体制整備(パワーポイント)

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Transcript 体制整備(パワーポイント)

各支援機関の連携による
障害者就労支援マニュアル
障害者の「働く」を支える体制づくり
はじめに
○ 自立支援法以降、就労支援施策は着実に充実してきてい
る。
○ 重度化や多様化が進む中、連携した支援の必要性が高
まっている。
○ こうした中、平成27年4月からは、利用者全員にサー
ビス等利用計画を作成することとなっている。
○ また、それに合わせ、アセスメントに係る経過措置も、
27年3月末で終了し、B型利用者についてアセスメン
トを行うこととなっている。
○ 本マニュアルは、働くことを希望する障害者に対する支
援のあり方と各支援機関の連携による支援体制の構築、
支援の前提となる就労アセスメントの実施方法と活用方
法についてまとめたもの。各地域において、本マニュア
ルを参考として、支援体制を構築していただきたくこと
を想定しています。
1
各支援機関の連携による障害者就労支援
障害者の就労支援と就労アセスメントの目的
○ 障害者の「働く場」としては、一般就労のほか、就労
継続支援A型事業、B型事業などがありますが、障害者
がその能力を最大限に発揮して働くことができるように
するためには、
① 障害者がそれぞれに最も適した「働く場」(一般就労、
A型、B型等)に円滑に移行できるよう支援するととも
に、
② 働く障害者がそれぞれの「働く場」で安定して働き続
けられるよう、また、働く力を伸ばしていけるよう継続
的な支援を行うこと、
が不可欠です。
○ こういった支援は、様々な関係機関の連携のもと、長
期間にわたって継続的に行われる必要があります。その
ためには、まず、アセスメントを行って、「希望する働
き方」「就労能力」「就労意欲や興味」「生活状況」等
を明らかにし、支援者が情報を共有する必要があります。
〇
そのために就労アセスメントを実施していきます。
1
各支援機関の連携による障害者就労支援
各支援機関の連携による障害者の就労支援のイメージ
就労アセスメント実施機関
(就労移行支援事業所等)が
就労アセスメントを実施
アセスメント
A型・B型で働く
ことがふさわしい
者はA型・B型で
継続的に就労
就労アセスメントや学校
によるアセスメントの結
果等を踏まえ、相談支援
事業所がサービス等利用
計画を作成
サービス等利用計画の作成
事業所は生活の安
定や能力向上に向
けた支援を実施
一般就労への
移行が可能な
者については
一般就労への
移行を支援
就労継続支援事業所
(A型・B型)
A型・B型利用者
のうち一般就労へ
の移行が可能と
なった者は一般
就労へ移行
就労移行
支援事業所
一般就労
一般就労していた者が
就労継続困難となった
場合はA型・B型に移行
一般就労へ移行した者についても、
生活面の支援が必要な場合は関係機
関が連携して支援を実施
1
各支援機関の連携による障害者就労支援
① 就労アセスメントの実施
○就労アセスメント実施機関
就労アセスメントの実施機関は、原則として就労移行支援事業
所です。具体的なアセスメントの方法は、アセスメントマニュア
ルを参考にしてください。
しかし、利用者の事情(措置入所等)や地域の状況によって就
労移行支援事業所によるアセスメントが困難な場合は、例外的に
障害者就業・生活支援センターがアセスメントを行うことも可能
です。
〇特別支援学校との連携について
就労アセスメントの対象者が特別支援学校の生徒である場合は、
学校の授業や行事などを調整する必要があります。
就労アセスメントの実施は、自治体・協議会・相談支援事業
所・特別支援学校・就労移行支援事業所・障害者就業生活支援セ
ンターが連携して実施することで、効果的・効率的に実施できま
す。特別支援学校生徒の就労アセスメントの実施についても、例
えば、年度当初に一斉説明会を開催して、就労アセスメントサー
ビス等利用計画案を作成してしまうといった工夫が行われている
地域もあります。
○就労アセスメントの期間設定について
就労アセスメントにおいては、 「希望する働き方」「就労能
力」「就労意欲や興味」「生活状況」などの就労面や生活面に関
する情報収集を行いますが、それらの情報が特別支援学校から提
供される場合は、作業場面の観察を含む就労面だけのアセスメン
トで十分です(重複して何度もアセスメントする必要はありませ
ん)。この場合はアセスメント期間の短縮が可能です。
期間設定について支給決定の期間は1カ月単位ですが、通所等
する日数は情報の収集状況や、利用者の実態に応じて設定してく
ださい。
○就労アセスメントの工夫
就労アセスメントを効率的・効果的に行うために、以下のような
工夫を実施している地域があります。
工夫事例
「学校での集団説明会」
学校で事前集団説明会を開催して就労アセスメントのサービ
ス等利用計画案までを一斉に作成することで、利用者の手続的
な負担を軽減している。
「児童相談所の意見書の一斉取得」
自治体が主体的に18歳未満で就労アセスメントを利用する
候補者を各特別支援学校等より把握して、一覧名簿を作成して、
一斉に児童相談所より一覧名簿による意見書を取得している。
「施設外支援の活用」
就労移行支援事業所が施設外支援の要件を満たし、利用者の
通所しやすい場所(学校等)でアセスメントを実施することで
利用者の通所の負担の軽減を行っています。
「協議体でのアセスメント方法の検討」
すでに就労アセスメント体制が整備されている地域は学習会
を複数回開催して就労アセスメントの目的等を地域全体で確認
し理解を促進させながら体制整備を進めています。
「地域共通のアセスメント方法・様式の活用」
就労アセスメントの体制整備を終え、共通のアセスメント方
法や様式を活用して、利用者個々の「働く力」について共通認
識を持って支援を行っている。
○利用者の働く力の自己理解促進
本人や家族が自ら適切な「働く場」を選択できるようにするため
には、就労アセスメントにより把握した本人の能力や特性をフィー
ドバックすることにより、自己理解を深める手助けをすることが必
要です。
また、就労アセスメントの場面において、就労の意義や障害者就
労の現状、地域の社会資源の状況等に関するガイダンスの実施によ
り就労に関する理解を促進させることが重要です。
1
各支援機関の連携による障害者就労支援
② サービス等利用計画の作成
○サービス等利用計画案作成に必要な情報について
相談支援事業所がサービス等利用計画案を作成する際には、利
用者のニーズに基いて、①就労アセスメント、②学校等による利
用者を長期的に支援している機関・事業所のアセスメント、③相
談支援事業所によるアセスメント の多面的な情報による結果を
踏まえてサービス等利用計画案を作成します。
○就労アセスメントによる適切なサービス利用について
就労継続支援事業を利用して就労する場合にも、本人のニーズ
や働く力、利用者の生活面を支える地域の社会資源の状況等を踏
まえ、て、適切な障害福祉サービスの利用につながるような総合
的なサービス等利用計画案を作成する必要があります。就労アセ
スメントの結果は、特に就労継続支援事業の利用開始に向けた利
