N - 東北大学電気・情報系

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コミュニケーション工学B
Communication Systems Engineering B
2010年 1/25, 2/1, 2/8講義分
光ファイバー通信入門
山田 博仁
本講義資料のダウンロード
http://www5a.biglobe.ne.jp/~babe
1/25、2/1、2/8 3回分の講義内容
1. 講義の目的: 光ファイバー通信のしくみを理解してもらう
2. 講義内容
1日目
・ ブロードバンド・インターネットを支える光ファイバー通信
・ 光通信とは?、電気通信との相違、光通信の歴史
・ レーザーとコヒーレント光、何故コヒーレント光が必要か?
2日目
・ 光通信の要素デバイス(光ファイバー、LD、PD、光変調器、光増幅器など)
・ レーザーの原理、半導体レーザ(LD)
・ 光ファイバーにおける光伝搬、導波モード、分散
3日目
・ 光伝送システム(分散管理、中継技術、信号多重化技術)
・ 光変調方式と光多重化方式
3. 成績評価
毎回の講義中での演習レポート点を合計 (20点満点)
4. 参考書
末松安晴、伊賀健一共著、光ファイバ通信入門、オーム社
伊藤弘昌 編著、フォトニクス基礎、朝倉書店
5. 質問等 E-mail: [email protected]、電気系2号館203号室
インターネット利用者数及び人口普及率の動向
出展: 総務省 平成21年版 情報通信白書
国内におけるブロードバンド契約者数の推移
出展: 総務省 平成21年版 情報通信白書
それに代わってFTTHが急激に伸びている
ブロードバンド契約者数の推移
ADSLはH18年度から減少に転じた
DSLとFTTHの契約純増数の推移
ネットワーク上を飛び交うデータ量の増加
国内の全インターネット トラフィックは平均で約1Tbps
1台のネットワーク基幹ノードが処理しているデータ量の推移
データ量 (Gbit/s)
最近では約2年半から3年で倍増傾向
2倍/2.5~3年
2倍/年
月/日/年
http://www.jpix.ad.jp/en/techncal/traffic.html
昨日 1/24(日)のIPトラフィックの変化
海底光ケーブル網
出展 http://www1.alcatel-lucent.com/submarine/refs/index.htm
身近になった光ファイバー通信
FTTH(Fiber To The Home): Bフレッツ(NTT), TEPCOひかり(東京電力)などがサービス
出展: http://premium.nikkeibp.co.jp/ftth/part2/top_f.html
光回線終端装置(左)
とルーター(右)
AV機器のデジタル入出力ケーブル
AV機器のデジタル入出力ケーブルとコネクタ
光Universal Bus Interface “Light Peak”
Light PeakはIntelが提唱する新ユニバーサル バスインターフェースの規格
光ファイバーにより10G双方向通信を実現、5年以内に100Gへ
VICSELとPIN PDをチップ実装
Light Peakの光送受信チップ
出典: Intel社White Paper
USB3.0 vs Light Peak
次世代ユニバーサル シリアルバス規格の比較
USB3.0
Light Peak (Intel)
伝送媒体
シールド銅線
光ファイバ
ケーブル径
ϕ6mm
ϕ125μm(4本)
最大データ転送速度
5Gbps, 全二重
10Gbps , 全二重
伝送距離
3m
100m
電力伝送
5V, 900mA
不可
後方互換性
USB1.1やUSB2.0
なし
出荷開始時期
2009年
* USB機器の現在の出荷台数:年間約30億台
2010年
通信とは
情報を送り手から受け手に伝えること
Alice
Bob
情報の搬送媒体
情報の送り手
情報の受け手
搬送媒体を送る
情報を搬送媒体に載せる
手紙を書く
マイクロフォン
搬送媒体
送る手段
便箋、はがき 郵便システム
電流、電波
電話
搬送媒体から情報を取り出す
手紙を読む
イヤフォン、スピーカ
各種通信方式
導波機構の有無
有線
(導波機構有)
情報搬送媒体
(carrier)
通信方式
用途
音波
伝声管
船内、潜水艦内通信
機械振動
糸電話
教材
電流(電磁波)
電気通信
電話、インターフォン
光(電磁波)
光ファイバー通信
音波
会話
電波(電磁波)
無線通信
携帯電話 航空・船舶無線
アマチュア無線 衛星通信
光(電磁波)
光通信
狼煙 腕木通信 手旗信号
衛星間光通信
デジタルAV機器 FTTH
海底光ケーブル
無線
(導波機構無、
自由空間伝搬)
重力波
?
重力波通信
テレパシー
腕木通信塔
自由空間伝搬による光通信
http://www.icsa.gr.jp/system/index_03.htm
ビル間光通信
レーザ光通信システム (Canon)
大学キャンパス内
衛星間光通信
実験衛星「きらり」による衛星間光通信実験に成功 (H18年3月)
NICT 小金井本部の光地上局
衛星間光通信
ガウスビーム波
2
2
強度分布 I ( r )  I ( 0 ) exp(  r / w 0 )
w0: ビームウエストサイズ
ガウスビーム波の広がり角
2w0
λ: 光の波長
 

