ジェンダー・アイデンティティと恋愛態度

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Transcript ジェンダー・アイデンティティと恋愛態度

題目
ジェンダー・アイデンティティと恋愛
態度
A83161 渡邊 睦美
はじめに

青年期の発達において、急激な身体的変化に
よって性的アイデンティティが芽生える。人を
愛する気持ちは安らぎや幸福感というポジティ
ブな感情だけではなく、苦悩や戸惑い・嫉妬と
いうネガティブな感情や反応を引き起こす。そ
のさまざまな感情・感覚と折り合いをつけ始め
ていくのが青年期の発達課題である。そのため、
恋愛関係は対人関係の中で友人関係と同じく重
要な意味をもっている。異性との交際や友人関
係の中で自分とはなにかを見出していき、自分
の個人的アイデンティティを形成していくので
ある。
ジェンダー



特定の文化における女性または男性に適切と考えられる行
動である。
女性と男性についての意味づけや、社会の中での女性と男
性の関係は、女性と男性がどのようにふるまうべきかを決め
ていく。すなわち、ジェンダーには女性と男性にとってふさ
わしい行動を指定する社会的期待としての側面もある。(ex.
女らしさ、男らしさ)
“女らしい、男らしい”を考えるとき、女性としてまたは男性
として望ましい姿を念頭に置いている。これは、話し方やふ
るまい方、服装や髪型、心理的・身体的特性などについて社
会的期待を反映しているからである。このような、それぞれ
の性にふさわしいと考えられる行動や特性がセットとして考
えられるのがジェンダー(性役割)である。
ジェンダー・アイデンティティの
定義

従来のジェンダー・アイデンティティは、自分は男である
または女であるという発達早期に生じた全般的な意識を意味
していた。そのため、Spence(1985)は、John Money&Anke
Ehrhardtをもとに、ジェンダー・アイデンティティを「男で
あること(maleness)または女であること(femaleness)につい
て基本的かつ実存的な意識であり、自分のジェンダーを心理
的なレベルで受け入れることであり、それはごくまれな例外
はあるものの、自分の生物学的な性別(biological sex)への気
づきおよびその受容と一致しており、そして、それらを補う
のである」と定義している。同様に、Ruble&Martin(1998)は、
ジェンダー・アイデンティティの解剖学的基盤を指摘しては
いるが、一方でジェンダー・アイデンティティには「男また
は女という性的存在(sexual being)として自己を呈示する」こ
とも含まれていると述べている。
性アイデンティティ




私たちは、多種多様の生物的・社会的・文化的アイデンティティに依存
して生きている。そのアイデンティティには、国家・人種・職業などさま
ざまなものがある。そのなかでも、性アイデンティティは、全ての人が生
物として雌雄の区別がされている。それを基盤として社会的な性アイデン
ティティが成立し、他のアイデンティティの基礎ともなっている。そのた
め、性アイデンティティは特別な重要性をもっている。
性アイデンティティとは、人間の男性あるいは女性としての、彼自身あ
るいは彼女自身としての自己概念である。たとえば、「私は、男の子で
す。」あるいは、「私は、女の子です。」ということとして反映される。
Maccoby(1988)によれば、①性アイデンティティ:sex identity(男性・女
性としての自己概念)、②性役割:gender role(文化において男性・女性に
適切な行動や態度)、③性志向性:sexual orientation(同性と異性の性的魅力
にひかれる態度)の3つから構成されている。①は生物的性差に関連するも
のであり、①と②は密接に結びついたものであるが、③から②を推測する
ことはできない、と定義されている。
柏木(1972)によれば、「性アイデンティティとは、社会や文化から性に
応じて期待される一連のパーソナリティ特性、つまり、性に対する社会的
役割期待である」と定義づけられる。
ジェンダーと発達
-乳児期~児童期