用者の適切な目標設定にも役立ちます。
また、利用開始後の個別支援計画作成に際しても、利用者の働
く力を勘案し、事業利用開始後の利用者の働く力の向上を実現す
るための計画立案に役立てることが出来ます。
○就労アセスメントによる一般就労の支援
就労継続事業利用開始後に働く力が更に向上して一般就労をめ
ざす場合は、相談支援事業所や障害者就業・生活支援センターと
連携した支援を行う必要があります。その時にも就労アセスメン
トは連携する事業所共有の情報として役立ちます、また、就労ア
セスメント終了後に、利用希望の変更があり、一般就労を目指す
場合は、就労移行支援事業を利用するだけでなく、就労継続支援
事業や自立訓練(生活訓練)を一定期間利用して働く力を高めて
から一般就労をめざす、障害福祉サービスを利用せずにハロー
ワークや障害者就業・生活支援センター等を利用して一般就労を
めざすなど、様々な選択肢が考えられることから、特にきめ細か
な支援が必要なため情報の共有は必須となります。
○就労アセスメント結果の活用による支給決定ついて
就労移行支援事業所は就労アセスメント終了後に利用者の働く力
やニーズを取りまとめた結果を相談支援事業所等に提出します。
相談支援事業所は就労アセスメント結果も参考としつつ、利用者
のニーズや働く力を勘案して、適切なサービス利用に向けた相談支
援を行ったうえでサービス等利用計画案を作成します。
市区町村は相談支援事業所の作成したサービス等利用計画案をも
とに支給決定を行います。
支給決定後のサービス利用開始後も、利用者の目標やニーズを実
現するための個別支援計画を作成しますが、個別支援計画作成に向
けても就労アセスメントは追加更新されつつ連動して役立っていき
ます。
目標
目標達成に向けた
個別の力の向上
各個別の支援計画の関係
利用者の
ニーズの実現
個別支援
計画
連
動
見直し
見直し
個別の
計画
個別移行支援
計画(特別支援学校)
サービス等
利用計画
連動
連動
アセス
メント
連動
就労移行支援事業所での
就労アセスメント結果
連
動
連
動
個別支援
計画
連
動
見直し
サービス等利用 連 サービス等利用 連
動
動
計画
計画
サービス
利用開始
モニタリ
ング
追加・更新
追加・更新
モニタリ
ング
追加・更新
利用事業所での継続的な就労アセスメント
就労アセスメントは、それぞれ機関や事業所が立てる支援計画と連動していきます。
2
各支援機関の連携による障害者就労支援に向けたアセスメント
実施の流れ
①
利
用
者
市
町
村
相
談
支
援
就
労
移
行
②
③
就労系障害
福祉サービス
(就労継続支
援B型事業所
等)を希望す
る利用者が
市町村窓口
に相談に行く。
市町村は就
労面のアセス
メントを受け
るために就労
移行支援事
業所の利用
(2次アセスメ
ント)が必要で
あることを説
明し、就労移
行支援事業
の利用申請
を提出して貰
う。
④
利用者が市
町村にアセス
メントを目的
とした短期の
支給決定(暫
定支給決定)
サービス等利
用計画(案)
を提出。
市町村は相
談支援事業
所で就労アセ
スメント実施
のための
サービス等利
用計画案を
作成してもら
うよう申請者
(利用者)に
指示。
相談支援事
業所が就労
移行支援事
業と連絡を
取って利用者
の就労アセス
メント実施の
ための調整を
行う
⑤
⑥
利用者は希望
する障害福祉
サービスの利
用について市
町村窓口に申
請する。
⑦
利用者は市
町村にサービ
ス等利用計画
案を提出。
市町村はサー
ビス等利用計
画案を提出す
るよう申請者
(利用者)に
指示。
市町村は就
労面のアセス
メントを目的
とした短期の
支給決定(暫
定支給決定)
をする。
市町村は
サービス等利
用計画案を参
考に支給決定
をする。
サービス
担当者会
議は適宜
実施して
おくか、ま
たは、この
タイミング
に実施し
てください。
① 新たにB型
を利用する場合
相談支援
事業所は就
労面のアセ
スメントを
目的とした
サービス等
利用計画
(案)を作
成して利用
者に交付。
相談支援事
業所は就労面
のアセスメン
トを目的とし
たサービス等
利用計画(案
トレ)を利用
者に交付。
就労移行支援
事業所による就
労面のアセスメ
ントを開始。
⑧
モニタリング
相談支援事
業所は就労面
のアセスメン
トや通常の調
査(障害の状
況や家庭状況、
利用者の意向
など)を勘案
して最適な
サービス種別
を相談・提案。
就労移行支
援事業所はア
セスメントの
結果を取りま
とめ相談支援
事業所に提出。
相談支援事
業所はサービ
ス等利用計画
案を作成して
利用者に交付。
② 引き続き就
労移行を利用する
場合
相談支援事
業所はB型事
業所のサービ
ス等利用計画
(案トレ)を利
用者に交付。
就労移行支
援事業所の本
利用開始。
就労面のアセスメント
● これらの流れは、自治体・協議会等が連携して体制を構築することで手続きにかかる負担を軽減
する工夫を行っている自治体があります。
工夫例:
相談支援事業所と自治体も出席した就労アセスメント説明会を学校で一斉に行い、就労アセスメント実施にか
かる手続き(支給決定・サービス等利用計画案)を一斉に行う等。
各支援機関の連携による障害者就労支援の流れに
おける各事業所の役割
3
● 就労継続支援B型利用希望から利用開始前後のアセスメントの流れは以下の通
りとなります。
● 基本的に就労移行支援事業所でアセスメントを実施していただくこととなります。
就労移行支援事業所は、まずは利用者及び相談支援事業所の参考となる就労ア
セスメントを実施します。また、就労アセスメント結果はサービス等利用計画案に反
映させた後も、モニタリングや普段の支援でも継続的に活用されることを想定してい
ます。
就労継続支援B型利用希望者におけるサービス利用申請から利用後までの流れ
相談支援事業所
市
区
町
村
窓
口
へ
申
請
(
就
労
系
事
業
の
利
用
希
望
)
計
画
作
成
の
た
め
の
ア
セ
ス
メ
ン
ト
計ア
画セ
ス
案メ
のン
作ト
の
成た
市町村
暫
定
支
給
決
定
就労移行支援事業所
会議
① 就労アセスメント
結
果ア
にセ
よス
メ
る
会ン
議ト
② 評価結果まとめ
め
の
暫定支給決定期間
サ 【依頼】
ー
ビ
ス
等
就労移行支 就業・生活支援センター
会議
利
用 援事業所のア
セ ス メ が
不可能な場合
① 就労アセスメント
② 評価結果まとめ
【 依 頼 】
結
果ア
にセ
よス
るメ
会ン
議ト
相談支援事業所
本
利
用
の
た
め
の
ア
セ
ス
メ
ン
ト
計本
画利
案用
のの
作た
成め
の
サ
ー
ビ
ス
等
利
用
市町村
支
給
決
定
希
望
し
た
就
労
系
障
害
福
祉
サ
ー
ビ
ス
利
用
開
始
相談支援
事業所
モ
ニ
タ
リ
ン
グ
留意点
相談支援
事業所が、
就労継続B
型利用にか
かり就労ア
セスメントを
依頼を就労
移行支援事
業所に行う。
就労移行や就
業・生活支援セン
ターがアセスメント
を開始するにあ
たって特別支援学
校から「個別移行
支援計画」を含め
た事前情報をもら
い参考にする。
就労アセスメ
ント結果を全体
で共有。(相談
支援事業所・利