2 w 0
r
rad 
2Δθ
Ex.) 波長1μmのレーザー光を、直径1mのビームにして月に送った
場合、月面でのビーム径はどのくらいになるか?
ただし、月までの距離は約38万kmである 答 直径約 240m
レンズ焦点でのビーム径
レンズの開口数 (Numerical Aperture: NA)
NA  n sin 
a
2wf
f
2w0

f
n
θf < θ
焦点でのビーム径
2w f 
2
n  sin 
f
f : 焦点距離
a : レンズの有効半径
n : 媒質の屈折率 (空気中の場合は1)
Ex.) 波長1μmのレーザー光を、NA=0.5のレンズの有効径を
フルに活用して絞った場合、どの程度まで絞れるか?
答 直径約1.3μm
電気通信のしくみ
搬送波: 情報搬送の担い手
搬送波
を作る
発信器
搬送波に情
報を載せる
電気信号
伝送路
搬送波から情
報を取り出す
変調
復調
電線
同軸ケーブル
情報の送り手
情報の受け手
光ファイバー通信の構成
電気信号
xxxx 光デバイス
光信号
伝送路
搬送波は光
LN変調器
EA変調器
光源
光変調
レーザー
LED、電球
情報の送り手
xxxx 電子デバイス
/回路
フォトダイオード(PD)
APD
光検出器
光ファイバー
情報の受け手
復調 電子回路
電磁波の波長
光通信には、波長 1μm前後の近赤外域を使用
光ファイバー通信の特長
1.広帯域 (高速、大容量通信が可能)
シリカ光ファイバーの伝送帯域 >100 THz (THz = 1012Hz)
1本の光ファイバーで、10Tbps(Tbpsは1012bit/secのこと)以上の
高速伝送が可能。最近、14Tbps, 160kmの光伝送にも成功 (NTT)
参考) 同軸ケーブルの帯域:最大でも10GHz程度
2.長距離伝送が可能
中継間隔
同軸ケーブル:数km ~ 10km
光ファイバー:100km以上の無中継伝送も可能
3.漏話が少ない、電磁誘導の影響を受けない
光ファイバーは非導電性であるため、外部からの電磁誘導ノイズ
の影響を受けない。また、光ファイバー自体からの電磁波の放射も
無いので、光ファイバー間の信号干渉が少ない。
4.多重化が容易
光ファイバーが細く軽量のため、多芯化、長尺化が可能
光ファイバー通信の歴史
年 代
人または機関
1930年代
Lamb(独)、関(日本)
Townes(米), Schawlow (米),
Basov(ソ)ら
石英ファイバー(ロッド)による光伝送
1957年
渡辺, 西澤(東北大)
半導体による超短波増幅・発振のアイデア
1960年
Maiman(米), Javan(米)
ルビーレーザ, He-Neの発振
1962年
IBM, GE, MIT(米)
1966年
Kao, Hockham(英)
半導体レーザの発振
Charles K. Kao
低損失シリカ光ファイバーの可能性示唆
1968年
川上,西澤(東北大)
Graded-index型光ファイバーの発明
1970年
林, Panishら(米)
AlGaAs半導体レーザ室温連続発振
1970年代
NEC, 電電公社, 日立, 三菱
(日), Bell研(米), STL(英)
半導体レーザの長寿命化、発振安定化
1976~79年
電電公社, 藤倉電線(日)
シリカ光ファイバー伝送損失が0.2dB/kmに
