コンサルタント(施設)の業務報告書 POWERPOINT

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社会福祉法人 もるどう会
あじさい園
工賃水準ステップアップモデル事業報告
平成18年10月~平成19年2月
はじめに、新規取組み事業と既存事業の現在の状況報告
駐輪場管理業務〔JR守山駅北側駐輪場〕(初の園外新規就労)
・2月現在 守山市社協からの1名枠委託を知的障害者3名が交代勤
務。職員同行で勤務指導中。
・工賃実績 2月25,000円/人
4月以降3~4万円/人の見込み
・あいさつ、清掃・整理整頓において従来の
管理水準向上に貢献。駐輪場利用客からも
好評で、顔馴染み客も出来つつある。
・利用者の変化が大きい。(表情、根気、努力)
・4月からは、3名枠受託決定。9名による交代勤務の予定。
・3年後メドに、駐輪場全体管理を市から請け負う指定管理者目指す。
⇒ 園外事業所に発展。
配食事業(既存設備活用の新規取組事業)
・厨房余力活用栄養士指導の健康弁当試作中。
・現在利用者2名が厨房作業訓練中。
・4月からの事業開始に向け、顧客調査継続。
・将来は、独居世帯対象の「お世話・報告付き配食サービス」に転
換見込み。(離れて暮す親族への安心報告会員化、3級ヘルパー取得)
・ 3名が園外給食施設訓練就業(4月工賃見込み20,000円/人)
新和紙手漉き事業(既存作業の発展、新商品開発)
・現在の和紙手漉きの応用で、「びわ湖淀川水系流域紙」開発中
・滋賀~大阪淀川流域のイベントや企業・官庁への納入実績ある
外部団体と提携。(滋賀県淡海環境保全財団、ヨシ紙販売会社)
・滋賀の民芸「大津絵」画家との共同商品化(楽天ドットショッ
プでのシリーズ版画頒布販売、企業カレンダー受注製造)
既存事業の活性化(現有設備を社会資産として認識)
■現有の施設設備の地域社会への提供・開放の呼びかけ・広報
市民に会議室無料貸出、試作品開発用に器具・機械・スペースの提供
様々なニーズを持つ人たちに気軽に来て頂くために紹介パンフ作成配布。
・NPO連携のコミュニティービジネス基地化(2007年問題)
大津絵教室、紙漉き教室、会議室
・既存自主事業や下請け作業受注増のための
地域ニーズ情報収集や“提携”の可能性
・地域ネットワーク会議の実質的継続
■規格・要望など顧客に近づく営業への切り替え(考え方を転換)
・軍手製造(ロゴ入れ、長さ調節など)・新竹うちわ
・棚貸し・多頻度配送付き部品加工作業受注
・あじさい園お仕事カタログ~これは任せて!~
振り返ると、スタートはこんな状態からでした。
・無理して工賃アップは必要ない、
施設の主目的は日中活動の場。
・モノ・ヒト・カネいずれも不十
分で新規事業は到底不可能。
・今より仕事が増えても人手不足
人材不足で工賃総額は増えない
のでは?
・就労より生活支援が大切。保護
者もそれを求めている。
・施設は「遊びたい」も含めて利
用者の思いをかなえる場。
・自立支援法は、いずれ修正され
るかもしれないし・・・。
・経験がないので考えられない。
・衛生上の不都合が起きた。その
対応で手一杯。(後に設備改善)
・保護者から、「今のままで良い。
不安だ」という手紙が来た。
・部品組立(下請け)
16名 工賃 10,000円
・食品袋詰め作業(下請け)
14名 工賃 10,000円
・自主製品製造(軍手、カレンダー他)
2名 工賃 10,000円
・合板セット組作業&納品配送
1名 工賃 10,000円
・空缶リサイクル
1名 工賃 10,000円
*工賃は平成17年から過去積立分
360万円を取り崩し補填支給中。
・17年度平均工賃額は
月額一人当り10,000円
補填分除くと9300円
・日中時間(休憩含む)
午前9時~午後4時
土日祝は原則休園日
地域ネットワーク会議の開催
新しい仕事の必要性の指摘、作業の見直し、固定概念を破るプロジェクトに!
