ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関する 基本的

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Transcript ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関する 基本的

子宮頸がん、ヒトパピローマウイルス
(HPV)ワクチンに関する
基本的知識と最新の知見
HPVワクチン接種後に生じた症状の診療に係る研修
産婦人科医師用参考スライド
子宮頸がんについて
~疫学、病因、診断、治療~
わが国では子宮頸がんの罹患率、死亡率が増加
毎年、10,000人以上の女性が
子宮頸がんを発症、3,000人以上
が死亡している。
罹患率 死亡率
(人口10万対)
罹患率
死亡率
日本
16.3
4.2
米国
7.8
2.3
オーストラリア
8.9
(国立がん研究センターがん対策情報センター)
2.0
日本では子宮頸がん(浸潤がん)罹患が若年化
対
人
口
10
万
人
(国立がん研究センターがん対策情報センターHPより 作図)
50歳未満女性の頸がんによる
死亡率の上昇
9.0
8.0
per 100,000 women
7.0
6.0
5.0
1975
4.0
1985
2005
3.0
2011
2.0
1.0
 実際、若年女性の子宮頸がんによる死亡数も増加している
0.0
 25-34歳 87人死亡、35-44歳 330人死亡(2011年)
(年齢)
 わが国の少子化問題を考えても、若い女性が子宮頸がんで
(国立がん研究センターがん対策情報センターHPより 作図)
「子宮を失う」「命を失う」ことは非常に深刻な問題
1940年代、前がん病変(CIN)が発見された
CINを経過観察すると、子宮頸がんへ進展する
(Netter)
Papanicolau
細胞診を確立
正常
(Netter)
CIN=cervical intraepithelial neoplasia
前がん病変(子宮頸部上皮内がん+異形成)
前がん病変(CIN)
1950年代、頸がん検診による「早期発見」が確立
HPV = Human Papillomavirus
ヒトパピローマウイルス
 1983年、zur Hausen博士(ドイツ)が良性の尖圭コンジローマ
からHPV6・11型、子宮頸がんから HPV16 ・ 18型を検出
 子宮頸癌の約70%は、HPV16型または18型が原因、尖圭コン
ジローマの90%以上は、HPV6型または11型が原因
 100以上の“型(タイプ)”
 皮膚に疣贅を引き起す皮膚型と、性器周辺に感
染する粘膜型(約40種類)に大別
 発癌性のある高リスク型と、良性腫瘍を引き起こ
す低リスク型
2008年ノーベル賞
高リスク型 :16, 18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52,
56, 58, 59, 68型など
低リスク型 :6, 11型など
HPV感染から子宮頸がんが発症するプロセス
CIN 1
HPV持続感染
=CIN 1
前がん病変
=CIN 2
前がん病変
=CIN 3
浸潤がん
子宮頸部CIN2における
HPV16型の存在
(HPV in situ hybridization)
1990年代の臨床研究により、人間社会における
HPV感染の実態=自然史が明らかになった
21世紀、ついにHPVワクチンが開発された!