1955年
事
項
光メーザーの着想
1980年代 NEC, 富士通, 日立, 東工大他
通信用半導体レーザの開発と高性能化
1990年代 Southampton大(英), NTT(日)
光ファイバー増幅器の発明と実用化
光ファイバー通信の要素デバイス
デバイス
役 割
光ファイバー
光信号を導く伝送路
半導体レーザー
搬送波としてのコヒーレントな
光を発生させる。さらに、搬送
波に情報を載せるための光
変調も可能
光検出器(PD, APD)
搬送波に載っている情報を
電気信号として取り出す
光増幅器
伝送中に減衰などで弱くなっ
た光信号を光のまま増幅する
光合分波器
光スイッチなど
光信号を分配したり、光の経
路を切り換えたりするもの
イメージ
光ファイバー
通信用シリカ光ファイバー
伝搬損失 < 0.2dB/km @ λ=1.55 μm
光ファイバーの伝送損失
住友電工http://www.sei.co.jp/news/press/02/prs221_s.html
光ファイバー低損失化の歴史
光ファイバーの構造
石英ガラス or
プラスチック
ナイロン繊維で被覆
1本
光ファイバー芯線
3000心光ケーブル
シリコン樹脂で被覆
コア
クラッド
光ファイバー
n2
n1 >n2
光ファイバー素線
コア
クラッド
n1
屈折率分布
光ファイバー
光ファイバーの製法
母材製造(プリフォーム)
VAD(Vapor phase axial deposition: 気相軸付け)法
出展 : Wikipedia
レーザーとコヒーレント光
光搬送波になるべく多くの情報を乗せるためには、コヒーレントな光が望ましい
コヒーレントとは、波の位相が揃った状態。高スペクトル純度、良好な収束性を有する
時間的コヒーレンス 空間的コヒーレンス
光
の
電
界
t
光
の
強
度
f 又は λ
光
の
強
度
光
の
電
界
コヒーレント光
t
f 又は λ
インコヒーレント光
(コヒーレントでない)
自然界に存在する光は全てインコヒーレント光
例: 太陽光、炎から出る光、蛍の光、白熱電球、蛍光灯、LED
コヒーレントな光を人工的に発生させる装置がレーザー
何故コヒーレント光が望ましいのか
インコヒーレントな電磁波を用いた初期の通信 電磁ノイズによる通信
1887年ヘルツは誘導コイルによる火花放電式電磁波発生器を発明
1896年マルコーニ(Marconi)は、ヘルツの電磁波発生器にアンテナとアースを
付けて2.5kmの無線電信に成功
出展: http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/intercomp/wireless/transatrananticexp.htm
1905年日本海海戦において、ロシア・バルチック艦隊の発見が「敵艦見ユ」と無線
電信で通報され、日露戦争の勝利を導く糸口となった
軍艦三笠に搭載の三六式無線電信機は明治36年(1903)旧制二高の木村駿吉教
授が開発。送信機は火花放電、受信機はコヒラー検波器を使ってコイル駆動で記
録紙に出力するもので、80海里以上の通信到達距離を達成
出展: http://blog.zaq.ne.jp/rootakashi/article/163/
その後真空管が発明されて、コヒーレントで強力な電磁波が発生できるようになり、