などの積極的意見に混じって、障害者の心身の負担を懸念する声や全員を平等
に扱うように、保護者意見を尊重して、などの提言も。(第1回目)
第1回(10/10) 趣旨説明、施設の現状説明、協力依頼
2回(11/13) 委員からの新事業2件の提案
3回(12/6)
新規取組み案件関連情報収集、既存事業見直し計画
4回(1/17)
この回から新旧事業の2班分け、一般に設備開放の提案
5回(2/14)
弁当試作品検討、施設設備の利用者募集
保護者会議の開催(10/18)
支援法と支援事業の説明
※施設長より
・
・
・
職員決意表明
自立支援法により利用料の支払い発生 → 高賃金を目指す決意
加齢による重度化による保護者の負担増 → 能力開発 残存能力維持
授産施設の役割を再確認 → 保護者の意識をかえる。
※職員一人ひとりの決意表明
・
支援が薄まるということはない。→
全力で事業を成功させる。
新規事業アイディアの検討と
既存事業の分析(平成18年11月~12月)
職員全員から20の新規アイディア
・情報収集後今年度は見送りとしたもの
DM等の戸別配達請負事業(交通事故不安)
・継続検討、次年度以降地域縮小して継続
空缶回収の全市域への拡大(競合への配慮)
・積極的に取組む3事業
駐輪場管理事業(受託による固定収入)
花苗育成事業(専門家指導が得られる)
弁当配食事業(現存設備、時間の有効活用)
既存事業の数値分析⇒新規事業への配員人数割出し、生産性の勉強
既存作業の分析⇒誰がやっても目標工賃に届かない仕事の発見と工程見直し
12/15中間報告会出席
ふっきれた瞬間
利用者全員と職員全員の平等的参加状態から脱却
⇒ 本当に仕事がしたい、工賃アップを望む人を対象に。
・福祉的就労と市場経済における就労の理論的区別(顧客は誰
か)
生活支援か就労支援か、の迷いに幕
・新規取組み事業と既存事業間の職員役割分担の明確化
工賃ステップアップ事業に専任者選定、2名を遊軍化。
・モデル事業対象利用者(働きたい人)の選定
出直し決意
再度、保護者及び利用者全員面談を実施することに。
面談結果により対象利用者の選定
10名
・新規3事業計画立案に本格着手(駐輪場、花苗栽培、弁当配
食)
*花苗栽培は、後日(1月)担当職員異動により非対象事業に。
再度の職員による保護者・利用者面接で
対象希望者を選定(まず、手を挙げた人から)
利用者 保護者の希望 (工賃ステップアップに賛成 約7割)
利用者・保護者
意識調査面談の実施
・
・
給料がほしい。
施設から出て仕事がしたい。
70%
36%
保護者の不安(工賃ステップアップ反対の理由)
・
・
生活支援をしてもらえなくなる。16%
わが子は仕事ができない。16%
K.Tさんの事例:
指導員の熱意程度が
保護者決心を左右する
従来の職能評価は低く、家族も当初は「迷惑がかかる」とわが
子の能力を疑い、工賃ステップアップには反対だった。指導員
と家族の面談後、工賃ステップアップ事業参加希望者になった。
事業
駐輪場管理事業
指導員職能評価
利用者の選定
配食サービス
基準
対象となった利用者像
◎家族の支援程度
〇休日出勤の可否
〇自力通園の可否
◎給料への欲求度
Aさん 挨拶は苦手だけど素直な人
Bさん 他の利用者と対人トラブルが多い人
Cさん 心配性だがやる気がある人
◎努力家度
◎健康 衛生面
〇指示の理解度
〇体力状況
Dさん 明るいが落ち着きがない人
Eさん 仕事をコツコツがんばっている人
新規事業への取り組みスタート
見学、説明、訓練(平成18年12月~)
挨拶訓練
勤務説明会
駐輪場訓練
配食事業所見学(愛知レインボーハウス)
手洗い訓練
厨房実習
市営駐輪場は、社会への出口・職業訓練の場
中長期の計画で、“施設総合管理事業”に発展
面談・説明
訓練
アイディア
職員による保護者
面談・説明
利用者・将来計画
の説明
施設管理事業へ
一般就労移行へ
あいさつ、接客
業務知識
施設内での模擬訓練
駐輪場でのOJT
つり銭計算の工夫
波及効果
変化
将来
利用者の表情
いきいき 積極的
