ものづくり企業支援の政策について - 関東経済産業局

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ものづくり企業支援の政策について
平成20年10月16日
関東経済産業局産業部
製造産業課 田中 和茂
Ⅰ
目
次
Ⅰ.製造業の位置づけ と ものづくり中小企業の概要
Ⅱ.ものづくり関連の主な支援施策
①ものづくり基盤技術の高度化支援
-中小ものづくり高度化法の制度概要ー
②ものづくりと地域とのつながりの支援
-地域資源活用プログラム
Ⅲ.ものづくりに関する気運の盛り上げ等
①ものづくり日本大賞の開催
②元気なモノ作り 中小企業300社の選定
Ⅳ.参考資料 (中小ものづくり高度化法関連)
1
Ⅰ.製造業の位置づけ と ものづくり中小企業の概要
2
Ⅰ
Ⅰ.
製造業の位置付け と ものづくり中小企業の概要 ①
(1).我が国経済における製造業の位置付け
○我が国製造業は、以下の観点から、我が国経済において重要な役割を担っている。
ⅰ)GDP(国内総生産)・雇用の担い手 ~ GDP・雇用の1/4
ⅱ)外貨獲得の中心的担い手 ~ 輸出の93%
ⅲ)研究開発の中心的担い手 ~ 民間研究開発投資の9割
○近年、世界的なサービス経済化と産業構造変化に伴って、我が国製造業は、①生産(GDP)全体に占め
る割合の減少(=国内生産活動の低迷)、②就業者数の減少(=担い手・人材不足)といった課題に直面。
日本の産業構造の変化(名目GDP)
各国の輸出に占める工業製品の割合
(2006年)
名目GDP(05年)
全産業 464兆円 うち製造業 105兆円
(年)
第一次産業
1996
(年)
30.4
第一次産業
第二次産業
第二次産業
0%
第三次産業
67.8
第三次産業
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
民間研究開発投資の内訳
(2002年)
90%
日本
93%
7%
韓国
92%
8%
1.8
1996
2005
30.4
26.4
67.8
72.2
1.8
1.4
2005
0
30
40
50
60
70
(%) 72.2
80
90
100
米国
84%
10
6.8
30
40
50
60
70
80
90
第一次産業
第二次産業
第三次産業
31.0
第一次産業
(年)
2005 6.8
5.2
1996
0
第二次産業
26.0
31.0
10
2005 5.2
0
20
(%)
就業者数(05年)
全産業 6,392万人 うち製造業 1,098万人
20
アメリカ
30
40
20
62.2
第三次産業
30
40
50
60
70
(%) 68.8
50
60
(%)
70
フランス
ドイツ
英国
80
90
83%
80
85.6%
77.3%
17%
88%
90
12%
83%
17%
100
工業製品
100
資料:UN Comtrade より作成
その 他
59.2%
フランス
68.8
62.2
26.0
10
100
サ ービス業
91.1%
イギリス
日本の産業構造の変化(就業者数)
1996
日本
建設業
16%
1.4
0
電 気 ・ガス・水 道 業
韓国
10
20
26.4
(年)
製造業
100%
その他
84.6%
ドイツ
90.8%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
備考:民間研究開発投資とは産業界における研究開発投
資であり、大学及び民営研究機関は含まない。
資料:OECD「Basic Science and Technology
Statistics」
3
Ⅰ
Ⅰ.
製造業の位置付け と ものづくり中小企業の概要 ②
(2).ものづくり中小企業の概要
中小企業は、日本の434万企業のうち99.7%を占める。
従業者数・付加価値額(製造業)においてもそれぞれ7割以上、5割以上を占める。
企業数(433.8万社)
大企業
約 1.2万 社
0 .3 %
従業者数
(3,955万人)
中小企業
約 432.6万 社
9 9 .7 %
製造業付加価値額
(102兆円)
大企業
約 1,147万 人
29%
中小企業
約 2,809万 人
71%
大企業
約 44兆 円
43%
中小企業
約 58兆 円
57%
中小企業の定義/製造業:資本金3億円以下又は従業者数300人以下
卸売業:資本金1億円以下又は従業者数100人以下
経済産業省 2004「工業統計表」
小売業:資本金5千万円以下又は従業者数50人以下
サービス業:資本金5千万円以下又は従業者数100人以下
総務省 2004「事業所・企業統計調査」再編加工
4
Ⅱ.ものづくり関連の主な支援施策
①ものづくり基盤技術の高度化支援
-中小ものづくり高度化法の制度概要ー
5
Ⅰ
Ⅱ.