用者・特別支援
学校・就業生活
支援センター・
利用者の本希
望の事業所等)
相談支援事
業所は就労ア
セスメント結果
も参考にしつ
つ、利用者の
ニーズを基に、
適切なサービ
ス利用のため
の相談支援を
実施する。
相談支援事業所は
アセスメント結果を参
考にしつつ、モニタリ
ング時に「一般就労
の希望がある」または
「一般就労の可能性
がある」場合は、就
業・生活支援センター
と協力し、利用者を一
般就労へ移行させる。
4
各支援機関の連携による障害者就労支援の流れに
おける協議会を活用した体制整備
就労アセスメント体制の整備に成功している地域の多くは、自治体・
協議会・相談支援事業所の協力体制・連携体制が構築されています。
今後、就労アセスメント体制を構築する必要のある自治体においても、
協議会の中心とした体制整備にむけた検討・勉強会の開催等が望まれ
ます。
アセスメント体制構築手順
地域での就労
アセスメント体
制構築の具体的
な検討
地域における
就労アセスメン
ト体制の整備
地域での就労
アセスメント勉
強会の設置
相談支援と就
労支援が一体と
なったサービス
等利用計画案の
作成
自治体と協議
会の共同の検討
障害のある人が
地域で就労を継
続するために必
要な就労アセス
メント体制の実
現
就労アセスメント体制の構築を地域の課題として
共有していただき、対策を事業所個々と図るのでは
なく、協議会とともに検討する等の工夫を行う必要
があります。
そのことが成功している地域はアセスメント体制
が整備されている傾向にあります。
協議会も含めた地域のアセスメント体制構築の検
討を開始してみてください。
各支援機関の連携による障害者就労支援の流れにおける
協議会を活用した就労アセスメントの活用について
5
① 安定した就労と働く力の向上に向けた支援
○就労継続支援事業利用後の働く力の向上
就労継続支援事業利用開始後も、サービス管理責任者等が中心
となり、利用者が働く力を発揮できるよう環境を整えつつ、継続
的に成長・向上できるように支援する必要があります。
そのためには、利用開始前に把握できた就労アセスメント結果
と、利用開始後の利用者のアセスメント結果を比較させ、働く力
のどの項目が向上し、どの項目が今後向上していく可能性がある
かを検討してケース会議等の機会に支援者が把握するとともに、
モニタリング等の機会を活用して、利用者自身も自己理解を深め
目標を持って日々就労に取り組む必要があります。
就労アセスメントはそのようなモニタリング等の機会を通じて、
利用者の成長・向上の度合いを確認するうえでの指標ともなりま
す。
○就労アセスメントによる計画の立案
就労アセスメントを活用することにより、更に利用者のニーズ
や働く力に沿ったサービス等利用計画や個別支援計画を具体的に
立案できるようになります。
また、共通の就労アセスメント結果を参考とすることで、ぞれ
ぞれの整合性や内容の具体化を図っていきます。
〇就労アセスメントの継続的な更新
利用者の状況は変化していきます。本人の成長度合いや状況の
変化については、サービス利用事業所のサービス管理責任者等が
適宜、就労アセスメント結果を追加・更新させて、モニタリング
時においても、利用者の変化や最新の状況が把握
できるようにしておくことが重要です。
。
各支援機関の連携による障害者就労支援の流れにおける
協議会を活用した就労アセスメントの活用について
5
② モニタリング
〇
モニタリングにおける就労アセスメントの活用
就労アセスメントは、相談支援事業所が実施するモニタリン
グにおいて、利用者のニーズ(将来的に一般就労したい等)や、
働く力を事前に把握しておき、利用開始後も利用者のニーズに
沿った適切な支援を継続させるために活用します。
〇
就労アセスメント活用した一般就労支援(具体例)
例えば、地域の通所可能な事業所がB型のみである場合、将
来的には「一般就労したい」とのニーズを持っている利用者も、
就労継続B型の利用から開始します。
しかし、就労アセスメント結果に利用者の一般就労に向けた
ニーズが記載されていれば、利用事業所も就労訓練的な視点で
利用者の働く力が更に向上していくように支援することができ
ます。
また、数年後のモニタリングで、利用者、サービス管理責任
者、相談支援専門員の見解が一致し、障害者就業・生活支援セ
ンターの連携のもとで一般就労に向けた支援を受ける等の利用
者ニーズの実現も可能となります。
モニタリングでの重要なポイント
● 就労アセスメントの結果をもとに①「一般就労などの利
用者ニーズ」、②「就労能力の向上の状況」、③「利用
者に必要な生活支援の体制」等を確認してください。
● 利用者が一般就労を目指すための準備が整った場合は相
談支援事業所や障害者就業生活・支援センター、ハロー
ワーク等が連携して一般就労へ向けた支援を開始してく
ださい。
〇
就労アセスメント活用しての就労継続(具体例)
例えば、生活介護を週3日利用しつつ、一方で働く環境での
サービス利用も希望するため、週2日は就労継続B型を利用
するニーズのあるケースの場合。
一般就労のニーズがないため、就労アセスメントの活用は
必要ないと考えるのではなく、「座位であればどのような作
業ができるか?」「立位作業はできるか?」「丁寧な作業が
行える等、どのような長所があるか?」「休憩がどの程度必
要か?(30分こどに10分ほど休憩すれば、2時間は継続
して作業に取り組める等)」「どのような作業に意欲や興味
があるか?」等、事業所内で利用者の希望する作業環境を設
定して長期的に継続するために、就労アセスメントの結果を
活用する必要があります。
また、長期的に就労継続支援事業を利用する場合も、利用
者の意欲や興味に沿った作業種目の設定を行ったり、利用者
の働く力を事業所内で継続的に向上させる支援を行う必要が
あります。
そのような場合は、現在の長所や今後さらに成長できる点
を事業所内の支援員間で共有することが重要であるとともに、
個別支援計画案を作成するケース会議の場面において個々の
利用者の働く力を客観的に理解しておくことが重要です。
就労アセスメントを活用して利用者の働く力を把握するこ
とで、利用者の働く力の継続的な向上のための支援に役立て
ていくことか重要です。
就労継続支援事業を利用した後、加齢による体力の低下、
家族(保護者等)状況の変化等、利用者の生活面の変化が就
労の継続に大きくかかわるケースもあります。
そのような場合には事業所のみならず生活面を支援する事
業所との連携が重要です(次ページ参照)
③ 就労の定着に向けた支援
○定着に向けた支援
就労する障害者(一般就労や就労継続支援事業利用)が安心
して就労を継続するため、就労アセスメントによって利用者
ニーズや課題を把握したうえで、一般就労等を継続するための
適切な支援を行います。
〇連携による生活支援体制
特に生活面に支援が必要な場合は、就労系事業所のみでは解
決できない事も想定されるため、連携による必要な支援体制整
備に向けて、就労アセスメントを活用して情報共有を図ること
が重要です。次ページの就労アセスメントの実施により、今後
就労する障害者に必要とされる生活支援の体制が実現されるこ
とが期待されます。
就労アセスメントを活用したネットワークによる生活支援例
