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Quark number density in the phase with
unbroken Z2 symmetry in two-flavor QCD
竹本真平(名古屋大学)
<共同研究者>
原田正康(名古屋大学)
佐々木千尋(ミュンヘン工科大学)
arXiv:0908.1361 [hep-ph]
QCD 相図
温
度
•クォーク非閉じこめ
• カイラル対称性の(近似的)回復
•クォーク閉じこめ
• カイラル対称性の自発的破れ
密度
カイラル対称性と中心 Z2
Nf=2 (mq=0) の QCD はカイラル対称性 SU(2)L X SU(2)R を持つ。
SU(2) は中心 Z2 (1,-1) を持つ。
SU(2)L X SU(2)R → SU(2)V 以外に SU(2)L X SU(2)R → SU(2)V X (Z2)A
という形のカイラル対称性の自発的な破れも可能か?
カイラル対称性の自発的な破れと秩序変数
2 次の秩序変数
4 次の秩序変数
I.Kogan,A.Kovner and M.Shifman, PRD59,016001(1998)
は m=0 (T=0, T≠0) QCD で
QCD 不等式(
)により禁止される。
m≠0 の領域では SU(2)L X SU(2)R → SU(2)V X (Z2)A という
対称性の自発的な破れが起こる可能性がある。
cf. Y.Watanabe,K.Fukushima and T.Hatsuda, PTP111,967(2004)
Outline
1. カイラル対称性の自発的な破れと秩序変数
2. 2 クォーク、4 クォーク状態を含むカイラル模型とその相図
3. Z2 symmetric phase の特徴
(クォーク数密度、ハドロン質量スペクトル)
4. まとめ
2. 2 クォーク、4 クォーク状態を含むカイラル模型
とその相図
2 クォーク状態と 4 クォーク状態
という対称性の破れを考えるために 2 クォーク、4 クォーク状態を導入。
2 クォーク状態
4 クォーク状態
S は(Z2)A不変である。
ポテンシャル
場の4 次まででポテンシャルを書く。
Ginzburg-Landau ポテンシャル
平均場近似
Ginzburg-Landau ポテンシャル
一般性を失わずに C=-1 とすることができる。
今後の議論はGL の枠組みで行う。
D=0 の相図(Z2 symmetric phase の出現)
explicit
chiral
broken
broken
Z2
chiral
Z2
D=0 の相図(相図の特徴)
chiral
broken
Z2
broken phase と Z2 symmetric phase との間に
三重臨界点(TCP2)が現れる。
D<0 の相図
chiral
chiral
broken
broken
Z2
 chiral restoration line は一次相転移線
 explicit breaking がなくても臨界点(CP1)が現れる
 三重臨界点(TCP2)がD=-1で三重点と一致する
Z2
D>0 の相図
chiral
chiral
broken
broken
Z2
Z2
 Z2,chiral restoration line はともに一次相転移線
 三重臨界点(TCP1)がD=1で三重点と一致する
Explicit breaking を入れたときの相図の予想
chiral
broken
Z2
chiral
broken
Z2
 broken phase と Z2 symmetric phase との間に新たな
臨界点(CP2)が現れる(D<0が実現したとき)
 cross over line と臨界点(CP1)は交わらない(D<0)
低温・高密度領域における臨界点
M.Kitazawa, T.Kunihiro et al. ,PTP108,5 (2002)
Nf=2 NJL (vector+diquark coupling )
N.Yamamoto et al. ,PRD76,074001 (2007)
Nf=3 GL (U(1)A anomaly)
今回の臨界点は Z2 対称性の回復に関係するもので、
これらの臨界点とは別物である。
3. Z2 symmetric phase の特徴
Z2 restoration line におけるクォーク数感受率
D=0,h=0
クォーク数感受率 (singular part)
chiral
chiral
broken
Z2
broken
Z2
m小
m大
Z2 restoration line (特にCP近く)で
クォーク数感受率が極大になる。
Z2 symmetric phase におけるクォーク数密度
クォーク数感受率 (singular part)
D=0,h=0
broken
chiral
Z2
クォーク数密度
broken
m小
chiral
m大
chiral restoration よりも Z2 restoration
の際にクォーク数密度が大きく変化する。
Z2
クォーク数密度が大きい
→ Quarkyonic phase と関連?
Z2
m小
m大
カイラル模型
2 クォーク、4 クォークのスカラー、擬スカラーメソンを含むカイラル模型
2 クォークのスカラー
4 クォークのスカラー
2 クォークの擬スカラー
4クォークの擬スカラー
ポテンシャル(カイラル極限、場の 4 次まで)
Broken phase におけるメソン質量
質量固有状態
擬スカラーメソンの質量
2S
2p
4s
4p
mixing angle
pion decay constant
broken phase では 2 クォーク、4 クォークの擬スカラーメソン
の混合状態が NG ボソンになる。
Z2 symmetric phase におけるメソン質量
スカラー、擬スカラーとも mixing はない。
2S
4S
2P
4P
pure 4-quark state
pion decay constant (y)
 pure 4 クォーク状態が NG ボソンになる
 スカラー、擬スカラーメソンの質量の縮退はない
 pion decay constant は有限
ハドロン質量スペクトル
broken
Z2 sym.
cf. I.Kogan,A.Kovner and M.Shifman, PRD59,016001(1998)
4. まとめ
まとめ
という対称性の破れを起こす
2 クォーク、4 クォーク状態を含むカイラル模型の相図を調べた。
 相図
D<0
D>0
Z2 restoration に関係する
新たな臨界点が出現。 (D<0)
 Z2 symmetric phase の特徴
broken phase よりも大きなクォーク数密度を持つ。(Quarkyonic と関連?)
pure 4 クォーク状態がNG ボソンになる。
スカラー、擬スカラーメソンの質量は縮退しない。(ms≠mp≠0)
2 クォーク凝縮は0 (s0=0)かつ pion decay constant が有限(Fp≠0)である。
バックアップ
QCD 不等式
D.Weingarten,PRL51,20(1983)
の相関関数に対して、不等式
が 0 密度の QCD に対して成り立つ。
での漸近形
は QCD 不等式をみたさない。
感受率
ポテンシャルの秩序変数についての二階微分
C の逆行列
Z2, カイラル感受率
クォーク数感受率
D=0 の相図における感受率の発散
chiral
broken
TCP1,TCP2:all
Z2
D<0 の相図における感受率の発散
CP1 近くでの
CP1, TCP2:all
(h≠0)
D>0 の相図における感受率の発散
TCP1:all
クォーク数感受率の臨界指数
D=0
Mirror model
・2つの反対のパリティの核子N1,N2がある場合の質量項
ローレンツ不変性とバリオン数保存のみ考えた時の質量項
・2つの核子のカイラル表現のassignmentを考える
- naive : カイラル不変を要求すると質量項は作れない。
- mirror : N1とN2の混ざる項で質量項が作れる。
ハドロン質量スペクトル(Nf≧3)
cf. I.Kogan,A.Kovner and M.Shifman, PRD59,016001(1998)