園内では見せない
真剣・忍耐・気遣い
早起き・遅刻無し
社会性、応接力を
活かせる職場への
就労移行支援
施設管理事業者と
して雇用事業に進出
現場従業員への影響
挨拶をする様に
なった先輩職員
挨拶を返してくれる
お客さん。
明るい駐輪場に。
閑散時間の過ごし方
清掃の工夫
笑顔訓練鏡
訓練開始、再び迷いと不安が・・
(平成19年1月~)
配食サービス事業
・思うように進まない訓練とその成果への焦り、葛藤、精神的疲労。
・設備や体制面での不備への思いが、先行きへの大きな不安材料に。自信喪失。
計画の見直しへ(2月)
~無理せず着実に。職員の技量向上と利用者のペースに合わせて~
食数計画の見直し
19年は助走実験期と考える
開始当初20食、来年100食
障害者技量の向上訓練に力点。
⇒スタート時 10食。
栄養士とのメニュー開発努力
将来ターゲットは独居高齢世帯へ 将来計画の方向性修正
事業所向け配食は大手の市場
介護と配食 独居者訪問安否報告
健康志向弁当コンセプトは活かす
3級ヘルパー資格者養成
*ファミリーマートが同様の事業全店展開を新聞発表(2/25)
施設理念の見直し~就労支援と生活支援 両方の専門性確立へ
あじさい園は何をするところなのか?
事業開始時の 就労支援、生活支援
就労支援
働きたい
給料が欲しい
社会に出たい
意欲のある人を社会に送り出し、自立し
た職業生活が営めるよう支援
就
労
と
生
活
どちらが大事?
という議論の終結
生活支援
保護者の高齢化
退行 重度化
格差社会
どんな障碍のある人でも「心豊かな生
活」
ができる支援
仕事ができれば生活が変わる。生活が変われば仕事ができる。
就労支援と生活支援
相対するものではない
どちらも必要
専門性が高く、広い
視野を持った支援が
必要
[理念〕
①働くことを生きがいに
②社会適応力向上
③社会人として自立
④地域社会の理解と交流
設立時の理念の重要性を再認識、理解を深めることに
理念の実現
施設の未来は、地域社会とともに
■福祉ニーズと地域ニーズを満たすコミュニティービジネスの基地
■雇用、園外就労、移行支援 多様な選択肢、プログラムの提供
“新規事業は一朝一夕には成らず”を心に刻み込んで、継続
・市内の公共施設の指定管理者目指して、接客訓練・施設管理OJT
・弁当事業から「高齢者配食、独居サポート事業」への発展が目標
単なる健康弁当から独居高齢層向け総合コミュニケーション事業へ
福祉施設の信頼感を武器に、離れて暮す親族向け安心報告サービス
会員化ビジネス。 利用者の「3級ヘルパー資格」取得促進
・ネットワークを生かす自主製品ビジネス(商品力・販路拡大)
淀川流域手漉き和紙、大津絵頒布会 ヨシ紙竹骨うちわ
⇒ 楽天ドットコム出店
当事者(職員)の成果と反省
【成 果】
職員は「赤字でもよい」「給料は低くても良い」という意識から脱却できた。(低賃金の異常性)
利用者の秘められた能力を改めて発見、気付くことができた。(人は誰でも進歩する。)
地域の人たちから当初の想像以上の協力を得られ、人の輪が広がった。(地域ネットワーク)
作業指導員は仕事に関して高い専門性が、生活支援員はどんな状態でも支えられる専門性が必要(スペシャリスト)
案ずるより産むが易し
工賃ステップアップに求められるもの
・
・
・
・
・
・
「福祉なのでお願いします」という甘えではいけない。
授産施設の意味と意義や施設の運営理念を大切にする。
「利用者の賃金を上げる」という強い信念
リーダーシップをもってグループを導いていく能力(会議をまとめる能力)
障碍はハンディではない。「やればできる」と利用者を信じる心が必要
ビジネスや異業種などの幅広い知識 専門性やネットワーク
一人ではできない。皆と手をつなぐ努力を
【反
省】
職員間で事業の捉え方に温度差があり意見がまとまらないことが多かった。
本人・保護者の意思をしっかり確認してから事業を開始するべきだった。
ネットワーク会議や職員会議の開催運営は、目的意識をよりはっきりする必要があった。
持論の出し合いより、もっと議論を深めるべきだった。。