通信距離が比較的に延びることとなる
何故コヒーレント光が望ましいのか
コヒーレントな電磁波を用いる利点
コヒーレントな電磁波はスペクトル純度が高い(つまり、単一周波数)ので、受信
機において、周波数同調(選択)を行い、狭帯域の信号増幅を行うことにより、微
弱な信号でも受信できる。(長距離伝送が可能)
スペクトル純度が高い(単一周波数)ので、狭帯域の指向性アンテナなどを用い
ることができ、特定の方向にのみ強く信号を送ることができる。つまり、伝送の指
向性が高い。(長距離伝送が可能)
スペクトル純度が高く搬送波の位相が揃っているので、より早い速度での変調
が可能。また、位相や周波数を変調することも可能となり、高い伝送レートでの
信号伝送が可能。(送れる情報量が多い)
スペクトル純度が高く、占有スペクトル幅が不必要に広がらないので、同一周波
数帯を多くのチャンネルで共用できる。(周波数利用効率が高い)
このように、コヒーレントな電磁波を用いる通信は、インコヒーレントな電磁波を用い
る場合に比べて多くの利点を有している。従って、白熱電球やLEDのようなインコ
ヒーレント光を用いるよりも、レーザのようにコヒーレント光を用いる方が望ましい。
コヒーレントな電磁波の発生法
電磁波の呼び名
電
波
光
周波数
低周波
~ 数十kHz
長波
数十kHz ~ 数百kHz
中波
数百kHz ~ 数MHz
短波
数十MHz ~ 数百MHz
マイクロ波
数百MHz ~ 数GHz
ミリ波
数十GHz
THz波
数百GHz ~ 1013 Hz
赤外光
1013 Hz ~ 3.8×1014 Hz
可視光
3.8×1014 Hz
~ 8×1014 Hz
8×1014 Hz ~ 1018 Hz
X線
真空管やトランジスタによる発振器
数MHz ~ 数十MHz
超短波
紫外光
コヒーレント電磁波の発生法
1018 Hz ~
Gunnダイオード
クライストロン、マグネトロン
メーザー
パラメトリック発振器
量子カスケードレーザー
各種レーザー
SOR (synchrotron orbital radiation)
本日(1/25)のレポート問題
以下について述べよ。(本日の講義後に提出) (6点満点)
1. DSLに代わって今後ブロードバンド インターネットの主役となり得
るのは何か?
2. Intelが提唱している新しいBusインターフェースの規格とは何か?
またそれは従来の規格とは何が違うのか?
3. 波長1μmのレーザー光を、直径1mのビームにして月に送った場
合、月面でのビーム径はどのくらいになるか?
4. 電気通信と光ファイバー通信との構成上の違いは何か?
5. コヒーレント光とはどのような性質の光なのか?また(光)通信には
どうしてコヒーレント光が望ましいのか?
レーザー
レーザとは、光の発振器
正帰還回路
光の正帰還回路
光増幅媒体
+ Amp.
鏡
電気の発振器
レーザー
光増幅媒体とはどのようなものか?
物質(原子系)と光との相互作用 以下の3つの課程が同時に起きている
電子など
E2
減衰
入射光
出射光
増幅
入射光
発光
出射光
E1
二準位系
(原子など)
光の吸収
誘導放出
自然放出
熱平衡状態
Maxwell-Boltzmann分布
E
E2
k: ボルツマン定数
T: 媒質の温度
P(E )  e

