Transcript 作業療法
2015/7/5
The final lecture of Hiroshi Yamane
ひとと作業・生活を語る
Hiroshi Yamane; OTR, PhD
Chairman of Society of Human and Occupation-Life:SHOL
Professor Emeritus of Kyoto University
経歴など
経歴:1972:広島大学工学部卒.日立造船に勤務
1982:作業療法士の資格取得.精神系総合病院に勤務
1989:京都大学医療技術短期大学部助教授
2002:京都大学医療技術短期大学部教授
2003:京都大学医学部保健学科教授
2007:京都大学大学院医学研究科教授
2015:「ひとと作業・生活」研究会主宰
提唱:こころのバリアフリーの町づくり,リハビリテーションは生活,ひとが補助
具に
こころの車いす
著書:作業療法覚書,臨床作業療法,作業療法の知・技・理,治療援助にお
ける
二つのコミュニケーション,作業療法の詩,作業療法の詩-ふたたび,ひと
と植
物・環境,ひとと音・音楽,ひとと作業・作業活動第2版,精神障害と作業
療法
第3版,ひとと集団・場第2版等著書67冊,企画編集44冊
専門領域
・作業学 occupationology
作業(生活行為)とは ひとと作業(生活行為)・生活(くらし)
作業療法の特性
・精神認知機能系作業療法 psychiatric occupational therapy
精神病圏 psychosis
神経症圏 neurosis
高機能広汎性発達障害 high-functioning pervasive developmental disorders
認知症 dementia
高次脳機能障害 Neuropsychological disorders
司法精神医療 judicial psychiatry
・集団力働と療法集団 group dynamics & therapeutic group
・構造論 structure theory
治療構造(場の理論) structure of therapy (field theory in therapy)
障害構造(相互関係論) structure theory of disability
リエゾンチーム theory of liaison team
回復モデル Recovery model
・地域生活支援 community support
本棚や引き出しを
片づけていたらこんな写真があり
ました
回想の一コマ
こんなときもあっ
た
1949年
誕生60日母に抱かれ
Before after
誕生10か月
父に抱かれて
就学前
1954年5歳
村の七五三
1955年5歳の正月
家族全員がそろったお正月
1954年5歳秋
村祭りの日に妹と
小さい頃遊んだ本家と祖父
祖父には13人の兄弟姉
たち
妹がいたがだれも家を
継がずにそれぞれの道
を歩んだ
本家笹利山根家本宅
本家笹利山根家
の長屋門
野口英世
佐八郎同期生
エール
リッヒ
秦佐八郎
祖父の弟
山根藤七:祖父
山根三男:
父
まるで小中高と修学旅
行で行った先を追うよう
に
1989~現在
今すんでいる所
1982~89
1949
作業療法初任地
生まれた所
1968~72
学んだ所
1983~現在
「土の宿」
福祉とは心 日々の生活
障害者の生きて生活する場が
「まなびや~」
1970~現在
「土の会」
自分の生き方は
自分で決める自由を求めて
ZIZIしてきたこと
町家:くらしの中でリハビリテーション
2000 作業所付設共同住居
市民学習塾拾円塾
2000 ゆいまある認可
拾円塾
1996 授産施設・生活支援事業
1990 作業所設立支援
1998 「こころいっぱいご
飯を食べよう会」
1996 「ねっこの郷」認可
1997 生活支援センター
1979 リハ学院入学
2003 大学病院作業療法認可
1989 大学病院で無認可作業療法
1989 地域生活支援をフィールドにするため大学へ
1982 作業療法士資格取得・精神系総合病院勤務
1970 病いや障害があっても町で暮らす運動土の会
1970
1980
1990
2000
2010
大学赴任とその後の経緯
急性期から生活支援まで
治ることから病いを生きる
2015 「ひとと作業・生活」研究会主宰
急性期作業療法システム
リカバリー支援
2007 京都大学大学院医学研究科教授
2003 京都大学医学部保健学科教授
大学病院作業療法認可
2009 後期博士課程設置
2007 修士課程設置
2003 4年制化
1979 リハ学院入学
1989 京都大学医療技術短期大学部助教授
大学病院で無認可作業療法
1982 作業療法士資格取得・精神系総合病院勤務
1970 病いや障害があっても町で暮らす運動土の会
1970
1980
1990
2000
2010
「土の会」で確信したこと
・ 切り捨ては弱い者から
・ 確実にある機能の差 その違いを認めて生きることが
平等
違いを認めることから始まる平等な生き方
そこから生まれる介護・被介護関係
・ 介護や福祉は生活
生活を奪った介護や福祉はおかしい