世界=子宮頸がん
45万人
日本=頸がん
1万人以上
CIN3
1000万人
前がん病変(CIN)
推定10万人
CIN1または2
3000万人
ハイリスクHPV持続感染
HPV持続感染
推定100万人
3億人
子宮頸がん:世界における年間罹患患者数(WHO)
川名 敬ほか 化学療法の領域 22(10):1521-1528.2006
発癌性HPVは全ての年代で検出されるが
特に若い女性で検出率が高い
子宮頸がん臨床進行期分類 1
子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドラインの解説
日本婦人科腫瘍学会編集
(金原出版)より引用
子宮頸がん臨床進行期分類 2
子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドラインの解説
日本婦人科腫瘍学会編集
(金原出版)より引用
臨床進行期別子宮頸がん治療
いわゆる初期がん
0期
IA1期 (扁平上皮がん)a)
上皮内癌(0期)〜IA期a)
リスクが低い
診断的円錐切除術施行
リスクが高い
IA2期 (扁平上皮がん)a)
リスクが低い
リスクが高い
ⅠB期
頸部円錐切除術, 単純子宮全摘出術
頸部円錐切除術, 単純子宮全摘出術
準広汎子宮全摘出術+骨盤リンパ節郭清
準広汎子宮全摘出術+骨盤リンパ節郭清
広汎子宮全摘出術(放射線療法も選択肢)
IB1期
広汎子宮全摘出術b) (放射線単独療法も選択肢)
IB2期
広汎子宮全摘出術b)または同時化学放射線療法c)
Ⅱ期
IIA期
広汎子宮全摘出術b)または同時化学放射線療法c)
Ⅲ期
Ⅳ期
IIB期
IIIA, B期
IVA期
IVB期
広汎子宮全摘出術b)または同時化学放射線療法c)
同時化学放射線療法c)
同時化学放射線療法c)
全身化学療法、集学的治療(緩和医療を含む)
注 a) Ia期腺がんでは浸潤の深さにより単純子宮全摘出術〜広汎子宮全摘出術を選択.
b) 術後補助療法は再発リスクに応じて施行.
c) 場合により,放射線単独療法も選択肢となり得る.
広汎子宮全摘術は基靱帯を切除
(Netter)
基靭帯
子宮頸がん治療後の問題点
円錐切除術後の流産、早産の増加
子宮摘出による妊孕性の喪失
卵巣欠落症候群:ほてり、発汗、イライラ、頭痛、肩こり、
動悸、不眠、膣分泌液の減少、骨粗鬆症、脂質代謝異
常など
排尿・排便障害:自己導尿が必要となることも
性交障害:腟の短縮や放射線照射の影響による
リンパ浮腫:歩行障害、発熱など
放射線照射後の晩期障害:直腸炎、膀胱炎
腸閉塞など
再発への不安
たとえ、完治しても若い女性の一生、QOLに
重大な影響を及ぼす!
日本の子宮頸がん予防の課題
ー検診とワクチンー
 対策型検診は浸潤子宮頸がんを減らし、死亡率を減少する効果
が証明されている。一方、ワクチンはHPV感染自体を予防する。
 科学の進歩により「子宮頸がんで苦しむ女性をゼロにする」こと
が夢ではない時代になった。
 世界120カ国でHPVワクチンは承認され、53カ国が公費で接種を
実施。多くの先進国が、高い検診受診率とHPVワクチン接種率
との両立を目指している。
しかし、本邦では検診もワクチン接種も課題を抱えている。
子宮頸がんを予防するストラテジーは?
HPV(ありふれた存在)
微小浸
潤がん
?
他のリスク因子 進展
HPVタイプ 進展
HLA
局所免疫機構
CIN 1
HPV持続 軽度
感染上皮 異形成
?
CIN 3
CIN 2
高度異形成
上皮内がん
中等度
異形成
?
正常頸部
扁平上皮
多くは排除されるが・・・
子宮頸がん検診
消退
HPVワクチン!