n2: 励起状態の原子数
E
kT
誘導放出
正味では減衰
E1
吸収
P(E)
熱平衡状態では、励起準位の原子数
は基底準位の原子数よりも少ない n1> n2
吸収
吸収
n1: 基底状態の原子数
自然放出の起きる確率 = An2
A: アインシュタインのA係数
吸収の起きる確率 = Bn1 I
B: アインシュタインのB係数
誘導放出の起きる確率 = Bn2 I
I: 入射光の強度
Bn1 I > Bn2 I
熱平衡状態では、吸収の確率 > 誘導放出の確率となり、入射光は減衰して出てくる
反転分布
反転分布
Tが負(負温度状態)
E
n2: 励起状態の原子数
E2
P(E )  e

E
kT
誘導放出 誘導放出
E1
P(E)
励起準位の原子数が基底準位の原
子数よりも多い状態を反転分布という
n1< n2
誘導放出
吸収
正味では増幅
n1: 基底状態の原子数
Bn1 I < Bn2 I
反転分布では、誘導放出の確率 > 吸収の確率となり、入射光は増幅されて出てくる
レーザーとは、何らかの方法で反転分布を作り出し、放射の誘導放出(Stimulated
emission)を用いて光を増幅する装置
半導体レーザー
半導体レーザー (Laser Diode: LD) 光を増幅する媒体が半導体からなり、
pn接合への電流注入により、電子の反転分布状態を作り出せる
特徴: ・ コンパクト (チップ本体は0.3mm角程度)
・ 取り扱い容易 (乾電池2本程度で動作可能)
・ 直接変調で数Gbpsの高速変調が可能
・ 高信頼性 (通信用のInGaAsPレーザは100万時間以上の寿命に)
・ 安価 (FTTH用LDはチップコストで数百円、CD用LDは数十円に)
電子
へき開面(鏡面)
ホール
n型
p型
チップの構造
出展: www.phlab.ecl.ntt.co.jp/master/04_module/002.html
半導体レーザの発振特性
Fabry-Perot (FP)共振器レーザー
2枚の平行に向き合った鏡によるFP型光共振器
によって正帰還が得られ発振するレーザー
発振波長間隔
0
2
 
縦多モード発振
Δλ
2 n eff L
λ0 : 発振波長の中心値
neff : 実効屈折率
L : 素子長
λ0
発振スペクトル

へき開面(鏡面)
FPレーザーの構造
回折格子
分布帰還(DFB)型レーザー
回折格子によるBragg反射により、光の分布帰還
が得られ、 Bragg波長近傍の単一波長で発振
発振波長
単一縦モード発振
  2 n eff 
Λ : 回折格子の周期
neff : 実効屈折率
発振スペクトル

