Transcript 壁面緑化された小学校の夏期における熱環境の実測

壁面緑化された小学校における
夏期の熱環境の実測
1033302 杉本 尚司
研究目的・背景
ヒートアイランド現象の緩和
都市において緑化するスペースは少ない
壁面緑化はあまりスペースを必要としない
東京都杉並区では小学校の壁面緑化を
推奨している
壁面緑化された教室の熱環境を検討する
目的として測定を実施した
測定場所
東京都杉並区桃井第一小学校
日射量測定状況
測定対象教室
測定期間8月22日～9月9日
緑のカーテン
外気温測定状況
測定場所
無指向性熱式風速計
グローブ温度計
熱電対
風速・放射・室温
測定状況
窓面温度測定状況
壁面温度測定状況
葉面・茎温度測定状況
壁面緑化が教室に及ぼす
熱環境改善効果
38
室温（緑化なし）
室温（壁面緑化）
Ｔｅｍｐ（℃）
33
28
開校・晴天日の窓開放時
23
外気温
18
9/1 9/1 9/2 9/2 9/3 9/3 9/4 9/4 9/5 9/5 9/6 9/6 9/7 9/7 9/8 9/8 9/9 9/9 9/10
0 12 0 12 0 12 0 12 0 12 0 12 0 12 0 12 0 12 0
Ｔｉｍｅ（ｈ）
教室内温度の時間変化
赤線内は休校日
38
壁面緑化
緑化なし
室内温度（℃）
36
34
32
30
室内温度に差が見られる
28
外気温が高くなるにつれて
若干だが差が広がった
26
24
24
26
28
30
32
34
36
外気温度（℃）
室内温度と外気温の関係
38
風速（ｍ/ｓ）
1.6
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
風速(緑化なし)
風速(壁面緑化)
開校日の窓開放時
9/1 9/1 9/2 9/2 9/3 9/3 9/4 9/4 9/5 9/5 9/6 9/6 9/7 9/7 9/8 9/8 9/9 9/9 9/1
0 12 0 12 0 12 0 12 0 12 0 12 0 12 0 12 0 12 0 0
風速比（緑化/緑化なし）
Ｔｉｍｅ（ｈ）
教室内の風速の時間変化
2.5
2.0
緑化教室の方が風速が弱い
1.5
1.0
0.5
0.0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
風速比は0.5程度
緑化なし教室の風速（ｍ/ｓ）
緑化教室と非緑化教室の風速比
8：00～15：00の照度平均
1200
1000
照度（壁面緑化）
照度（緑化なし）
照度（ｌｘ）
800
600
教室の内照度基準
400
200
0
8/22 8/23 8/24 8/25 8/26 8/27 8/28 8/29 8/30 8/31 9/1 9/2 9/3 9/4 9/5 9/6 9/7 9/8 9/9
教室内の照度の時間変化
1200
壁面緑化(休校日）
緑化なし（休校日）
壁面緑化（開校日）
緑化なし（開校日）
照度（ｌｘ）
1000
800
照明がついている
教室内の照度基準
600
400
200
0
0
100
200
300
400
500
600
700
照度基準を満たしていない
日射量（Ｗ/㎡）
日射量と照度の関係
800
ＳＥＴ*（標準新有効温度）
ＳＥＴ*とは発汗による体温調節
機能を含む熱平衡モデルに基づ
き気温、放射、温度、気流、着衣、
作業量などの環境変数により総
合的に温熱環境を評価するもの
で、快適範囲は22.2℃～25.6℃
壁面緑化の効果による体感の違い
休校日
38
SET*(壁面緑化）
SET*（緑化なし）
開校日
36
34
SET*(℃）
32
風速 無
ＳＥＴ*差 大
30
28
風速 有
24ＳＥＴ*差 小
26
ＳＥＴ*快適範囲
22
20
9/1 9/1 9/2
0 12
0
9/2 9/3 9/3 9/4
12
0 12
0
9/4 9/5 9/5 9/6 9/6
12
0 12
0 12
9/7 9/7 9/8 9/8
0 12
0 12
Time(h)
教室内ＳＥＴ*の時間変化
9/9 9/9 9/10
0 12
0
32
32
9/3
30
30
ＳＥＴ*（緑化なし）
ＳＥＴ*（壁面緑化）
SET*(℃）
SET*(℃）
28
28
26
26
ＳＥＴ*がさらに
下がった
24
24
ＳＥＴ*快適範囲
ほぼ快適範囲内に入った
緑化なし教室風速の場
合のＳＥＴ*（壁面緑化）
22
22
20
20
88
99
10
10
11
12
11
12
Time(h)
Time(h)
13
13
14
14
風速の違いによるSET*の違い
15
15
結論
壁面緑化によって室内温度の上昇
が抑えられた
教室内の体感的にも緑化教室の方
が快適になった
緑化教室内の照度の低さや風速の
低下がみられた
今後の課題
緑のカーテンの葉密度や壁面からの距
離を調整するなどして光や風を教室内
に取り入れることが重要になる