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基本情報技術概論 (第9回)
計算機システム
埼玉大学 理工学研究科
堀山 貴史
1
計算機システムの信頼性
2
用語集:

信頼性の高いシステム
フォールト トレラント (fault tolerant)
___________

一部が故障しても、本来の機能を維持する
例) 連続稼動が必要なシステム、人命にかかわるシステム

フェイル
セーフ (fail safe)
___________

故障が発生した時に、安全を維持する
例) エレベータのブレーキ制御が故障したら、自然とブレーキがかかる

フェイル
ソフト (fail soft)
___________

故障が発生しても、(機能が全面停止せずに)
必要最小限の機能を維持する
例) 飛行機のエンジンが故障しても、滑空して緊急着陸する
3
用語:
→
初
期
故
障
偶
発
的
な
故
障
消
耗
故
障
→
→
故
障
頻
度
バスタブ曲線
時間
4
システムの信頼性評価の指標 (RASIS)

Reliability (信頼性)
故障しにくいこと
→ MTBF (平均故障間隔)

Availability (可用性)
稼働率が高いこと

Serviceability (保守性) 障害から回復しやすいこと
→ MTTR (平均修理時間)

Integrity (保全性)
データ破壊や不整合が
起こりにくいこと

Security (機密性)
不正アクセスがされにくいこと
5
システムの稼働率



平均故障間隔 (Mean Time Between Failure)
平均修理時間 (Mean Time To Repair)
稼働率 =
MTBF
___________
MTBF + MTTR
稼動
故障
MTBF
MTTR
稼動
故障 ・・・
6
直列構成のシステム

システム A
システム B
稼働率 0.9
稼働率 0.8
稼働率 = Aの稼働率 x Bの稼働率
例) 0.9 x 0.8 = 0.72
7
並列構成のシステム
システム A
稼働率 0.9
システム B
稼働率 0.8

故障 = Aが故障 ∧ Bが故障

稼働率 = 1 - ( 1 - Aの稼働率 ) x ( 1 - Bの稼働率 )
例) 1 – (1 - 0.9) x (1 - 0.8) = 1 – 0.1 x 0.2 = 0.98
注: 稼動状態を全部考えても良い
A 稼動 B 稼動、A 稼動 B 故障、A 故障 B稼動
0.9 x 0.8
+ 0.9 x 0.2
+ 0.1 x 0.8
= 0.98 8
直列と並列の混ざったシステム
B
C
A
D

部分ごとに、順番に稼働率を計算
9
練習:
システムの稼働率
以下のシステム全体としての稼働率はいくらか。
ここで、A ~ C の稼働率は、すべて 0.8 とする。
(H19年度 秋)
A
C
B
10
練習:
システムの稼働率
稼働率が大きくなるのものはどれか。 (H18年度 秋)
ア.
イ.
ウ.
エ.
MTBF, MTTR をそれぞれ 2倍にする。
MTBF, MTTR をそれぞれ半分にする。
MTBF を 2倍にし、MTTR を半分にする。
MTBF を半分にし、MTTR を 2倍にする。
11
計算機 アーキテクチャ
12
コンピュータの構成
(第1回の復習+α)
CPU
制御装置
入力装置
演算装置
主記憶装置
出力装置
補助記憶装置

主記憶 (main memory, メモリ) に、
プログラム と データを置く
電源を切ると消える
プログラムとデータの
保存・蓄積
13
コンピュータの構成
(第1回の復習)

制御装置
 主記憶装置のプログラム(命令)を取り出し、
解読し、その結果をもとに他の装置を制御する

演算装置
 算術演算や論理演算、条件分岐用の比較など
データに対する演算を実行する

記憶装置(主記憶装置、補助記憶装置)
 プログラムやデータを記憶する
入力装置
… コンピュータ外部から入力
出力装置
… コンピュータ外部へ出力
CPU


14
補助記憶装置
15
補助記憶装置
比較的
高速  半導体メモリ、フラッシュメモリ


磁気ディスク


USB メモリ、SDメモリ、メモリースティック、
SSD (Solid State Drive)
フロッピィ ディスク、ハードディスク
光ディスク



CD (CD-ROM, CD-R, CD-RW)
DVD
読込のみ
Blu-ray Disc
1回だけ書込可能
比較的
低速  テープ

磁気テープ
何度でも書込可能
16
ハードディスク
ヘッド 磁気
ディスク
 ___________
セクタ
 記録はセクタ単位
 トラックを分割
 ___________
トラック

ディスクを同心円で
分割したもの
 ___________
シリンダ

同じ位置のトラックを
まとめたもの
17
ディスクの計算

暗記するのではなく、
考え方を理解してください
アクセス時間
待ち  位置決め時間 : ヘッドを目的のトラックまで移動
時間  回転待ち時間 : 目的のセクタがヘッドまで回転


データ
データの伝送時間 や 記憶容量


セクタ
_______
(平均して、1/2 回転分を待つ)
データ転送時間 : データを実際に転送


「りんご」が 7個
「りんご」を 3個ずつ「カゴ」に入れる
「カゴ」を 2個ずつ「箱」に入れる
何箱必要?
トラック
___________
18
RAID


複数のハードディスクを組み合わせて、
仮想的に1台の大きなハードディスクに見せる
RA I D の R は Redundant
→ 冗長性を持たせて、障害に強く
RAID0
___________(ストライピング)


