減促進のために ~補助金に依存しない

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Transcript 次世代自動車普及とCO2排出削減促進のために ~補助金に依存しない

次世代自動車普及による
CO2削減の促進
~補助金に依存しない新政策の提言~
南山大学 寳多康弘研究会
柴垣慎一郎、田中早紀、ソクジュン
二村勇輔、野々垣結衣、石橋信陽
平成23年11月26日
エコカーと次世代自動車ってどう違う?
エコカー
①「エコカー減税制度」・
「エコカー補助金制度」の対象車
次世代自動車
・ハイブリッド自動車
・燃費の向上がみられる車両
・プラグインハイブリッド自動車
・走行中CO2排出量削減に貢献し
ている車両
・電気自動車
②その他
・クリーンディーゼル自動車
・アイドリングストップ装備車両
・燃料電池自動車
・CVT搭載車両
・天然ガス(CNG)自動車
等
◎「エコカー」よりも環境性能が高い◎
◎環境性能に優れた自動車◎
背景
• 民主党が二酸化炭素90年比「25%削減」を目標設定
⇒運輸部門は20%のCO2排出割合を占めている
• 補助金効果は絶大!!
• ⇒しかし、補助金に限界あり
2009年4月の新車販売に占めるエコカ-割合は42.5%(内、次世代自動車5.7%)
2010年2月ではエコカー73.1%(内、次世代自動車9.3%)
エコカーの認知度は
大幅に上昇
• 次世代自動車普及による今後のCO2削減見込み
• 「20年:6%」・「30年:11%」・「50年:12%」
•
(08年比、環境省「次世代自動車普及戦略」)
目的
①補助金以外の方法による次世代自動車購入
インセンティブの喚起を促す新しい政策の提言
②エコカーよりCO2削減への貢献が高い
次世代自動車の普及支援
③社会全体で協力してCO2削減に貢献する体制作り
• 消費者(購入・利用)
• 自動車メーカー(出資)
• 他産業(特典提供)
主な結果
次世代自動車は経済的・環境面で魅力的
しかし
車両価格が高い!!
車両価格を補えるような政策が必要
海外先行研究
Michael K, George R, Willett K, Meryl P. (2011),
“Willingness to pay for electric vehicles and their attributes”,
Resource and Energy Economics 33, 686-705
早急な技術の向上と
電気自動車に対する価格低下には一定の期間が必要!!
購買意欲について
現時点で補助金以外の方法
アンケート調査を実施し分析
普及促進のためには
での普及促進は難しい!!
バッテリーの早急な
「消費者の不安」
①航続距離の制限
②充電時間
③車両価格
環境改善<燃費向上
技術発展と価格低下
が必要!!
国内先行研究
堂脇清志、岡戸聡、井原智彦、山成素子(2010)
「エコカー減税・エコカー補助金による自動車の
買い替え前倒しのCO2削減効果」
『Journal of Japan Society of Energy and Resources』vol31, No.6
環境面から補助金制度の
限界があり
減税・補助金制度により・・・
分析対象:「ハッチバック・
HV以上の環境性能車両への
ミニバン・HV」の3車種
買い替え促進による実質的CO2
①発生した余剰金を消費活動に
結果:HVのみ買い替え
削減が必要!!
回す事で発生するCO2に着目
前倒しによる正味CO2排
②今まで使っていた自動車のラ
出量の削減達成が
イフサイクルを縮める事による
見込まれる
CO2排出の動きに着目
施策により、リバウンド効果が発生!