ものづくり基盤技術の高度化 ①
(1)基盤技術高度化の意義①
【我が国ものづくりの強み】
○部材・部品から最終製品までのバリューチェーンの中の各段階においては、川上、川中の部材産業
の方が国際競争力が高い。
○部材産業の競争力を支えているのは、独自の高い技術を活かした各企業の製品開発力であり、産
業の集積である。
情報家電産業の川上-川中-川下の状況
約3.3兆円
産業用機械
情
報
家
電
産
業
部材
(東京エレクトロン等)
海外
企業
46%
日本
企業
54%
部品
約21.3兆円
約3.6兆円
(京セラ、
ローム等)
(日東電工、富士写真フィルム等)
海外
企業
35%
日本
企業
65%
先端新産業分野等を支える「中小企業群」
海外
企業
49%
日本
企業
51%
川中
ロボット
コンテンツ ・・・etc
産業用機械
材料
最終製品
約18.7兆円
(シャープ、松下電器等)
海外
企業
73%
日本
企業
27%
半導体(システムLSI
など)
計測機器
原料
製造装置
金型
鋳造技術
熱処理技術
川上
情報家電
燃料電池
IT
部品
デジタル技術
電子部品材料
通信
素形材
鍛造技術
ソフト
センサ
プレス加工技術
金型技術 動力伝達技術
めっき技術
切削技術
組込ソフト
ウェア技術
・・・技術
川下
6
Ⅰ
Ⅱ.
ものづくり基盤技術の高度化 ②
(1)基盤技術高度化の意義 ②
○プレス、めっき、鋳造技術など、卓越した技術を持つモノ作り中小企業こそが、我が国製造業
の強みの源泉。
<優れた基盤技術の例>
<技術を活用した製品の例>
プレス加工技術
<高度化の方向>
携帯電話用 リチウムイオン電池ケース
材料を打ち抜いたり、曲げる。
絞り
曲げ
抜き
携帯電話等
のさらなる小
型化・軽量化
めっき技術
燃料電池用 電極触媒形成のための白金めっき
表面を金属で薄く覆い、腐食、摩耗等を防ぐ。
白金の使用量
低減、触媒の
機能向上
金型:耐磨耗、精度
電子部品:電磁波遮断
鋳造技術
溶かした鉄やアルミニウム等を型に流し込み、固める。
上型
溶かした鉄等
を注ぎ込む
製品(中空)
自動車エンジン用 シリンダーブロック
自動車の軽量
化、高精度化
下型
7
Ⅰ
Ⅱ.
ものづくり基盤技術の高度化 ③
(2) 中小ものづくり高度化法の体系
○ 自動車、情報家電、ロボット、燃料電池など製造業の競争力を支える中小企業の基盤技術を支援する「中小企業のも
のづくり基盤技術の高度化に関する法律 (中小ものづくり高度化法)」(平成18年制定)に基づき、
① 中小企業者は、「特定研究開発等計画」を申請し、国が同計画を認定。
② 国は、認定を受けた中小企業者に支援策を展開(研究開発委託費、政府系金融機関の低利融資など)。
特定基盤技術の指定、技
術高度化指針の策定(国)
研究開発計画の申請
(中小企業)
研究開発計画の認定
(国)
ステップ2
ステップ1
モノ作り基盤技術高度化のための環境整備
事業者の「出会い」促進
川上・川下ネットワーク構築支援事業
人材育成の支援
高専等を活用した中小企業の人材育成を支援
知的財産の活用支援
20の基盤
技術
1.研究開発支援(戦略的基盤技術高度化支援事業)
中小企業と川下ユーザー企業等が協力し、
認定計画に沿って行う研究開発を資金面で
重点的に支援。
2.金融支援(信用保険の別枠化、日本政策金融
公庫の低利融資)、 特許料の減免等
計量標準供給基盤の強化
技術継承の円滑化支援
認定を受けた中小企業への支援
ほか
組込ソフトウェア、金型、電子部品・デバイスの実装、プラスチック成形加工、粉末冶金、溶射、鍛造、動力伝達、部材の結合、
鋳造、金属プレス加工、位置決め、切削加工、織染加工、高機能化学合成、熱処理、溶接、めっき、発酵、真空の維持
8
Ⅰ
Ⅱ.
