九州工業大学情報工学研究院 西野 和典 教授 関連ファイル

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Transcript 九州工業大学情報工学研究院 西野 和典 教授 関連ファイル

21世紀スキルと情報科教育
-教育内容・方法・評価の観点-
九州工業大学情報工学研究院
西野和典
1.21世紀スキル
ATC21S(Assessment & Teaching of 21st Century Skills)
 思考の方法
○創造と変革
○批判的思考・問題解決・意思決定
○学び方を学ぶ・メタ認知
 仕事の方法
○コミュニケーション
概念から実践へ
○コラボレーション
協調的な問題解決
 仕事の道具
○情報リテラシー
ICTリテラシー
○ICTリテラシー
 世界で生きるために
○市民性(地域と世界の視点)
○生活と職業
○個人及び社会的責任
(2)キー・コンピテンシー(主要能力)
コンピテンシー:
単なる知識や技能だけではなく、技能や態度を含む様々な心理的・社
会的なリソースを活用して、特定の文脈の中で複雑な要求(課題)に
対応することができる力。
ア.DeSeCo(Definition and Selection of Competencies:
Theoretical and Conceptual Foundations)
→OECD(経済協力開発機構)のサポートを受けて,各国の
専門家が結集して立ち上げたプロジェクト
①社会・文化的,技術的ツールを相互作用的に活用する能力
→相互作用的に「知識や情報を活用する能力」や
「技術を活用する能力」を身に付ける。
②多様な社会グループにおける人間関係形成能力
③自律的に行動する能力
(3)社会人基礎力(経済産業省,2006年)
■前に踏み出す力
(一歩前に踏み出し失敗しても粘り強く取り組む力)
→主体性,実行力,働きかけ力
■考え抜く力(疑問を持ち,考え抜く力)
→計画力,課題発見力,創造力
■チームで働く力
(多様な人々とともに,目標に向けて協力する力)
→発信力,柔軟性,情況把握力,傾聴力,
規律性,ストレスコントロール力
(4)問題解決力の育成
定式化しにくい課題に取り組む
→情報活用能力が求められる
→真に生徒のためになる力
そのためには・・・、
情報を収集・整理・判断・応用する力
情報を分解・統合・創造する力
情報を表現・伝達する力
これまでの学校教育
教科の限られた問題を個人で解決
→ 正解や理解すべき内容がある
(受験学力)
(5)授業を変革する
知識の伝達から,
知識創造教育への転換
⇒「変化に対応する」ではなく
「変化を切り拓く」教育を!
教育者の意識変革
が必要!
★そのためにも
「教育の情報化」を推進するとともに、
「教育の内容・方法の変革」が求められる。
• 「もの(物)作り」から
「こと(情報)創り」へ
「こと」は,最初に創ることのみに
価値が生じる世界
×copy cat ×me-too product
• 「情報社会に対応する」ではなく
「情報社会のフロンティア」に!
