Transcript 学会発表@岩手
1/17 Subaru Deep Field銀河の形態進化 小西 真広,市川 隆,田中 壱(東北大), 他SDFグループ [email protected] 2004/09/22 ASJ Mtg. 2/17 Elliptical Spiral 銀河の形態の歴史 z~1 ◇Hubble sequence 近傍宇宙に見られる形態分布。 z=1~1.5辺りまでは確認できる。 よりhigh-zではIrr/Pecが急増。 それに伴い星形成史も変化。 ◇z=1~2が銀河の形態において 重要な時期。 z~0 Abraham et al. (2001) : HSTデータ Peculiar 3/17 最近の研究から Conselice et al.(2004) Morphological fraction for HDF-N for HDF-S ・HST(WFPC2, NICMOS;~H-band)を用いた形態解析。 ・rest-V-bandの形態はH-bandでz~2までしか見る事が出来ない。 4/17 地上からの形態解析 ◇形態解析は高空間分解能が鍵。 ◇Spaceでなくても良seeingのGround-basedデータなら銀河 の形態解析はできるか? → SDF多色データで形態解析をやってみる。 (best seeing~0.”35の分解能、K’-bandまで) 5/17 Subaru Deep Field ◇すばる望遠鏡+CISCO による深撮像領域(2‘x2’)。 K’~11.3hr,23.5等(5σ) J~12hr,25.5等(5σ) ◇その後、Suprime-Cam可視 深撮像、FOCAS可視深撮像、 分光フォローアップ。 B, V, R, I, z’, J, K’ ; 7色 Maihara et al. (2001) PASJ(J,K’ composed image) 6/17 Analysis 天体検出・測光 Source Extractor (SExtractor ; Bertin & Arnouts 1996) K’-select ; K’≦24(Vega)をカタログ。 Photometric redshift Hyperz (Bolzonnella et al. 2000) Template SED: Burst, E, Sa, Sc, Irr Cosmology: WMAP(Ho=71km/s/Mpc,Ωm=0.27,ΩΛ=0.73) 最終サンプル;Mv≦‐20(~Mv*)の166天体。 ※等級はVega。 7/17 形態分類 Concentration・・・bulge/disk ratioをtraceする。 →銀河を構成する恒星種族の分布がわかる。 Graham et al. (2001) Asymmetry・・・profileのirregularityにsensitive。 →銀河のdynamicalな構造(mergingやinteraction)が見える。 K’-band画像(seeing~0.35”)でこれらのパラメタを算出。 8/17 モデル銀河 1/ n r ◇Spheroidal成分のみ(Sersic law) μ(r ) μe exp bn 1.0 re free parameters:μe、re、軸比、n、PA ◇Spheroidal + Exp成分 r μ(r ) μ0 exp rh free parameters: μe、re、軸比、n、PA、 μ0、rh、B/D比、 9/17 モデル銀河のC,A解析 モデル銀河にseeing, shot noiseを加えて実画像に埋め込み、同 様にCとAを測定する。 但し、モデル銀河でAを与える事は出来ないのでAの初期値=0. オリジナル 初期値:Cinit, Ainit=0 埋め込み ⊿C≡CAdd-Cinit A=AAdd 引き残り ⊿A≡(AAdd-Asky)-Ainit K’~22のモデル銀河 オリジナル 埋め込み ⊿C≡C -C 初期値:Cinit, Ainit=0 A=A Add init Add 引き残り ⊿A≡(AAdd-Asky)-Ainit K’~18のモデル銀河 10/17 モデル銀河のC,A解析 Seeingやnoiseにより初期値からのズレ(ΔC、ΔA)が生じる。 →SDFでの傾向が、ズレ幅よりも大きな変化かどうか。 1成分モデル ΔA=A(add) 2成分モデル Seeing, Noise, Un-resolved object Seeing, Noise Seeing, Noise ΔC=C(add)-C(init) 11/17 Seeing, NoiseによるC,Aの誤差 ◇モデルの⊿C, ⊿AからSDF天体のC, Aに対して誤差を評価。 ◇モデルは様々なパラメタを持っている。 →実際のSDF天体のパラメタと近いものを選んで評価。 Concentration 等級・aperture size(表面輝度、天体までの距離)、 effective radius(形状)が近いもの。 Asymmetry 等級、aperture sizeが近いもの。 Asymmetry Sc~Sd S0~Sb Spheroid z=0~0.8(rest;J~K) z=0.8~1.3(z~J) Concentration z=1.3~1.7(I~z) z=1.7~2.2(R~I) z=2.2~2.8(V~R) 13/17 Subaru Deep FieldにおけるC-A plane rest z= ~0.8 z=0.8~1.3 z=1.3~1.7 z=1.7~2.2 z=2.2~2.8 J~K z~J I~z R~I V~R Asymmetry High-z populations Concentration 14/17 ConcentrationとAsymmetryの変化 Cの変化 ◇z>1.3では、Cの小さなもの(Pure disk的)なものが増加。 ↑Pure disk的 ~ Irrと考えると、過去の研究で言われ ていた描像と一致。 『遠方に行くほど、Irregular/Peculiar/Merging system が増加する。』 Aの変化 ◇z>1.3ではA>0.2(全fluxのうち20%がasymmetry性に寄与) のものが増加。星形成を起こしている?dusty population? →A=0.2でサンプルを分けてcolorを見てみる。 