ものづくり基盤技術の高度化 ④
(3)認定中小企業への支援措置
1.研究開発支援
1.戦略的基盤技術高度化支援事業
◆事業の目的 :法律に基づく認定を受けた中小企業が認定計画に沿って行う、3~5年以内に市場化を見込めるよう
な革新的基盤技術及び生産プロセスイノベーションに関する研究開発を支援する。
◆予算額:20年度 88億円(19年度:93.6億円)
◆事業期間:最大3年以内(※)各年度毎に、研究の成果について評価を行います。
◆実施スキーム:認定中小企業者、川下ユーザー、研究機関等からなる共同研究体等に対して研究開発事業を委託。
2.金融支援 ・ 特許料の減免等
2-1.中小企業信用保険法の特例
認定計画に必要な資金の借入について、中小企業が利用できる信用保険の限度額を拡大する。
2-2.日本政策金融公庫の低利融資(企業活力強化資金制度)
認定計画に必要な資金を優遇金利で借り入れられる。
・貸付金利 : 特別利率3 (1.75%。平成20年9月10日現在)
・貸付期間 : 設備資金→最長20年以内
・運転資金 →最長7年以内
2-3.特許料等の特例
中小企業が認定計画の成果を特許化する場合の費用を減免。(認定計画の事業期間開始後の成果が対象)
(具体的内容)①審査請求料 → 半額
②登録料 → 1年~6年分を半額
2-4.中小企業投資育成株式会社法の特例
中小企業が認定事業計画を実施するために増資するような場合には、資本金3億円超であっても、
中小企業投資育成株式会社が株式引受等を行いうることとする。
(※)それぞれの支援措置を受けるために、各機関等に対して所定の手続きが必要です。
9
Ⅰ
Ⅱ.
ものづくり基盤技術の高度化 ⑤
(4)戦略的基盤技術高度化支援事業 (スキーム)
モノ作り基盤技術の高度化に向けて、中小企業が川下発注企業、研究機関等と協力して行う研究開発を支援。
中小企業は「中小企業ものづくり高度化法」に基づく認定を受けた研究開発計画について、プロジェクトの公募に提案し、
研究開発の支援を受けることができる。
経済産業局
提
①公
③委
②
募
託
案
共同研究体(コンソーシアム)
事業管理法人
中小企業
中小企業
認定を受けた
中小企業
大企業
研究機関
(大学・公設機関)
委
託
金
額
【一般枠】6,000万円/テーマ
研
究
期
間
2年度又は3年度
募
集
期
間
平成20年4月21日(月)~5月16日(金)
応
募
資
格
事業管理者、研究実施者、総括研究代表者(プロジェクトリーダー)、副総括研究代表者(サブプロジェクトリーダー)
によって構成される共同体(コンソーシアム)を基本とし、認定を受けた中小企業者を全て含む必要がある。
対象となる研究開発計画は法第4条第1項に基づき認定を受けた特定研究開発等計画とする。
問 い 合 わ せ
【川下分野横断枠】 1億5,000万円/テーマ
関東経済産業局 製造産業課
10
Ⅱ.ものづくり関連の主な支援施策
②ものづくりと地域とのつながりの支援
-地域資源活用プログラムー
12
Ⅱー2. 中小企業地域資源活用プログラム ①
各地域の「強み」である地域資源(産地の技術、地域の農林水産品、観光資源)を活用した中小企業の新商
品・新サービスの開発・ 市場化を総合的に支援。
地域産業発展の核となる新事業を、5年間で1,000件創出することを目指す。
(1)「地域資源」は都県経由で予め設定。
(都県が地域資源(名称、地域)を取りまとめ、国に申請し、国が認定)
地域資源の件数:全国で10,922件(平成20年7月現在)
(2)中小企業者が地域資源を活用した新事業の計画を作成。国が認定。
(地域の中小企業者が上記①の地域資源を活用した新商品開発等の事業計画(「地域資源活用事
業計画)を提案し、都県経由で、経済産業局等に申請)
地域資源活用事業計画の認定件数:全国で407件(平成20年7月現在)
(3)認定計画に対しさまざまな助成を用意。
(補助率2/3の補助金、低利融資、優遇税制)
→関係6省(総務・文科・厚労・農水・経産・国交)の協力体制
13
Ⅱー2. 中小企業地域資源活用プログラムの制度概要②
中小企業地域資源活用促進法に基づく支援のスキーム
地域資源を
活用して
新商品開発等を行う
中小企業
事業熟度(未)
事業計画作成
県
を
経
由
し
て
申
請
経
産
局
等
が
認
定
事業熟度(低)
事業熟度(高)
試作品開発/展示会出展等
補助金
(基本構想)
都道府県が地域資源を指定(国が認定)
47都道府県合計で10,059
設備投資/生産・販売
設備投資減税
需
要
の
開
拓
低利融資
<地域に密着したきめ細かな支援>
○全国各地での地域資源の発掘、磨き上げ
マーケティング、ブランド戦略に精通した人材が常駐する全国事務局と
10地域ブロック拠点に加え各県に支援拠点を整備し、事業計画作成
から需要開拓に至るまで一貫して支援。
○首都圏を中心としたネットワークの確立
流通業者、情報通信、マスコミ、地域金融機関、大学等を
「地域資源パートナー」として登録し、地域中小企業の販路開拓を支援
。
○全国展開や需要の拡大に向けた支援
地域発の洗練された商品の展示、生活シーンの提案、食の体験等を
通じて、日本各地の家具、雑貨、食品等の販売・PRを実施。
(4月25日表参道に「テストマーケティング・ショップ Rin」がオープン!)