授業の変革と教育の情報化
・一斉学習+個別学習+協働学習
・問題解決学習
(情報活用力,仮説・実験・検証,PDCA,
批判的思考力の育成)
・PBL(Project Based Learning)
・探究学習
・協調的学習(ジグソー学習など)
・eラーニング(場所・時間・進度が非同期)
・討論,ディベート
アクティブ・ラーニング
教育の情報化を踏まえて学習環境をデザイン
The Learning Pyramid
Lecture 5% 講義
Reading
10% 読書
Audio Visual
Demonstration
Discussion Group
Practice by Doing
Teaching Others
20% 視聴覚
30%
実験・デモ
50% グループ討論
体験を通じた学
習
90% 他者に教える
経験
75%
半年後の平均学習定着率(Average Learning Retention Rates)
(National Training Laboratories, USA)
アクティブラーニングの形態
高次のアクティブラーニング*
講
義
【
知
識
の
伝
達
】
【知識の活用を目的とした課題解決・
創成授業等】
PBL,TBL,ジグソー学習,探究学習,eラーニング,協調学
習,ディベート,プレゼンテーション,卒業研究,
インターンシップ,フィールドワーク,ピアレビュー,内省・振
返り(eポートフォリオ),・・・
一般のアクティブラーニング
【知識の定着・確認を目的とした演習・
実験等】
質問・応答,ノートテイキング,音読,練習,
演習,実験,小テスト,レポート,・・・
*高次・一般のアクティブラーニングに分類:溝上慎一氏(京都大学)による
未来型インタラクティブ教室(MILAiS)
九州工業大学飯塚キャンパス
2.学習指導要領の改訂
(1)確かな学力
「基礎的・基本的な知識・技能の習得、これらを活
用して課題を解決するための思考力・判断力・
表現力等及び主体的に学習に取り組む態度等
を育む。」
学習指導要領改訂
→小・中学校:2008年、高校:2009年
学力の3要素
1.基礎的・基本的な知識・技能の習得
2.思考力・判断力・表現力
3.主体的に学習に取り組む態度の育成
学力の3要素
1.基礎的・基本的な知識・技能の習得
2.思考力・判断力・表現力
3.主体的に学習に取り組む態度の育成
学習指導要領解説総則編
→小・中・高校・特別支援学校
児童生徒がコンピュータや情報通信ネットワークな
どの情報手段を適切に活用できるようにすることが
重要である。⇒「情報教育」
教師がこれらの情報手段や視聴覚教材、教育機器
などの教材・教具を適切に活用することが重要であ
る。⇒「教科指導におけるICT活用」
(2)教育の情報化
1)情報教育
子どもたちの情報活用能力の育成
2)教科指導におけるICT活用
各教科等の目標を達成するための効果的
なICT機器の活用
3)校務の情報化
教員の事務負担の軽減と子どもと向き合う
時間の確保
情報教育とICT活用教育
(情報活用能力の育成)
(3)情報教育「情報活用能力の育成」
情
報
教
育
情報活用の実践力
○課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含
めて,必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造
し,受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力
情報の科学的な理解
の
○情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と,情報を
適切に扱ったり,自らの情報活用を評価・改善するための
基礎的な理論や方法の理解
3
情報社会に参画する態度
観
点
○社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や
及ぼしている影響を理解し,情報モラルの必要性や情報に
対する責任について考え,望ましい情報社会の創造に参画
しようとする態度
小・中・高校の情報教育の体系
中学校「技術・家庭」(技術分野)
旧教育課程
A 技術とものづくり
B 情報とコンピュータ
(1)生活や産業の中で情報手段の
果たしている役割
小
学
な構成と機能及び操作 校
へ
(3)コンピュータの利用
(2)コンピュータの基本的
(4)情報通信ネットワーク
(5)コンピュータを利用した
マルチメディアの活用
(6)プログラムと計測・制御
選択
現教育課程
A 材料と加工に関する技術
B エネルギー変換に関する技術
C 生物育成に関する技術
D 情報に関する技術
(1)情報通信ネットワークと情報
モラル
(2)ディジタル作品の設計・制作
(3)プログラムによる計測・制御
必修
高等学校共通教科情報科
現教育課程
情報A(2単位)
情報B(2単位)
情報C(2単位)
必履修教科・科目
(1科目以上)
新教育課程(2013年4月~)
「社会と情報」(2単位)
情報の特徴と情報化が社会に及ぼす影響を理解させ、
情報機器や情報通信ネットワークなどを適切に活用して
情報を収集、処理、表現するとともに効果的にコミュニケ
―ションを行う能力を養い、情報社会に積極的に参画す
る態度を育てる。
・情報活用の実践力
「情報の科学」(2単位)
・情報の科学的な理
解
・情報社会に参画する
態度
情報社会を支える情報技術の役割や影響を理解させる
とともに、情報と情報技術を問題の発見と解決に効果的
に活用するための科学的な考え方を習得させ、情報社
会の発展に主体的に寄与する能力と態度を育てる。
3観点は継続
*必履修教科・科目
3.情報科の学習評価
• 教育目標(タイラー)
– 内容的局面と行動的局面(=行動目標)で記述
• 教育目標の分類学(ブルーム)
– 目に見える評価+理解しているか等の認知領域
や,興味があるか等の情意領域の目標化
– 認知的領域,情意的領域,精神運動的領域
• 到達度評価と相対評価
(2)評価の4観点
新学力観
関心・意欲・態度
思考・判断
表現
技能・表現
知識・理解
旧来からの
学力観
(3)教科指導と評価(旧来型学習)
知識・文化
教員による評価
教科書・メディア
一斉学習
テスト・入試
【知識・理解】
【技能・表現】?
