講義資料 - 堀山研究室

Download Report

Transcript 講義資料 - 堀山研究室

基本情報技術概論 (第9回)
ハードウェア (前回の続き)
基本ソフトウェア (OS)
埼玉大学 理工学研究科
堀山 貴史
1
コンピュータの構成
(第1回の復習)
CPU
制御装置
入力装置
演算装置
主記憶装置
出力装置
補助記憶装置
2
前回の復習

CPU
 プログラムの実行
 高速化技法


パイプライン処理、スーパースカラー、VLI W
性能評価


IF ID EX MA WB
クロック周波数、CPI、MI PS、FLOPS
アドレス指定

即値、 直接(絶対)アドレス指定、 間接アドレス指定、
インデックス アドレス指定、 ベース アドレス指定、
PC相対アドレス指定
3
アドレス指定: ジャンプ命令、分岐命令

絶対アドレス
 PC ← op

(PC) 相対アドレス
 PC ← PC + op

普段は、
次の命令を実行
PC ← PC + 1
プログラムをメモリ上のどこに置いても、
正しく動く
4
(補助) 記憶装置
5
補助記憶装置

磁気ディスク



光ディスク




フロッピィ ディスク
ハードディスク
読込のみ
書込が1回可能
書込が何度でも可能
CD (CD-ROM, CD-R, CD-RW)
DVD
Blu-ray Disc
テープ

磁気テープ
6
ハードディスク
ヘッド 磁気
ディスク
 ___________
セクタ
 記録はセクタ単位
 トラックを分割
 ___________
トラック

ディスクを同心円で
分割したもの
 ___________
シリンダ

同じ位置のトラックを
まとめたもの
7
記憶の階層


高速・小容量 と 低速・大容量 の記憶装置
うまく組み合わせれば、高速・大容量の記憶装置
のように扱える
アクセス
容量
速度
小
速い
レジスタ
主記憶 (メモリ)
大
遅い
補助記憶
(HDD、Disc、テープ)
8
記憶の階層 ___________
(キャッシュ, Cache)

動作速度の差を埋めるための仕組み
近頃のCPU
では、L1, L2
キャッシュ
レジスタ
キャッシュ
容量
速度
小
速い
大
遅い
主記憶 (メモリ)
ディスクキャッシュ
補助記憶
9
練習問題:

記憶の階層
平均年齢は?
20 才
80 %
50 才

実効アクセス速度は?
… アクセス時間の期待値
容量 速度
アクセス時間
小 速い
キャッシュ
20 ns
大 遅い
主記憶 (メモリ)
50 ns
キャッシュ
ヒット率
80 %
10
練習問題:

記憶の階層
実効アクセス時間
= キャッシュ アクセス時間 x キャッシュ ヒット率
+ 主記憶 アクセス時間 x ( 1 – キャッシュ ヒット率 )
問題) アクセス時間が主記憶 60 ns、キャッシュ 10 ns の
システムがある。システムとしての実効アクセス速度が
15 ns の時、キャッシュのヒット率は いくらか。
(H19年度 春)
11
参考:

メモリ アクセス の高速化
メモリ インタリーブ

主記憶へのアクセスを高速化する手法

主記憶を複数の区画(バンク)に分割し、
並列にアクセスする
主記憶
番地 1
2
6
10
5
9
3
7
11
4
8
12
…
…
…
…
12
RAID


複数のハードディスクを組み合わせて、
仮想的に1台の大きなハードディスクに見せる
RA I D の R は Redundant
→ 冗長性を持たせて、障害に強く
RAID0 (ストライピング)


データを、複数のディスクに分散 (高速・大容量)
耐障害性がない (厳密には RAID ではない)
データ
A B C D E F
RAID コントローラ
A
C
E
B
D
F
13
RAID1 (ミラーリング)



同じデータを、複数のディスクに書き込む
ディスクの利用効率が悪い (例では、全容量の約半分)
耐障害性は向上
RAID コントローラ
データ
A B C D E F
A
B
C
D
E
F
A
B
C
D
E
F
14
RAID5




A  (A  B)  B
ストライピング (データを、複数のディスクに分散)
パリティ (1つ故障しても、パリティを利用して復旧)
耐障害性が高い / ディスクの利用効率が良い
読み込みは高速、
書き込みはパリティを計算するので低速
データ
A B C D E F
RAID コントローラ
A
C
p
B
p
E
p
D
F
15
入出力装置
生協やパソコンショップのカタログなど、
身近なところで機械を探してみてください
16
入力装置 (文字、数字)





