プラネタリアンの心得

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Transcript プラネタリアンの心得

2014.12.8
若 宮 崇 令
話の内容
 知っておいて欲しいこと
 自分自身を見つめ直して頂きたい
 日本のプラネタリウムの未来を考えて
もらいたい
 あえて言わせてもらう
先輩として
プラネタリアンの資格?
 資格はない
やる気があれば誰でもOK
 学芸員、教員の資格があると有利
 天文を勉強していると有利
やりがいのある仕事
日本のプラネタリウムの現状
 設置台数
 設置目的
およそ350
教育目的
社会教育と学校教育 50%
学校教育
社会教育
その他
 観覧者数
700万人/年
10%
30%
10%
設置目的
 科学・天文学の普及
 学校教育の補助
 豊かな文化形成
 青少年の育成
 娯楽・アトラクション
 その他
144
130
117
108
30
11
(172館 複数回答)
 運営主体
国・自治体
公設・民間法人
その他
57%
38%
5%
行政主体 指定管理4割
 プラネタリウム担当者の職名
解説員 指導員 事務員 指導主事
学芸員 技術員 社会教育主事
業務員 研究指導主事 事業係員
その他
定まらない
 雇用形態
 専任・兼任
常勤
67%
非常勤嘱託
18%
常勤嘱託
4%
委託
4%
アルバイト
3%
パート
1%
ボランティア 1%
臨時
1%
その他
2%
専任
46%
兼任
54%
900~1000人
経験年数(回答者805人)
160
140
120
100
永続きしない
80
人
60
40
20
0
投影方法
学習投影
全て生解説
47.6%
オートと生解説 27.4%
フルオート
10.8%
場合によりまちまち11.8%
その他
2.4%
一般投影
24.0%
28.4%
31.3%
8.2%
8.2%
番組制作方法
全て自作
シナリオ自作・制作外注
企画自作・制作外注
既成番組を購入
まちまち
その他
学習投影
54.2%
7.1%
12.7%
15.6%
7.1%
3.3%
一般投影
34.2%
6.5%
17.7%
25.5%
12.1%
3.9%
番組制作費
3000万円以上
1000万~3000万
700万~1000万
400万~700万
100万~400万
10万~100万
1万~ 10万
0 円
5.2%
21.6%
8.2%
6.1%
16.9%
19.0%
8.2%
14.7%
100万円以下 42%
弱小館に光を当てる
弱小館を輝かせる
 行政による教育目的が多い
 弱小館が多い
 職員の身分はまちまち
 職員の異動
経験蓄積がなされない
 JPAにも加入できない 約200
269
152施設 65団企業 52個人
そのために
 JPAは
 皆さんは
 メーカーは
少なくとも情報提供
会員以外のWGへの参加
声掛け 協力支援 連携
フォロー(情報提供 素材提
供 研修 等)
 日本のプラネタリウムの現状
どう思いますか
私達を改めて眺めて見る
仕事の種類
1
2
3
4
5
6
7
8
投影、解説
番組制作
接客・レファレンス等
教育普及活動(投影以外)
調査・研究・資料収集
機器点検・保守・修理
広報・マネージメント
その他事務処理等雑務
私たちの通常の仕事
 投影(生解説・オート)
 迷子の呼び出し
・天体望遠鏡の公開(太陽)
 観望会の準備・開催
 観望会機器の保守点検
 パンフ・解説書 原稿・出版
 HP
 番組の企画(調査研究資料
 天体写真の撮影,最新情報等
 観覧申し込み受付
 観覧券発売・もぎり
 入退場者整理
収集)
 番組制作(シナリオ・映
像・図絵・BGM・・・)
 レファレンス
 機器保守点検簡易修理
 講座の企画開催
資料収集
 調査研究
 学校教育との連携
 生涯学習活動(ボランティア
等の対応)
 その他
求められる能力
 天文・宇宙・科学の情報を収集し理解する能力
 天文・宇宙・科学を正しく判り易く伝える能力
 星座に関する神話・伝承などの情報を収集し理解する能力