【思考・判断】
個人が保持する知識体系
?
評価に関する誤解(旧来型評価)
• 評価は教師が行う。
• 評価は学習した後に行う。
• 評価の主な目的は,学習の成果を点数化
することである。
• 評価は「どれだけ知識を身につけたか」を
測定することである。
• 点数化できないものは評価できない。
• 評価は一人ひとりで変えてはいけない。
(4)教科「情報」の指導(新しい学習観)
学校
現実の情報社会
情報
知識・文化
教科書
テスト
【知識・理解】
メディア ・ テクノロジー
【知識・理解】
【思考・判断】
情報
【関心・意欲・
態度】
?
【思考・判断】
個人が保持する知識体系
【技能・表現】
(5)学習評価の内容
• 認知的側面(知識・理解)-概念を理解する
(例)アナログとディジタルの意味を理解しているか?
• 思考的側面(思考・判断)-問題を解決する
(例)ある情報の表現が、アナログかディジタルかを判断できるか?
• 行為的側面(技能・表現)-情報を処理し表現する
(例)ある情報をディジタルで表現できるか?
• 情意的側面(関心・意欲・態度)-主体的に学ぶ
(例)ディジタルデータに対して興味を持って、扱っているか?
(6)学習指導と評価方法
• 診断的評価(学習前)
– 単元に入る前に、どれだけの知識や技能をも
持っているかどうかを調べる評価
• 形成的評価(学習中)
– 学習過程で、学習目標の到達に向けて導いて
いくための評価
• 総括的評価(学習後)
– 学習後に学習目標に到達したかを計る評価
評価方法と時期
(評価内容)
知識・理解
知識・理解
思考・判断
(テス
ト)
技能・表現
(作品)
関心・意欲・態度
診断的評価
形成的評価
総括的評価
誰が誰に対して評価するのか?
①
教員
②
教員
③ 相互評価
生徒
グループ
生徒
グループ
生徒
④ 自己評価
生徒
★4つの評価内容に関して、形成的及び総括的な評価を行う
評価方法①
教員
生徒
• ペーパーテスト(診断的評価、形成的評価、総括的評価)
– 診断テスト、小テスト、定期考査等
• 作品評価(形成的評価、総括的評価)
– 観点別評価(学習目標に沿ったいくつかの観点で評価)
– 総合評価(総合的で全体的な評価)
• 複数人で評価(評価の相違は協議する)
• 複数回の評価(時期を変えて、同じ作品を評価)
• 基準設定評価(いくつかの作品を基準として相対評価)
– 基準が変わらないように一気に採点
• 外部評価(専門家による評価)
評価方法①
• 実技評価(形成的評価、総括的評価)
– 実習評価(実習中の形成的評価),実技試験
• 観察評価(形成的評価)
– 第三者による学習活動の観察、記録による観察
• ポートフォリオ評価(形成的評価、総括的評価)
– 学習過程の記録を保存し評価する
評価方法②
教員
グループ
(ア)
生徒
(イ)
(ア)の評価は、評価方法①の方法を利用する。
 グループ評価をどのように生徒個人に反映させるか
(イ)は、山上式評価法がおすすめ

相互評価
•
•
•
•
評価方法③
グループ
生徒
観点別評価、総合評価
コメント・アドバイスの記述
記名で率直な評価を相互に行う
形成的評価で実施し、改善報告書を作成させる。
自己評価



生徒
ポートフォリオ評価
リフレクション(内省を記述させる)
プロトコル評価(学習活動の記録)
自己学習力をつけるための自己評価
教師
目標・計画
次の目標・計画
教師
生徒
教師
実行
評価
教員が次の目標
生徒
生徒
生徒
目標・計画
実行
評価
次の目標・計画
生徒
生徒が主体的に次の目標
(7)学習目標と評価規準の明確化
実習前に目標と評価方法を生徒に知らせる。
(生徒に分かるような記述で)