局所的治療
(レーザー・リープ)
他の妊孕能温存手術
宮城県における,検診受診率増加による
頸がん死亡率減少効果
(検診受診率 %)
(人口10万人あたりの死亡者数)
35
30
14
受診率
30.4
死亡率
12.1
25
8.5
9.4
25.1
12
29.2
10
20
8
16.9
15
6
6.5
10
5
0
4.0
5.4
4
2
0.2
1961 65
70
75
80
85
90 94
0
(Sato S, et al. Acta Cytol 1998: 42: 299-304 )
2013年の国民生活基礎調査
過去2年以内20~69歳の子宮頸がん検診受診率
(%)
http://ganjoho.jp/professional/statistics/statistics.html
60
50
42.1%
40
30
20
10
0
山宮福山秋長沖岡大新福富熊高岩香三鹿広東栃千青静神佐全徳鳥茨群愛石宮長岐福滋北兵奈島山愛京埼大和
形城井梨田野縄山分潟島山本知手川重児島京木葉森岡奈賀国島取城馬媛川崎崎阜岡賀海庫良根口知都玉阪歌
県県県県県県県県県県県県県県県県県島県都県県県県川県
県県県県県県県県県県県道県県県県県府県府山
県
県
県
欧米先進国なみの検診受診率80~90%の早期達成は困難
2種類の子宮頸癌予防(HPV)ワクチン
サーバリクス(グラクソ・スミスクライン)
• 1接種分の用量
0.5ml
• アジュバント(免疫増強剤)
AS04 (GSK独自開発)
- Al(OH)3
- MPL
500μg
50μg
2価ワクチン
• L1-HPV16
• L1-HPV18
• 蛋白発現系
• 接種スケジュール
20μg
20μg
バキュロウイルスHi-5細胞
0、1、6ヶ月
ガーダシル(MSD)
• 1接種分の用量
0.5ml
• アジュバント(免疫増強剤)
アルミニウム塩
225μg
4価ワクチン
•
•
•
•
L1-HPV6
L1-HPV11
L1-HPV16
L1-HPV18
20μg
40μg
40μg
20μg
• 蛋白発現系
酵母
• 接種スケジュール
0、2、6ヶ月
4価は性器のイボ(コンジローマの
原因となるHPV6,11型感染も予防)
日本人子宮頸がん患者におけるHPV-16/18型の
年齢別検出率
若年者の頸がんほどHPV16・18型
の検出率が高い
100%
80%
60%
検
出
率 40%
20%
0%
20-29
(n=10)
30-39
(n=29)
40-49
(n=44)
50-59
(n=25)
60(n=32)
年 齢
Onuki M et al.:Cancer Sci. 100, 1312–1316, 2009より作図
2価ワクチン15~25歳対象の臨床試験最終結果
2価ワクチンの性交開始前の女児を想定した集団での効果
高度異形成以上
の病変予防効果
HPV 16/18関連
100% (95%CI: 85.5-100)
HPV タイプ関係なし 93.2% (95%CI: 78.9-98.7)
上皮内腺癌予防効果 100% (95%CI:31.0-100)
2価 ワクチンの一般女性を想定した集団での効果
(1回でもワクチン接種、HPV感染有無、異形成以上の病変有無問わず)
高度異形成以上
の病変予防効果
HPV 16/18関連
45.7% (95%CI: 22.9-62.2)
HPV タイプ関係なし 45.6% (95%CI: 28.8-58.7)
上皮内腺癌予防効果 76.9% (95%CI:16.0-95.8)
(Lehtinen M, et al: Lancet Oncol 2012: 1389-99)
ワクチンの高い予防効果が証明されたとともに,一般女性集団の
ワクチン接種後のがん検診の重要性も示されている.