出所:国土交通省資料 運輸部門におけr二酸化炭素排出量(内訳)
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_0
00007.html
財政赤字の推移
出所:財務省資料 財政赤字の推移
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei/03.htm
次世代自動車の普及状況
• 国内の自動車保有台数に占める次世代自動
車の割合は、、、
未だ2%程度
14
6
24
11
1
100
80
乗用車車種別普及見通し
(民間努力ケース)
クリーンディーゼル自動車
2020年
80%
20%未満
10~15%
5~10%
12
1
51
保有台数減+燃費向上
による削減
次世代自動車普及
による削減
バイオ燃料普及による
削減
CO2排出量
2008
従来車
次世代自動車
ハイブリッド自動車
電気自動車
プラグインハイブリッド自
動車
燃料電池自動車
65
36
2020
2050年
60~70%
30~40%
20~30%
10~20%
僅か
1%
僅か
~5%
2030
2050
(単位%)
二酸化炭素削減の見込み
《環境省 次世代自動車戦略2010
をもとに作成》
現状
• 運輸部門の排出量の約9割を自動車が占める。
• 財源赤字が続いている。
• 次世代自動車の普及率が約2%程度である。
• 次世代自動車の普及により二酸化炭素の
削減が見込める。
→次世代自動車販売促進の新し
い政策が必要!!
分析
燃費
環境性能
燃料
従来車と
次世代自動車
の比較
デザイン
航続可能距離
その他
他にも様々な比較対象はあるが、こ
れらの比較で1番重要なのは・・・
車両購入価格
車の購入時の重視度
●長崎:
車両価格90.4%、車両デザイン75.4%
(5択のうち1択)
●マイボイスコム株式会社:
購入価格82.7%、燃費の良さ64.9%
(複数回答)
●DIMSDRIVE:
価格76.3%、タイプ59%(単一回答)
・・・しかし、車両購入価格のみに購入者
が興味を示しているわけではない。
環境問題への意識もある!
エコカー購入理由・エコカー所有者が
エコカーを選んだ理由
●大阪:ガソリン車に比べ
燃費がよく経済的63%
環境にやさしい52%
●DIMSDRIVE;燃費が良い79.6%
環境にやさしい46%
→だが、次世代自動車の購入動機にするには環
境問題への意識のみでは薄い
環境面での促進で普及
が出来なかったため、
経済面(エコカー減税・
補助金等)に注目して
政策を行ったところ・・・
プリウス大ヒット!!!
これらからも分かる通り人々は、
経済的メリット(インセンティブ)を求めている!
環境改善と購入後のベネフィットを目
的としたNext Generation Car-dの
導入は非常に有効であるという分析
結果になった。
政策提言
各章で挙がった重要な要素
環境
運輸
民間
・国家の財源の限界→民間
・国内CO2総排出量における運輸部門の割合
・CO2排出量
既存の政策は購入時の金銭的補助であったが・・・
海外でも主流
補助金頼みの
な購入時の金
政策による財
銭的補助政策
政の限界
からの脱却と
新しい視点か
一定期間に留ま
らの政策
らない長期的に
持続可能な政策
の実現の必要性
「購入後」のベネフィット
に注目!!
“Next
Generation
Car-d”
「補助金依存からの脱却」
カード運営の財源並びにカードの特典は多
種多様の産業から受け、補助金に頼らない
新しい政策を実現
を提案します!!
「Win-Win
Relationship」
「社会一体政策」
自動車産業以外の他産業のみな
らず多くの消費者を巻き込む事で
環境改善に大きく貢献
Next
Generation
Car-d
「環境」
次世代自動車普及に
よって国内CO2排出量
の削減を実現
次世代自動車を購入し
た消費者、また、出資・
特典提供する企業の両
者が政策により恩恵を
受ける事が可能
ワンステップ先の
「次世代自動車」
にフォーカス
特典は金銭的
サービスや技術
的サービス等多
岐にわたる!