<マルチメディア制作の例>
文字,画像,音声,動画を合わせてコンピュータで
表現することができるようになる。
→ 個人とグループの作品で評価
 聞き手に分かりやすく説明することができるようにな
る。 → 一人ひとりプレゼンで評価
 著作権などに気をつけて,情報を発信できるように
なる。→ 作品とテストで評価

評価の観点と規準を明確にする
(Web制作の場合)
• 評価の観点を明確に示す
・制作意図が伝わるか
・デザインの工夫
・操作性 ・アクセシビリティ ・正しい表示
・著作権やプライバシーへの配慮,・・・・
• 到達ステップ(レベル)を示す
– 文字を表示させることができる(レベル1)
– 画像を加工して表示することができる(レベル2)
– リンクを設定することができる。(レベル3)
:
:
評価の観点と基準
目標
観点1
レベル(規準)1,レベル2,レベル3,・・・
観点2
レベル(規準)1,レベル2,レベル3,・・・
:
:
観点3
レベル(規準)1,レベル2,レベル3,・・・
• 生徒が,見通しを持って実習する。
• レベルの到達度は個々に異なるが,目標を持って
実習できる。
• 教員の評価,相互評価,自己評価がやりやすくなる。
• 生徒が納得する評価になる。
• グループ内での学び合いが起こる。
(8)評価のポイントと考え方
• 総括的評価だけでなく形成的評価が重要
-これを教員・生徒ともに最初に確認する
• 相互評価、自己評価が重要
-相互・自己評価ができるようになることも教育目標
• 多面的な主観評価は、客観性がある
-評価は複眼で
• 目標・観点・規準をはっきりさせておく
-実習前に,これらを具体的に生徒に示しておく
• 評価は次のステップへの足場つくりと橋渡し
• 評定付けは、教員の責任の範囲で行う
-授業の最初に方法を確認する
• 評価は、日々生徒が行うもの
-自己評価のための授業の工夫を(書く、話し合う)
• 評価と指導は表裏一体
• 作品として公表することによる評価
• 同じ課題で、復活のチャンスを
• 評価は、次のステップへの改善のためにある
資料
4.新学習指導要領共通教科情報科
「社会と情報」
共通教科情報科の改訂のポイント
• 情報社会を構成する一員として,社会の情報化の
進展に主体的に対応できる能力と態度を育成する
観点から,「情報の科学的な理解」や「情報社会に
参画する態度」を柱に科目の構成・内容を改善。
• 情報活用能力を確実に身に付けさせるために,
小・中・高等学校を通して体系化された情報教育
の指導内容を踏まえ,一部重複させるなどして指
導を充実。
• 内容に情報モラルを項目立てし,情報モラルを身
に付けさせる学習活動を重視。
共通教科情報科の科目の構成
• 「情報A」は発展的に解消し,「情報の科学
的な理解」及び「情報社会に参画する態度」
に関する内容を重視した科目として,「情報
の科学」と「社会と情報」を設置。
• 新科目はともに,標準単位数が2単位(35
時間×2)であることや選択必履修科目であ
ることは,現行科目と同様。
改善事項 「社会と情報」
• 情報の収集,分析,表現や効果的なコミュ
ニケーションを行うために情報機器や情報
通信ネットワークを適切に活用する学習活
動を重視。
• 情報の特徴,情報化が社会に及ぼす影響
の理解及び情報モラルを身に付ける学習
活動を重視。
「社会と情報」の目標
• 情報の特徴と情報化が社会に及ぼす影響
を理解させ,情報機器や情報通信ネッ ト
ワークなどを適切に活用して情報を収集,
処理,表現するとともに効果的にコ ミュニ
ケーションを行う能力を養い,情報社会に
積極的に参画する態度を育てる。
「社会と情報」の内容
(1) 情報の活用と表現