 それらを対象レベルに合わせ、面白く,興味深く伝える能力
 シナリオ作成、番組制作能力
 画像処理能力
 学校教育,社会教育,両方を理解する能力
 プラネタリウムを学校教育,生涯学習機器として活用する能力
 コンピュータ操作能力
 機器の簡易補修能力
 電気配線等管理能力
 音響機器管理能力
 接客能力
私たちのしていること
 天文,宇宙,科学について理解を深めてもらう
 天文,宇宙,科学について、レベルに合わせ面白
く興味深く伝える
 興味関心を持つ動機付けをする
 興味関心を深めてもらう
 学校教育の一端を担う
 社会教育(生涯学習)に役立てる
 幼児教育,情操教育に役立てる
 プラネタリウムを通して人の輪を広げる
 プラネタリウムを通して一人ひとりの人間を輝か
せる
初心者が多い現実
 人事異動
 経験を積んだ職員になりにくい制度
 多くのニーズに応え切れない
 レベルアップできない
 でも、必死で頑張っている
外側から見ると
一般の人から見た
プラネタリウム・プラネタリアン
どのように見られているのか
プラネタリウムへ行くのは何のため
 雰囲気を楽しむ
 話を聞いて楽しむ
 リラックスする
 星の勉強をする
 なんとなく
(36.1%)
(22.3%)
(19.0%)
(16.1%)
(6.1%)
プラネタリウムはどんな場所
 静かなところ
 ロマンチックなところ
 楽しいところ
 眠いところ
 びっくりするところ
 頭を使うところ
(33.2%)
(31.6%)
(23.2%)
(6.8%)
(2.6%)
(2.0%)
プラネタリウムへ行くと何ができるか
 星や星座が見られる
 神話が聞ける
 くつろげる
 いい音と映像が見られる
 科学の話が聞ける
 天文研究ができる
(50.3%)
(15.2%)
(14.2%)
(7.7%)
(6.8%)
(2.3%)
どんなところに似ているか
 映画館・劇場
 博物館
 広場・公園
 学校
 ホテル
 デパート
(58.1%)
(31.3%)
(7.7%)
(1.3%)
(1.0%)
(0.6%)
プラネタリウムはどんな人が動かしているか
 星のことを教えてくれる人
(76.1%)
 雰囲気を作ってくれる人
(11.3%)
 機械だけで誰もいない
(9.7%)
 子どもの相手をしてくれる人
(2.3%)
プラネタリウムではどんな人が働いているか
 優しそうな人
 ふつうの人
 頭がよさそうな人
 ロマンチスト
 きちんとした人
 たくましい人
(24.8%)
(25.2%)
(24.8%)
(16.1%)
(9.4%)
(2.9%)
プラネタリウムで働く人は何ができそうか
 星のことをよく知っている
 教えるのがうまい
 科学研究
 機械を動かすのがうまい
 特になにもできない
(66.8%)
(16.8%)
(9.7%)
(3.2%)
(2.9%)
一般的な期待
プラネタリウムで働く人と似ている人
 天文学者
 学校の先生
 バスガイド
 アナウンサー
 電車の運転手
 タレント・芸人
(36.5%)
(29.0%)
(15.1%)
(10.6%)
(3.5%)
(3.2%)
つまり
プラネタリウムとは
 星や星座や神話の話を聞きながら、くつろいだ雰囲
気を楽しむ場所
 映画館や劇場のような場所
 静かでロマンチックで楽しい場所
 星に詳しく、天文について教えてくれる人(天文学
者 教師のような人)が居て、星についての知識を
得る場所
つまり
プラネタリアンとは
 頭がよく優しそうな、ちょっとロマンチスト
 星のことをよく知っていて、星のことを教えてくれ
る人
 天文学者や学校の先生に似ている人
 先輩たちが作り上げたプラネタリウムのイ
メージ
 自分自身がしていることを振り返ってどう
思いますか
デジタル化の波が押し寄せ、
何でもありのドーム空間になり
つつあるプラネタリウム
プラネタリウムは
どうあるべきか
 基本的スタンス
天文教育にベースをおき続ける
・宇宙の中の地球,地球上に広がる自然・人間
・人を慈しみ,自然を慈しみ,地球を慈しみ,宇宙を
慈しむ
