医薬品素材学 Ⅰ 相平衡と相律 (1) 1成分系の相平衡 相律 クラペイロン・クラウジウスの式 (2) 2成分系の相平衡 液相―気相平衡 液相-液相平衡 液相-固相平衡 (3) 3成分系の相平衡 平成26年5月9日 S L G ○ ○ ○ ○ 気相 G 液相 L 固相 S 融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT 三重点 T 臨界点 C 臨界状態 超臨界流体 1) 相律: F  C 

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Transcript 医薬品素材学 Ⅰ 相平衡と相律 (1) 1成分系の相平衡 相律 クラペイロン・クラウジウスの式 (2) 2成分系の相平衡 液相―気相平衡 液相-液相平衡 液相-固相平衡 (3) 3成分系の相平衡 平成26年5月9日 S L G ○ ○ ○ ○ 気相 G 液相 L 固相 S 融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT 三重点 T 臨界点 C 臨界状態 超臨界流体 1) 相律: F  C 

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医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


Slide 2

医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


Slide 6

医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


Slide 10

医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


Slide 14

医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


Slide 18

医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!


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医薬品素材学 Ⅰ
相平衡と相律
(1) 1成分系の相平衡
相律
クラペイロン・クラウジウスの式
(2) 2成分系の相平衡
液相―気相平衡
液相-液相平衡
液相-固相平衡
(3) 3成分系の相平衡
平成26年5月9日

S

L
G






気相 G 液相 L
固相 S
融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT
三重点 T
臨界点 C
臨界状態
超臨界流体

1) 相律:

F  C  P  2

F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数

○ 1成分系の最大自由度
= 2 (圧力と温度)
○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度
= 1 (圧力または温度)
○ 点 T の自由度
=0

2) クラペイロン・クラウジウスの式
d p



dT

l→g

 trs H

 vap H



T (V m ( g )  V m ( l ) )

dT
d p

s→l



dT

dG  V d p  S dT

クラペイロンの式

T  trsV

d p

(相境界の熱力学)

 fu s H
T (V m ( l )  V m ( s ) )



 vap H
T Vm ( g )

>0

> 0< 0

○ 気体を理想気体とみなして V m ( g )  R T / p
d p



p  trs H

dT

ln p  

RT

クラペイロン・クラウジウスの式

2

 trs H
RT

C

相律: 自由度の最大数は 3

(圧力、温度、成分組成)

1) 液相―気相平衡
蒸留、分別蒸留、共沸
2) 液相―液相平衡

相互溶解、臨界共溶点
3) 固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合
3-2 共融混合物を形成する場合
3-3 分子化合物を形成する場合

液相―気相平衡
1) ラウールの法則
ベンゼンの
蒸気圧
12.7 kPa

ベンゼン-トルエン溶液

X : 0.6
pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa
この蒸気におけるトルエンのモル分率は、
ドルトン分圧の法則より

Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31

Y

X

タイライン
トルエンの
蒸気圧
3.8 kPa

トルエンのモル分率 0.6
の混合溶液

トルエンのモル分率 0.31
の混合蒸気

○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。

液相―気相平衡
(b) 温度-組成図 (沸点図)

(a) 圧力-組成図

L

分別蒸留
pB

*

T bp , A

G

pA

*

G
A

B

L

B
A

T bp ,B

B

液相―気相平衡
共沸混合物

実在溶液のラウールの法則からのずれ
正のずれ

同種の分
子同士が
強く会合

溶液になる
と会合が弱
まる(逃散
傾向)


負のずれ
異種の分
子同士が
溶液中で
安定化

気体として
逃げ出し
にくくなる


気化しやす
くなる


気体の分
子が減る


蒸気圧が
高くなる

蒸気圧が
低くなる

液相―気相平衡
共沸混合物

正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム)
蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点
(水―エタノール)

液相―気相平衡
共沸混合物

負のずれを有する溶液(水-ギ酸)
蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点

液相―液相平衡
相互溶解
1液相

2液相

上限臨界共溶点
 sol H  0

てこの原理
フ ェ ノ ール層の重量
水相の重量



ef
fg

液相―液相平衡
相互溶解
下限臨界共溶点

上と下部に臨界共溶点
 sol H  0

例) 非イオン系活性剤と水

低温では水素結合
高温では熱運動

固相―液相平衡
3-1 固溶体を形成する場合

固溶体:化合物(あるいは元素)と
して存在する物質が固相
で完全に溶け合ったもの

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
寒剤

共融点

B

共融混合物

Ⅰ: 溶液

Ⅱ: 溶液+ショ糖

Ⅲ: 溶液+氷

Ⅳ: ショ糖と氷

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合
融点効果による湿潤

共融混合物
重量比 50% (モル比 3:2 )

固相―液相平衡
3-2 共融混合物を形成する場合

固相―液相平衡
3-3 分子化合物を形成する場合
Ⅰ:溶液
Ⅱ:分子化合物と溶液
Ⅲ:スルファニルアミド
と溶液


分子化合物の融点

B
スルファニルアミド
と分子化合物との
共融点





AⅡ

Ⅳ:スルファチアゾール
と溶液
スルファチアゾールと
分子化合物との共融点

モル比 1:1 の分子化合物

3成分系の正三角形座標
A のモル分率: cA
B のモル分率: cB
C のモル分率: cC

cA = 0.3
cB = 0.5
cC = 0.2
cB

C のモル分率 0.6
の B と C の溶液に
A を加えていく

cC
cA

C のモル分率

cA  cB  cC  1

酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図
てこの原理
液相 Yの 重量
液相 Zの 重量



XZ
XY



fg
eg



f'g'
e'g'

タイライン: ef, e'f', e''f''

1液相

タイラインが BC と平行にならないのは、
A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶
けやすいからである。

g'
2液相

g

もうひと少し頑張りましょう!!