データを、複数のディスクに分散 (高速なアクセス)
耐障害性がない (厳密には RAID ではない)
データ
A B C D E F
RAID コントローラ
A
C
E
B
D
F
19
RAID1
___________(ミラーリング)



同じデータを、複数のディスクに書き込む
ディスクの利用効率が悪い (例では、全容量の約半分)
耐障害性は向上
RAID コントローラ
データ
A B C D E F
A
B
C
D
E
F
A
B
C
D
E
F
20
RAID5
___________




A  (A  B)  B
ストライピング (データを、複数のディスクに分散)
パリティ (1つ故障しても、パリティを利用して復旧)
耐障害性が高い / ディスクの利用効率が良い
読み込みは高速、
書き込みはパリティを計算するので低速
データ
A B C D E F
RAID コントローラ
A
C
p
B
p
E
p
D
F
21
練習:
RAID
RAID0の説明として、適切なものはどれか。
(H13年度 春)
ア. 高価ではあるが信頼性の高い磁気ディスクを複数台
制御し、主として大容量化を目指している。
イ. 細分化したデータを複数の磁気ディスクに巡回的に
並列入力することによって、転送速度の向上を図って
いる。
ウ. 冗長な磁気ディスクを必要とせず、各ブロックごとに
CRC によるエラー訂正を行っている。
エ. 廉価な複数の磁気ディスクで構成し、OS による制御
で信頼性と高性能化を図っている。
22
入出力装置
生協やパソコンショップのカタログなど、
身近なところで機械を探してみてください
23
入力装置 (文字、数字)





キーボード
OCR (Optical Character Reader)
 手書きの文字を読み込む
例) 郵便番号
OMR (Optical Mark Reader)
 マークシートを読み込む
バーコード リーダ
QRコード リーダ
QR コード
バーコード
24
入力装置 (座標 / 画像)

座標
 マウス
 ジョイスティック
 タブレット、ディジタイザ


ペンと、位置入力用の板
画像
 スキャナ
 デジタルカメラ
 etc
画素数
画像は点の集まりとして扱われる
横 2,592 x 縦 1,944 ≒ 500万画素
5 M ピクセル ともいう
25
出力装置

プリンタ






dpi (dot per inch)
1 インチ (2.54 cm) 当たりの点の数
横 2,400 dpi 縦 1,200 dpi
… 1辺 1インチの正方形に
2,400 x 1,200 = 288万個の点
レーザ プリンタ
インクジェット プリンタ
熱転写プリンタ
ドットインパクト プリンタ
プロッタ
ディスプレイ




CRT ディスプレイ
LCD ディスプレイ (液晶ディスプレイ)
PDP (プラズマ ディスプレイ パネル)
電子ペーパー
26
インタフェース

… 2つのモノの間をとりもつ
仕組み/規格
IDE、EIDE … PC内蔵型のハードディスクなどを接続する
パラレル インタフェース

SATA

USB (Universal Serial Bus)




汎用のシリアル インタフェース
ハブを介してツリー状に機器を接続可能
IEEE 1394


… PC内蔵型のハードディスクなどを接続する
シリアル インタフェース
FireWire、iLink とも呼ばれる シリアル インタフェース
Bluetooth … 無線インタフェース
IrDA
… 赤外線短距離通信インタフェース
27
ユーザ インタフェース

C U I (Character User Interface)
 文字を使ってコマンドを入力する

G U I (Graphical User Interface)
 メニューやアイコンを使って操作する
28
練習:
データ量
横 25.4 cm、縦 38.1 cm の画像を、解像度 600 dpi、24 ビット
の色情報を指定してスキャナで読み込むと、データ量は約
何 M バイトになるか。ここで、1インチは 2.54 cm とする。
(H17年度 春)
29
練習:
転送速度
データ転送速度が 15 Mバイト/秒の PC カードを用いるとき、
1,000 x 750 画素の画像は、1 秒間に約何枚転送できるか。
ここで、画像は圧縮せず、1 画素は 24 ビットで表すものと
する。
(H16年度 秋)
30
31
32
この教材のご利用について




この文面は、TOKYO
TECH OCW の利用
条件を参考にしました
この教材は、以下に示す利用条件の下で、著作権者にわざわざ許諾を
求めることなく、無償で自由にご利用いただけます。講義、自主学習は
もちろん、翻訳、改変、再配布等を含めて自由にご利用ください。
非商業利用に限定
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著作権の帰属
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同一条件での頒布・再頒布
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場合には、頒布・再頒布の形態を問わず、このページの利用条件33
この教材のご利用について

配布場所

http://www.al.ics.saitama-u.ac.jp/horiyama/OCW/

この powerpoint ファイルの著作者

堀山 貴史 2007-2010 [email protected]

改変等を加えられた場合は、お名前等を追加してください
図の著作者

p. 13, 16, 17, 24
 ハードディスク : 堀山 貴史
 CPU, メモリ, キーボード, USB : http://webweb.s92.xrea.com/
 パソコン, ディスプレイ, プリンタ, マウス, FD, CD :
Microsoft Office Online / クリップアート

p. 10, 11, 18, 22, 25, 26, 29, 30
 クリップアート : Microsoft Office Online / クリップアート

その他
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 堀山 貴史