(2) 情報通信ネットワークとコミュニケーション
(3) 情報社会の課題と情報モラル
(4) 望ましい情報社会の構築
補足:情報モラルの指導
• 平成20年1月の中央教育審議会答申
• 小学校段階では,各教科等において,コンピュータや情報通
信ネットワークなどの積極的な活用を通じて,その基本的な操
作の習得や,情報モラル等に係わる指導の充実を図る。
• 中学校段階では,各教科等において,小学校段階の基礎の
上に,コンピュータや情報通信ネットワークなどを主体的に活
用するとともに,情報モラル等に関する指導の充実を図る。
• 高等学校段階では,各教科等において,小学校及び中学校
段階の基礎の上に,コンピュータや情報通信ネットワークなど
を実践的に活用するとともに,情報モラル等についての指導
の充実を図る。
「社会と情報」 (1)ア
(1) 情報の活用と表現
ア 情報とメディアの特徴
• 情報の特徴とメディアの意味については,「情
報C」では扱っていない。
• 情報の特徴については,情報の複製などを例
に説明する。
• メディアという用語は様々な意味で使われてお
り,そのことを理解させる。
「社会と情報」 (1)イ
(1) 情報の活用と表現
イ 情報のディジタル化
• 標本化や量子化など,情報のディジタル化に
ついては,「情報C」の内容と大きな変化はない。
• 「情報C」の「情報機器の種類と特性」の必要な
内容も含む。
• 情報の信頼性や信憑性の内容についても触れ
る。
「社会と情報」 (1)ウ
(1) 情報の活用と表現
ウ 情報の表現と伝達
• 実習でコンテンツの作成を取り上げる。
• 情報をわかりやすく表現するために,適切な情報機
器や素材の選択を行わせる学習活動を扱う。
• コンテンツ作成では,著作権などに配慮した指導を
行う。
「社会と情報」 (2)ア
(2) 情報通信ネットワークとコミュニケーション
ア コミュニケーション手段の発達
• コミュニケーション手段の発達や変遷について扱
う。
• コミュニケーション手段については,コミュケーショ
ン手段の変遷と関連づけて扱う。
• 電子メールなどの通信サービスの特徴をコミュニ
ケーションの形態とのかかわりで扱う。
「社会と情報」 (2)イ
(2) 情報通信ネットワークとコミュニケーション
イ 情報通信ネットワークの仕組み
• 電子メールやWebサイトなどを取り上げ,これらの信
頼性,利便性についても扱う。
• 電子メールなどを例として,インターネットの基本的
な仕組みなどを扱う。
• 情報セキュリティの信頼性を高める方法について扱
う。
「社会と情報」 (2)ウ
(2) 情報通信ネットワークとコミュニケーション
ウ 情報通信ネットワークの活用とコミュニ
ケーション
• (2)イで取り上げた例の特性を踏まえ,どのようなコ
ミュニケーションが効果的であるのかを,習得させ
る学習活動を扱う。
• 情報の信憑性や著作権などへの配慮について,自
己評価させる学習活動を扱う。
「社会と情報」 (3)ア
(3) 情報社会の課題と情報モラル
ア 情報化が社会に及ぼす影響と課題
• インターネットの光(利便性)と影(危険性)を取り
上げる。
• 生徒が主体的に考え,討議し,発表し合うなどの
学習活動を扱う。
• 電子掲示板などでの誹謗・中傷などを例として,ど
のように解決していくかなどを討議,発表させる学
習活動を扱う。
「社会と情報」 (3)イ
(3) 情報社会の課題と情報モラル
イ 情報セキュリティの確保
• 情報セキュリティを確保する技術的な対策(個人認
証,暗号化など)を取り上げる
• 組織的な対応を含めた情報セキュリティポリシーの
策定など,情報セキュリティを高める方法を扱う。
「社会と情報」 (3)ウ
