教育センターにおける エネルギー環境教育の教員研修調査 調査対象

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Transcript 教育センターにおける エネルギー環境教育の教員研修調査 調査対象

+
論文紹介
伊藤 量
+ 研究背景と目的
人類の存続に関わる問題
ユネスコのESD
(Education for sustainable development)
人類共通の認識とする必要性
世界へ京都議定書の発信!
エネルギー環境教育に真剣に
取り組むことが重要
+ 研究背景と目的
エネルギー環境教育の実態を明らかにし
て,
世界各国からの期待にこたえることが重要
論文目的
教育センターにおける教員研修の実態から,
エネルギー環境教育の実態の一端を明らかにする
+ 調査
教育センターにおける
エネルギー環境教育の教員研修調査
:全国47都道府県県立教育センター
:2004年
環境•エネルギー教育の教員研修講座の担当者
:調査書を作成し,担当者へ郵送&回収
回答
質問紙法
+ 調査
調査結果
調査の回収率は,74.5%(35のセンターから回答)
ほぼどの質問回答へも丁寧な記載がされていた.
回答が得られな
かったセンター
山形,群馬,東京,石川,
三重,京都,奈良,鳥取,
徳島,高知,長崎,大分
回答がなかったセンターの中には…
「エネルギー教育」や「エネルギー環境
教育」の講座がなく担当者がいない
+ 調査
質問1
研修講座の開催日数と各講座の定員
+ 調査
質問2
研修講座の対象者の属性
11.4
2.9
14.3
0
11.4
68.6
22.9
①全教師(1)
②初任者研修(5)
③3年目研修(0)
④5年目研修(4)
⑤10年目研修(8)
⑥希望者(24)
⑦その他(4)
+ 調査
質問3
研修講座で実際に行なわれた講座
+ 調査
講義
野外実習
27(77.1%)の教育センター
23(65.7%)
環境教育の進め方⑪
野外観察•調査⑧
環境教育の実践事例⑦
環境問題の総論的内容③
エネルギー問題の総論的内容②
水生生物調査⑦
水質調査
森林の動植物の観察③
身近な環境調査⑥
ビオトープの観察②
里山体験学習②
森林の役割や種の保存について,地層•
化石•動植物の観察,学校農園管理
施設見学
18(51.4%)
大学等の研究所や企業の研究所⑦
資源変換•再生センター④
火力発電所②
清掃工場,浄水場,風力発電,原子力発電所,電力会社などの資料館,
植物園,ISO取得企業
+ 調査
観察•実験
ものづくり
18(51.4%)
11(31.4%)
水質調査③
水生生物の観察③
気体の調査③
森林観察②
物化生地分野の実験②
土壌動物を利用した環境診断,燃料電池の製
作,紫外線の測定,環境教育のためのスキル
アップ,騒音調査,エコクッキング
風力発電のモデルづくり②
身近なものを使った工作②
リサイクルで物づくり
太陽電池での工作
燻製づくり
ソーラークラッカーづくり
和紙づくり
環境教育教材の製作
事例発表•討論
21(60.0%)
ビデオ等の視聴
1(2.9%)
環境教育•実践プログラム⑪
風力発電に関する内容
環境教育モデル校の取り組み,竹炭づくり,各学校
における事例発表,学校版ISO実践校の取り組み,
指導法と実技,ワークショップ,学校ビオトープ,
淀川の生物,地域環境特性を生かした取り組み
+ 調査
質問4
エネルギー教育の講座内容
ゴミ問題(5)
11.4
2.9
14.3
リサイクル(8)
22.9
34.3
17.1
省エネルギー(6)
エネルギー資源(科学的,社
会経済的側面から)(12)
地球温暖化(4)
その他(1)
最近1〜2年
他:“特化していない”
+調査
質問5
研修講座の担当講師の属性
2.9
34.1
22.9
42.9
37.1
環境•エネルギー科学の専門
家•研究者(11)
環境•エネルギー教育の研究
者(13)
環境•エネルギー教育の教育
実践者(15)
環境•エネルギー教育の教育
の専門家(8)
他: 研究所のスタッフが直接講師となって指導
ジャーナリスリスト
エネルギー財団に依頼
見学施設の担当者
ボランティアなど地域で活
動する環境•エネルギー教育
の関係者(1)
+ 調査
質問6
今後の環境•エネルギー教育で工夫した
