平成17年度業務報告会 平成16年度経済産業省受託事業に関する報告 平成17年7月1日 福祉システム委員会 針原森夫 1.経緯 ①事業名:介護サービス実施記録の電子的共有を可能とする 情報システム基盤に関する調査研究 ②経 緯: 2004年11月 1日 公募(経産省HPに掲載) 2004年11月 1日 コンソーシアム立上及び提案内容 ~11月18日 の検討/申請書作成 2004年11月19日 締め切り(申請書提出) 2005年12月15日 採択(同日契約) ③ 事業実施体制と役割分担 介護サービス実施記録システム普及コンソーシアム(事務局:JAHIS) JAHIS(全体取りまとめ調査実施・技術的課題検討) MEDIS(委員会調整・制度的課題検討) みずほ情報総研(調査結果の分析・技術的課題検討) 生田正幸(立命館大学教授)(委員会委員長・全体コンサル) 松江地区広域行政組合(実態調査への協力) 2.事業実施概要 ①事業の背景と目的 1)背景 ・介護保険制度の本来の目的 →利用者の状況やニーズに応じたサービスの実施 利用者の状態の維持や向上 ・この目的達成のためには、利用者の状況や提供された サービス内容を的確に把握する必要がある ・新たな介護サービス(地域包括ケアや小規模多機能施設等)の 展開にも利用者の状況や提供サービスの把握が必要 ・更に地域内の施設間でもこれら情報の共有が必要 ・これら情報の把握のため記録が必要であり更に関係者間の 情報共有が必要 ・現状では実態が十分に把握されていない 2)目的 ・現状における介護サービス記録の実態把握と課題抽出 ・情報システムを活用した記録の効率化と共有活用の検討 ②事業実施方法 ・介護保険制度上での介護サービス記録に関する規定の整理 →業務の流れ・記録の種類・記録の方法などのまとめ ・介護サービス記録の実態調査 →松江広域・立川市・那覇市に於ける保険者や介護サービス事業者や 介護施設でのヒアリング調査 (全12ヶ所で実施/実態の把握とアンケート調査項目の検討) ・アンケート調査 →松江広域・立川市・那覇市・札幌市でのアンケート調査実施 (全1715事業所への発送・744事業所より回収・回収率43.4%) ・介護サービス記録の現状認識と課題整理 ・システムイメージの検討(情報共有化もふくむ) ・システム完成のための課題検討 今後の展開のあり方の検討 ③事業推進体制 1)委員会の構成 企画検討委員会 運営委員会 検討委員会 調査委員会 技術検討委員会 2)委員会の役割分担 運営委員会 プロジェクト全体の取りまとめ(全体の意思決定機関) 検討委員会 運営委員会で提示された検討事項についての検討 企画検討委員会 プロジェクトの具体的実施方法等についての検討 調査委員会 現地ヒアリング・アンケート調査の実施及び分析結果の取りまとめ 技術検討委員会 技術的検討課題の検討及び検討結果の取りまとめ 3.調査結果 ①介護サービス実施記録の現状 ・記録のほとんどが紙を使用手書きで作成され、ファイル等で管理されている。 ・記録に関する情報の交換や共有が電話やFAXで行われている ・記録作成の負担が多い ・記録の質の確保が難しい ・使用される用語や記述方式が不統一 ・介護サービス計画に対する経過の把握に介護サービス記録が 十分に活用されていない ・介護サービス事業者が介護サービス記録に関するセキュリティーの確立が必要で あるとの問題意識をもっている ②電子的共有推進に向けた課題と実施方法 1)技術的課題 ・導入費用/維持費用⇒安価なシステム提供 ・操作性 ⇒専用端末の開発/手書きを活かしたシステム構築 ・システム間の連携 ⇒標準化の推進 2)運用上の課題 ・記録に対する意識 ⇒意識向上 ・記録に対する負担 ⇒記録内容の標準化 ・記録の質 ⇒記録の活用促進 ・端末不足 ・ヘルパーの直行直帰 ・検索時間 ・リーダ不在 ⇒リーダの育成 3)制度的課題 ・秘密保持義務 ・罰則適用の強化 ⇒インセンティブ ③電子的共有のシステムイメージ 1)導入期 ①手書きの介護記録を FAX やスキャナでイメージデータとして取り込む。 ②イメージの検索情報として、利用者名、記録概要、日付等を登録 検索情報登録 介護記録 ① ② 利用者氏名 日本 花子 帳票種類 訪問記録 年月日 コメント FAX・イメージスキャナ 登 録 記録イメージ データベース ③ ③データの検索を行う。 検索条件指定 利用者氏名 日本.