「Next Generation Car-d運用の流れ(消費者)」
企業
資金・特典の提供
売上・利益
消費の促進
≪対象企業での買い物≫
カード特典の利用
資金の流れ
カード保持者
(消費者)
Next
Generation
Car-d
次世代自動車購入者に発行
(発行手数料は消費者負担)
“Next Generation Car-d”の概要
Y業界
割引や技術サビース等
特典提供
他産業
カード保持者
集客率・
回転数向上
次世代自動
車販売促進
による利益
自動車メーカー
企業C
X業界
企業A
運営資金
出資
カードを運営する
新たな民間団体
Z業界
企業B
車種
条件
次世代自動車
次世代自動車である限り、全て発行の
対象とする。
中古車
次世代自動車である限り、中古車であ
る場合でもカード発行の対象とする。
輸入車
輸入車に多いクリーンディーゼル車を
始め、国が次世代自動車と認定する
車両を対象とする。
一定期間を経たら・・・
カード発行対象車種と条件を改定
(更なる、環境改善を図る)
不正利用対策
車番認証システム
目的・・・消費者の来店方法を確認できるシステムを組み込み、カー
ド発行基準に達していない自動車での来店や自動車以外での
来店での特典提供を防止するため。
≪方法≫
①特殊カメラを施設の出入り口に設置し、通過する車両
の車両情報(ナンバープレート、車種)を読み取る。
②施設まで来た方法や車両情報を企業側が、確認しカー
ド提示者が特典提供者であるか見分ける。
この環境政策を支援する企業様にとっての・・・
Benefit
・
Profit
• 次世代自動車販売促進による売り上げ・利益
の増加への期待
• 政策の利用による企業の新しいプロモーション
手段としての位置づけ
• →新たなビジネスチャンスの獲得
• 環境支援を通しての社会貢献
・特典の内容とカード利用者の増加によっては、
減益の可能性あり
デメリット
・カードの知名度が広がるまで一定期間必要
業界・
企業名
環境改善
への期待
利益向上
への期待
考えられる特典
アウトレット運営
A社
○
△
現存する「クーポンブック」に
金銭的サービスを追加
(割引率の向上)
飲食業界
B社
×
×
商品割引・ドリンクサービス等
インフラ業界
C社
△
×
回答なし
小売業界
D社
○
ー
エコマネーへの貯金
⇒「エコ商品との交換」・「植樹への寄付」
(◎:とても期待できる、○:期待できる、△:期待できない、×:とても期待できない)
政策に対する企業の反応(各業界につき1社のみ)
課題
企業ヒアリングから
今後の
課題
自社の利益が
見込めない
今後の
課題
資金が
どれぐらい
かかるか不透明
環境改善
になるか
分かりにくい
環境分析
環境分析
2020年と2011年のCO2排出量を比較 将来的なCO2低下のシュミレーション
【2011年】某飲食業界
における来客者の来店手段
ドライブスルー利用者20%
現在の次世代自動車
の普及率2%
↓
ドライブスルー利用者20%の内
0.4% 次世代自動車
19.6%ガソリン車
80%
その他80%
20%
【2011年】ドライブスルーの
CO2排出量
3626.09(g- CO2/km)
環境分析
2020年と2011年のCO2排出量を比較 将来的なCO2低下のシュミレーション
【2020年予想】某飲食業界
における来客者の来店手段
ドライブスルー利用者20%
2020年の普及率は20%へ増大
(2011年の普及率2%)
↓
ドライブスルー利用者の内、
4% 次世代自動車(2011年は1%)
16% ガソリン車(2011年は19.6%)
80%
その他80%
20%
【2020年】ドライブスルーの
CO2排出量
3403.08(g- CO2/km)
環境分析
2020年と2011年のCO2排出量を比較 将来的なCO2低下のシュミレーション
【2011年】と【2020年】と
CO2排出量を比較すると…
223.01(g- CO2/km)削減!
企業に政策への協力を求める際、
環境に効果がある事をPR
課題
企業ヒアリングから
今後の
課題
自社の利益が
見込めない
今後の
課題
資金が
どれぐらい
かかるか不透明
環境改善
になるか
分かりにくい
環境分析
今後の展望
実現性の高い政策へ
資金繰り
分析
口火役
戦略
サービス
複合化
ご清聴ありがとうございました