複雑な世界の中で、膨大な量の情報の処理を楽にするために、さ
まざまなカテゴリーが存在する。その中でも、男女というカテゴ
リーは、社会において目につきやすいカテゴリーである。このカテ
ゴリーは2つの異なる集団からなり、男性か女性か見てすぐにわか
り、社会的にも強調されているため比較的単純である。
1歳になるまでには男性と女性の顔の区別をしている。
(Leinbach&Fagot,1993)ステレオタイプについては、玩具に“男の子
用”と“女の子用”があることを理解している。(Serbin et al.,2001)
3歳になると、他者に対して自分が男の子であるか女の子である
か言えるようになる。(Weinraub et al.,1984)3~5歳にかけて、男女
の持ち物や玩具、行動などによってジェンダー・ステレオタイプが
急激に増加する。(渡辺,1977)
就学前に学習したことが基礎となり、小学校時代をとおして重要
な社会的カテゴリーであり続ける。Ex.2人の人物が同性である場合
はその2人はお互いに似ていると評価する。(Powlishta,1994)また、
自分と同性であれば他者を自分と似ていると見なす。
(M.B.Brewer,Ho,Lee,&Miller,1987:Powlishta,1995)
ジェンダーと発達
-思春期~青年期
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思春期に入り第二次性徴が始まるにつれ、女性または男性である
といった自分の身体的変化と向き合うことになる。そして、児童期
で問題にならなかった問題(ex.進路、就職、恋愛、結婚etc.)ジェン
ダーと関係する出来事と向き合うことになる。
思春期では、身体的変化に伴い性や恋愛に対する関心が高まる時
期でもある。鍋島(2003)によると、高校生男女に見られる悩みを比
較したところ、異性、性に関する悩みにおいても身体的悩み同様に
男女に差があった。
社会的期待(女・男らしさ、自分が女性・男性であること)を受け
入れ、そのうえで自分らしく、女性・男性らしく生きていくことを
模索していくことが課題となっている。
青年期では性役割や男女平等に関する価値観が形成される時期で
ある。女性は仕事や結婚、出産などの選択がライフイベントに大き
な影響を及ぼす。仕事と家事を両立しようとした場合、日本の労働
環境や夫婦の家事分担の実情からすると達成が難しく、過重な期待
をかけられることがある。(大野,2001)
ジェンダーと発達

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-成人期-
生物学的性差と社会の言説や構造により、社会的意味が与えられ、
成人としての役割を展望する時、その中心にあるのは、女性または
男性であることが何を意味するのか、何が考えられ、何の可能性が
あり、何をすることができるのかである。
子どもに対する先天的・本能的な愛情(母性愛)は、母親に特有な
ものであり、子育てに専念することが子どもにとって最もよい環境
だと考えられている。多くの社会で女性は母親になることを期待さ
れ、母性は「正常」で「自然」なこととみなされている。
(Woollett&Marshall,2001)
成人期において、親になること・ならないことは、社会・文化的
文脈や時代の影響を大きく受けていると考えられている。たとえば、
母親でも妻でもなく一人の個人としての世界を求める心理は世代を
超えて現代の女性の間に見られる特徴であることが指摘されている。
(柏木・永久,1999)女性の高学歴や長寿化、情報化社会といった現代
の社会変動の中で親になることや成人期を捉えなおすことが求めら
れている。(柏木,1998)
恋愛


-進化心理学-
進化心理学者たちは、人間の普遍性を考えるために
進化的推論の概念を用いた。よい子孫を残すための、
性淘汰のプロセスが個人の心理に及ぼす影響が考えら
れた。性淘汰はオス間または、メス間の相対的な繁殖
力に関係する。(Andersson,1994)
人間も他の哺乳類と同様に、女性の1回の性交渉の
コストが高いものである。また、妊娠し出産後の養育
のため長期にわたる子どもへの依存がおこる。この依
存は哺乳類と同様に人間も女性がコストを負うことが
多い。コストが高いため、配偶者の選択の失敗は大き
な損失につながる。そのため、女性が配偶相手を選ぶ
のである。
恋愛


–現代社会における恋愛-
近年では、少なくとも西洋社会においては、恋愛は
結婚相手の選考条件として結婚と恋愛との関係を重要
な要素として見るようになっている。
シンプソンら(Simpson et al.,1986)は、30年間の恋
愛と結婚との関係を研究している。その結果、1960年
代中期にはそれほど恋愛結婚が望ましいという傾向は
強くなかったが、今日の大学生の男女の大多数は望ま
しいと考えている。結婚をするための基礎として恋愛
関係にあり、また、愛情が持続していることが結婚生
活を続ける根拠として考える人が増えている。このこ
とから、現代社会において恋愛は結婚に踏み切るとき、
長続きをしていくときにも影響を及ぼしていると考え
られる。
ジェンダーと恋愛