キーボード
OCR (Optical Character Reader)
 手書きの文字を読み込む
例) 郵便番号
OMR (Optical Mark Reader)
 マークシートを読み込む
バーコード リーダ
QRコード リーダ
QR コード
バーコード
17
入力装置 (座標 / 画像)

座標
 マウス
 ジョイスティック
 タブレット、ディジタイザ


ペンと、位置入力用の板
画像
 スキャナ
 デジタルカメラ
 etc
画素数
画像は点の集まりとして扱われる
横 2,592 x 縦 1,944 = 500万画素
5 M ピクセル ともいう
18
出力装置

プリンタ






dpi (dot per inch)
1 インチ (2.54 cm) 当たりの点の数
横 2,400 dpi 縦 1,200 dpi
… 1辺 1インチの正方形に
2,400 x 1,200 = 288万個の点
レーザ プリンタ
インクジェット プリンタ
熱転写プリンタ
ドットインパクト プリンタ
プロッタ
ディスプレイ




CRT ディスプレイ
LCD ディスプレイ (液晶ディスプレイ)
PDP (プラズマ ディスプレイ パネル)
電子ペーパー
19
インタフェース
___________

… 2つのモノの間をとりもつ
仕組み/規格
IDE、EIDE … PC内蔵型のハードディスクなどを接続する
パラレル インタフェース

SATA

USB (Universal Serial Bus)




汎用のシリアル インタフェース
ハブを介してツリー状に機器を接続可能
IEEE 1394


… PC内蔵型のハードディスクなどを接続する
シリアル インタフェース
FireWire、iLink とも呼ばれる シリアル インタフェース
Bluetooth … 無線インタフェース
IrDA
… 赤外線短距離通信インタフェース
20
ユーザ インタフェース

C U I (Character User Interface)
 文字を使ってコマンドを入力する

G U I (Graphical User Interface)
 メニューやアイコンを使って操作する
21
基本ソフトウェア
(OS : Operating System)
22
ソフトウェアの体系
ハ
ー
ド
ウ
ェ
ア
システム
ソフトウェア
基本
ソフトウェア
(OS)
ミドル
ソフトウェア
応用
ソフトウェア
アプリ
ケーション
ユーザ
23
・ 制御プログラム (ジョブ管理、タスク管理、記憶管理)
ソフトウェアの体系
・ 言語プロセッサ
(コンパイラ、アセンブラ、インタプリタ)
・ サービスプログラム
ハ
ー
ド
ウ
ェ
ア
システム
ソフトウェア
基本
ソフトウェア
(OS)
ミドル
ソフトウェア
(ユーザインタフェース)
応用
ソフトウェア
アプリ
ケーション
ユーザ
・ API (アプリがOSの機能を
利用するための仕組み)
・ DBMS (データベースの仕組み)24
制御プログラム (狭義の OS)

ジョブ管理
ジョブ … ユーザがコンピュータに与える仕事の単位
例) 売上データから売上一覧表の作成
・ タスク1: 売上データを読込んで、商品別にソート
・ タスク2: 商品別に販売額を集計
・ タスク3: 売上一覧表を出力

タスク管理
タスク … ジョブを細分化したもの
OS が CPU、I/O を割り当てる仕事の単位

記憶管理
( → 次回、詳しくやります )
25
用語:

シングル タスク (シングル プログラミング)

タスク1
タスク2
CPU
I/O
シングル タスク
1つのタスクを最後まで実行してから、
次のタスクの実行を開始
CPU
I/O
CPU
I/O
ずっと待っている
CPU
空き
I/O
CPU I/O CPU I/O
CPU
CPU
I/O
CPU
I/O
I/O
26
用語:

シングル タスク
CPU
CPU

I/O
空き
CPU
CPU
I/O
I/O
CPU
マルチ タスク
I/O
CPU
I/O
I/O
マルチ タスク
CPU
CPU
I/O
CPU
I/O
CPU
I/O
I/O
27
用語:

シングル タスク


マルチ タスク
1つのプログラムを最後まで実行してから、
次のプログラムの実行を開始
マルチ タスク (マルチ プログラミング)


見かけ上、同時に複数のプログラムを実行
CPU の空き時間を少なくする
⇒ スループットの向上、レスポンスタイムの短縮
・ スループット
… 一定時間に処理できる仕事の量
・ レスポンスタイム … 応答が返ってくるまでの時間
28
タスク管理

