Domainwall fermionを用いた赤外領域の格子QCD
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Domainwall fermionを用いた赤外領域の格子QCDシミュレーション
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帝京大学理工学部 古井貞隆
RBC/UKQCD collaborationが公開しているDomainwall fermionを用いたfull-QCDのゲージ配
位を使ってconjugate gradientの方法でクォーク伝搬関数を計算し、クォーク・グルーオンの
有効結合定数などを計算し、昨年まで中島日出雄氏と行った、MILC collaboration の
staggered fermionを用いたゲージ配位で計算したものとの比較を行った。
ゴースト伝搬関数から計算できる九後・小嶋カラー閉じ込めパラメータがFull-QCDでは理論
と整合しているがquench近似で約20%差が出ること、ゴースト・グルーオンの有効結合定
数がランダウゲージでは赤外suppressionが見られたがクーロンゲージでは大きさが3程度
の固定点に近づく傾向があるなどの定性的な特徴を見出した。
図(Few-Body Syst(2009)45:51-63から転載)はクーロンゲージでのStaggered fermion(青)、
Domainwall fermion(緑)の有効結合定数とJefferson Labの実験解析データ(赤)の比較で、
1点鎖線は摂動論的QCDによる計算である。Domainwall fermionの運動量が2GeV以上の
領域ではゲージ場の2乗(A2)凝縮の効果を示唆する結合定数の増加が見られた。
Domainwall fermionのクォーク伝搬関数は4次元空間の対角方向を除くとサンプル依存の
揺らぎが大きかったが、左巻きのWall source上のクォークと
右巻きのWall source上のクォークが近似的にself-dual な
ゲージ場で相関しているようにゲージ変換すると揺らぎが
小さくなった。 赤外領域ではフェルミオンゼロモードと
グルーオンの相関が重要で、超対称性とインスタントンの
効果として解釈できることを示している。