遷移輻射 - 高エネルギー原子核実験グループ

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PROTOTYPE TESTS FOR THE
ALICE TRD
何なんだTRD !!!
MOTIVATION
ALICEとTRD


1~100GeV/cでの電子の同定
ALICEの目標:2GeV/C以上でpion rejection power>100
TRDのおおきさ

ALICEのTRDはこの辺にあります
これ
全体像
TR(遷移輻射)?
どんな現象?
物質と粒子の相互作用

1.
2.
3.
4.
荷電粒子
電離・励起
チェレンコフ放射
制動輻射
遷移輻射

1.
2.
3.
光子
光電効果
コンプトン散乱
電子対生成
荷電粒子の相互作用
電離・励起

荷電粒子が物質中を通ると、クー
ロン力により力を物質中の電子に
与える

そのエネルギーにより電子が離れ
たり、ほかの軌道に移ったりする
遷移輻射

高速荷電粒子が誘電率の
異なる境界を通過するとき
電磁波を放出する

電気分極の時間変化によ
る放射のコヒーレントな結合
制動放射
チェレンコフ放射
荷電粒子の速度が変わ
ると、電磁放射線をだす
 連続スペクトル


媒質中をそこでの光速よ
り速く粒子が通過すると、
電磁波が放射される
光子と物質の相互作用
• 原子電子との相互作用
光電効果
• 光子はなくなり、束縛電子は自由電子になる
コンプト
ン
散乱
電子対
生成
• 自由電子との衝突(束縛エネルギー≪光子のエネルギー)
• 光子はなくならない
• 原子核との相互作用
• Electron-positron対ができる
FORMATION
ZONE
干渉性が保持される距離
 Formation zone程度の厚
さのときのみ、よいTR強度
が得られる

2c
z
  2   2   2
where,   P 


総TRエネルギー
強度はγに比例する
γが大きくなるとformation zone
が大きくなるので強度はある大き
さで止まってしまう
1 2
W = αz ℏωp1 γ
3
角度
角度はθ~1/γでピークをもつ
実際の測定で測るには大きな
装置と、高い位置分解能が必要
dW
2α
=
f θ
dωdθ
π 0
−1
f0 θ = θ3 ς−1
g − ςf
ςi = γ−2 + θ2 + ξ2
2
RADIATED TR SPECTRUM
エネルギーの大部分はX線領
域に放出される
 境界が多数あるとコヒーレント
に結合する
 γが大きいと高いエネルギーの
X-rayのほうが強くなる

DETECTOR
検出器の種類
シンチレーション・カウンター(S)
 チェレンコフ・カウンター(Ch)
 ドリフトチェンバー(DC)
 Pb-glass カロリメーター(Pb)
 多線式比例計数箱(MWPC)
 Silicon strip detector

これって何をするの?
シンチレーション・カウンター



主に時間の測定に用いられる
荷電粒子がシンチレータを通過すると中の物質を励起させ、
基底状態に戻るときの可視光を、光電陰極におくる
それをPCで増幅して観測する
シンチレータの条件
•減衰長が長い
•最大蛍光量が大きい
時間分解能の原因
•PCでの伝播時間の揺らぎ
•シンチレータやライトガイド
内での光路長の違い
二つ以上用いてstart-stopを
管理する
チェレンコフ・カウンター




主に粒子の同定に用いられる
物質内での光の伝播速度より速い粒子が通ると発生
チェレンコフ光の性質はβ,λ(波長),θ(進行方向との角度)に依る
高い時間分解能
識別方法
•閾値を決める(運動量が同じで質量の違
うときβが異なるため)
•絞りをつける(βが大きくなるとθが大きく
なるので、θでの光量を測定する)
Electron triggerに使える
1GeV/cのとき、
γe~2000、γpi~10
光量の分布でも粒子識別は可能
入射方向が一定でない場合は
•チェレンコフ・リングイメージ検出器
(RICH)を使用
Electron triggerに使える
ドリフトチェンバー →今回のメイン