英国での2価ワクチン接種プログラムによる
HPV16/18感染の減少
■ワクチン導入前
■ワクチン導入後(ワクチン接種年齢)
■ワクチン導入後(ワクチン接種年齢以外)
95%信頼区間
[ ]ワクチン接種率
HPV16/18 感染率 (%)
30
25
20
16-18歳
19.1%⇒6.5%へ減少
(ワクチンカバー率65%) 19-21才
17.4%⇒10.9%
(ワクチンカバー率44%)
22-24歳
14.8%⇒18.6%
15
10
5
0
[-]
[65%]
16-18歳
[-]
[44%]
19-21歳
[0%]
[-]
[0%]
22-24歳
(Mesher. D et al: Vaccine 2013: 32, 26-32)
HPV Prevalence (%)
米国でのワクチン世代の型別検出率の変化
~4価ワクチン関連型感染率の著しい減少~
16,18型以外へのクロスプロテクション
も示唆される
対象:14~19歳のワクチン接種者
接種率:34%(1回以上接種)
(Markowitz LE. et al: J Infect Dis 2013: 208, 385-393)
オーストラリア・ビクトリア州でのワクチンインパクト
ワクチン接種者・非接種者の比較
CIN3/AIS(組織診)
●
非接種者群
●
接種者群
1,000人年あたりの発生数
High-grade(組織診)
年齢
年齢
オーストラリアでは、すでに若年者の
高度頸部病変が減少している
(Gertig DM. et al: BMC Medicine 2013: 11, 227-238)
オーストラリアのワクチンインパクトの最新情報
ワクチン世代18-24歳の集団免疫とクロスプロテクション
HPV感染
の減少
ハイリスクHPV
感染の減少
ワクチンプログラム前
ワクチンプログラム後
ワクチン関連型
HPV感染の減少
(Tabrizi SN. et al: Lancet Infect Dis 2014: 14, 958-66)
オーストラリアのワクチンインパクトの最新情報
ワクチン世代18-24歳の集団免疫とクロスプロテクション
【HPV 6, 11, 16, 18型】
ワクチンプログラム前
相対粗感染率
感染率
p値
1.00
ー
相対調整感染率
感染率
p値
1.00
ー
ワクチンプログラム後
0.23 (0.17-0.31)
<0.0001 0.22 (0.16-0.31) <0.0001
非ワクチン接種者
0.65 (0.44-0.97)
0.0370 0.65 (0.43-0.96) 0.0308
ワクチン接種回数不明
0.26 (0.17-0.39)
<0.0001 0.25 (0.16-0.37) <0.0001
3回ワクチン接種者
0.08 (0.04-0.15)
<0.0001 0.07 (0.04-0.14) <0.0001
*年齢、経口避妊薬使用歴で調整
オーストラリア都市部での、若年女性の
ワクチン関連HPV型の集団免疫獲得を証明
(Tabrizi SN. et al: Lancet Infect Dis 2014: 14, 958-66)
HPVワクチンをめぐる国内の動き
 2010年11月より国と地方自治体による公費助成開始
 2013年3月よりメディアにより、全身の痛みや歩行障害などの副
反応が繰り返し報道、被害者の会設立
 2013年4月より定期接種化
 2013年6月に厚労省が積極的接種勧奨の中止を地方自治体に
要請
 2013年12月25日以降、厚労省の副反応検討部会で審議:広汎
な疼痛または運動障害をきたした症例の機序として心身の反応
(機能性身体症状)との見解
 2014年4月 日本産科婦人科学会より各大学へ「HPVワクチンの
安心ネットワーク作りに関するアンケート協力のお願い」配布
 2014年9月 厚労省よりHPVワクチン接種にかかる診療・相談体
制整備、副反応報告の強化の通知
 2014年12月 日本医師会・日本医学会合同シンポジウム「子宮
頸がんワクチンについて考える」開催
スコットランド
各誕生コホート別の接種率、CIN1,2,3リスク比較
リスク比
(RR)
1.2
ワクチン接種率が74%になった年代では、
CIN3 子宮頸部上皮内癌が0.49に低下
3回接種率
(%)
74.08
70
1
59.24
60
0.8
50
0.6
40
3回接種率
CIN1
0.4
30
CIN2
CIN3
20
13.67
0.2
0
80
10
