ADL維持向上等体制加算の 算定状況に関する実態調査

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ADL維持向上等体制加算の
算定状況に関する実態調査
サマリー
平成26年4月
公益社団法人 日本理学療法士協会
事務局職能課
1
調査概要
1.目的
ADL維持向上等体制加算の普及に向けて、急性期病院の実態を把握する。
2.方法
1)対象
全国のDPC病院 1550施設
回答者 リハビリテーション専門職
2)調査期間
2015年2月18日~3月1日
3.主な調査項目
1)ストラクチャ(病床規模、リハビリテーション専門職の配置状況等)
2)プロセス
(疾患別リハビリテーションの対象とならない患者への関わり、他職種連携、家族への関わり等)
3)アウトカム(ADLの改善、在院日数、離床のタイミング等)
4)ADL維持向上等体制加算を算定しない理由
4.回答状況(有効回答率
60.4%)
ADL維持向上等体制加算を算定しているDPC病院 32施設
算定していないDPC病院 904施設
公益社団法人 日本理学療法士協会
2
1.ストラクチャー
公益社団法人 日本理学療法士協会
3
ADL維持向上等体制加算を算定していないDPC病院(904施設)
○病院全体の病床数:平均367.7床±220.9
○リハビリテーション専門職の人数(常勤換算)
理学療法士: 14.5人±11.4
作業療法士: 6.7人±6.3
言語聴覚士: 3.3人±2.9
ADL維持向上等体制加算を算定しているDPC病院(32施設)
○病院全体の病床数:平均277.3床±306.9
○リハビリテーション専門職の人数(常勤換算)
理学療法士: 17.5人±16.4
作業療法士: 8.4人±6.3
言語聴覚士: 4.2人±5.2
○ADL維持向上等体制加算を算定するにあたって配置された
リハビリテーション専門職の特長
経験年数:PT(12.8年±8.7)、OT(13.8年±9.5)、ST(11年)
職種
:PT(20施設)
、OT(5施設)
、ST(1施設)
公益社団法人 日本理学療法士協会
4
ADL維持向上等体制加算を算定するにあたって病棟に配置する
リハビリテーション専門職の選定理由
病棟に配置するリハビリテーション専門職の選定理由
回答施設:ADL維持向上等体制加算を算定しているDPC病院32施設
40,6
他職種との連携能力の有無
37,5
十分な経験年数
25,0
職員の成長、キャリアアップを見越して
15,6
自らの立候補
12,5
急変時などのリスク対応能力の有無
9,4
転倒予防や廃用予防などの十分な知識
6,3
認定や専門等の資格の有無
15,6
その他
12,5
無回答
0,0
5,0
10,0
15,0
20,0
公益社団法人 日本理学療法士協会
25,0
30,0
35,0
40,0
45,0
単位:%
5
ADL維持向上等体制加算を算定している病棟に含まれる科
ADL維持向上等体制加算を算定している病棟に含まれる科
回答施設:ADL維持向上等体制加算を算定しているDPC病院32施設
17
内科
整形外科
12
消化器内科
循環器内科
外科
8
8
8
消化器外科
呼吸器内科
リハビリテーション科
神経内科
6
脳外科
皮膚科
泌尿器科
2
2
2
循環器外科
呼吸器外科
形成外科
1
1
1
1
リウマチ科
心臓外科
小児科
麻酔科
3
3
4
その他
0
7
9
9
14
2
4
6
8
10
公益社団法人 日本理学療法士協会
12
14
16
18
6
単位:度数
2.プロセス
疾患別リハビリテーションを
算定していない患者に対する関わり
公益社団法人 日本理学療法士協会
7
A.予防に関する取組(病棟内の生活指導、環境整備等の取組)
病棟内での生活指導、環境整備等への取り組み状況
(実施できているDPC病院の割合)
ADL維持向上等体制加算 算定病院(n=32)
ADL維持向上等体制加算 未算定病院(n=887)
**P < 0.01(算定病院 vs 未算定病院)
93,7
患者本人へのADL指導
71,5
90,6
転倒・転落リスクを減らす環境整備
80,8
0
20
40
60
80
100
単位:%
公益社団法人 日本理学療法士協会
8
B.チーム医療の推進(多職種連携)
多職種連携への取り組み状況
(実施できているDPC病院の割合)
ADL維持向上等体制加算 算定病院(n=32)
ADL維持向上等体制加算 未算定病院(n=887)
*P < 0.05(算定病院 vs 未算定病院)
96,9
89,1
96,9
80,4
96,9
82,4
93,7
77,1
疾患別リハビリテーションを必要とする患者の報告、提案
医
師
の
連
携
病棟入院患者の病棟内活動量、ADL能力の共有
病棟生活中に起こりうるリスクの共有
退院先の環境の報告、退院後に起こりうるリスクの共有
コ看
メ護
デ師
ィ・
カ介
ル護
ス職
タ
ッ等
フの
と
の
連
携
病棟入院患者の病棟内活動量、ADL能力の共有
82,4
90,6
90,6
82,6
87,5
78,2
96,9
83,3
病棟生活中に起こりうるリスクの共有
退院先の環境の報告、退院後に起こりうるリスクの共有
看護・介護方法の提案
10
公益社団法人 日本理学療法士協会