主に位置の測定に用いられる
PCでは粒子の通過時刻と陽極パルスの立ち上がりはとの時
間差⊿tは、一次電離の発生点とアノードワイヤーとの距離に
正確な相関がある
粒子の通過時刻と、パルスの立ち上がり時刻がわかれば一
次電離の発生点がわかる
ドリフト速度が一定なら発生点までの距離は v⊿t
電場の一定に保ちたい→ワイヤーの張り方
PB-GLASS CALORIMETER
EMCALの一種→高エネルギーγ線のエネルギー測定
Crystal(NaI,Pb-glass)
サンドウィッチカロリメーター
シャワーによって生じた電子、陽
電子による蛍光またはチェレ
ンコフ光を観測
シャワーを作る物質(鉛、タングス
テン等)+シャワー電子の測定
器 を重ねたもの
エネルギー分解能◎
 取り扱い難、高価


信号が早い
 位置精度が悪い
多線式比例計数箱(MWPC)


主に位置の測定に用いる
PCがたくさんあるイメージで、電離が起きた近くのワイヤーに
パルスが現れる
SILICON STRIP DETECTOR



位置の測定に用いる
素粒子がシリコン検出器内を通り抜けると、電子とホールが
でき、電子はプラス、ホールはマイナスの電極へ集められ、ス
トリップ上に電気信号が発生する
信号が検知された両面それぞれのストリップの位置から位置
を決定する
DRIFT CHAMBER
まずはdetector
大体の構造
•Xe/CO2はTRの吸収がよい
•大きさは0.5×0.6㎡
•Anode:W-Au 20μm
•Cathode:Cu-Be 75μm
•Entrance : aluminized
kapton 25μm
•TRによるシグナルと電子に
よるシグナルはほぼ重なる
5mm
6mm
30mm
48mm
ガス
TRの吸収がなるべく良いもの→Xe
 クエンチャー
紫外線の不安定性を取り除く→CO2

電子雪崩
γ
SOURCE TESTS
Anode, Cathode電圧や、gas gain, エネルギー分解
能を決めるため、まずはわかっているものでテストをする
 55Feからの軟X線(5,9keV)

BEAM TESTS(1)→SETUP
S1,S2→beam trigger
 Ch→electron trigger(取りこぼしあり)
 Ch & Pb→測定結果から適当なものを選ぶのにつかう

BEAM TESTS(2)
Chでの光量とPbでの光量には正の相関がある、
 閾値を決めて粒子識別をする

結局一番よさそうな状態は
•90% Xe+10% CH4
•Ud=-4.0kV, Ua=1.6kV
•Gas gain ~ 8000
•酸素は10ppm以下に保つ
読み出し
Cathode padの読み出しは20MHz
 (Drift velocityは1.5*10^-3mm/ns)
 Drift timeは2μs以上
 よって7.5mm以上の精度で読み出せる

RADIATOR
なにを選ぼうかなぁ
テストの仕方



Drift time vs PH
FADCが使われる
それを全てのpadについて平均
を取る
テストビーム
解釈
Amplification
region
TR
Drift region
Ion tail
Electron
attachment
テストしたRADIATORの種類


大きく分けてfoil, fiber,
foamを使った
Radiatorの厚さは3-10cm
RADIATORの違い
Drift regionを4分割
 <PH>e/<PH>piが大きい
ほうが識別しやすい

Fiberは使える(軽い)
 (密度は小さいほうがよい)
 Form1,form3は使えそう

ALICEでは結局・・・
TR
 ALICEでの形・大きさ
 圧力に対する強度(変形しないように)
などなど考慮した結果

 Fiberとfoamのサンドイッチ型がよい
PION REJECTION FACTOR
DISTRIBUTION(SIMULATION)
エネルギー分布

TRによってエネルギー分
布はelectronのほうが大き
いほうにシフトしている
大きなクラスターの位置

TRがentrance window付
近で多い
(pionはほぼ一様)
CHAMBERの数
たくさんチェンバーがあったほ
うがelectronの分布が見やす
い
 ALICEでは6層です

PION REJECTION FACTOR
Pion rejection factorを決める3つの方法
 TMQ→平均値を使う
 L-Q→可能性を使う
 L-QX→L-Qとlargest clusterの位置をつかう
L-Q,L-QX

Likelihoodが90%のとき
のcountの比をpion
rejection factorとする
L
P(e)
P(e)  P( 
EFFICIENCY
Pion rejection factorを決める値
 L-QXが一番よい(左:90右:150)
 2GeV/cまではエネルギーが上がるごとに良くなってい
る(さらに上がるとだんだん悪くなっていくようです)

おしまい
ありがとうございました