0.03
0.15
1988
1989
0
1990
1991
1992
(Pollock KG, et al: Br J Cancer 2014: 111, 1824-30 より作図)
2014年1月20日開催 第7回副反応検討部会における
子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの審議結果(概要)
2014年2月26日開催 第8回副反応検討部会における
HPVワクチンに関する議論の概要
重篤な副反応報告の状況 (2剤合計)
期間: 販売開始~平成26年3月31日
医療機関報告と企業報告の合計
接種のべ人数: 889.9万人
主な副反応報告
報告数
副反応割合
失神・意識レベルの低下
発熱
過敏症
感覚麻痺
四肢痛
アナフィラキシー
浮動性めまい
複合性局所疼痛症候群
注射による四肢の運動低下
痙攣
95
87
31
25
25
22
19
17
17
15
1.1
1.0
0.3
0.3
0.3
0.2
0.2
0.2
0.2
0.2
(対10万接種)
※報告医が重篤と判断した症例を集計
353/898.8万人 ⇒ 3.9/10万人
平成26年度第10回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会配布資料4 より抜粋
こうろう
厚労省検討部会2013年12月の資料より
平成26年度第10回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会 参考資料1
HPVワクチン接種にかかる診療・相談体制
厚生労働省
研修
協
力
・
支
援
支援
研修
総合
相談窓口
相
談
いたみ医学研究情報センター
支援
紹介
支援
相
談
支援
医師会
研修・支援
専門医療機関
都道府県
学会・医会
●地域における診療体制の整備。
●協力医療機関に対する研修に協力。
助
言
研修
支援
協力医療機関
支援
紹介
助
言
地域医療機関
受診
被接種者
相談
市区町村
●地域の中核医療機関として、接種・診療体制を整備。
●地域医療機関から紹介された被接種者の診療。
●必要に応じて専門医療機関を紹介。
地域で支える診療体制の構築
平成26年9月11日 第11回予防接種基本方針部会 資
HPVワクチンと自己免疫疾患・神経疾患・静脈血栓症
有害事象のうち、関連性が疑われた29疾患について
大規模コホート研究(デンマーク、スウエーデン)
 調査期間 : 2006年10月1日~
2010年12月31日
 調査対象 : 思春期少女(10~17歳)
997,585人 うち約30万人が4価ワク
チンを1回以上接種(延べ接種回数
は約70万回)
 評価対象 : 53疾患を研究対象とし、
そのうち、少なくとも5例以上報告の
あった29疾患について分析
 29疾患のうち、ベーチェット病・レイ
ノー症状・1型糖尿病の3疾患のみワ
クチンとの因果関係が示唆された
が、より詳細な調査の結果、因果関
係はないと結論づけられた
 4価ワクチン接種と自己免疫疾患、神
経疾患、静脈血栓症との関連性は認
められなかった
Arnheim-Dahlstrom et al: BMJ 2013 ; 347:f5906
HPVワクチンの安全性(厚労省副反応検討部会)
HPVワクチン接種後の自己免疫疾患などの報告数と頻度
自然発生率との比較(国内)
報告数
(うち接種後28日以内に当該
疾患が発現しているもの)
報告頻度※3
(10万接種あたり)
自然発生率※4
(10万人年)
15 (10)
0.2
0.8-22.6
10 (5)
0.1
1.8-7.6
ギラン・バレー症候群※2
5 (3)
0.06
急性散在性脳脊髄炎※2
4 (1)
0.04
疾患名
若年性特発性関節炎※1
全身性エリテマトーデス※1
(小児)
(全年齢)
1.15
(日本人全年齢)
0.3-0.8
(小児)
※1:ワクチン接種後の副反応として報告された症例のうち、医師が重篤と判断したもので、当該疾患の診断がついているもの。
販売開始以降、平成25年9月30日までに報告されたもの。
※2:副反応報告症例で当該疾患の可能性があるもののうち、専門家評価で、当該疾患が否定できないとされたもの。
販売開始以降、平成25年9月30日までに報告されたもの。
※3:報告頻度の算出にあたっては、平成25年9月30日までの接種可能のべ人数を母数としている。