–研究-
恋愛関係においてジェンダーは顕在しやすいことがみられている。たと
えば、失恋後男性よりも女性のほうが情緒的落ち込みが大きい(飛田,1992)
というように恋愛感情の高まり方に男女による違いがみられたなどがある。
リー(Lee,1977)は、恋愛相手に対する感情を①エロス(美への愛)②ルダス
(遊びの愛)③ストーゲイ(友愛的な愛)④プラグマ(実利的な愛)⑤マニア(狂気
的な愛)⑥アガペ(愛他的な愛)の6種類に類型化している。
ヘンドリックとヘンドリック(Hendrick&Hendrick,1986)は、リーの理論
に基づきLAS(Love Attitude Scale)を作成し、男女の恋愛感情について検討
した。その結果、男性は女性よりルダスが高く、女性は男性よりストーゲ
イ、プラグマ、マニアが高くかった。また、東洋人は白人や黒人よりエロ
ス得点が低く、ストーゲイやプラグマが高かった。日本においては、中村
(1991)がLASを翻訳し検討したところ恋愛感情における性差が見られな
かった。松井ら(1990)はリー(Lee,1977)を参考にLETS-2(Lee’s Love Type
Scale 2nd Version)を作成し検討した。その結果、男性はアガペ得点が高く、
女性はルダスとプラグマが高かった。このような研究から、文化差や人種
差など様々な要因との関係を考慮しつつ分析し、慎重に考察していく必要
性がある。
ジェンダーと恋愛



–行動-
土肥(1995)は、男女一対場面での性役割行動の実行度に注目し、
それらに及ぼす性別およびジェンダー・パーソナリティの影響につ
いて検討している。その結果、恋愛過程において二者間の行動にお
いてジェンダー・パーソナリティの影響により、ジェンダー差が顕
著に認められることが明らかになった。たとえば、恋愛中の男女で
は、男性は女性より男性的行動(ex.重い荷物をもつなど)を、女性は
男性より女性的行動(ex.食事や弁当を作るなど)を実行している。
社会において恋愛が結婚制度に組み込まれ「恋愛結婚」という制
度が作られたことにより、「結婚」のリアリティが大きくなるほど
恋愛関係においても性別役割行動の実行度が高くなっていることが
明らかになった。(赤沢,2007)
このように、社会のありようが恋愛によって、性別役割行動を起
こさせている可能性が高いことが明らかになった。一見、恋愛や結
婚は個人の自由意思によるもので、社会のありようと無関係と思わ
れるが、逆に社会的期待に沿った行動といえる。
方法


対象者 :女子大学生(91名)
調査内容:質問紙
(回収率:75%)
◇恋愛に対する態度尺度
[和田,1994]
◇ジェンダー・アイデンティティ尺度[佐々木・尾崎,2007]
◇恋人の有無、交際期間、恋愛状況、恋愛頻度、

調査時期:11月下旬
仮説


仮説1
自己認識が強い人は恋愛に対する態度
が積極的
仮説2
自己認識が弱い人は恋愛に対する態度
が消極的
尺度
-ジェンダー・アイデンティティ尺度(佐々木・尾崎,
2007)