・生活スキル支援
協議会で困難ケースとして検討されるような、例えば一般就
労しているものの、日常生活のスキル(食事や衛生面、金銭管
理、服薬や健康管理、生活習慣の自己管理等)に困難性や課題
を抱える利用者の生活スキル向上のための支援を(自立訓練訪
問型等により)実施して、自宅での生活スキルの向上を訓練し
た後に(居宅介護サービス等により)必要なサポートを継続さ
せるケース。
就労アセスメントの結果を支援事業所間(協議会等のネット
ワーク)で共有して支援することが重要であり、適宜必要な連
携を相談支援事業者や障害者就業・生活支援センター等が核と
なりすすめていくケース(必要な生活面の支援があれば就労が
継続できるケース)が想定されます。
(※就労する障害者の事業利用にあたっては上記のように利用要
件が満たされていると各区市町村が判断した利用者である必要
があります)。
・居住支援
就労している障害者のグループホームでの居住場面等の支援や、
自宅における家族等との連携による支援、就労を継続している利
用者の家族状況の変化による居住先確保の支援等を実施する際に
も就労アセスメントを活用したネットワーク内での情報共有が必
要です。
・医療支援
精神障害者・高次脳機能障害者等の就労する障害者と主治医等
医療機関(通院先スタッフ・訪問看護等)との連携が必要なケー
スでも就労アセスメントに基いた情報共有が必要です。
・マネジメント支援
相談支援事業所により利用者のニーズを基に適切なサービスを
組み合わせてサービス等利用計画案を作成する。就労アセスメン
トは利用者ニーズや生活状況の把握時にも必要とされます。
・危機介入支援
地域生活を送るうえで、生活に支障や危機的状況が生じないた
めの訪問支援や、危機的状況が生じた際の早期介入を地域定着支
援事業等を活用した支援により実施する。
・アセスメント支援
上記支援を可能とするための就労アセスメントの実施や、協議
会等のネットワークによる情報共有。
〇就労アセスメント活用に向けた理解の促進
就労アセスメントの有効活用に向けて、サービス管理責任者指
導者研修等の国が実施する就労系の研修において、就労アセスメ
ントについての研修を実施していきます。
生活スキル支援
就労しているものの、
日常の生活管理(食事
や衛生面等)に困難性を
抱えている障害者のサ
ポート。生活面に大きな
課題を抱える障害者の
生活スキル支援を(自立
訓練訪問型等により)実
施して生活スキルの向
上を支援する。( ※事業
利用には利用要件を満
たすとの各区市町村判
断が必要)
就労アセスメントを
活用し、利用者のニー
ズや働く力に応じた適
切な働く場を選択する
ために活用するととも
に、就労後の働く力の
向上や、就労後の定着
にむけた支援を適切に
各支援機関が行うため
の情報共有を行う。
就労している障害者
のグループホームでの
居住場面での支援や、
自宅における家族等と
の連携による支援。居
住先確保の支援等
協議会(就労部会)
就労する障害の
ある人
企業
医療機関
医療支援
相談支援
です。
就労支援
です。
自立訓練
居宅介護
事業所
アセスメント支援
居住支援
就労アセスメント結果を連携する事業
所間で共有して生活支援の体制構築
特定・一般
相談支援事業所
連
携
精神障害者・高
次脳機能障害者等
の就労する障害者
と主治医等医療機
関(通院先スタッ
フ・訪問看護等)と
の連携促進
就業・生活支援
センター等
マネジメント支援
グループホーム
就労系事業所
危機介入支援
地域生活を送るうえで、生活に支障や危機的
状況が生じないための訪問支援や、危機的状
況が生じた際の早期介入を地域定着支援事業
等を活用して実施する(利用要件を満たす就労
する障害者のケース)
相談支援事業所により
利用者のニーズを基に
適切なサービスを組み
合わせてサービス等利
用計画案を作成する。
● 就労アセスメント結果を連携する事業所間で共有することで、就労する障害者の
生活支援の体制を構築することが可能となります。
● 就労アセスメント体制の構築が生み出す最終的な形態として、就労(一般就労や
福祉就労)する人に必要な生活支援の体制を協議会や事業所個々のネットワークに
より構築することが考えられます。
● 現在、就労(一般就労や福祉就労)している人に共通する課題として生活支援の
実施があげられます。
● 就労する障害者の生活支援の課題を地域全体の課題として共有し、解決策を検
討していく体制づくりが望まれています。
就労アセスメント
Q&A
よくあるご質問集
Q&A
よくある質問
Q「アセスメントの目的を教えてください。」
A 「本マニュアルの目的についてご参照ください。」
まず、就労アセスメントは、支給決定プロセスの過程で
サービス等利用計画案を相談支援事業所が作成する際の
就労面の情報を充実させるためのアセスメントとして実施
します。
更に、この就労アセスメントは、相談支援事業所がモニタ
リングを実施する時や、事業所の利用者の就労能力に向
けた支援等に継続的に役立てるために実施します。
そのため、この就労アセスメントは初回のアセスメントは
就労移行支援事業所で実施しますが、利用者が就労系障
害福祉サービスを利用した後は、それ以降、利用する事業
所で適宜、情報を追加・更新していくことを想定しています。
就労系障害福祉サービスや一般就労した後も継続的に
利用者を支援し見守るための基本的な情報としてアセスメ
ント結果が活用されることを想定しています。
A 解説
経過措置終了後の就労継続支援B型の利
用に係るアセスメントは利用者自身が就労
面の力の自己理解を深め、目標を持てるよ
うなアセスメントを実施してください。
被評価者
就労アセスメントは、相談支援事業
所が作成するサービス等利用計画案を
立案する際の適切なサービス利用に向
けた「参考」とはなり得ますが、就労
アセスメント自体が、サービス利用の
是非を意見したり、就職・非就職を振
り分けるような「判定」を目的とはし
ていません。
このサービ
スは使えま
せん。
評価者
就労アセスメントの目的①
参考に
します。
保護者
就労面
の長所
を説明
します。
サービス利用者
サービス提供者
就労アセスメントは利用者自身が就
労能力(長所や目標)の自己理解を深
めたり、相談支援事業所・就労継続B
型事業所の、サービス等利用計画案・
個別支援計画立案の基となるとともに、
事業所において継続的で適切な支援を
行うための重要な情報源(出発点)と
なります。
就労アセスメントの目的②
希望や目標
を持ってサー
ビス利用
就労アセスメント結果はサービス利
用開始後も、モニタリング・個別支援
計画の見直し等の機会を通じて、継続
的に追加・更新していくことにより、
利用者の就労能力の向上や、ライフサ
イクルに合わせた必要な支援を実現す
るための重要な起点(基準)となりま
す。
Q&A
よくある質問
Q「学校の充実した進路指導で進路先は
すでに決まっています」
A「就労アセスメントは進路選択の是非を
意見するものではありません。」
就労系障害福祉サービスの利用に係る支給決定は、市区
町村が相談支援事業所の作成したサービス等利用計画案を
基に行います。
特別支援学校の卒業生も通常の支給決定プロセスに基づ
き支給決定を行っていきます。