○自治体と連携した資金の確保
中小機構では「地域中小企業応援ファンド」として5年間で
2000億円程度の資金枠を確保。
現在、23自治体で合計1453.6億円のファンドの組成を決定。
14
【参考】ものづくり関連の主な地域資源と認定例
都道府県
市町村
資源名称
都道府県
市町村
資源名称
都道府県
市町村
資源名称
都道府県
市町村
資源名称
茨城県
県内全域
マグネシウム加工製品
群馬県
群馬県全域
群馬の自動車及びその部分品
神奈川県
川崎市
ロボット
静岡県
県全域
木工機械
茨城県
県西地域
プラスチック成形加工品
群馬県
群馬県全域
群馬の民生用電気機器及びその
部分品
新潟県
新潟市
金属製品
静岡県
県全域
自動車・自動車部品
茨城県
県内全域
ロボット
群馬県
群馬県全域
群馬の医療機械器具及びその部
分品
新潟県
三条市
金属製品
静岡県
沼津市
医療機器
茨城県
県内全域
IT製品と関連技術
埼玉県
川口市
川口鋳物
新潟県
燕市
金属製品
静岡県
三島市
医療機器
埼玉の光学機器
新潟県
弥彦村
金属製品
静岡県
熱海市
医療機器
埼玉の自動車及びその部分品
新潟県
長岡市
工作機械
静岡県
伊東市
医療機器
埼玉の医療機器
新潟県
柏崎市
工作機械
静岡県
富士市
医療機器
産業用機械製品
新潟県
長岡市
産業機械
静岡県
富士宮市
医療機器
金型
新潟県
柏崎市
産業機械
静岡県
御殿場市
医療機器
ロボット
長野県
全県
自動車部品
静岡県
裾野市
医療機器
IT技術と関連製品
長野県
諏訪地域
諏訪地方の精密機械加工技術製
品
静岡県
伊豆の国市
医療機器
ナノバイオ製品
長野県
千曲市
プラスチック金型・成形製品
静岡県
伊豆市
医療機器
県全域
茨城県
県内全域
医療機械器具及びその部品
埼玉県
県全域
茨城県
県北地域
民生用電気機械機具
埼玉県
茨城県
県北地域
自動車・同付属品
埼玉県
栃木県
栃木県全域
自動車及び自動車部品
千葉県
栃木県
栃木県全域
航空宇宙部品
千葉県
栃木県
足利市
プラスチック製品
千葉県
栃木県
栃木市
プラスチック製品
千葉県
県全域
県全域
県全域
県全域
県全域
県全域
栃木県
佐野市
プラスチック製品
千葉県
栃木県
小山市
プラスチック製品
東京都
大田区
金型
長野県
埴科郡坂城町
プラスチック金型・成形製品
静岡県
小山町
医療機器
栃木県
大平町
プラスチック製品
東京都
大田区
産業用機械部品
長野県
埴科郡坂城町
坂城町の金属加工製品
静岡県
函南町
医療機器
栃木県
藤岡町
プラスチック製品
東京都
板橋区
計測・検査機器
山梨県
県全域
電子デバイス用単結晶材料
静岡県
清水町
医療機器
栃木県
岩舟町
プラスチック製品
東京都
墨田区
金属プレス加工品
山梨県
県全域
半導体・液晶製造装置
静岡県
長泉町
医療機器
東京都
八王子市
計測・分析機器
山梨県
県全域
産業用ロボット
静岡県
芝川町
医療機器
【備考】地域資源として指定されている鉱工業品のうち、ものづくり(機械・部品等)に関連するものを抜粋。繊維製品、日用品等の最終製品関連を除く。
H20.3.6認定(第3号)
地域名
山梨県韮崎市
事業名
事業概要
山梨県内の事業者に蓄積された半導体及び液晶製造
大気圧プラズマによる機能性高分子の接着 装置に関わる技術、経験及び生産加工技術を活用し、
剤を用いない画期的な表面改質装置の開発 地域の関連企業とともに、大気圧下で生成するプラズ
及び販売
マを用いた表面改質技術及び処理装置の製造・販売を
行う。
地域資源
(3類型)
半導体・液晶製造装置
(鉱工業品)
法認定事業者
株式会社ウインズ
【参考】 内容の詳細については:
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/chikishigen/data/
3jigyoushoukai12.pdf
15
Ⅲ.ものづくりに関する気運の盛り上げ等
①ものづくり日本大賞の開催
16
Ⅰ
Ⅲー1.
