看護研究における 統計の活用法 Part 3 京都府立医科大学 浅野 弘明 2012年11月10日 量的データとは ・数値で得られるデータ ・単位を持つ 単位が無い → 質的データ 量的データのまとめ方 ・記述統計量を求める 平均値、標準偏差、最大・最小、歪度 ・ヒストグラムの描画 区分化(範囲化)後に、頻度集計 平均値と標準偏差 ・平均値 :中心指標 分布の中心(真ん中)、普通の値 ・標準偏差:散布度指標 データの散らばり方、平均との平均距離 分布の歪み 正の歪み 歪みなし 負の歪み 歪みと平均値 ある医院での白血球数データ(小さい順に) 平均値の位置 4,600 6,300 5,100 6,800 5,400 7,400 5,800 8,000 10人分の 平均値= 9,160 歪度=3.1 平均値は、平均的な値になっていない 平均以上は、わずか10% 6,200 36,000 大きな歪み (→ 平均は中心ではない) パーセンタイル(分位数) ・下からα%目のデータ値 → αパーセンタイル値 → 50%タイルを中央値と呼ぶ → 25,50,75 %タイルを四分位数 歪み・平均値・中央値 歪みなし 正の歪み 平均値 かつ 平均値 中央値 中央値 平均値と中央値は一致 平均値が中央値より 大きな値になる 歪度の目安 ±1以上 → かなり歪んでいる ±0.5以上 → 少し歪んでいる ±0.2以下 → 歪みは小さい 医療データの特徴 ・医療データの大半は 「正の歪み」を持つ 典型例(一般的集団での分布として) 血圧、白血球数、GOT等の血液検査指標 BMI等の肥満指数、入院日数、等々 歪みとt検定 ・正規分布には、歪みがない → 歪みがあれば、正規分布ではない ・t検定は、正規性が前提 → 歪み大なら、t検定は不適切 t検定不適例 t検定では有意差は出ない 順位和検定では A 平均値: A群 32.9 > B群 29.9 紺色の方が、小さい値が多いが 外れ値のため、平均は、紺色が大きい 大切なポイント 量的データの扱いは 質的データほど 簡単ではない!

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Transcript 看護研究における 統計の活用法 Part 3 京都府立医科大学 浅野 弘明 2012年11月10日 量的データとは ・数値で得られるデータ ・単位を持つ 単位が無い → 質的データ 量的データのまとめ方 ・記述統計量を求める 平均値、標準偏差、最大・最小、歪度 ・ヒストグラムの描画 区分化(範囲化)後に、頻度集計 平均値と標準偏差 ・平均値 :中心指標 分布の中心(真ん中)、普通の値 ・標準偏差:散布度指標 データの散らばり方、平均との平均距離 分布の歪み 正の歪み 歪みなし 負の歪み 歪みと平均値 ある医院での白血球数データ(小さい順に) 平均値の位置 4,600 6,300 5,100 6,800 5,400 7,400 5,800 8,000 10人分の 平均値= 9,160 歪度=3.1 平均値は、平均的な値になっていない 平均以上は、わずか10% 6,200 36,000 大きな歪み (→ 平均は中心ではない) パーセンタイル(分位数) ・下からα%目のデータ値 → αパーセンタイル値 → 50%タイルを中央値と呼ぶ → 25,50,75 %タイルを四分位数 歪み・平均値・中央値 歪みなし 正の歪み 平均値 かつ 平均値 中央値 中央値 平均値と中央値は一致 平均値が中央値より 大きな値になる 歪度の目安 ±1以上 → かなり歪んでいる ±0.5以上 → 少し歪んでいる ±0.2以下 → 歪みは小さい 医療データの特徴 ・医療データの大半は 「正の歪み」を持つ 典型例(一般的集団での分布として) 血圧、白血球数、GOT等の血液検査指標 BMI等の肥満指数、入院日数、等々 歪みとt検定 ・正規分布には、歪みがない → 歪みがあれば、正規分布ではない ・t検定は、正規性が前提 → 歪み大なら、t検定は不適切 t検定不適例 t検定では有意差は出ない 順位和検定では A 平均値: A群 32.9 > B群 29.9 紺色の方が、小さい値が多いが 外れ値のため、平均は、紺色が大きい 大切なポイント 量的データの扱いは 質的データほど 簡単ではない!

看護研究における
統計の活用法
Part 3
京都府立医科大学
浅野
弘明
2012年11月10日
量的データとは
・数値で得られるデータ
・単位を持つ
単位が無い
→
質的データ
量的データのまとめ方
・記述統計量を求める
平均値、標準偏差、最大・最小、歪度
・ヒストグラムの描画
区分化(範囲化)後に、頻度集計
平均値と標準偏差
・平均値
:中心指標
分布の中心(真ん中)、普通の値
・標準偏差:散布度指標
データの散らばり方、平均との平均距離
分布の歪み
正の歪み
歪みなし
負の歪み
歪みと平均値
ある医院での白血球数データ(小さい順に)
平均値の位置
4,600
6,300
5,100
6,800
5,400
7,400
5,800
8,000
10人分の 平均値= 9,160
歪度=3.1
平均値は、平均的な値になっていない
平均以上は、わずか10%
6,200
36,000
大きな歪み
(→ 平均は中心ではない)
パーセンタイル(分位数)
・下からα%目のデータ値
→ αパーセンタイル値
→ 50%タイルを中央値と呼ぶ
→ 25,50,75 %タイルを四分位数
歪み・平均値・中央値
歪みなし
正の歪み
平均値
かつ
平均値
中央値
中央値
平均値と中央値は一致
平均値が中央値より
大きな値になる
歪度の目安
±1以上
→ かなり歪んでいる
±0.5以上 → 少し歪んでいる
±0.2以下
→
歪みは小さい
医療データの特徴
・医療データの大半は
「正の歪み」を持つ
典型例(一般的集団での分布として)
血圧、白血球数、GOT等の血液検査指標
BMI等の肥満指数、入院日数、等々
歪みとt検定
・正規分布には、歪みがない
→ 歪みがあれば、正規分布ではない
・t検定は、正規性が前提
→ 歪み大なら、t検定は不適切
t検定不適例
t検定では有意差は出ない
順位和検定では
A<B が裏付けできる
平均値: A群 32.9 > B群 29.9
10
15
20
25
30
35
150
紺色の方が、小さい値が多いが
外れ値のため、平均は、紺色が大きい
大切なポイント
量的データの扱いは
質的データほど
簡単ではない!