・宇宙人としての人間,一段成長した意識の高い人間
育成
プラネタリウム究極の目的
投影について
 学校教育(幼稚園を含む)
学年別の学習投影
 社会教育
折々に話題を変えた一般投影
その他
特別投影
きめ細かい投影でニーズにこたえる
ドームを駆使し、多様な投影で感動を
メッセージを発信
職員のレベルアップ
 知識
 技能
 伝達力
 人間性
 研修機会、刺激を受ける機会
 先輩は後輩を育てる
 天文情報、その他文科省の情報等
番組のクオリティをあげる
 置かれている状況(予算,機種,人・・・)
 館のコンセプト
 調査,研究,資料・情報の収集
 内容
構成
 地域性
 連携
 研修
(個性を出す)
 プラネタリウムについての理解を広める
 業界としてのパワーアップを図る
認知度,アピール度
コラボレーション 他館 他業種
 足を向けたくなるように
折々の話題(天文現象、はやぶさ等)
宇宙の素晴らしさ、面白さを訴える
話題になるような素晴らしい番組を作る
地道な努力も大切
だが、これでは現状のまま
明るい未来はあるか
 350ほどのプラネタリウム
 財政難
公設公営
予算削減 人員削減
 多くが専門職の配置無し
 光学式からデジタル式への過渡期
 活性化出来るか
 350よりもっと増やせるか
 どうしたらお金をかけずに弱小プラネタリウムを活
性化させられるか
 どうしたらプラネタリアンの地位を向上させ、専門
性を深められるか
 どうしたらクオリティの高い番組が作れるか
 どうしたら元気の良い日本のプラネタリウム文化を
構築できるか
 30年ほど前
コントロールデスクを共通に
 20年ほど前 どの機種もUSBで
観るから使うへ
観るプラネタリウムから
使うプラネタリウムへ
 生涯学習という視点で、プラネタリウムを
コミュニティの場にもしていこう
3つの視点
1
2
3
投影機を使う
参加体験するプラネタリウム
全国規模のプラネタリウム番組コンクール
観覧する 集う 輪を広げる
感動を分かち合う
創り合う(番組 シナリオ 音楽 詩 映像・・)
ドームに集う人の輪を広げる
観覧した人の輪を広げる
全体のレベルアップ
職員
番組
連携・交流・高め合い
機器の更新進み、施設も増える
1 投影機を使う
 番組作りを市民や子どもたちにしてもらう
 解説を市民や子どもたちにしてもらう
 自分たちのメッセージを発信してもらう
 作られた番組は日本中のどの館でも投影可能
 地方大会から全国レベルの番組コンクールを
天文を軸にしたドーム空間
へとリード
 川崎市宙と緑の科学館(川崎市青少年科学館)
 メガスター




ユニビュー ステラドームプロ
ステラドームスクール 市内全校に
児童生徒の制作した番組
教員の制作した番組
市民の制作した番組
 やがて全国どこのプラネタリウムでも可能に
全体のレベルアップ
 機器の更新、設置箇所の増加
 職員の専門化と身分の安定
 番組のレベルアップ
 番組の交換・交流
 ショート番組・コンテンツの交換・交流
2
観覧する
集う 輪を広げる
 感動を語り合うグループ
 BGMで語り合うグループ
 天文解説で語り合うグループ
 星像、映像について語り合うグループ
 創りだすグループ
(シナリオ 音楽 映像等)
 ワークショップ、イベントを開催するグループ
 単にドーム空間に集うグループ
 等々 人びとの輪を広げる
仕掛けを、受け皿を
 山梨県立科学館
 星の語り部
(HPより)
 どなたでも参加できる、山梨県立科学館プラネタリ
ウムを足場にした市民コミュニティーです。
「表現・創造・交流」をキーワードに、自分の内な
る宇宙や星に託して伝えたいメッセージをプラネタ
リウムというメディアを使って表現しています。
毎年夏休み期間に特別投影される「夕涼み投影」の
スライドショー制作や関連ワークショップ、イベン
トなど、多彩なメンバーでいろいろな活動を展開し
ています。
2010年4月現在、ML登録メンバーはおよそ100名、よ
く集まっているのは40名ほどです。
 プラネタリウムの存在意義が広がる
 プラネタリウムの存在価値があがる