ものづくり日本大賞の開催①
(1) ものづくり日本大賞とは
○我が国産業・文化を支えてきた「ものづくり」を継承・発展させるため、ものづくりを支える人材の意欲を高め、
その存在を広く社会に知られるようにすることを目的として、平成17年に創設。
○ものづくりの中核を担う中堅人材、伝統の技を支える熟練人材及び将来を担う若手人材をバランスよく表彰。
○チームワークが我が国の強みであることを踏まえ、個人のみならず、グループも受賞の対象。
【第1回授賞式風景】
【第2回授賞式風景】
制 度 概 要
開催頻度
平成17年8月に第1回を開催。以後、2年に1度開催。
選考方法
関係各省庁(※)が、有識者等で構成される選考委員会の審査等を踏まえ、受賞者を選定。
副賞
「ものづくり名人」の称号やメダル等を授与。
(※)経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省の 4省庁連携。
17
Ⅰ
Ⅲー1.
ものづくり日本大賞の開催②
(2) 表彰の概要
■ 表彰の対象部門 (第2回)
①製造・生産プロセス部門(総理大臣賞、経済産業大臣賞)
生産技術の抜本的効率化など、製造・生産工程において
画期的なシステムや手法の開発・導入によって生産革命を
実現させた個人又はグループ
②製品・技術開発部門(総理大臣賞、経済産業大臣賞)
高度な技術的課題を克服し、従来にない画期的な製品・部
品や生産技術の開発・実用化を実現させた個人又はグループ
③伝統技術の応用部門(総理大臣賞、経済産業大臣賞)
伝統的な技術の工夫や応用によって、革新的・先進的な製
品・部品や生産技術の開発・実用化を実現させた個人又はグ
ループ
④海外展開部門(経済産業大臣賞)【新規】
日本の製造・生産プロセス、製品・技術開発および伝統技
術を東アジア諸国で展開し、現地日系企業の生産性の向上や
市場拡大などに貢献した、日系企業に勤める個人又はグループ
⑤青少年支援部門(経済産業大臣賞)【新規】
若年ものづくり人材(学生・生徒)の育成支援に積極的に取り
組んでいる企業、NPO等のうち、その活動が目覚ましいと認めら
れる企業、NPO等
■ 応募件数[地域別](第2回)
北海道
東北
関東
中部
近畿
中国
四国
九州
沖縄
本省
応募期間
691件
61件
41件
138件
103件
125件
69件
25件
93件
14件
22件
平成19年1月15日~3月9日
■ 受賞件数 (第2回)
関東地域(21件)
(全国106件)
内閣総理大臣賞
2件
(全国
経済産業大臣賞
2件
(全国 14件)
0件
17件
(全国
3件)
(全国 84件)
特別賞
優秀賞
5件)
18
【参考】第2回ものづくり日本大賞
•
内閣総理大臣賞 (製造・生産プロセス部門)
小さな型内に大きな工場
「成形型内成膜システム技術」
受賞例(関東)


【受賞者】 梅澤隆男 氏
㈱大嶋電機製作所 (群馬県太田市)

OSI-UMSS 開発推進室 室長

梅澤さんは、射出成形加工において、同一の金型内で成形のみ
ならず、成膜加工まで行うという、従来の概念を覆す画期的なシ
ステムを開発しました。
従来は、成形と成膜では技術も加工設備も違うため、部品を成
形加工した後に運搬し別工程で成膜を行っていました。これを同
一金型内で行うばかりか、組立、接合まで含めた一連の工程を
全部金型の中に収めてしまい、樹脂材料を投入すれば完成品
が出てくる究極の合理化システムを完成させました。
成膜部品では、8工程を2工程、完成品では27工程を4工程と、画
期的な工程削減を実現させています。中間工程を省き、人の手
を介在しないために生産性と品質が向上しました。
本開発は、金型メーカーや機器メーカーとの異業種間交流の成
果で、自動車用ランプの製作に使われており、他にも応用が可
能です。
【OSI-UMSS(アムス】
製品レベル
(成形→成膜→組立→接合)
2種類の樹脂材料で、ハウジングとレ
ンズを同一型内で形成・組立て・接合
を行い、中空ランプ完成後製品検査
を行う一連のシステムを、Oshima
original Sytem Injection Moldin
g と称しOSI成型と呼称しています。
OSI成形を進化させ、成形型内で成
形した部品に同一金型で成膜加工を
行う成形・成膜工法をUMSS(Ultra
Molding & Sputtering System)
と称し、OSI-UMSSと称しています。
【成膜システム内のイメージ】
19
Ⅲ.ものづくりに関する気運の盛り上げ等
②元気なモノ作り 中小企業300社の選定
20
Ⅰ
Ⅲー2.