・ ひとが生活している場が学ぶ場
・ 配慮はしても遠慮はしない
共に生きるために自分ができることをする
精神科病院で確信したこと
・ 理解不能な症状はない
症状は危機を知らせるこころの防波堤
・ 重なる苦しみ
誤解による精神障害というスティグマと難治という二重の苦
・ 長期に入院する必要はない
治る,治すことから病いを生きる
リハビリテーションは生活の場で
・ 人的環境が機能障害に影響
ひとが補助具に
こころの車いす
医学部附属病院で確信したこと
・ 入院するなら早く短く
作業で症状軽減(何をどう使うか)
リハビリテーションレディネス
・ 薬は少なく単純に
・ ひとが環境
ひとがひとにかかわる
必要なケア 過剰な代理行為をしない
しなければならないことができないことはあっても,しなく
してはならないことをしない
学びの初めから考え続けていること
病いとは、障害とは、健康とは、障害の構造
意欲、主体性、不安と安心、普遍的体験
ひとと作業、ことばと作業、ひとと植物・環境、ひとと音
・音楽
発達・作業・身体・脳、作業療法の治療機序
ひとと集団・場
社会脳科学としての作業療法
健康の概念
治るものは治す
治らないものは悪化防
止
健康状態/変調・疾病
何ができないかよ
病を治すから病いを生きる主体性 り
QODを考える生き方
どうすればできる
か
心身機能・身体構造
活動
参加
治癒を原則とするもの
維持向上を図るもの
援助支援するもの
・病状の軽減
・感覚運動機能の向上
・精神認知機能の向上
(記憶・注意・集中力etc)
・情動の安定
環境をいかによいものにす
るか
・ADL機能 ・IADL機能
・コミュニケーション技能
・楽しむ体験
・役割行動の習慣化
・対人交流
・社会適応技能
生活
機能
・日常生活の自律
・人との交流
・集団への参加
・社会生活への取り組み
・その他
ひととなり
どう生きて何を失ったか
環境因子
個人因子
環境の調整
生活歴の活用
(人的・物的等)
(職業・役割・趣味等)
背景
因子
音・音楽を用いるかかわりの構造
ひとにとって音楽とは何か、ひとと音楽の関係から
時 空
聴く
歌う 奏でる
創る (踊る)
音 楽
人
人・場
音楽
意味
生理的、個人的、社会的意味
活動要素
聴く
歌う
奏でる
創る
(踊る)
受動:認知 感受 投影‥‥
身体エネルギー :音声表現‥
身体エネルギー :楽器操作‥
自己表現:自己愛充足‥
誘発刺激:心身機能の賦活
ひとと作業(身体・脳・知覚のカテゴリー化)
外 界
内 界
脳(中枢神経系)
外部環境
身体
外界情報
ひとは身体を生きている
中隔核・扁
皮膚感覚
一次皮質
自分の状況、置かれている状況は身体が伝え
内臓感覚
人・物
桃体・海馬
特殊感覚
二次皮質
道 具
(除前庭覚)
る
知覚のカテゴリー化
素 材
運動企画
その状況を判断するのも対処するのも身体
フィードフォワード
自己情報
内臓情報
脳幹
視床下部
自律神経中枢
身体図式
(フィードバック)
(作業活動の環境への影響)
前庭覚
深部感覚
作業療法の特性
種類
身体療法
薬物療法
外科療法
精神療法
精神分析療法
小精神療法
一般精神療法
認知療法
行動療法
(家族療法)
作業療法
介入手段
特性
薬物
手術
physical
言語
human
verbal
作業
+
言語
non-human
non-verbal
physical
+
verbal
身体療法は症状の軽減,基本的心身機能の改善
言語を主媒介とする対話型療法は情動の安定と自己認知
作業療法は,具体的な体験による基本機能の維持改善・社会脳の機能
向上
約76000冊
1997/3 初版
1999/4 初版
2003/3 第2版
2005/8 第2版
約40000冊
2010/3 第3版
2015/4 新版
約20000冊
2000/4 初版
2009/5 初版
約1500冊
2007/9 第2版
2008/7 初版
約1600冊
2007/6 初版
約2200冊
2007/11 初版
2008/11 初版
2013/7 初版
2011/7 初版
2009/1 初版
2011/6 初版
2014/6 初版
2002/5 初版
2004/9 初版
2015年6月現在
著
書 : 68冊
共同企画 : 46冊
原著論文 : 115編
総説 ・ 他 : 132編
2006/6 初版
2006/6 初版
2007/6 初版
これから「ひとと作業・生活」研究会
・リハビリテーションや地域生活支援に関する市民学習塾拾円塾の
発展的継続・作業をもちいる主に精神認知領域(精神障害、認知
症、発達障害、高次脳機能障害、その他の理由によるうつ状態など)
の相談と支援
・作業療法の基礎となる「ひとと作業や集団・場」に関する実践講座
・事例を通した臨床の知と技の向上
・リハビリテーション部門のマネージメントに関する相談指導
・作業療法士のボランティアバンク(つなぎの場の提供)
・少人数対象のスーパービジョン(教育分析)
・「作業の知」「作業の力」に関する臨床で見られる現象の言語化
などを検討中。
賛同者と共同作業者を募る予定
(年会費:会員1口拾円100口
賛助会員200口以上)