 弱小館を含め全体のレベルアップにつな
がる
 総合的学習の場 生涯学習の場 生涯活
動の場
 地域交流の場 地域文化高揚発信の場
 地域に根ざし、地域に存在感のある施設
 まだ点の頑張り
 そのための条件は相互乗り入れの出来る
機種
新たな潮流
日本のプラネタリウム文化を
 日本の現状を踏まえての提案
 プラネタリウムは科学的総合芸術、総合学習、生涯学
習、生涯活動の場
 市民参加
児童生徒の参加で市民が支え、高める、市民
のためのプラネタリウム
 新たな日本のプラネタリウム文化
 メーカーもユーザーも同じ方向を見よう
 出来るところから進めよう
 点の頑張り
線から面へ 全国規模へ
明るいプラネタリウムの未来
 350から1750へ
 職員は実力ある指導者
5倍
専門家
資格も 人材確保は競争に
 予算も増える
 プラネタリアンはドーム空間文化形成
をリード出来る、時代をリード出来る
人間に
地域に根ざした活動を
 地域コミュニティの場
 地域のメッセージ発信の場
 市民の生涯学習の場
 市民の生涯活動の場
 市民に支えられ,市民によって高められる、
市民のためのプラネタリウム
地域に根ざした活動を
 市民に注目
地域の主体者意識
市民の社会性への目覚め
元気な市民で地域の活性化
地域の文化インフラを支え、成長させる一端を担う
地域を全国へ発信
プラネタリウムは基地
地域型のプラネタリウム
 見せてやる、教えてやる。啓蒙啓発型では駄目
 参加型がポイント
 自己が存在しない、しえない場や機会は退屈
 主体は職員、来館者はお客様か?
 誇れるものは、資料か、建物か、人か?
 利用者に自身の価値、能力に気づかせ、自己の魅
力を存分に発揮させる場としてのプラネタリウム
提案 観るから使うへ
 自己表現、自己実現の場へ
 つどい、ふれあい、協力の場へ
 生涯活動の場へ
 番組コンクールで
新たなプラネタリウム文化の開花を
 プラネタリウムコミュニティの形成
出来るところ、出来ることから始め
よう
私の夢
 全国のプラネタリアンが手を携えて日本の
プラネタリウム文化を花咲かせ、明るい日
本のプラネタリウムの未来を!
 メーカーもユーザーも一つの方向を目指そ
う!
先輩として一言
プラネタリアンとは
 星空・宇宙の案内人
インタープリター
 星の言葉を伝える通訳
 プラネタリウムを使って宇宙と人とを結ぶ
 プラネタリウムを使って人と人とをつなぐ
プラネタリアンとは
 天文知識・宇宙情報の普及
 人工の星空から本物の星空へ
 内向きのベクトルを外向きへ
 生涯学習から生涯活動へ
宇宙へ
プラネタリアンとは
 宇宙の中の地球
地球上に広がる自然 人間
 人を慈しみ
自然を慈しみ
地球を慈しみ
宇宙を慈しむ
 宇宙人としての人間
一段成長した意識の高い人間育成
10の心得
 自らのビジョン、テーマを持て
 シナリオは自分で作り、自分の言葉で語れ
 機械に使われるな
機械を使え
 感動できる投影を 人も自分も
 ニーズを知れ ニーズに応えろ
 報道される情報に敏感に +αが大切
 感性を磨け 季節感 風の音等 豊かな人間性
 健康管理 体調を崩すな
 時間に厳しく
 一期一会 悔いの残らぬよう全力投球を
おしゃべりの心得












知っていることを全部しゃべろうと思うな
理解していないことをしゃべるな
実天を見ずして星を語るな
語りかけよう、対話も取り入れよう
レベルに合わせ、易しい言葉で、噛み砕いて
つなぎの言葉はキイポイント
えー、うー、あー、えーと、は駄目
早からず遅からず、早かったり遅かったり
大きかったり小さかったり、ささやいたり
メリハリ、間、場数を踏んで会得
BGMは要注意
ポインター操作でレベルがわかる
一言で言えば
手抜きをしない!!
全力投球!!
信念と夢を持ち続ける!!
 皆さんの地域での頑張りがプラネタリウムの重
要性、必要性を高める
 プラネタリウムの存在感を高める
 日本のプラネタリウム文化を構築する
 日本のプラネタリウムを発展させる
日本のプラネタリウムをますます
元気にしてください
おしまいです
ありがとうございました