就労アセスメントは相談支援事業所がサービス等利用計画
案を作成するにあたり、就労面の情報を更に充実させるため
に実施します。
就労アセスメントは、就労継続B型利用開始前に一回だけ
実施しますが、作成したアセスメント結果は、B型利用開始後
も利用事業所で保管していただき、利用者の生活状況の変
化や、就労能力の向上等に伴い、適宜、追加・更新し続けて
いただくことを想定しています。
上記のように、就労アセスメントは就職・非就職を振り分け
るような「判定」を目的としているものではなく、その後の適切
な支援につなげていくものですので、既に決定している進路
先の是非を意見するものではありません。
A 解説
● 今後の新規就労継続B型利用等に係る相談支援事業所のサービ
ス等利用計画案作成においては、「相談支援事業所の相談による情
報」「就労移行支援事業所の就労アセスメントの客観的情報」「特別支
援学校の進路指導結果等、長期間の支援から得られた情報」の3つの
情報を総合的に勘案して作成する必要があるものと考えています。
● 特別支援学校の先生のアセスメント結果に加えて、多面的な情報
を加えることで、利用者が長期的な就労支援を支える計画の作成に役
立てていきます。
相談支援事業所が相談に
より得る情報
就労移行支援事業所等の
就労面のアセスメントから得た情報
相談支援事業所が
サービス等利用計画を作
成するためのアセスメント
を実施します。
相談支援事業所で
の相談
就労試行支援事業所
による就労面に特化した
客観的な視点によるアセ
スメントを実施してサービ
ス等利用計画案作成の
参考とします。
3つの違った視点でのアセスメント結果
を統合させて、利用者のニーズに応じた
総合的なサービス等利用計画案の作成
を実現します。
事業所内や施
設外支援等で
のアセスメント
学校の「個別移行支援計画」や進
路指導により得られる情報
学校での現場実習や作
業学習の様子、学校教育に
よる生活の状況等。特に
「個別移行支援計画」と連
動するサービス等利用計画
の作成が非常に重要です。
現場実習・普段の
学校生活
Q&A
よくある質問
Q「通える距離に就労移行支援事業所が
ありませんが?」
A「まずは施設外支援や施設外就労などを有効
活用して、学校などの通える場所でアセスメント
を実施してください。」
通える距離に就労移行支援事業所がない場合、施設外就
労や施設外支援を有効活用して、学校などで集団でアセス
メントを実施する工夫をしている自治体もあります。
施設外支援や施設外就労を実施する場合は、自治体が積
極的に関わって、暫定支給決定期間中の支援として問題の
ない形態を構築する必要があります。
自治体、就労移行支援事業所、相談支援事業所、学校な
どが協力して体制を構築する必要がありますが、構築できた
後は計画的・効率的なアセスメントの実施が可能となります。
アセスメント体制の構築には、圏域などに拘らず、県下全
体の体制として、就労移行支援事業所全体、相談支援事業
所全体で検討していく必要があります。
そのためには協議会の場で検討することも有効と言えま
す。
A 解説
就労移行の実施する就労アセスメ
ントでは「施設外支援」を有効に活
用してください。
施設外支援での工夫のメリット①
● 学校等、利用者の通所可能な場
所でのアセスメントの実施が可能
学校や就労継続支援B型等の利用者
が通所できる身近な場所で、施設外支
援実施の要件を就労移行が満たしつつ
アセスメントをすることも可能です。
通所にかかる地域的な課題をクリア
する工夫の一つとなります。
施設外支援での工夫のメリット②
● 利用者の特性を考慮した、利用者
の安心できる場所でのアセスメントが
可能
利用者の特性などによって、慣
れない場所でアセスメントを実施し
なくとも、利用者が集中して作業に
取り組める場所で就労アセスメント
を実施することが可能です。
● 施設外支援によるアセスメントの実施については、①実施先の協力と理解、②集団で行うこと
による効率化、③自治体・協議会・就労移行等が一体となった体制構築、④施設外支援の要件
をクリアするための自治体が主体となった検討。以上のことが工夫成功の要因となっています。
Q&A
よくある質問
Q「就労系の障害福祉サービスを利用する
際に、本人の希望とは別に優先的に利用し
なければならないサービスはありますか」
A「まずは相談支援事業所で適切なサービス
利用のための相談支援を受けてください。」
「ニーズ」や「働く力」に基づく適切なサービスを利用していた
だくことは重要です。
そのためには、まず、相談支援事業所で適切なサービス利
用のための相談支援を受けていただく必要があります。
就労アセスメントは、利用者の「ニーズ」や「働く力」に基づい
た適切なサービス利用を実現するための基礎資料となります。
一般就労を希望していたり、一般就労の可能性のある人は、
できるだけ一般就労に向けた支援を受けていただくことも重
要です。
就労アセスメントは、利用者の将来的な目標や希望、成長
の可能性などを取りまとめたものです。
相談支援事業所と就労継続支援B型等の事業所が、就労
アセスメントの結果を適宜追加・更新しながら共有していくこと
で、長期的な観点でも利用者の希望を実現させることを目指
しています。
A 解説
就労系の障害福祉サービスを利用する際
に、本人の希望とは別に優先的に利用しな
ければならないサービスはありませんが、
本人の「希望」の実現や、「働く力」を活
かしていくための支援を継続的に受けてい
ただくことは重要です。
利用する事業所で支援に必
要とされる就労アセスメント
相談支援事業所が活用で
きる就労アセスメント
相談支援体制の確立とともに、サービス
管理責任者と相談支援専門員が両輪となっ
て、利用者のサービスの質を維持・向上さ
せることとなりました。
相談支援事業所がサービス等利用計画案
を作成するためには、就労分野の客観的な
情報が必要であり、モニタリング時におい
ても就労アセスメント結果及び、新たに追
加・更新された情報を基にして相談をする
必要があります。そのことが利用者のニー
ズの実現にもつながります。
利
用
(就労移行支援事業所) 開
始
アセスメント結果
学校
等
モニタ
リング
追加・
更新
利用者
事業所においては、利用者の実現すべき
ニーズと、それに向けた支援について、個
別支援計画を立案します。また、個別支援
計画の見直しにおいて、その実現状況を把
握・整理します。
利用者の能力がどのように向上している
かを確認し、支援の適切さを検証するとこ
とは、事業所の支援力向上にとって重要で
す。就労アセスメント結果は、それら検証
の重要な基準となるものです。
利用者ニーズ
の実現
事業所
等
支援
個別支援計画
モニタ
リング
利用者
就労B型等
モニタ
リング
追加・
更新
利用者
就労B型等
追加・
更新
支援
個別支援計画
利用者
就労B型等
利用者ニーズ
の実現
活用
活用
Q&A
よくある質問
Q「入所児童施設の利用者は就労移行支
援事業所の支給決定ができません。対応
方法は?」
A「障害者就業・生活支援センターでアセスメント
を受けてください。」
公費の二重算定となるため、措置入所中は日中サービスの利
用はできません(措置入所の費用は月額×児童数)。
