集合住宅における換気性能に関する研究 「自然換気システム」および 「ハイブリッド換気システム」の 換気性能評価 成田研究室 1993131 井上 純 1993246 佐々木 智美 はじめに ・平成14年12月26日官報号外第279号建築基準法改正 により居室には常時、換気回数0.5回/hを行える 換気システムの取付けが義務付けられた 機械換気推進 ・居室内の空気を浄化して供給する方式を用いるものは 国の認定を受けたものであれば使用できる 自然風による換気も性能が保証されれば実用化可能! 研究背景・研究目的 ・住宅の気密化によるシックハウス問題 ・計画換気の必要性 自然風を利用することで 建築基準法を満たす事は可能ではないか? しかし! 自然風の問題点・・・ 弱風時 換気不足による室内空気汚染 強風時 過換気により快適性が損なわれる 自然風の変動は克服できる? 自然風を利用した2例の換気システムを対象とし、 トレーサーガスを用いて換気性能評価を行った (1) 外壁型自然換気システムの換気性能評価 測定期間11月4日~12月14日 カバー 流量調整弁 換気量 [m3/h] 建築研究所内実験棟北側外観 自然換気システム40200 弱風域 定流量領域 自然換気システム断面図 強風域 1020 室内外圧力差 [Pa]

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Transcript 集合住宅における換気性能に関する研究 「自然換気システム」および 「ハイブリッド換気システム」の 換気性能評価 成田研究室 1993131 井上 純 1993246 佐々木 智美 はじめに ・平成14年12月26日官報号外第279号建築基準法改正 により居室には常時、換気回数0.5回/hを行える 換気システムの取付けが義務付けられた 機械換気推進 ・居室内の空気を浄化して供給する方式を用いるものは 国の認定を受けたものであれば使用できる 自然風による換気も性能が保証されれば実用化可能! 研究背景・研究目的 ・住宅の気密化によるシックハウス問題 ・計画換気の必要性 自然風を利用することで 建築基準法を満たす事は可能ではないか? しかし! 自然風の問題点・・・ 弱風時 換気不足による室内空気汚染 強風時 過換気により快適性が損なわれる 自然風の変動は克服できる? 自然風を利用した2例の換気システムを対象とし、 トレーサーガスを用いて換気性能評価を行った (1) 外壁型自然換気システムの換気性能評価 測定期間11月4日~12月14日 カバー 流量調整弁 換気量 [m3/h] 建築研究所内実験棟北側外観 自然換気システム40200 弱風域 定流量領域 自然換気システム断面図 強風域 1020 室内外圧力差 [Pa]

集合住宅における換気性能に関する研究
「自然換気システム」および
「ハイブリッド換気システム」の
換気性能評価
成田研究室
1993131 井上 純
1993246 佐々木 智美
はじめに
・平成14年12月26日官報号外第279号建築基準法改正
により居室には常時、換気回数0.5回/hを行える
換気システムの取付けが義務付けられた
機械換気推進
・居室内の空気を浄化して供給する方式を用いるものは
国の認定を受けたものであれば使用できる
自然風による換気も性能が保証されれば実用化可能!
研究背景・研究目的
・住宅の気密化によるシックハウス問題
・計画換気の必要性
自然風を利用することで
建築基準法を満たす事は可能ではないか?
しかし!
自然風の問題点・・・
弱風時 換気不足による室内空気汚染
強風時 過換気により快適性が損なわれる
自然風の変動は克服できる?
自然風を利用した2例の換気システムを対象とし、
トレーサーガスを用いて換気性能評価を行った
(1) 外壁型自然換気システムの換気性能評価
測定期間11月4日~12月14日
カバー
流量調整弁
換気量 [m3/h]
建築研究所内実験棟北側外観
自然換気システム
50
40
30
20
10
0
弱風域
定流量領域
0
自然換気システム断面図
強風域
5
10
15
20
室内外圧力差 [Pa]
25
実験概要
N
N室
Room N
case 流量制御 排気ファン
01 自然換気システム開口
内装窓模擬開口
02 排気ファン
○
03 トレーサーガス注入・
○ 採取ポイント
04
○
○
実験室概要
天井高2.4m 床面積72m2
想定必要新鮮空気量
S室:50m3/h (LDK想定)
N室:40m3/h(寝室×2 想定)
N
S室
Room S
換気性能評価指標 SRF
SRFi 
Si
Pi   0, j  Qij 
ni