どのタスクに CPU を割り当てるか
タスク
生成
実行可能状態
CPUが空けば
いつでも実行可能
タスク
実行完了
実行状態
CPUでタスクを
実行している
29
タスク管理
実行可能状態
CPUが空けば
いつでも実行可能
ディスパッチング
CPUが空くと、次に実行されるべき
タスクに CPU が割り当てられる
実行状態
CPUでタスクを
実行している
・ タイムスライス(CPUを割り当てられた時間)を
使い切った
・ より優先度の高いタスクが生成され、
CPU を奪われた
30
タスク管理
実行可能状態
実行状態
CPUでタスクを
実行している
入出力
完了
待ち状態
入出力
要求
入出力など他の作業が
終わるのを待っている
31
タスクのスケジューリング方法

タスクにどのように CPU を割り当てるか
 到着順


優先順


到着した順 (他のタスクが来ても中断しない)
優先順位の高いものから実行する
ラウンドロビン

到着順だが、タイムスライスを使い切ったら、
待ち行列の後ろに並ぶ
(一定時間ごとに、他のタスクに交代する)
32
練習問題:

タスク管理
(H12年度 春 改変)
似た問題が色々あります
表は、A, B, C の各タスクを単体で実行した場合の CPU, I/O
占有時間を示している。3つのタスクが同時に実行可能状態
になってから、すべてが終了するまでの CPU のアイドル時間
を求めなさい。なお、CPUは1個、各タスクの I/O は並行して
処理可能、OS のオーバヘッドは無視できるものとする。
タスク
A
B
C
優先度
高
中
低
単独実行の占有時間
各タスクともに、
CPU → I/O → CPU
5 ms → 8 ms → 2 ms
33
練習問題:
タスク管理
(つづき)
CPU
A I/O
B I/O
C I/O
34
35
36
練習問題:

記憶の階層
実効アクセス速度
15 ns
アクセス時間
容量 速度
小 速い
キャッシュ
10 ns
大 遅い
主記憶 (メモリ)
60 ns
キャッシュ
ヒット率
?
37
38
練習問題:
タスク管理
1 ms + 5 ms = 6 ms
CPU
A I/O
B I/O
C I/O
タスク
A
B
C
優先度
高
中
低
単独実行の占有時間
各タスクともに、
CPU → I/O → CPU
5 ms → 8 ms → 2 ms
39
40
41
この教材のご利用について




この文面は、TOKYO
TECH OCW の利用
条件を参考にしました
この教材は、以下に示す利用条件の下で、著作権者にわざわざ許諾を
求めることなく、無償で自由にご利用いただけます。講義、自主学習は
もちろん、翻訳、改変、再配布等を含めて自由にご利用ください。
非商業利用に限定

この教材は、翻訳や改変等を加えたものも含めて、著作権者の許
諾を受けずに商業目的で利用することは、許可されていません。
著作権の帰属

この教材および教材中の図の著作権は、次ページ以降に示す著
作者に帰属します。この教材、または翻訳や改変等を加えたもの
を公開される場合には、「本教材 (or 本資料) は
http://www.al.ics. saitama-u.ac.jp/horiyama/OCW/ の教材です
(or 教材を改変したものです」 との旨の著作権表示を明確に実施
してください。なお、この教材に改変等を加えたものの著作権は、
次ページ以降に示す著作者および改変等を加えた方に帰属しま
す。
同一条件での頒布・再頒布

この教材、または翻訳や改変等を加えたものを頒布・再頒布する
場合には、頒布・再頒布の形態を問わず、このページの利用条件42
この教材のご利用について

配布場所

http://www.al.ics.saitama-u.ac.jp/horiyama/OCW/

この powerpoint ファイルの著作者

堀山 貴史 2007-2009 [email protected]

改変等を加えられた場合は、お名前等を追加してください
図の著作者

p. 2, 6 ~ 8, 12, 17, 20
 ハードディスク : 堀山 貴史
 CPU, メモリ, キーボード, USB : http://webweb.s92.xrea.com/
 パソコン, ディスプレイ, プリンタ, マウス, FD, CD :
Microsoft Office Online / クリップアート

p. 10, 18, 19, 23, 24
 クリップアート : Microsoft Office Online / クリップアート

その他
43
 堀山 貴史