現行の制度の中で措置入所中で就労移行支援の暫定支給
決定を受ける場合は、措置停止をし、その間に暫定支給決定
を行うというスキームになります。
ただし、措置は都道府県、支給決定は市町村事務となるため、
両者の連携が必須であり、また、夜間の部分をどうするのかと
いう問題も出てきます。
就労移行支援事業所でのアセスメントが困難な場合は、障害
者就業・生活支援センターのアセスメントを受けてください。
アセスメントの方法や期間は、アセスメントマニュアルを参考
としつつ、利用者の状況や障害者就業・生活支援センターの状
況に応じて、可能な範囲でアセスメントを行うようにしてください。
措置・契約双方とも同様の考え方となります。
A 解説
就労移行でのアセスメントを基本とします。しか
し、どうしても困難な場合(児童入所施設利用者・
就労移行支援事業所の無い僻地居住者等)は障害者
就業・生活支援センターでのアセスメントを利用し
てください。アセスメントの方法については、以下
の工夫も考えられます。
前提となる考え方
本アセスメントは利用者のニーズに基づいた長期に渡る継続的な就労支援を実現す
るために必要な客観的で総合的な就労面の情報を得ることが目的です。
考えられるアセスメントの工
夫
①「就労継続支援B型との就労支援体制の構築」
自治体・協議会・障害者就業・生活支援センターが協力して、地域の就労継続支援B型がアセ
スメントマニュアルに記載されている就労面の情報を十分得られるようなアセスメントを実施で
きるよう支援し、そのことにより得られた情報を基に、最終的な確認やアセスメントを障害者就
業・生活支援センターが本人の作業場面等の様子の確認を含め実施する方法(その後も、就労継
続B型において、継続的に就労面の情報を追加・更新できるように支援)。
②「特別支援学校との進路にかかる協力体制の構築」
特別支援学校がアセスメントマニュアルに記載されている就労面の情報を十分得られるような
アセスメント結果が整理されていることを障害者就業・生活支援センターが確認する。そのうえ
で、本人の作業場面等の様子を確認しつつ、進路の検討を学校と一体的に行う方法。
なお、実施にあたっては既存の進路会議等の機会を活用することも可能。また、検討の基と
なった就労面の情報(アセスメント結果)は、相談支援事業所の計画作成や進路先事業所の支援
に十分活用されるように障害者就業・生活支援センターもフォローを実施する。
● 障害者就業・生活支援センターによるアセスメント実施にあたっては自治体・協議会・障害者就業生活
支援センターで十分に協議することが必要。
● 将来的には通常のアセスメント体制が構築できるように自治体・協議会・障害者就業生活支援センター
で十分に協議していくことが必要。
Q&A
よくある質問
Q「定員の関係で、新たなアセスメントのた
めの利用者を受け入れられません。対応
方法は?」
A「就労アセスメントの利用者は定員枠の
人数には含めません。」
就労アセスメントは、利用定員枠に含める必要はありませ
ん。
今後はそれぞれの就労移行支援事業所で年間の就労ア
セスメントの受け入れ人数が把握できるようになると思われ
ます。
適正な支援体制の整備を各事業所でおこなってください。
Q&A
よくある質問
Q「地域ごとに支援力の差があります。ア
セスメントが無理な就労移行支援事業所も
あるのでは?」
A「アセスメントマニュアルを参考にして就
労アセスメントを実施してください。」
就労アセスメントは、支給決定プロセスの過程でサービス
等利用計画案を相談支援事業所が作成する際の就労面
の情報を充実させるために実施します。
まずは利用者の就労面の情報を基本的な手順に従って
漏れることなくきちんと収集していただくことが重要です。
基本的な情報収集の手順や取りまとめの方法をアセスメ
ントマニュアルに記載していますので、就労アセスメントの
具体的方法や手順に困る場合は、アセスメントマニュアル
を参考にして実施してください。
就労アセスメントは、個々の事業所、個々の支援員で対
応するのではなく、地域全体で協力しながら取り組んでい
ただくことが重要です。
時には協議会の研修として、アセスメントマニュアルを確
認する等、地域での就労アセスメントのスキルアップに継続
的に取り組んでください
Q&A
よくある質問
Q「障害福祉圏域に就労移行がない場合
の対応は全てナカポツか?」
A「就労アセスメントの目的を再確認して、地域
の実情に応じた就労アセスメント体制を構築して
ください。」
モデル事業でも障害福祉圏域内に就労移行がない
ケースがありました。就労アセスメントの基も大切な目的
は、「就労移行を利用」でも「一般就労の可否の判定」で
もありません。
利用者が長期に渡って就労能力の向上のための効果
的支援を可能とするため、また、就労生活が安定するた
めに必要な支援をネットワーク体制を構築することにより
可能とするために実施します。
そのため、初回の就労アセスメントは就労移行やナカ
ポツが実施することが想定されますが、就労継続事業を
利用した後は、利用者の利用する事業所(B型等)で、適
宜、就労アセスメントの情報を追加・更新していくことも想
定しています。
モデル事業においても必要な連携体制を構築し、継続
的に就労アセスメント結果を更新していくために、ナカポ
ツが圏域内の就労継続B型と共働してアセスメントを取り、
就労アセスメントのノウハウを伝達する事例が見られまし
た。
「就労移行がなければ、ナカポツがアセスメント取る」と
いう単独の事業所に任せる発想ではなく、地域それぞれ
において 実施・持続可能な、利用者に取って意義のあ
る就労アセスメント体制の構築を目指してください。
なお、就労アセスメントについては、まず暫定支給決定
期間に就労移行支援事業所が実施することが原則であ
ると考えていますが、福祉圏域において就労移行の実施
が困難な場合は、以下のアセスメント体制を想定していま
す。
ナカポツが圏域内の就労継続B型と共働して就労アセ
スメントを実施し、就労アセスメントのノウハウを伝達して、
地域のアセスメント体制を構築する。
モデル事業による総合記録票を参考として、事前に必要
な情報を学校等より収集し、就労アセスメントに必要な情
報を充分把握したうえで、実際に利用者が作業等の実習
を行う期間を最小限に留める。そのうえで、就労アセスメ
ントをナカポツまたは圏域外の就労移行が行う。
なお、利用者が作業を行う実習場所は、利用者の通所
可能な場所(学校等)でも可能。
就労アセスメントの結果を基としながら、利用者への効
果的な個別支援を継続するための基礎資料とするととも
に、就労生活を安定させるための支援体制を構築するた
めのネットワークを構築するための共有する基礎資料とも
する。
Q&A
よくある質問
Q「18歳未満で就労アセスメントを利用す
る場合、児童相談所の意見書が必要です
か?」
A「意見書が必要です。しかし、自治体の工夫に
より一括して意見書を取る方法もあります。」
児童への支給決定については、障害者自立支援法附則第
2条のなかで、児童福祉法第63条の4・第63条の5の規定
により、15歳以上の障害児について、児童相談所長が障害
者のサービスを受けることが適当と認めるときは、その旨を
市町村長に通知することができることとされており、これを受