(3) 情報社会の課題と情報モラル
ウ 情報社会における法と個人の責任
• 知的財産については,著作権や産業財産権などに
かかわる具体例を通して学習させる。
• 個人情報については,個人情報保護の重要性につ
いて扱う。
• 個人の適切な判断が重要であることについても扱う。
「社会と情報」 (4)ア
(4) 望ましい情報社会の構築
ア 社会における情報システム
• 情報システムが社会生活に果たしている役割や与
えている影響などについて,生徒に調べさせ,発表
させる学習活動を行う。
「社会と情報」 (4)イ
(4) 望ましい情報社会の構築
イ 情報システムと人間
• 人間にとって利用しやすい情報システムの在り方に
ついては,例えば,ユニバーサルデザインやアクセ
シビリティなどを取り上げる
• 情報通信ネットワークを活用して様々な意見を提案
し集約する方法について,討議,発表させる学習活
動を行う。
「社会と情報」 (4)ウ
(4) 望ましい情報社会の構築
ウ 情報社会における問題の解決
• 情報機器や情報通ネットワークを適切に活用しなが
ら,身近な具体例を通して,問題を解決する手順を
習得させる学習活動を行う。
「情報の科学」
改善事項 「情報の科学」
• 問題解決を行うために情報と情報技術を
効果的に活用する学習活動やそのために
必要となる科学的な考え方を身に付ける
学習活動を重視。
• 情報社会を支える情報技術の役割や影響
の理解及び情報モラルを身に付ける学習
活動を重視。
「情報の科学」の目標
• 情報社会を支える情報技術の役割や影響
を理解させるとともに,情報と情報技術を問
題の発見と解決に効果的に活用するため
の科学的な考え方を習得させ,情報社会の
発展主体的に寄与する能力と態度を育てる。
「情報の科学」の内容
(1) コンピュータと情報通信ネットワーク
(2) 問題解決とコンピュータの活用
(3) 情報の管理と問題解決
(4) 情報技術の進展と情報モラル
「情報の科学」 (1)ア
(1) コンピュータと情報通信ネットワーク
ア コンピュータと情報の処理
• コンピュータによって情報が処理される仕組みにつ
いて理解させる。
• 情報のディジタル化(数値,文字,音声,静止画等)
• 標本化,量子化なども,「情報B」の内容とほぼ同じ
である。
「情報の科学」 (1)イ
(1) コンピュータと情報通信ネットワーク
イ 情報通信ネットワークの仕組み
• 情報通信ネットワークの仕組みについては,通
信のプロトコルやサーバ等の機能について扱う。
• 情報セキュリティを確保する方法については,
「社会と情報」(3)イと同様に,個人認証や暗号化
などを扱う。
「情報の科学」 (1)ウ
(1) コンピュータと情報通信ネットワーク
ウ 情報システムの働きと提供するサービス
• 情報システムが提供するサービスが生活に与えてい
る変化について扱う。
• この内容について,生徒に調べさせる学習活動を行
う。
「情報の科学」 (2)ア
(2) 問題解決とコンピュータの活用
ア 問題解決の基本的な考え方
• 問題解決の基本的な考え方を習得させる。
• 生徒に複数の解決策を考えさせ,目的と状況に応
じて解決策を選択させる活動を扱う。
「情報の科学」 (2)イ
(2) 問題解決とコンピュータの活用
イ 問題の解決と処理手順の自動化
• 「情報B」で扱われている内容である。「情報B」では,
アルゴリズムの具体例として,探索や並べ替えに
ついて、学習指導要領の本文には例示はない。
• 適切なアプリケーションソフトやプログラム言語に
よる実習を行う。
「情報の科学」 (2)ウ
(2) 問題解決とコンピュータの活用
ウ モデル化とシミュレーション
