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保健医療福祉情報システム工業会
JAHIS
地域医療情報連携基盤の構築に向けて
平成17年7月1日
保健医療福祉システム工業会
地域医療システム委員長
大島 義光
平成17年JAHIS業務報告会
Copyright© 2005, JAHIS. All Rights Reserved,
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地域医療情報連携基盤のイメージ
自治体
高度医療機関
薬局
・医療・福祉関連
住民サービス
・介護認定
・投薬管理
住民基本
情報DB
保健情報
DB
総合医療
DB
福祉情報
DB
・病々連携
・病診連携
・電子カルテ
(リスク管理)
・かかりつけ医支援
・病診連携
・電子カルテ
(リスク管理)
住民総合ケア
データベース
・母子・成人保健
・予防接種情報
・食中毒情報
・海外渡航情報
中核医療機関
診療所
かかりつけ医
電子保健証
保健センター
・病々連携
・高度医療支援
・電子カルテ
(リスク管理))
住
医療ゾーン
宅
コメント
保健ゾーン
障害者センター
・点字印刷の紙による情報提供
・PC上からの手話アニメーション
・各種相談DBによる情報管理
在宅介護
支援センター
特別養護老人ホーム
・利用者情報管理
・入所者サービス管理
・栄養・献立管理
・預り金管理
・アセスメントの実施
・アセスメント情報の登録
・ケアプランの作成
・指導情報の参照
訪問看護
ステーション
・ケアプラン情報の参照
・介護サービスの提供
・サービス予実績情報の登録
・指導情報の参照
介護・福祉ゾーン
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背景と動機
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近年、欧米諸国では国家レベルでEHR (Electronic Health Record) 及び医療情報基盤の整備
が盛んに行われている。
EHRは単なる電子カルテではなく、長期にわたる個人の診療・健康情報を集積したもの。したがっ
て、これを維持管理する情報基盤も重要である。
これにリンクして、ISO、CEN、HL7、IHEなどでも関連標準化項目の提案、推進が盛んに行われ
ている。
国内では、厚労省による保健医療の情報化グランドデザインで電子カルテ及び診療情報の交換、
共有の提言がなされ、保健医療福祉総合ネットワークの提案がなされている。また、e-Japan戦略
及び規制改革でも電子カルテ並びに地域連携を強力に後押ししている。
厚生労働科学研究「標準的電子カルテ」及び経産省「相互運用性実証事業」により、電子カルテ
及び院内情報システムの標準化が推進されている。
これに対し地域医療情報連携に関しては、これまで経産省、厚労省の補助事業などにより個別地
域での試みが行われているが、十分ではない。特に、日本全体にわたる標準化の観点が希薄な
ことが問題。
今後高齢化の更なる進展に伴う医療費の急速な増大が懸念されている。医療の情報化、なかん
ずく医療機関のネットワーク化による効率的な医療サービスの提供、無駄の排除が望まれる。ま
た、診療情報の収集に伴い長期的にEBMデータベースの形成に資することができ、医療の高度
化への貢献も期待される。
JAHISにおいて標準化案を取りまとめることにより、全国的連携基盤の構築を促したい。
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海外動向
<国家レベルでの医療情報基盤 の整備>
• 米国
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カナダ
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2002年、HealthConnect (EHRのネットワーク)開始。現在10ヶ年計画の4年目。
連邦政府は今後4年間で100億円支出。6つの州政府は別に383~481億円支出。
英国
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2002年、Infoway設立(NPO、国及び州・テリトリ政府が出資)。設立以来の資本約1千億円
2009年末までに、カナダの50パーセント超の地域に相互運用型EHRを普及させる。
州あるいはテリトリごとに数箇所設置されるデータセンター
個人のIDは各州で管理。他州に移住するときは、そちらで再発行。
豪州
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大統領命令(2004.4.27):10年以内にすべてのアメリカ人が「相互運用可能なEHR」を持てるようにする。
NHII(米国国家医療情報基盤)
→
NHIN(国家医療情報ネットワーク)、RHIO(地域医療情報組織)
事前の費用見積り、54~75兆円を今後10年間に支出。これにより8.4兆円/年の医療費節約を予想。
Connecting for Health: 2010年までに全人口(5千万人)をカバーするEHRを確立を目指す。
3 ~6兆円の予算見積り。
上記のほか約20ヶ国でEHR及び医療情報基盤の整備が進行中。70ヶ国がEHRを目指す。
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関連標準化動向
• ISO
– EHR
• TS18308(EHRアーキテクチャの要求仕様)、TR20514(EHRの定義)、他
– セキュリティ関連
• TS17090(医療用公開鍵基盤)、TS22600(権限管理とアクセス制御)、他
• CEN(欧州標準化委員会)
– prEN13606(EHR交換) → ISOに提案
• ISO RM-ODPに基づく情報モデル。HL7 CDA R2とも整合。セキュリティ要件もあり。
• Archetypeによる分野固有の複合概念表現(例: 血圧、住所、家族歴)