60
単位:%
9
C.専門職と家族の関わり
患者家族との関わりについて
(実施できているDPC病院の割合)
ADL維持向上等体制加算 算定病院(n=32)
ADL維持向上等体制加算 未算定病院(n=887)
*P < 0.05(算定病院 vs 未算定病院)
90,6
家屋環境の聞き取り
81,5
96,9
介護方法の提案
81,5
96,9
退院後の起こりうるリスクの共有
82,9
96,9
病棟生活中に起こりうるリスクの共有
84,2
70
75
80
85
90
95
100
単位:%
公益社団法人 日本理学療法士協会
10
3.アウトカム
ADL維持向上等体制加算の
算定前後の比較
公益社団法人 日本理学療法士協会
11
A.在院日数、ADLの回復、離床のタイミング等の変化
ADL維持向上等体制加算の算定前と比較しての変化
回答施設:ADL維持向上等体制加算を算定しているDPC病院32施設
53,1
疾患別リハの対象患者の早期発見
43,8
早期離床の促進
34,4
病棟での患者臥床時間の短縮
31,3
入院時よりも退院時にADLが低下したものの割合の低下
28,1
ADLの早期回復(ADL評価の利得、効率の改善)
21,9
在院日数の短縮
事故発生率(転倒、転落)の低下
3,1
褥瘡が発生した患者割合の低下
3,1
せん妄が発生した患者の割合が低下
0,0
肺炎が発生した患者の割合が低下
0,0
0,0
10,0
20,0
公益社団法人 日本理学療法士協会
30,0
40,0
50,0
60,0
単位:%
12
B. 患者家族との関わり
ADL維持向上等体制加算の算定前と比較しての変化
回答施設:ADL維持向上等体制加算を算定しているDPC病院32施設
25,0
家族から情報収集をおこなう機会が増加
12,5
家族へADL紹介をおこなう機会が増加
9,4
患者・家族満足度向上
0,0
5,0
10,0
15,0
20,0
25,0
30,0
単位:%
公益社団法人 日本理学療法士協会
13
C.他職種との関わり
ADL維持向上等体制加算の算定前と比較しての変化
回答施設:ADL維持向上等体制加算を算定しているDPC病院32施設
59,4
看護師等との情報共有の機会が増加
37,5
医師との情報共有の機会が増加
退院後のリハビリテーションの必要について、他職種で検討する機
会が増えた
31,3
病棟スタッフ(看護師、病棟医師)満足度向上
9,4
看護師の自立支援に対する意識向上
9,4
6,3
病棟看護師・介護士の業務量減少
病棟看護師・介護士の腰痛減少
3,1
介護士のやりがい向上
3,1
介護士の不安減少
0,0
0,0
10,0 20,0 30,0 40,0 50,0 60,0 70,0
単位:%
公益社団法人 日本理学療法士協会
14
D.環境整備・地域との連携
ADL維持向上等体制加算の算定前と比較しての変化
回答施設:ADL維持向上等体制加算を算定しているDPC病院32施設
21,9
転倒・転落を予防する環境整備が進んだ
退院前に在宅環境の評価を実施し、入院・退院計画に反映する
ケースが増えた
18,8
集団体操など、病棟内で活動できる環境が整備された
15,6
退院後に患者が利用できる地域資源について、把握する機会が
増えた
15,6
退院前ケアカンファレンスに在宅のリハビリテーション専門職が参
加する頻度が増えた
地域ケア会議などに参加する機会が増えた
0,0
12,5
3,1
5,0
10,0
15,0
20,0
25,0
単位:%
公益社団法人 日本理学療法士協会
15
4.ADL維持向上等体制加算を
算定しない理由
公益社団法人 日本理学療法士協会
16
ADL維持向上等体制加算を算定しない理由
ADL維持向上等体制加算を算定しない理由
回答施設:ADL維持向上等体制加算を算定していないDPC病院887施設
61,3
減収になる
59,6
マンパワー不足
38,0
活動範囲が限定されるから
29,5
メリットが分からない
18,7
要件を満たす常勤医師がいない
16,0
具体的な働き方がわからない
14,3
アウトカム評価を満たせる病棟がない
11,7
算定要件を満たす病棟がない
9,0
病院・院長の意向
その他
算定方法が分からない
0,0
6,1
4,8
10,0
20,0
30,0
40,0
50,0
60,0
70,0
単位:%
公益社団法人 日本理学療法士協会
17
5.ADL維持向上等体制加算を
算定するに至ったきっかけ
公益社団法人 日本理学療法士協会
18
ADL維持向上等体制加算を算定しない理由
ADL維持向上等体制加算の算定に至った経緯
回答施設:ADL維持向上等体制加算を算定しているDPC病院32施設
56,3
リハビリテーションを必要とする患者の早期発見
50,0
院長・管理者の意向
40,6
早期離床、廃用症候群、褥瘡予防のため
31,3
2025年のあるべき姿を見越して
在院日数の短縮
25,0
他職種連携の強化のため
25,0
21,9
ADLの早期回復
18,8
病棟内の転倒・転落予防のため
15,6
自宅復帰率の向上
6,3
その他
12,5
無回答
0,0
10,0
20,0
30,0
40,0
50,0
60,0
単位:%
公益社団法人 日本理学療法士協会
19