い点,重点を置きたいと思われること
回答:自由記述
14.3%(5)
11.4%(4)
8.6%(3)
5.7%(2)
5.7%(2)
校種ごとに研修をもちたい
系統的な研修にしたい
今日的課題で教員の資質の向上を
エネルギー教育は理科の中で取り上げる
原発地域をふまえたエネルギー教育 多面的思考•判断できる人材養成
新エネルギー 野外研修学
習指導要領の内容
+ 調査
質問7
環境•エネルギー教育を行なう上での課題
回答:自由記述
14.3%(5)
5.7%(2)
教師が学んだことを授業に行かせるように
環境問題を根本から吟味するにはどうすればよいか
校種間•学校間格差
学習者の発達段階にあわせる
教科指導の枠を越えて広げる
高校教員の関心が低く参加しない
見学施設にいいところが少ない
環境教育研究所指定校との連携
参加者を増やす
+ 考察
エネルギー•環境教育の教員研修実施実態の概略
〔%〕
70
17.1
60
50
45.7%
20.0
28.6
25.7
40
30
11.4
20
10
0
17.1
20.0
37.1%
42.9%
25.7
高校
中学校
小学校
17.1
十分に開催日数
がとれていない
+ 考察
エネルギー•環境教育の教員研修実施実態の概略
つまり…
エネルギー•環境教育の問題もあるが,教員研修が強化さ
れてきて以降長期休暇中の教員研修では,
•各教科の研修講座だけで時間数が一杯.
•その他の研修講座だけで時間数が一杯.
•受講者側のも日程的に参加できにくくなってきている.
質問7:研修の課題
一致
第1位→時間数の確保
+ 考察
研修への参加者について
希望者である場合が多く,2/3以上の都道府県で自由
に選択できる状況
背景
高校教員の参加者が少ない
大学受験への対応
(小中学校にはない)
→進学学習に大きなウエイト
意識的にならない限り現状改善が難しい
∴自由参加であるため
+ 考察
総合的な学習の時間で積極的にエネルギー環境
教育を行なっていると考えられる場合について
講義77.1%
環境教育の進め方,野外観察•調査,環境教育の実践事例
野外実習65.7%
観察•実験51.4%
直接体験を重視した講座
有意義な学習となる配慮
講師:教育実践者42.9%
事例発表•討論60.0%
施設見学51.4%
ものづくり31.4%
+ 考察
総合的な学習の時間で積極的にエネルギー環境
教育を行なっていると考えられる場合について
エネルギー環境教育に関連した講座では,
学校に戻ってすぐに授業に行かせる即戦力が求められている
受け身型ではなく,体験型などが積極的に行なわれている.
即戦力を身につけてもらうには,十分な時間数が確保できていない.
総合的な学習の時間としてのエネルギー環境教育の研修と
理科などの教科での研修との明瞭な棲み分けをどうするか
+ 結論
エネルギー環境教育の研修講座について明らかになったこと
1. 開催日数に関しては,ほとんど行なわれていなかっ
た.
2. 研修への参加状況は,自由参加で高校教師の参加は特
に少なかった.
3. 研修内容は,学校に持ち帰って,すぐに活用できるよ
うな実践的なものが多かった.
4. 研修担当の講師は,教育実践家が多く,この面からも
学校に持ち帰ってすぐに活用できるように研修講座が
配慮されている
+ 結論
エネルギー環境教育の研修講座について明らかになったこと
学力低下:PISA TIMMS
総合的な学習の時間のあり方
エネルギー環境教育
これまで:自然保護教育中心
→これから:エネルギー教育の重要性
京都議定書の批准(地球温暖化防止)
総合的な学習の時間の学習のあり方の議論をふまえつつ,エネ
ルギー環境教育及びESDのあり方を議論していく必要がある
+ 考察>>この論文の評価
研修講座について知り得る全国規模という大きな調査
47の都道府県立教育センター
回答率:74.%(35)
研修開催側•受講者側の問題を浮き彫りに
回答解析
研修について詳細の明瞭化
現状の教育問題を考えさせる調査論文
総合的な学習の時間と学力低下
+ 考察>>論文からの知見及び活用
知見
エネルギー環境教育があまり行なわれていない.
学力向上,総合的な学習の時間,エネルギー環境教育およ
びESDバランスの重要性
実践
スキルを今から養う.<<ゼミ+広い視野
教育実践家として現場で学ぶとともに,仲間を増やす.