元気なモノ作り
中小企業300社の選定①
(1) 元気なモノ作り 中小企業300社とは
○中小企業は、高度なモノ作り技術により我が国産業の国際競争力を支える経済活力の源
泉となっている。また、モノ作りにより地域経済を支えながら内外の市場で活躍する企業、意
匠やデザインにより新規分野を開拓している中小企業が日本の活力を生み出している。
○普段は目に触れにくいが重要な役割を果たしているモノ作り中小企業の姿を、広く国民に対
してわかりやすく示すことにより、これら中小企業のやる気を一層引き出すとともに、若年層を
中心にモノ作り分野に対する関心を持つきっかけとするもの。
○本年6月には、2006年、2007年に引き続いて、「元気なモノ作り中小企業300社2008
年版」を取りまとめ。
○関東経済産業局管内では過去3回で、計299社が選定。
【2006年版】
【2007年版】
【2008年版】
【2008年 感謝状贈呈式風景】
21
Ⅰ
Ⅲー2.
元気なモノ作り
中小企業300社の選定②
(2) 選定企業の概要 (2008年版)
■ 300社のプロフィール(2008年版)
■事業分野別内訳
●世界規模の市場において高いシェアを有
する製品を作っているもの
・・・・・製品がそのまま世界に流通する
企業20社
●国内市場を中心に高いシェアを持つ製品
を製造しているもの
・・・・・取引先の高度な注文に応え、市
場で評価されている企業100社
●狭い(ニッチ)分野に特化することで、他
社にまねのできない独創的かつ高度な技
術を持つもの
・・・・・金型、金属、繊維分野など131社
●地域資源を活用して、または、地域経済
を支えながら内外の市場で高く評価され
る製品を作るもの
・・・・・陶磁器、工具など14社
●モノ作り技術を核に意匠やデザインによ
り新しい市場を開拓しているもの
・・・・・機械加工、家具など35社
・工場で製品を生産する機械18社
・製品の品質を検査する機械6社
・上記以外の機械31社
・自動車部品16社
・電子部品等18社
・その他の部品38社
・工具、測定器等21社
・各種素材(樹脂、塗料を含む) 15社
・切削、研磨、めっき23社
・鋳鍛造、プレス、熱処理、溶接、金型41社
・繊維12社
・窯業・建材13社
・その他・最終消費財48社
■地域別内訳 (当局管内103社)
モノ作り産業の活発な地域に多く存在
・大阪府(29)、東京都(27)、埼玉県(17)、
愛知県(17)、北海道(15)、神奈川県(14)
22
【参考】元気なモノ作り
【世界規模の市場において高いシェアを有
する製品を製造している企業、国内市場を
中心に高いシェアを持つ製品を製造して
いる企業の例】
精密加工部品の製造
(山梨県大月市)
デジカメ、デジカム等の特殊精密
ギヤードモーター(変速機付モー
ター)の国内シェア30%、OA機
器用精密金属歯車の世界シェア3
5%。超精密機械加工部品、超精
密小物成型部品、それらを組み
合わせたユニット品を得意とする。
各種精密加工部品
中小企業300社
【狭い(ニッチ)分野に特化することで、他社に
まねのできない独創的かつ高度な技術を持つ
企業の例】
オリンピック選手が愛用する砲丸の製造
(埼玉県富士見市)
ソウル五輪から公式採用された砲丸
は、多くの選手から愛用され、アトラ
ンタ五輪から3大会連続で、金・銀・
銅メダルを独占。砲丸の重心は少し
でもずれていると飛距離に1~2mの
差が出ると言われているが、ひとつ
ひとつ手作業により、削っているとき
の音、手に伝わる圧力、削り終えた
ときのツヤなどを総合的に判断する
匠の技で、正確な重心を出している。
選定例(関東)
【地域資源を活用して、または地域経済に貢献
しながら内外の市場で評価される製品を作る企
業、意匠やデザインにより新規市場を開拓して
いる企業の例】
ノーベル賞晩餐会で使われる高級洋食
器の製造 (新潟県燕市)
洋食器製造で培った研磨技術とデ
ザイン力で1991年ノーベル賞授賞
式の晩餐会のカトラリー(ナイフ・
フォーク等の金属食器)セットを製作。
プロのカトラリーデザイナーではなく、
陶芸家、彫刻家等と契約。テーブル、
椅子、皿、グラスなどとのトータル
コーディネートによるデザインにこだ
わり、世界でブランドを確立した。
オリンピックでメダルを独占した砲丸
カトラリー
23
Ⅰ
Ⅲー2.