Si
i室の有効新鮮空気量
=
Pi ' i室の実質必要新鮮空気量
j 1
N
N
d i

Vi  Ai    i Qij   i  Bi   Q ji   Pi
j 1
i 1


dt
汚染物質希釈能力もしくは
汚染物質流入を認めている
外気
他室からの流入空気
Qij
A
i
Room i
外気流出空気
B
トレーサーガスモニタ
i
Room j
他室への流入空気
Qji
3
外気導入量
換気量[m /h]
南北面差圧 [Pa]
流量制御を行った際の
南北面差圧変動と外気導入量の経時変化
5
弱風域
0
-5
強風域
-10
200
150
設計換気回数 0.5回/h
100
S室
S室
室
NN室
住戸全体
住戸全体
50
0
11/28 0:00
11/28 12:00
11/29 0:00
差圧が大きい時(強風時)は流量制御が行われている!
住戸全体換気量 [m 3 /h]
換気の充足度 SRF
北面正圧時の南北面差圧とSRF
および換気量の関係
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
400
Case01
Case02
Case03
Case04
流量制御なし
流量制御なし+排気ファン
流量制御
流量制御+排気ファン
弱風域
強風域
Case01
Case02
Case03
Case04
300
200
設計換気回数0.5回/h
100
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
南北面差圧 [Pa]
差圧が大きい
差圧が小さい
過換気を起こしてしまい不快!
本システムにおける排気ファン併用有効領域!
充足している!
充足していない
流量制御が効いている
(強風時)
(弱風時)
(2)ダクト式ハイブリッド換気システムの性能評価
測定期間11月12日~11月22日
N
LV
浴室
洗面
S
実住宅北側外観
K
WC
NE
実測対象住戸
床面積:64.77m2 天井高:2.5m
想定必要新鮮空気量:80.9m3/h
トレーサーガスを用いて換気量測定を行った
システム概要
自然風による換気
ファンによる換気
強風時
補助ファン制御器
風量調整ダンパー
排気ダクト
強風
弱風
給気ダクト
自然風+補助ファン
自然風のみで
浴
廊
居
居
室補助ファン
間
下
間 換気量確保
弱風時
主羽根
等
補助羽根
各階の自然換気寄与率
期間 11月12日~11月17日
100%
80%
11%
55%
47%
60%
89%
40%
20%
45%
53%
2階
4階
0%
補助ファン稼動
6階
自然換気
下階でも45%程度自然換気でまかなえる!
南北面差圧と換気回数
換気回数 [ 回 /h]
期間 11月22日
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0 弱風域
0
設計換気回数0.5回/h
補助ファン稼動
自然換気
強風域
2
4
6
8
10
南北面差圧[Pa]
差圧が大きい
差圧が小さい
(強風時)
(弱風時)
自然風による換気ができ
補助ファンが稼動し、換気できる
流量制御により過換気を防ぐ
換気量[m3/h]
11月13日の換気量の経時変化
200
180
設計換気回数0.5回/h
160
140住戸全体換気量
120
住戸全体
100
LV
80
廊下
60
40
洋室
(S)
20
洋室
0
(NE)
11/13 0:00 11/13 6:00 11/13 12:00 11/13 18:00 11/14 0:00
設計換気回数0.5回/hを常時満たしている!
まとめ
(1)実験住宅
・自然風を利用するには流量制御
が必要不可欠!
・弱風時には排気ファンを併用
することで換気性能が高くなる!
(2)実住宅
・強風時には自然風で換気を行い
流量制御により過換気を防ぐ
・弱風時には補助ファンが稼動し
換気を行う
ハイブリッド換気システムが
有効に稼動していた!
まとめ
(1)実験住宅
・自然風を利用するには流量制御
が必要不可欠!
・弱風時には排気ファンを併用
自然風を利用するには 「ファン+流量制御」
することで換気性能が高くなる!
すなわちハイブリッド換気システムを用いることにより、
自然風の変動は克服でき建築基準法をも満たせる
(2)実住宅
・強風時には自然風で換気を行い
実用システムとして有効!
流量制御により過換気を防ぐ
・弱風時には補助ファンが稼動し
換気を行う
ハイブリッド換気システムが
有効に稼動していた!