け、障害者自立支援法において、この通知に係る障害児を
障害者と見なして適用するとされています。
この通知により、18歳未満で就労アセスメントを利用する
場合、児童相談所に利用を適当と認めてもらう必要があり、
一定の負担が発生します。これにかかる自治体の工夫とし
て、事前に特別支援学校に、18歳未満で就労アセスメント
を希望する生徒を事前に把握しておき、一括して児童相談
所長より障害者のサービスを受けることを適当と認める通知
を発出してもらう自治体もあります。
参考とし様式を添付いたしましたので参考としてください。
参考様式
Q&A
よくある質問
Q「アセスメントについて、期間設定の考え
方を教えてください」
A「アセスメント期間は共通マニュアルで示した
ように1カ月を基本としています。しかし、学校か
らの充分な情報提供がある場合は、利用者の状
況に応じて実際に利用者が通所する日数を自由
に設定することが可能です。」
相談支援事業所がサービス等利用計画案を作成するにあ
たり、①相談支援事業所が自身で行うアセスメント、②医療
機関・特別支援学校等、利用者をよく知る機関からの長期的
な支援により得られるアセスメント結果、③就労アセスメント
による客観的な情報・結果。以上が必要であると考えられま
す。
上記①や②の情報が充実している場合は、③の就労アセ
スメントの期間は短縮できると考えられます。
充実した就労アセスメントを実施することは重要ですが、就
労アセスメント結果を継続して長期的に活用する(追加・更新
していく)ことは、さらに重要です。
A 解説
● 就労アセスメントは、就労移行支援事業所の暫定支給決定期間中に実施してい
ただくことを基本としています。これは、就労アセスメントは利用者の就労生活にお
いて長期的な支援に役立てる重要なアセスメントであるため、障害福祉サービスの
一環として実施していただきたいからです。
● 期間設定については一カ月単位を基本とてしおり、アセスメントのために通所す
る期間から、アセスメント結果を共有し、方向性を検討する期間までとしていただき、
通所日数に加え、利用者に結果をフィードバックするための本人が参加するアセスメ
ント会議等を含めることが基本であると考えられます。
●月
相談支援
事業所にア
セスメント
の相談
●月
アセス
メント
会議
就労移行利用期間
利用者
就労移
行支援
事業所
市区町
村にB
型利用
の申請
アセスメ
ント期間
相談支
援事業
所
就労移行アセスメ
ントのためのサービ
ス等利用計画案作
成
●月
●月
アセスメ
ント期間
暫定支給決定期間
モニタ
リング
ア
セ
ス
メ
ン
ト
会
議
相談支援事
業所に希望
するサービ
スの利用相
談
●月
●月
希望する
進路先で
の利用
開始
アセスメ
ント会議
結果取り
まとめ
期間
利用者が希望する
就労継続B型利用の
ためのサービス等利
用計画案作成
モニタ
リング
注) 就労アセスメントは継続的な活用を想定しているため、相談支援事業所はモニタリングや担当者会議等
を活用して、就労継続B型や特別支援学校等の関係 機関・事業所に就労アセスメント結果を必ず情報提供
してください。
Q&A
よくある質問
Q「児童として短期入所や居宅介護の支給
決定が行われている者を、「者」とみなして
就労移行支援事業(就労アセスメント)の
暫定支給決定を行うことは可能か?」
A「児童として短期入所や居宅介護の支給決定
が行われている者を、「者」とみなして就労移行
支援事業(就労アセスメント)の支給決定を行っ
たとしても、「児」としての支給決定が無効にな
るという取扱いではありません」
児童として短期入所や居宅介護の支給決定が行われている
者を、「者」とみなして就労移行支援事業の支給決定を行ったと
しても、自動的に「児」としての支給決定が無効になるという取
扱いではありません。
ただし、障害者総合支援法上で「者とみなされる」ため、居宅
介護や総合支援法上でも「者とみなす」ほうが望ましいが、区
分の認定に時間がかかる等、利用者の支援に影響が出る場
合等は従前の児の区分を引き続き使用しても差し支えありま
せん。
短期入所に関しては夜間部分のために日中サービスの利用
は可能です。居宅介護についても日中サービスを使っていない
時間帯であれば可能です。
Q&A
よくある質問
Q「すでにB型を利用している人もアセスメ
ントをしないといけないのですか?」
A「すでにB型を利用している人は、就労移行を
利用してのアセスメントは必要ありません」
すでに就労継続B型を利用している人(経過措置によりア
セスメントを利用せずに利用を開始した人を含む)は、新たに
就労移行によるアセスメントを利用する必要はありません。
しかし、就労アセスメントは、生涯に渡っての支援を可
能とするためのアセスメントを目的としています。
すでにB型を利用している人は、就労継続B型のサービ
ス管理責任者に、アセスメントマニュアルを参考にして、利
用者の就労面の情報を整備していただき、適宜追加・更新
していただくことで、就労移行による就労アセスメントの実
施は必要ないと言う考え方です。改めて就労移行で実施す
る必要はありません。(既存の資料がアセスメントマニュア
ルの内容と同等と思われる場合は、新たなアセスメントの
必要はない)。
すでに就労継続B型を利用している人は、サービス管理
責任者によって作成されたアセスメント結果を基に、以後、
相談支援事業所のモニタリングにおいてアセスメント結果を
同様に活用できることが重要です。
Q&A
よくある質問
Q「放課後等デイサービスを利用して
いる特別支援学校生徒の支給決定
は可能か?」
A「放課後等デイは児童福祉法に基づくサービスであるた
め、就労アセスメントを利用するために障害者総合支援法
上で「者」とみなされたからといっても児童福祉法上で「障
害児」としてみなせなくなるわけではありません。
ただし、同一日に放課後等デサービスと就労移行支援事
業所(就労アセスメント)を利用することはできませんので
留意してください。」
放課後等デイサービスの支給決定と平行して者とみなし
て就労移行支援の暫定支給決定を同時に行っても差し支
えはありません。
その場合、利用者負担は放課後等デイサービスに関して
は児の支給決定のため、世帯の収入に基づき、就労移行
支援事業は者としてみなされているため、本人の収入に基
づき、算定されます。
ただし、同一日に放課後等デサービスと就労移行支援事
業所(就労アセスメント)を利用することはできません。
就労アセスメントを既に実施している地域の中では、期間
中は日中一時支援事業を有効活用している地域もあります。
Q&A
よくある質問
Q「児童として短期入所や居宅介護の支給
決定が行われている者を、「者」とみなして
就労移行支援事業(就労アセスメント)の
暫定支給決定を行うことは可能か?」
A「児童として短期入所や居宅介護の支給決定
が行われている者を、「者」とみなして就労移行
支援事業(就労アセスメント)の支給決定を行っ
たとしても、「児」としての支給決定が無効にな
るという取扱いではありません」
児童として短期入所や居宅介護の支給決定が行われて
いる者を、「者」とみなして就労移行支援事業の支給決定を
行ったとしても、自動的に「児」としての支給決定が無効に