元気なモノ作り
中小企業300社の選定③
(3)「先進ものづくり企業フォーラム」の推進
管内の「モノ作り中小企業300社」等の応援として、以下の取り組みを展開。
①先進的な取組事例の紹介、新たなネットワーク(連携)づくりの場を提供。 ②新たな300社候補等を発掘し、応援していく仕組み作りを行う。
活動の視点、テーマ設定
○ものづくり中小企業において、「継続力」向上のため、 「技術がある」から「技術があって、収益がある」への転換が課題。
○ものづくり中小企業のイノベーション創出を図りうるような検討テーマ (トップ技術を核とした新ビジネスモデル等)を設定し、それに関係の
深い 300社を核としたものづくり企業の取り組み事例を抽出。
支援スキーム
1.企業間ネットワークの形成
2.自治体と支援機関との連携
シンポジウム開催
3.個別企業へ支援ツールの活用
新300社・新もの大の発掘・支援 等
提案・協力
関東経済産業局支援事業
・クラスター事業
・産学官連携推進事業
・地域イノベ事業
等
・産総研
・商工関係団体
・産業界
・中小機構
・金融機関
・クラスター推進機関
等
・自治体・支援機関
24
Ⅳ.参考資料 (中小ものづくり高度化法関連)
25
【参考1】 特定研究開発の認定状況① (技術分野別)
◆「特定ものづくり基盤技術高度化指針」に沿って策定した特定研究開発等計画について、関東経済局での現
在(平成20年9月30日現在)の認定件数は、321件(全国では、738件)で、全国の約4割を占める。
◆全ての分野で認定の実績があり、特に、切削加工(44件)、金型(42件)、金属プレス(38件)の件数が多く、
この3分野が全体の3割以上を占める。
技術分野別認定件数(関東・全国)
100
60
50
80
40
60
30
40
20
20
10
0
0
組込ソフ
金型 電子部品プラスチック粉末冶金 溶射
鍛造 動力伝達部材結合 鋳造 金属プレス位置決め切削加工織染加工
高機能化学熱処理
溶接
めっき
発酵
真空
関東(件)
24
42
21
13
3
2
9
8
4
18
38
16
44
3
11
10
10
24
12
9
全国(件)
49
95
46
32
15
7
24
15
10
57
68
32
89
21
21
28
25
58
31
15
比率(%)
49
44.2
45.7
40.6
20
28.6
37.5
53.3
40
31.6
55.9
50
49.4
14.3
52.4
35.7
40
41.4
38.7
60
26
【参考2】 特定研究開発の認定状況② (都県別)
◆ 認定企業の研究開発拠点は、産業集積が顕著である東京都(60件)、神奈川県(56件)、及び静岡県(45
件)に集中。この3都県で全体の5割を占める。
◆技術分野ごとの地域分布については、概ね広範囲に分布しているが、一部特定の地域に集中している技術分
野も散見(例えば、組み込みソフトは東京都、位置決め、化学合成は神奈川県、等)。
組
込
ソ
フ
ト
金
型
茨城県
3
栃木県
1
電
子
部
品
デ
バ
イ
ス
2
プ
ラ
ス
チ
ッ
ク
成
形
2
1
埼玉県
1
7
2
3
2
3
1
10
9
4
2
神奈川県
4
7
4
3
新潟県
3
3
2
東京都
長野県
鍛
造
動
力
伝
達
鋳
造
1
1
1
1
2
1
1
1
1
1
1
静岡県
3
7
3
2
24
42
21
13
位
置
決
め
切
削
加
工
織
染
加
工
5
6
2
2
2
3
1
5
3
6
2
2
2
6
熱
処
理
1
2
1
2
2
真
空
の
維
持
発
酵
2
1
合計
23
1
12
1
1
21
1
4
1
36
1
3
20
2
2
2
2
4
2
1
2
9
4
1
60
1
1
2
5
6
5
5
2
2
6
2
1
56
2
2
3
3
2
1
24
3
5
1
1
3
1
3
2
溶
接
め
っ
き
2
1
3
高
機
能
化
学
合
成
3
1
2
金
属
プ
レ
ス
加
工
1
1
山梨県
合計
溶
射
1
群馬県
千葉県
粉
末
冶
金
部
材
の
結
合
2
1
9
8
4
5
2
2
11
18
38
16
44
1
3
15
1
1
2
2
1
1
1
11
10
10
24
12
9
45
9
321
27
【参考3】 戦略的基盤技術高度化支援事業採択状況① (技術分野別)
