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環境配慮型水田におけるイシガイ類の生息域及び
水管理による成長量の違い
水利環境学研究室 4年 西澤慧
訂正とお詫び
要旨の下から4行目
イシガイでは本年度の値が大きくなった
イシガイでは変わらなかった
背景
特徴あるイシガイ類の生態
・砂泥地帯に身を沈め生息
・オスが精子を水中に放出
・メスが精子を水中より吸いとり殻内で受精
・幼生が水中に放出され,魚に寄生
保護を行う必要性
幼生
寄生主
寄生の様子
しかし,各地で生息数を減少
だが,生態が十分に解明されていない
そのため,実際の環境配慮型水田で
水管理の個体数,成長量への影響,生息域の把握
研究目的:イシガイ類に適した水管理、好む水域の検討
調査地概要
水稲耕作区
所在地:岐阜県揖斐郡旧谷汲村
底質:砂利層に泥炭が堆積
水生植物植栽区
周縁部:丸太
深み 深み
魚類:15~20種類
昨年度は給水ポンプを1日2時間稼動,
水深:平均185mm
本年度は1日8時間稼動させ,異なる水環境創出
385m2
平成16年度以降,
深み 深み
本研究室が調査を行う
魚道
給水ポンプ
給水ポンプ
給水ポンプにより水を汲み
上げ水を維持
給水ポンプの稼働時間を
設定できる
0.1-0.12
0.08-0.1
0.06-0.08
0.04-0.06
0.02-0.04
0-0.02
深み
深み
深み
深み
300-350
250-300
200-250
150-200
深み
100-150
50-100
深み
水田内においても水環境が異なる
魚道出口
取水口
取水口
流速分布
0.10-0.12
0.08-1.00
0.06-0.08
0.04-0.06
0.02-0.04
0-0.02
0-50
単位(mm)
250-300
200-250
150-200
100-150
-100
単位 (m/s)
単位(mm)
図-水深分布
水深分布
調査方法
・水田の水抜き調査
・5月,7月,9月に実施
調査手順
①水田内を約170区画に分ける
②区画ごとに二枚貝の採捕を行う
③種の同定及び個体の識別
④殻長の計測
昨年度も同時期に調査
採捕数及び成長量を把握
殻長
環境配慮型水田のイシガイ類
イシガイ (岐阜県絶滅危惧Ⅱ類 )
トンガリササノハガイ
(岐阜県絶滅危惧Ⅱ類 )
ドブガイ
イシガイ
採捕数が増加
採補数(個体)
採捕数変動
1200
1092
800
853
650
400
0
新しい個体が見られる
5月
5月
7月
7月
9月
9月
採捕数変動
少なくとも近年がイシガイにとって適した環境
200
150
100
50
90
85
~
75
70
~
60
55
~
45
40
~
30
25
~
15
0
10
~
採捕数(個体)
250
殻長範囲(mm)
9月の殻長分布
450
採補数が増加してない
近年生まれいない
採捕数(個体)
トンガリササノハガイ
389
300
329
316
150
0
5月
5月
7月
7月
9月
9月
90
10
0~
10
5
85
~
75
70
~
60
55
~
45
40
~
30
25
~
15
100
80
60
40
20
0
10
~
採捕数(個体)
近年の環境が、繁殖及びその後の
採捕数変動
生息に不適切
殻長範囲(mm)
9月の殻長分布
成長量
イシガイ
稼働時間の変更による影響がない
日成長量(mm/day)
0.25
2時間稼動
8時間稼動
0.2
0.15
0.1
0.05
0
20
40
60
殻長(mm)
80
トンガリササノハガイ
稼働時間2時間で大きくなった
日成長量(mm/day)
0.15
2時間稼動
8時間稼動
0.12
0.09
0.06
0.03
0
40
60
80
殻長(mm)
100
120
生息分布域
イシガイ
周縁部に好んで生息
5月
7月
9月
0~0.2 0.2~0.40.4~0.60.6~0.80.8~1.01.0~1.21.2~1.4 1.4~
単位:%/m2
なぜ,水深が浅くて流速の小さい水域に生息したのか
2つのメリットが考えられる
①寄生主のヒレと接触する頻度の増加
繁殖に適した水域であった
②精子が下流に流されにくい
トンガリササノハガイ
・水田の広い範囲に生息
・その中でも取水口及び流路付近
5月
7月
9月
0~0.2 0.2~0.40.4~0.60.6~0.80.8~1.01.0~1.21.2~1.4 1.4~
単位:%/m2
なぜ,取水口及び流路付近に生息したのか
本水田の水底には有機物が豊富に存在
水底で酸素が減少
溶存酸素量の多い水域を求めた
トンガリササノハガイは水底に潜る傾向が強い
酸素の減少に敏感
取水口付近は
水田内のなかでは,酸素量が多い
まとめ
種間で好む環境が異なった
対象種を見据えた保護が重要
イシガイ
・水管理は,給水ポンプ1日2~8時間稼動でも
安定して生息
・水深が浅く,流れが遅い水域が重要
障害物を設置することも有効
トンガリササノハガイ
・2時間と8時間では水の入れ替えが少ない2時間で
成長量が大きくなったが,保護には不向き
・8時間以上の給水が必要?
・水中に酸素が豊富に存在する水域が重要
・1つの手段として,水の入れ替えは有効
イシガイ類の保護は不十分
保護活動が活発になり,
本研究が活用されたい
御清聴有難うございました