15/17 AsymmetryとColorの関係 サンプル1;A<0.2 サンプル2;A≧0.2 ( median) モデル1;zf =3のpassive evol. モデル2;zf =3のconst. SFR A≧0.2はConst. SFRに合う z vs Obs.(R-K’) Physicalに重なっている. z vs rest.(U-V) 16/17 Asymmetryの解釈 ◇Aの大きなものはrest(U-V)が青い。 →星形成を活発に起こしている。 ◇Aの小さなものはPassiveモデルに近いものもあり、 constant SFRモデルに近いものもある。 Const. SFRに近いものはCも小さい ⇒ bulge未発達? →disk galaxyや進化を終えたevolved population。 17/17 Summary ◇SDFのB~K’多色データを用いてz~3までの銀河の形態 と星形成の進化を調べた。 どの時代でも存在する 星形成が活発 High-z populations •Bulgeが未発達な disk galaxy •Evolved population ◇地上のKバンドデータによりHSTよりも遠方の形態の議論が 可能である事を実証。 形態の波長依存性:Morphological K-correction H J z=1.012の銀河 Observed: I-band ⇔ rest: U~B-band Rest-UV→星形成領域 I R Rest-optical→主系列星 z>1の天体ではI-bandの画像を見て も銀河の形態を知る事は出来ない。 B U ↓ 近赤外線データが重要! 特に、 z=2~3ではKバンドが必要! Bunker et al. (2000) Kron Radius (Kron 1980) ◇光度g(x)の重みをつけて積分し測定されるプロファイルの 1次モーメント。 ◇gaussianでconvolveされたlight profileでは、r1を2倍程度に 大きくした(楕)円apertureに天体からのfluxの約90%が入る。 ◇これまでは、CとAはsky noise levelの1.5倍というisophotal apertureで行なわれてきたが、銀河のmorphologyを議論す るには裾までを考慮する事が重要。 →本研究では、Kron aperture x 2.5で定義されるisophotal apertureによりC、Aを測定した。 Light profileから形態を分ける方法 (Abraham et al. 1994, 1996) ・Light concentration(fluxの集中度) 定義: Sの(30%)2の中に含まれるflux 銀河のouter flux(area S) ・Light distribution asymmetry(profileの非対称性) 定義: ∑S{各pixelでの(I0 ー I180 )の絶対 値} 2×∑ {各pixelの I} S (・Mean surface brightness) 0 形態に注目した研究 Morphological redshift distribution (Kajisawa & Yamada 2001) ◇Early typeの数密度 がz=1付近を境に大き く減少 ◇Late typeもz=1.5辺り でcolorの分布が変化 ◇Hubble sequenceが確 認出来るのはz=1~1.5 くらいまで。 銀河の形態分類方法 ◇Visual classification. 目で見て形態を分ける。主観性が強く再現性 が良くない。 ◇Artificial neural network(ANN). 計算機にパターンを覚えさせて“あいまいな” 分類によって柔軟に分類を行なう。精度の良 いtraining data setを作る事が重要。 ◇Surface brightness fitting. 銀河の表面輝度分布をモデルでfittingする。 ◇Light profile. light profileの拡がりや規則性から形態を判断。 目では捉えられない淡いfeatureに対しても有効。 SDF天体のC-Aをモデルの典型値と比較. ◇Redshift range毎のC-A planeの分布を理解する ために、モデル銀河のCとAの典型値と比較。 ◇2成分モデルは、B/D比(Bulge-to-Disk ratio)で late,intermediate,early type spiralに細分した。 B/D ~0.1 : Sc~Sd (Pure disk的) 0.1~0.3 : Sb~Sc 0.3~1.0 : S0/a~Sb 1.0~ : ~S0/a ◇1成分モデルはPure bulge的として扱う。 →各rangeでのSDF天体がこれらのグループに対して どのように分布しているか? Future Work ・morphological k-correctionの影響 ・stellar massとの相関 ・従来のC-A分類法との比較 ・近接天体も含め、個々の天体のdetail (Asymmetryの拡がりに対するさらなる解釈) ・遠方銀河での精度(dimming, サンプリングの影響) ・MOIRCS観測データへの拡張 (基本サンプルの増加、分光サンプルの増加) Asymmetry Pure disk ←ーー ーー→ Pure bulge モデルのCの典型値 B/D ~0.1 : Sc~Sd 0.1~0.3 : Sb~Sc 0.3~1.0 : S0/a~Sb 1.0~ : ~S0/a <A>=0.086 RMS=0.125 z=0~0.8 Concentration Error barはseeingとnoiseによって発生するasymmetry量。 Asymmetry <A>=0.089 RMS=0.131 z=0.8~1.3 Concentration z=0~0.8と比べてあまり変化はない。 Asymmetry Cも小さなものが見られる。←宇宙論効果とは逆センス。 <A>=0.091 RMS=0.157 z=1.3~1.7 Concentration Asymmetryの大きなものが見られる。 Asymmetry <A>=0.103 RMS=0.112 z=1.7~2.2 Concentration Asymmetry Seeing, Noiseによるオフセットを補正した場合のC-A図 A=0.2 rest: J~K rest: z~J z=0~0.8 z=0.8~1.3 Concentration rest: I~z rest: R~I z=1.3~1.7 z=1.7~2.2