エリクソンのアイデンティティ概念を反映し谷(2001)の「多次元自我同一性尺
度」を援用し、この20項目の尺度から、ジェンダー・アイデンティティの下位概
念4つが設定されている。第1は、自己の性別が一貫しているという感覚である
「自己一貫的性同一性」である。第2は、自己の性別が他者の思う性別と一致してい
るという感覚である「他者一致的性同一性」である。第3は、自己の性別での展望性
が認識できているという感覚である「展望的性同一性」である。第4は、自己の性別
が社会とつながりを持てているという感覚である「社会現実的性同一性」である。
この佐々木・尾崎(2007)の「ジェンダー・アイデンティティ尺度」は、17項目
で作成されている。この尺度には3つの特徴がある。第1は、具体的な性役割で測定
せず自己の性別のありようを抽象的に問うている。これによって、性役割志向性と
の区別が可能である。第2は、身体的性別と性自認が同じでなくても、同性愛指向を
もっていても、ジェンダー・アイデンティティが測定できる。第3は、エリクソンの
アイデンティティ感覚、自己に対する統一性、一貫性、持続性という概念を取り入
れている。
採点方法は、「全くあてはまらない」、「ほとんどあてはまらない」、「どちら
かというとあてはまる」、「どちらともいえない」、「どちらかというとあてはま
る」、「かなりあてはまる」、「非常にあてはまる」の7件法で回答を求める。因
子ごとに、各項目への回答を単純加算した値が、当該因子の尺度得点となる。
ジェンダー・アイデンティティ尺度
-自己一貫的性同一性項目-
1.過去において、自分の性別に自信がもてな
くなったことがある。●
4.過去において、自分の性別をなくしてし
まったような気がする。●
7.いつからか自分の性別がわからなくなって
しまったような気がする。●
11.今のままでは次第に自分の性別がわからな
くなっていくような気がする。●
14.自分の性別に迷いを感じることがある。●
自分の身体的性別と性自認が一致している
ジェンダー・アイデンティティ尺度
-他者一致的性同一性項目-
9.人に見られている自分の性別と本当の自
分の性別は一致していないと感じる。●
12.女性としての自分は、人には理解されな
いだろう。●
15.人前での自分の性別は、本当の自分の性
別ではないような気がする。●
他者に思われている性別と自分の思っている性
別が一致している
ジェンダー・アイデンティティ尺度
-展望的性同一性項目-
2.自分が女性として望んでいることがはっ
きりしている。
5.自分が女性としてどうなりたいのかはっ
きりしている。
8.自分が女性としてするべきことが、はっ
きりしている。
自分の性別での将来の展望をもっている。
Ex.結婚して子育てをする。
ジェンダー・アイデンティティ尺度
-社会現実的性同一性項目-
3.現実の社会の中で、女性として自分らし
い生き方ができると思う。
6.現実の社会の中で、女性として自分らし
い生活が送れる自信がある。
10.現実の社会の中で、女性として自分の可
能性を充分に実現できると思う。
13.女性として自分らしく生きてゆくことは、
現実の社会の中では難しいだろうと思う。●
自分の性別での社会とのつながりをもっている。
Ex.
尺度
-恋愛に対する態度尺度(和田,1994)


「恋愛至上主義」、「恋愛のパワー」、「結婚
への恋愛」、「理想の恋愛」という4つの下位側
面を持つ尺度である。
「恋愛至上主義」は、恋愛をロマンティックな
ものとしてとらえる側面をもつ。「恋愛のパ
ワー」は、恋愛はどんな障害にも打ち勝てるとい
う信念。「結婚への恋愛」は、結婚を意識させる
側面をもつ。「理想の恋愛」は、理想の恋愛に対
する側面をもつ。
この尺度は、特定の他者に対する恋愛感情を測
るものではなく、人が恋愛をどのようにとらえて
いるかを測る尺度である。
恋愛に対する態度尺度
-恋愛至上主義項目-
1.恋愛は男と女の間のもっとも高い目標である。
2.恋愛関係をうまくもてない人は、人生において本当の幸せや成功はない。
3.恋愛は職業や仕事上の成功のどんなチャンスよりも重要である。
4.恋愛状態にある人は、人生において真の失敗というものはない。
10.恋愛はあらゆる関係の中でもっとも重要なものである。
12.恋愛は人生の本質である。
13.もし二人のあいだの愛が死んで意味のないものになるならば、あら
ゆるものがダメになる。
14.愛情とは互いに愛する人のいやな部分をのみこむ強力な炎のような
ものであり、純粋ですばらしいものだけが残る。
19.愛する人と一緒にいるだけで、将来に対する心配ごとを取り除いて
くれる。
32.人を愛した時、まずその人との結婚について考える。
33.恋愛状態になると、愛する人が人生の唯一の目的となる。
恋愛こそが人生において全て
恋愛に対する態度尺度
-恋愛のパワー項目-
5.何年も恋愛状態にいることは、互いに感じる喜びを減らすよ
りもむしろ増やす。
7.真の愛は決して死ぬことはなく、それはすべての障害に打ち
勝つ。
9.強力な愛はすべての困難や障害を乗りきる。
17.恋愛は物事をうまくなすための励みをもたらす。
18.もし誰かを愛するならば、その関係への反対、二人の物理的
距離といったどんな障害にもかかわらず、一緒にいることが
できる方法を見つけ出そうとする。
20.互いに愛し合うならば、生じてくるどんな困難や問題にも
打ち勝てる。
30.愛情が結婚の主要な動機として扱われるのは良いことである。
31.真の愛では幸福感は必ず生じる。
恋愛のパワーがあれが困難なことはない
恋愛に対する態度尺度
-結婚への恋愛項目-
6 .結婚しようという決心は、単なる恋愛感情だけでなく、いろいろな
事を真剣に考え抜くべきである。
11.良い結婚をする際には、相手の仲間関係が良いかどうかが恋愛関係
よりも重要である。
15.恋愛感情はほんの一時的なもので、すぐ消えてしまう。したがって、
結婚がうまくいくためには恋愛感情よりも負担や妥協を必要とする。
26.たとえ、あなたがその人の友人の誰も好きになれなくても、その人
を愛することができる。
27.共通の関心があるかどうかは、実際には重要でない。本当の恋愛感
情があるかぎり、適応できるだろう。
28.人は社会的地位にかかわらず、愛する人と結婚すべきである。
29.他のどんな要因にもかかわらず、ある人を本当に愛したら、その人
と結婚するには十分である。
34.経済的な安心感は、相手を選ぶ前に注意深く考慮すべきである。
恋愛に対する態度尺度
-理想の恋愛項目-
8.恋愛感情をもっているという確信がないのなら、人
は結婚すべきではない。
16.真の恋愛状態というのは、永遠の愛である。
21.誰かと恋に落ちる前に、一定の間、その人を知る必
要がある。
22.結婚という前提がなく、誰かと恋愛状態にあること
は悲劇である。
23.ほぼ完全なものしか私には、“真の恋愛”となり得ない。
24.ある人と恋愛状態にある時、他の誰にも関心を持た
ない。
25.私の場合、恋愛は継続し、時間とともに薄れること
はないと思う。
結果
–ジェンダー・アイデンティティ尺度と恋愛に対する態度尺度の相関
係数自己一貫的
性同一性
恋愛至上主義
-0.262
恋愛のパワー
0.047
結婚への恋愛
0.219
理想の恋愛
0.028
他者一致的
性同一性
*
*
展望的
性同一性
社会現実的
性同一性
-0.129
0.223
*
-0.148
0.038
0.332
**
0.197
0.171
0.017
0.042
0.125
0.151
0.028
*;p<0.05, **;p<0.01, ***;p<0.001
n=91
結果
恋愛をロマンティックなものとしてとらえる側面
をもつ人は、自己の性別が一貫しているという感覚
である。(love×ziko)自己の性別での展望性が認識で
きているという感覚である。(×tenbo)
恋愛はどんな障害にも打ち勝てるという信念をも
つ人は、自己の性別での展望性が認識できていると
いう感覚である。 (pw ×tenbo)
結婚を意識させる側面をもつ人は、自己の性別が
一貫しているという感覚である。(marriage ×ziko)
考察
参考文献