※4:自然発生率は海外文献報告や、国内ガイドラインの内容から引用している。
平成26年1月20日副反応検討部会資料
WHOのワクチンの安全性に関する諮問委員会の見解
• 2013年6月13日、WHOのワクチンの安全性に関する諮問委員会
(GACVS)はHPVワクチンの安全性に関する最新情報を検討した。
(前回検討は2009年6月)
• HPVワクチンは世界で1億7000万接種分以上が供給され、多くの国で国家接
種プログラムにて接種されている。
• 現製品の安全性プロファイルが改めて確認された。
• 懸念事項として指摘されたアナフィラキシ―反応と失神は、製品添付文書が
適切に改訂された。
【日本】
これまでに800万接種分が供給され、5例のCRPSが報告された。
これらの5例は、典型的CRPSと診断できないにも係わらず、メディアの注目するところとなった。
副反応検討部会では、ワクチンとの因果関係を明確にすることができなかった。
報告されている慢性疼痛症例について特別に言及する必要がある。 日本以外の世界各国
で、同じような懸念が認められない中、ワクチンとの因果関係を疑う根拠がない。
治療を最善に導くために各症例についてのさらなる詳細調査を継続し、専門医による確定診
断を促し、迅速な判断が不可欠である。
GACVS Safety (Global Advisory Committee on Vaccine Safety)
uptade on HPV Vaccines Geneva,13 June 2013
WHOステートメント(March 12, 2014)
(まとめ)
ワクチンが原因とされる健康被害の主張根拠は虚弱であり、安全
で有効なワクチンの使用中止という現実的な危害をもたらす恐れが
ある。アルミニウム含有のワクチンによる健康被害、注射部位に存
在するアルミニウムと自己免疫症候群との関連、HPVのDNA断片と
炎症や脳内脈管炎や免疫系現象との関連のいずれについても、科
学的エビデンスはこれまでに示されていない。
日本医師会・日本医学会合同シンポジウム
「子宮頸がんワクチンについて考える」
-日本医師会館 大講堂-
総合司会 小森 貴(日本医師会常任理事) 座長 髙久 史麿
2014/12/10 HPV シンポジウムを終えての座長とりまとめ
1. HPVワクチン接種後に発生した症状とワクチンとの因果関
係の有無および病態については、専門家の間でもいくつか
の異なる見解がある。今後も専門家による究明の努力が重
要であると考える。
2. これらの症状を呈した被接種者に対しては、HPVワクチン
接種と の因果関係の有無や病態にかかわらず、その回復
にむけて、日本 医師会・医学会が行政とともに、治療・支援
体制を強化すること が大切である。
3. ワクチンには接種をすることによるリスク(副反応)としない
ことによるリスク(疾病予防機会の喪失)の両面があること
を踏 まえ、国においては、引き続きワクチン接種のあり方に
ついて、 現時点で得られている科学的根拠に基づいた検
証を行い、結論を得るべく努められたい。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000069472.pdf
世界中が、日本のHPVワクチンの動向を注視している
WHO (世界保健機構)
2007年から、子宮頸がんの包括的予防のためにHPV
ワクチン接種推奨
安全性声明 2013年6月
世界中での約1億7500万回接種において安全性に大き
な懸念がない
重篤な副反応とHPVワクチンの関連性は示唆されない
安全性声明 2014年3月、10月更新
市販後モニタリングの結果から、HPVワクチンは、引き続
き、高い安全性が確認されている
ワクチン接種の有害性に関する不完全情報は、有効な
ワクチンが使われなくなる悪影響をきたす可能性がある
FIGO(国際産婦人科連合) 2013年8月
世界125か国の産婦人科学会
現在入手可能なすべてのデータ(臨床試
験、市販後調査、CDC他)を確認した
子宮頸がん予防ワクチンの接種を
継続すべき
米国
大統領がん諮問委員会
から大統領へのレポート
2014年2月
癌予防活動の緊急課題
HPVワクチンの接種促
進. 子宮、腟、外陰、陰
茎、肛門、咽頭(のど)の
がん予防
米国家庭医学会
米国小児科学会
米国産婦人科学会
米国内科学会
疾病対策センター(CDC)
予防接種活動連合
2014年2月
HPVワクチンを強力に推奨しよう!
CDC