◆平成18~20年度で、合計231件の提案があり
53件を採択。(全国:提案675件、採択217件)
◆関東局では、19の技術分野のうち、約8割にあ
たる15分野に関する事業を、広範囲に実施中。
◆金属プレス、金型、鋳造、鍛造、切削に関する分
野の採択が多く、3/5を占める。
28
【参考4】 戦略的基盤技術高度化支援事業採択状況② (都県別)
◆当局管内全都県で事業を実施中。各地の産業集積地域を中心に事業を展開。概ね広範囲に分布している。
※主たる研究実施場所がある地域で集計
茨城県
1
2
3
4
組み込みソフトウェア
金型
電子部品・デバイスの実装
プラスチック成形加工
5
粉末冶金
6
7
8
9
1
0
1
1
1
2
1
3
1
4
1
5
1
6
1
7
1
8
1
9
鍛造
動力伝達
部材の結合
鋳造
金属プレス加工
栃木県
群馬県
埼玉県
1
千葉県
1
東京都
2
神奈川
県
3
1
新潟県
山梨県
1
1
1
1
1
2
1
11
1
2
2
1
1
1
1
3
1
1
1
1
位置決め
1
切削加工
1
計
1
9
2
0
2
4
2
0
7
1
1
1
1
静岡県
1
1
1
長野県
1
1
2
5
織染加工
0
高機能化学合成
0
1
熱処理
1
溶接
1
めっき
1
1
2
1
1
3
1
発酵
真空
1
計
3
1
1
3
2
6
4
6
10
4
4
2
6
5
53
29
【参考6】 中小ものづくり高度化法に係る問い合わせ先
◆ 経済産業省 関東経済産業局 産業部 製造産業課
• 連絡先は、
〒330-9715
埼玉県さいたま市中央区新都心1-1 さいたま新都心合同庁舎1号館10階
TEL:048-600-0307
FAX:048-601-1293
URL:http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/seizousangyou/sapoin/index_kiban.html
◆ 中小ものづくり高度化認定相談窓口
•
中小企業基盤整備機構関東支部と連携を図り、中小企業基盤整備機構関東支部内に
「中小ものづくり高度化法相談窓口」を設置。
•
本窓口では、「もの作り中小企業支援チーフアドバイザー」が「中小ものづくり高度化法」
に基づく特定研究開発等計画の事業計画の作成方法や、各種支援施策情報の提供等の
相談業務を行います。
• 連絡先は、
〒105-8453
東京都港区虎ノ門3-5-1 虎ノ門37森ビル
独立行政法人 中小企業基盤整備機構関東支部 内
TEL:03-5470-1639
FAX:03-5470-1045
URL:http://www.smrj.go.jp/kanto/area/018474.html
30
【参考7】 中小ものづくり高度化法に係る参考資料
【関連HP】
中小企業庁
:http://www.chusho.meti.go.jp/
中小企業政策審議会経営支援部会報告書~モノ作りの国際競争力を担う中小企業
の技術競争力強化について~:
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g60210a01j.pdf
【様式等】
中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律施行規則(認定申請書様式):
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/060608kisoku_seitei.htm
中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律第二条第二項に基づき指定する
特定ものづくり基盤技術(20分野):
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/080215kibangijutu_ichiran.htm
中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律第三条に基づき定める
特定ものづくり基盤技術高度化指針(技術別指針):
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/download/080215kibangijutu_shishin.pdf
31