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

宮下一博(監修) 松本公望・橋本広信(編) 2009 ようこそ!青年
心理学 若者たちは何処から来て何処へ行くのか ナカニシヤ出版
J.クロガー(著) 榎本博明(編) 2005 アイデンティティの発達‐青
年期から成人期‐ 北大路書房
林 寛子 2007 ジェンダーアイデンティティと恋愛に対する態度
臨床教育心理学研究Vol.33 pp3
佐々木・尾崎 2007 ジェンダー・アイデンティティ尺度 心理測
定尺度集Ⅵ pp343-351
和田 1994 恋愛に対する態度尺度 心理測定尺度集Ⅱ pp19-25
R.K.アンガー(編) 森永康子・青野篤子・福富護(監訳) 日本心理学
会ジェンダー研究会(訳) 2004 女性とジェンダーの心理学ハンド
ブック 北大路書房
青野篤子・赤澤淳子・松並知子(編) 2008 ジェンダーの心理学ハ
ンドブック ナカニシヤ出版
S.S.ヘンドリック・C.ヘンドリック(著) 齊藤 勇(監訳) 奥田大三
(訳) 2000 「恋愛学」講義 金子書房
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恋愛をロマンティックなものとしてとらえる側面をもつ人は、恋愛
はどんな障害にも打ち勝てるという信念。(love×pw)理想の恋愛に
対する側面をもつ。(×risou)
恋愛はどんな障害にも打ち勝てるという信念をもつ人は、自己の性
別での展望性が認識できているという感覚である。 (pw ×tenbo)結
婚を意識させる側面をもつ。(×marriage)
理想の恋愛に対する側面をもつ人は、自己の性別での展望性が認識
できているという感覚である。 (risou×tenbo)
自己の性別が一貫しているという感覚である人は、自己の性別が他
者の思う性別と一致しているという感覚である。(ziko×tasya)自己
の性別が社会とつながりを持てているという感覚である。(×syakai)
自己の性別が社会とつながりを持てているという感覚である人は、
自己の性別が他者の思う性別と一致しているという感覚である。
(syakai×tasya)自己の性別での展望性が認識できているという感覚
である。(×tenbo)
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