• HL7
– EHR-S(EHR システム機能モデル)DSTU(暫定標準)
• 機能項目リストと適用例の提示(長期ケア、地域医療、外来、入院)
• IHE
– XDS(医療機関間の文書共有)
• ebXMLのレジストリ規格利用
– PDI(可搬医用画像データ)
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国内動向
• 既存のプロジェクト
– 経産省「先進的情報技術活用型医療機関等ネットワーク化推進事業」(平成12年
度補正): 26地域
– 厚労省「地域診療情報連携推進事業」:平成14年度:3ヶ所、平成15年度:7ヶ所、
平成16年度:2ヶ所 、平成17年度も予定(5億円)
(Web型電子カルテシステム)
– その他:国立京都医療センター、麻生飯塚病院、HOTプロジェクト(東京)、他
– 上記経産省、厚労省の既存の事業は個別のプロジェクトに補助金を出す形であり、
必ずしも日本全体の標準化にはつながっていない。
このため一部のプロジェクトでは、独自に国内標準化を目指した活動を行っている
ところがある。
… Super Dolphin Projectなど。
• 厚労省「医療情報ネットワーク基盤検討会」(H15.6~H17.3)
– 医療に係る文書の電子化、電子保存/外部保存の基準の検討、ガイドライン発行。
– HPKI認証局 証明書ポリシ案発行(電子署名用)
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国内の地域医療情報連携プロジェクトの例(1)
• はにわネット
– 宮崎医科大学と宮崎県医師会が中心。 H12補正経産省事業、H14厚労省事業。
熊本大学が中心のひご・メド プロジェクトとDolphin Projectを構成、共同開発。
– 地域医療情報センター(ASP)にサーバ設置、情報共有。Web型電子カルテ(患者
用)とクリニック用電子カルテ(Java記述)。電子カルテ交換にMMLを使用。
MML(Medical Markup Language): Dolphin Projectで新たに開発。HL7 CDA
R1ベース。
– 参加医療施設79、データ保有患者数 約4万人。しかし連携利用例は108。
– Dolphin Projectにはその後HOTプロジェクト(東京)、まいこネット(京都)が参加、
Super Dolphin Projectを形成して、全国的な医療連携基盤の構築を目指している。
• CoMet
– 洛和会音羽病院と山科医師会による地域医療情報連携システム。H15厚労省事
業。医師会員の88%(92施設)が利用。
– 電子カルテ(MML使用)、診療情報提供書
– 医療ニュース、会員間メール、臨床相談室、CoMet使い方相談室、ビデオ配信、等
による利用度向上の努力。
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国内の地域医療情報連携プロジェクトの例(2)
•
わかしお医療ネットワーク
– 千葉県立東金病院を中心とする山武医療圏で展開。H12補正経産省事業、H14厚労省事業。
– 電子カルテネットワークによる地域完結型の医療へ。
病院(3)、診療所(20)、調剤薬局(21)、保健所・保健センター(3)、訪問看護ステーション
(3)、老人保健施設他(2)、患者のネットワーク(平成15年)
– 紹介・逆紹介、オンライン服薬指導、生活習慣病診療支援、在宅糖尿病患者支援(インスリン
注射)、在宅ターミナルケア
•
国立京都医療センター
– 国立京都医療センターによるASP型電子カルテネットワーク。
– グループウェアによる医療機関連携、蓄積された情報をデータマイニングで分析。
– 公衆無線インターネットの「みあこネット」と連携しどこカル・ネットを運営。「いつでも、どこでも、
誰でも」電子カルテ。病院だけでなく、自宅、街からも接続可。救急医療にも対応。
•
Planet
– 亀田総合病院中心の南房総地域ネットワーク。H12補正経産省事業、H14、H15厚労省事業。
– ICカード利用PKI、ASP電子カルテサーバ/共用カルテサーバ/患者さま参加カルテサーバ
– 参加医療機関(18:病院4、診療所14)、参加患者数1200名(平成14年)
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地域医療情報連携基盤の課題
課題項目
No
内 容
1
データ交換仕様
診療録、診療情報提供書、他
2
ID
患者、医療従事者、医療機関、他
3
ネットワーク構成
地域→拡大地域→国など
4
レジストリ
管理台帳
5
セキュリティ
HPKI、PMAC、個人情報保護、他
6
アクセス制御
担当医以外のアクセス、患者本人
7
長期保存
長期保存の仕掛け、メディア、運用方法
8
他システムとの関連
在宅医療、遠隔医療、救急医療、等
9
管理責任
誰が情報の管理に責任を持つか
10
運営費用負担
誰がどのようにして賄うか
11
データの二次利用
医学研究、疫学、行政利用
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進め方
• 地域医療情報連携基盤WGを設置し、推進中
– 本WGでは、データベース、ネットワークなどの基盤の標準策
定に注力
– 現在、海外動向、国内動向、関連標準化動向を調査中
• この後、課題(標準化要素等)明確化、方針策定
• 国内のEHR、医療情報基盤の早急な整備が望まれる
• 欧米各国の状況にキャッチアップ
また日本の医療の質の向上、安全性向上、効率向上
– そのために国内体制の整備が必要
• 本WGは、地域医療情報連携に関し国内体制の下支えとなる組織とし
て機能していきたい
• そのためにJAHISとして早期にビジョン形成をはかる
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WG参加ご希望の方は大島までご連絡ください
[email protected]
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