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Transcript 平成17年度業務報告会 平成16年度経済産業省受託事業に関する報告 平成17年7月1日 福祉システム委員会 針原森夫 1.経緯 ①事業名:介護サービス実施記録の電子的共有を可能とする 情報システム基盤に関する調査研究 ②経 緯: 2004年11月 1日 公募(経産省HPに掲載) 2004年11月 1日 コンソーシアム立上及び提案内容 ~11月18日 の検討/申請書作成 2004年11月19日 締め切り(申請書提出) 2005年12月15日 採択(同日契約) ③ 事業実施体制と役割分担 介護サービス実施記録システム普及コンソーシアム(事務局:JAHIS) JAHIS(全体取りまとめ調査実施・技術的課題検討) MEDIS(委員会調整・制度的課題検討) みずほ情報総研(調査結果の分析・技術的課題検討) 生田正幸(立命館大学教授)(委員会委員長・全体コンサル) 松江地区広域行政組合(実態調査への協力) 2.事業実施概要 ①事業の背景と目的 1)背景 ・介護保険制度の本来の目的 →利用者の状況やニーズに応じたサービスの実施 利用者の状態の維持や向上 ・この目的達成のためには、利用者の状況や提供された サービス内容を的確に把握する必要がある ・新たな介護サービス(地域包括ケアや小規模多機能施設等)の 展開にも利用者の状況や提供サービスの把握が必要 ・更に地域内の施設間でもこれら情報の共有が必要 ・これら情報の把握のため記録が必要であり更に関係者間の 情報共有が必要 ・現状では実態が十分に把握されていない 2)目的 ・現状における介護サービス記録の実態把握と課題抽出 ・情報システムを活用した記録の効率化と共有活用の検討 ②事業実施方法 ・介護保険制度上での介護サービス記録に関する規定の整理 →業務の流れ・記録の種類・記録の方法などのまとめ ・介護サービス記録の実態調査 →松江広域・立川市・那覇市に於ける保険者や介護サービス事業者や 介護施設でのヒアリング調査 (全12ヶ所で実施/実態の把握とアンケート調査項目の検討) ・アンケート調査 →松江広域・立川市・那覇市・札幌市でのアンケート調査実施 (全1715事業所への発送・744事業所より回収・回収率43.4%) ・介護サービス記録の現状認識と課題整理 ・システムイメージの検討(情報共有化もふくむ) ・システム完成のための課題検討 今後の展開のあり方の検討 ③事業推進体制 1)委員会の構成 企画検討委員会 運営委員会 検討委員会 調査委員会 技術検討委員会 2)委員会の役割分担 運営委員会 プロジェクト全体の取りまとめ(全体の意思決定機関) 検討委員会 運営委員会で提示された検討事項についての検討 企画検討委員会 プロジェクトの具体的実施方法等についての検討 調査委員会 現地ヒアリング・アンケート調査の実施及び分析結果の取りまとめ 技術検討委員会 技術的検討課題の検討及び検討結果の取りまとめ 3.調査結果 ①介護サービス実施記録の現状 ・記録のほとんどが紙を使用手書きで作成され、ファイル等で管理されている。 ・記録に関する情報の交換や共有が電話やFAXで行われている ・記録作成の負担が多い ・記録の質の確保が難しい ・使用される用語や記述方式が不統一 ・介護サービス計画に対する経過の把握に介護サービス記録が 十分に活用されていない ・介護サービス事業者が介護サービス記録に関するセキュリティーの確立が必要で あるとの問題意識をもっている ②電子的共有推進に向けた課題と実施方法 1)技術的課題 ・導入費用/維持費用⇒安価なシステム提供 ・操作性 ⇒専用端末の開発/手書きを活かしたシステム構築 ・システム間の連携 ⇒標準化の推進 2)運用上の課題 ・記録に対する意識 ⇒意識向上 ・記録に対する負担 ⇒記録内容の標準化 ・記録の質 ⇒記録の活用促進 ・端末不足 ・ヘルパーの直行直帰 ・検索時間 ・リーダ不在 ⇒リーダの育成 3)制度的課題 ・秘密保持義務 ・罰則適用の強化 ⇒インセンティブ ③電子的共有のシステムイメージ 1)導入期 ①手書きの介護記録を FAX やスキャナでイメージデータとして取り込む。 ②イメージの検索情報として、利用者名、記録概要、日付等を登録 検索情報登録 介護記録 ① ② 利用者氏名 日本 花子 帳票種類 訪問記録 年月日 コメント FAX・イメージスキャナ 登 録 記録イメージ データベース ③ ③データの検索を行う。 検索条件指定 利用者氏名 日本.