• 「情報B」のモデル化とシミュレーションの内容であ
る。
• モデル化とシミュレーションの考え方や方法を理解
させ,実際の問題解決に活用できるようにする。
「情報の科学」 (3)ア
(3) 情報の管理と問題解決
ア 情報通信ネットワークと問題解決
• 問題解決における情報通信ネットワークの適切な
活用方法を習得させ,情報共有の有用性を理解さ
せる。
• 実際に処理又は創出した情報について生徒に評
価させる活動を扱う。
• 問題解決の過程おいて,情報検索,情報共有,情
報発信などにおいて,生徒による評価活動を扱う。
「情報の科学」 (3)イ
(3) 情報の管理と問題解決
イ 情報の蓄積・管理とデータベース
• 問題解決のための簡単なデータベースを作成する
実習を通じて,データベースの概念を理解させる学
習活動を行う。
• 簡単なデータベースを作成する活動を取り入れ,
情報が喪失した際のリスクについて扱う。
• 例えば,データベースに管理されている個人情報
の流出などによる影響などを調べさせる学習活動
を行う。
「情報の科学」 (3)ウ
(3) 情報の管理と問題解決
ウ 問題解決の評価と改善
• 問題解決の過程と結果について評価し,改善する
ことの意義や重要性を理解させる。
• (2)及び(3)アやイの内容に関連づけた学習活動を
行う。
• 問題解決の各過程において,その過程と結果につ
いて評価し,改善することの意義や重要性を理解
させる。
「情報の科学」 (4)ア
(4) 情報技術の進展と情報モラル
ア 社会の情報化と人間
• 社会の情報化が人間に果たす役割と及ぼす影響
について理解させ,情報社会を構築する上での人
間の役割を考えさせる。
• 情報機器や情報通信ネットワークの様々な機能を
簡単に操作できるようにする工夫,高齢者や障害
者による利用を容易にする工夫についても扱う。
• ユニバーサルデザイン,ユーザビリティ,アクセシ
ビリティなどについても扱う。
「情報の科学」 (4)イ
(4) 情報技術の進展と情報モラル
イ 情報社会の安全と情報技術
• 情報通信ネットワークなどを使用した犯罪などにつ
いて取り上げ,情報セキュリティなどに関する情報
技術の適切な活用方法についても扱う。
• サイバー犯罪などを取り上げ,安全性を高めるた
めの情報セキュリティ対策などについて,討議し,
発表し合う学習活動を行う。
「情報の科学」 (4)ウ
(4) 情報技術の進展と情報モラル
ウ 情報社会の発展と情報技術
• 情報技術の進展が社会に果たす役割と及ぼす影
響を理解させる。
• 例えば,電子掲示板などの利便性と問題点を取り
上げ,情報社会や人間生活にどのような影響を与
えているかを討議,発表させる学習活動を行う。
• 個人の責任や態度について考えさせ,情報技術を
社会の発展に役立てようとする心構えを身に付け
させる。
おわりに
• 情報モラルが項目立てされている。
– 「社会と情報」では,情報の特徴や情報化が社会に及ぼす
影響を理解させる。
– 「情報の科学」では,情報社会を支える情報技術の役割や
影響を理解させる。
• 「社会と情報」では,情報とメディアの特徴,コミュニ
ケーション手段の発達などの項目が増えている。
• 「情報の科学」では,(2),(3)で問題解決が項目立てさ
れている。
おわりに
• 実習時間数については,総授業時間数に対する
具体的な数値の記載はない。
– 旧学習指導要領では,「情報A」では総授業時間数の2
分の1以上,「情報B」及び「情報C」では総授業時間数
の3分の1以上と記載されていた。
• 同一学年履修が明記されている。
– 現行学習指導要領にはない,「各科目は,原則として,
同一年次で履修させること。」という項目が増えている。