なるという取扱いではありません。
ただし、障害者総合支援法上で「者とみなされる」ため、
居宅介護や総合支援法上でも「者とみなす」ほうが望まし
いが、区分の認定に時間がかかる等、利用者の支援に影
響が出る場合等は従前の児の区分を引き続き使用しても
差し支えありません。
短期入所に関しては夜間部分のために日中サービスの
利用は可能です。居宅介護についても日中サービスを使っ
ていない時間帯であれば可能です。
Q&A
よくある質問
Q「就労アセスメントは就労移行支援事業
所が行うので、協議会は関係しなくて良い
ですか?」
A「就労アセスメント体制の確立には、協議会の
協力が不可欠です。」
就労アセスメント体制の確立は、一事業所だけでは困難で
す。
体制整備に向けては協議会の協力が不可欠です。実際に
就労アセスメント体制を確立できた地域の多くは、体制整備
にむけて協議会が重要な役割を果たしてきました。
就労アセスメントの体制整備が行われた地域では単に就労
系障害福祉さ――ビス事業所の利用手続きが整備されただ
けでなく、各支援機関の連携による障害者就労支援の体制
整備が行われたことに繋がります。
A 解説
就労アセスメント体制づくりのPDCAサイクル 例
● 就労アセスメン
ト
の実施。
● アセスメント体
制の見直しや改善
点の検討を目的と
し
た、就労アセスメ
ン
ト実施後の反省会
の
実施。協議会内に
よ
る(アセスメント
方
法の改善案の検討
等にはアセスメン
ト
マュニアル等を参
考)
● 自治体が協議会(就労部会)等と協力
し、:圏
域のアセスメント体制構築に向けた検討を
開始
する。
● アセスメントニーズ調査・実施するアセス
メン
ト体制等を検討する。
● 社会資源、就業・生活支援センターの協力
体
制、就労移行事業所等の定員受け入れ状況
等
の調査を実施する。
就労アセスメント体制
● 就労アセスメント
実施のため、自治
体
と協議会が協力し
就
労アセスメントの
共
同強会・説明会を
開
催する。
● アセスメントにか
か
る協力を関係機関
へ
依頼(特別支援学
校・児童相談所
等)。
● 自治体と協議体が主体になり、先行して就労
アセスメントを実施する他地域の協議会の好取組
● 実施にあたっての
の情報共有。
役割分担や協力体
● アセスメントマニュアルを参考として、アセス制
メ
アセスメント方法
ントの手法の研修会を実施
を
検討・確定する。
アセスメント体制づくりは自治体と協議会(就労部
会)の
協力体制が重要
すでにアセスメント体制を構築している地域においては、自治体(都道府県・市区町村)と
協議会の協力が密接に行われたケースが多い。
一事業所だけで、地域の就労アセスメントを受け入れることには限界があるため、アセスメ
ント体制をつくり、協力し合いながら実施をしていくことが重要です。
Q&A
よくある質問
Q「就労アセスメントを協議会など地域全
体で取り組むメリットは何ですか?」
A「就労アセスメント体制の確立に地域全体が
取り組むことは、地域の就労支援の質の向上
に繋がります。」
就労アセスメント体制の確立は、利用者の居住する地域の
就労支援の質の向上につながります。協議会や学校の進路
会議などで、アセスメント結果を基に、利用者個々に対する
必要な就労・生活面の支援や体制を検討することで、困難
ケース等の対応力が地域全体についていくことで、地域の就
労支援の質を向上させていくことかできます。
利用者のライフサイクルに合わせて必要な支援が可能とな
ります。利用者の生活は年齢とともに変化していきます。一
般就労の希望が生まれたり、加齢により就労生活からハッ
ピーリタイヤを目指す場合もあります。アセスメント結果は利
用者のライフサイクルのニーズに応じた支援の基となります。
A 解説
協議会も含めた地域のアセスメント体制構築
のメリット
利用者の居住す
る地域の就労支援
の
質の向上できる。
ライフサイクルごと
のニーズ・成長に応
じた支援計画の作成
協議会や学校の進路
会議などで、アセスメ
ント結果を基に、困難
事例に対する必要な就
労・生活面の支援や体
制を検討することで、
地域の就労支援の質を
向上させていくことか
できます。
利用者のライフサ
イクルに合わせて必
要な支援が可能とな
る。
利用者の生活は
年齢とともに変化して
いきます。一般就労の
希望が生まれたり、加
齢により就労生活から
ハッピーリタイヤを目
指す場合もあります。
アセスメント結果は利
用者のライフサイクル
のニーズに応じた支援
の基となります。
ネットワーク会議
(協議会等)
客観的な根拠に
基づく就労支援を
継続できる。
就労アセスメント
結果、サービス等利
用計画、個別支援計
画にアセスメント結
果を活かしていくこ
とにより、利用者の
ニーズに応じた適切
な目標や支援を継続
させることが出来ま
す。
アセスメント結果を活用したモニタリング
Q&A
よくある質問
Q「就労アセスメント体制の目指すべき方
向性や目標について説明してください。」
A「就労アセスメント体制の構築は、就労する障
害者の生活支援体制の構築に繋がっていきま
す。」
協議会などの地域のネットワークを活用した就労アセスメン
ト体制は、就労する障害者の生活支援の体制の整備に繋が
ります。
一般企業や就労継続支援事業所で働く障害者が、長く安定
して就労するためには、それぞれの生活支援が不可欠にな
ります。
就労アセスメントによって構築された体制を基にすれば、今
後必要とされる就労する障害者の生活支援の体制整備作り
が容易になります。
協議会などの地域のネットワークを活用して整備された就
労アセスメント体制は、就労する障害者の生活支援の体制の
整備に繋がります。
A 解説
● 就労する障害者の生活支援の
実行
※協議会(就労部会)により検討
された地域ごとの就労する人の生活
支援体制(ネットワーク)による支援
を実施。個々のケースの支援の核は
相談支援事業所・就業・生活支援セ
ンターが担う。
アセスメント支援
生活スキル
支援
就労する人
の生活支援
マネジメント支援
医療支援
居住支援
危機介入支援
● 個別ケースの就労生活支援のた
め調整会議の実施。
※個々の支援に対するネットワークの
調整は相談支援事業所や就業・生活
支援センターのケース会議により調
整していく。
● 協議会(就労支援部会)による就
労する人の生活支援体制構築のため
の検討会議の実施。就労する障害者
の困難ケースを検討。
● 都道府県協議会による県下全体
の就労生活支援体制整備の検討。
● 就労支援に関する研修体系に就
労アセスメント・生活支援体制構築を組
み込み、就労生活支援に関する共通認
識の土壌を形成する。
相談支援事業所
(サービス調整会議)
就業・生活支援センター
(ケース会議)
市区町村協議会
(就労支援部会「就労定着支援
検討会議」)
都道府県協議会
就労アセスメント・生活支援体制構築を
促進するための研修体制
●サ-ビス管理責任者研修 ●相談支援専門員研修
●就業・生活支援センター研修●就業支援基礎研修
● 就労アセスメント体制整備の手順と同様に、協議会や地域のネットワークを核とし
ながら、生活支援体制を整備していきます。
● 研修等を活用して就労支援者の理解を促進させていきます。