平成17年度業務報告会
平成16年度経済産業省受託事業に関する報告
平成17年7月1日
福祉システム委員会
針原森夫
1.経緯
①事業名:介護サービス実施記録の電子的共有を可能とする
情報システム基盤に関する調査研究
②経 緯: 2004年11月 1日 公募(経産省HPに掲載)
2004年11月 1日 コンソーシアム立上及び提案内容
~11月18日 の検討/申請書作成
2004年11月19日 締め切り(申請書提出)
2005年12月15日 採択(同日契約)
③ 事業実施体制と役割分担
介護サービス実施記録システム普及コンソーシアム(事務局:JAHIS)
JAHIS(全体取りまとめ調査実施・技術的課題検討)
MEDIS(委員会調整・制度的課題検討)
みずほ情報総研(調査結果の分析・技術的課題検討)
生田正幸(立命館大学教授)(委員会委員長・全体コンサル)
松江地区広域行政組合(実態調査への協力)
2.事業実施概要
①事業の背景と目的
1)背景
・介護保険制度の本来の目的
→利用者の状況やニーズに応じたサービスの実施
利用者の状態の維持や向上
・この目的達成のためには、利用者の状況や提供された
サービス内容を的確に把握する必要がある
・新たな介護サービス(地域包括ケアや小規模多機能施設等)の
展開にも利用者の状況や提供サービスの把握が必要
・更に地域内の施設間でもこれら情報の共有が必要
・これら情報の把握のため記録が必要であり更に関係者間の
情報共有が必要
・現状では実態が十分に把握されていない
2)目的
・現状における介護サービス記録の実態把握と課題抽出
・情報システムを活用した記録の効率化と共有活用の検討
②事業実施方法
・介護保険制度上での介護サービス記録に関する規定の整理
→業務の流れ・記録の種類・記録の方法などのまとめ
・介護サービス記録の実態調査
→松江広域・立川市・那覇市に於ける保険者や介護サービス事業者や
介護施設でのヒアリング調査
(全12ヶ所で実施/実態の把握とアンケート調査項目の検討)
・アンケート調査
→松江広域・立川市・那覇市・札幌市でのアンケート調査実施
(全1715事業所への発送・744事業所より回収・回収率43.4%)
・介護サービス記録の現状認識と課題整理
・システムイメージの検討(情報共有化もふくむ)
・システム完成のための課題検討 今後の展開のあり方の検討
③事業推進体制
1)委員会の構成
企画検討委員会
運営委員会
検討委員会
調査委員会
技術検討委員会
2)委員会の役割分担
運営委員会
プロジェクト全体の取りまとめ(全体の意思決定機関)
検討委員会
運営委員会で提示された検討事項についての検討
企画検討委員会
プロジェクトの具体的実施方法等についての検討
調査委員会
現地ヒアリング・アンケート調査の実施及び分析結果の取りまとめ
技術検討委員会
技術的検討課題の検討及び検討結果の取りまとめ
3.調査結果
①介護サービス実施記録の現状
・記録のほとんどが紙を使用手書きで作成され、ファイル等で管理されている。
・記録に関する情報の交換や共有が電話やFAXで行われている
・記録作成の負担が多い
・記録の質の確保が難しい
・使用される用語や記述方式が不統一
・介護サービス計画に対する経過の把握に介護サービス記録が
十分に活用されていない
・介護サービス事業者が介護サービス記録に関するセキュリティーの確立が必要で
あるとの問題意識をもっている
②電子的共有推進に向けた課題と実施方法
1)技術的課題
・導入費用/維持費用⇒安価なシステム提供
・操作性
⇒専用端末の開発/手書きを活かしたシステム構築
・システム間の連携 ⇒標準化の推進
2)運用上の課題
・記録に対する意識 ⇒意識向上
・記録に対する負担
⇒記録内容の標準化
・記録の質
⇒記録の活用促進
・端末不足
・ヘルパーの直行直帰
・検索時間
・リーダ不在
⇒リーダの育成
3)制度的課題
・秘密保持義務
・罰則適用の強化
⇒インセンティブ
③電子的共有のシステムイメージ
1)導入期
①手書きの介護記録を FAX やスキャナでイメージデータとして取り込む。
②イメージの検索情報として、利用者名、記録概要、日付等を登録
検索情報登録
介護記録
①
②
利用者氏名 日本 花子
帳票種類
訪問記録
年月日
コメント
FAX・イメージスキャナ
登 録
記録イメージ
データベース
③
③データの検索を行う。
検索条件指定
利用者氏名 日本 花子
帳票種類
訪問記録
年月日
~
検索キーワード
検 索
イメージ表示
介護記録
検索条件指定
氏名
種類
日付
日本 花子
訪問記録
2005/01/05
コメント
2)普及期
【事務室】
【入所者居室】
・利用者管理
・請求業務
サーバー
利用者状態
バイタル
投薬内容
処置内容
など
D
B
サーバ 1
【フロア管理スペース
(サービスステーション等)】
【機能訓練室】
・ADL記録
・食事水分記録
・排泄記録
・入浴記録
・処置記録
・服薬記録
・バイタル
・事故記録
・苦情相談記録
・業務日誌
・ケース記録
・看護サマリ
・申し送り
・リハビリ記録
・リハビリ日誌
LAN
【相談室】
・ケアプラン
・サービス計画
・モニタリング
・リスク分析
【医療室】
・診療記録
・健康診断
・指示書
【食堂】
食事状況
口腔ケア
など
【浴室】
入浴状況
バイタル
処置記録
など
3)成熟期
4.おわりに
①システム普及のために
・記録に対する意識改革
・記録項目・記録フォーマットの標準化
・上記の一定地域内での運用
・同地域での電子化による実証実験
②介護サービス記録の制度的必要性の高まり
⇒システムの普及が見込まれる
③本報告書は以下のURLに掲載中
http://www.jahis.jp/hokenhukushi/topix-index.htm