DFBレーザーの構造
出展: www.matsuoka-lab.imr.tohoku.ac.jp/purposes.html
光変調器
光変調器
電界吸収(EA)型光変調器
半導体レーザの直接変調
光信号
光
出
力
電流
変調信号(電気)
半導体レーザの電流-光出力(I-L)特性
化合物半導体などの
pn接合に逆バイアス
を印加すると、印加電
界によって光吸収特
性が変化し、これを利
用して光の強度変調
を行うもの
40GbpsEA変調器(沖電気)
LiNbO3 (LN)によるMZI型光変調器
LNは、電圧を印加すると屈折率が変化する
電気光学(E-O)効果を有している。 LNによ
る光導波路によってMach-Zehnder(MZ)型
の光干渉計を構成
し、屈折率変化によ
る光の位相変化を
強度変化に変換し
て光変調を行うもの LiNbO3(LN)光変調器
(住友大阪セメント)
光検出器
PINフォトダイオード(PIN-PD)
逆バイアスされたpn接合に光が照射される
と強度に比例した光電流が取り出せる
光
光電流
i
光
電子
電極
p+
i
ホール
p+
n+
n+
電極
逆バイアス状態の半導体pin接合
アバランシェ フォトダイオード(APD)
基本的にはPINフォトダイオードと同じであるが、アバランシェ効果により、
光電流を増倍するしくみを有している (高感度)
光増幅器
半導体光増幅器
無反射加工
半導体レーザーの両端面に無反射膜
を形成するなどして、光共振器をなく
したもの (光の正帰還がかからなくな
るのでレーザー発振はしない)
無反射加工
半導体レーザーチップ
光ファイバー増幅器
Er添加光ファイバー増幅器
コアに、エルビウム(Er3+)などの希土類を添加
波長980nmなどの光で励起すると
波長1.54 μm付近に光増幅利得発生
Er3+の準位
光増幅器の構成
ラマン増幅器
光ファイバに非常に強い励起光を入射すると、石英ガラスの分子振動エネルギー
に対応して、励起光波長より100 nm程度長い波長域に光利得が得られる
光合分波器
光を波長によって分ける (分光器あるいは分波器)/多波長の光を束ねる(合波器)
クラッド
コア
0.5 mm
この一本一本が
このような光導
波路からなる
Arrayed Waveguide Grating
0.5 mm
Si 基板
石英光導波路
50 mm
Arrayed Waveguide Grating (AWG)
スラブ
導波路   
12
N
AWGの動作原理
光スイッチ
電気制御-光スイッチ (光の経路を切り換えるが、ON-OFFの制御は電気で行う)
スイッチング機構
特 徴
出力ファイバー
メカニカル
(MEMS)
Port1
Port2
入力ファイバー
入力1
熱光学(T-O)効果
電気光学(E-O)効果
出力1
mS~mSオーダーの切換え速度
比較的安価
ヒーター
入力2
+
mSオーダーの遅い切換え速度
安価
出力2
-
電界印加
nSオーダーの高速切換え
高価
その他に、磁気光学(M-O)型、音響光学(A-O)型などもある
光制御-光スイッチ (光-光スイッチ or All光スイッチ)
ON-OFF制御も光でやる
現在研究開発中 将来の全光信号処理システムに使われるかも?
光導波路の構造
コア
n2
n1> n2
クラッド
n1
屈折率分布
n2
光ファイバー
n1> n2
n1
屈折率分布
コア
クラッド
スラブ導波路
光導波路が光を導くメカニズム
n1< n2の場合
n1> n2の場合
入射波
反射波
φ1
入射波
φ1
反射波
φ1
n1
n1
n2
Snellの法則
2
sin  1
屈折波
sin  2

n2
n2
n1
φ1
全反射
c
φ2
屈折波
n 
臨界角  c  cos 1  2 
 n1 
n2
2θmax
全反射
放射モード
c
n1
n2
全反射
全反射
n1> n2
光が伝搬可能な入射角度の範囲
開口数: NA= sin(θmax)
全反射角
コアとクラッド界面での全反射角θcは、前スライドの臨界角より  c  cos
2
sin  c 
1  cos  c 
2
n1  n 2
2
ここで、  
n 
1   2  
 n1 
n1  n 2
2
n
 n2 


n 
 1
で与えられるが、
2
2
1
1

2
2
2
2 n1
と置いたが、Δは比屈折率差と呼ばれている
従って、n1と n2との差が小さい時、全反射角 θcは以下の式で与えられる
 c  sin
1
2 
2
[ rad ]
さらに、導波路が受け入れることのできる受光角(2θmax)は、
2 max  2 sin
1
( n1 sin  c )  2 sin
また特に、 NA  sin  max 
2  n1
1
n1 2   2 n1 2 
を開口数 (Numerical Aperture)という
導波路内での光伝搬
クラッドへの光の浸み出し
a
ϕ
n2
n2
ϕ
k0n1sinθ
n1
コア
-a
ϕ: Goos-Haenchen Shift
n1> n2
ϕ
k0n1
θ
k0n1cosθ
真空中での伝搬定数: k0=2π / λ (λ: 波長)、媒質中では k0n1
光の伝搬方向の伝搬定数成分 βは、 β = k0n1cosθ
c
光が伝搬方向に伝わる速度は、 v g  cos  であり、vgを群速度(Group
n1
Velocity)という (c は光速度)
光の伝搬と垂直方向の伝搬定数成分 (k0n1sinθ)に対して、以下の式が成り
立つ時、光伝搬と垂直方向に定在波ができる
   4 k 0 an 1 sin   2  2 N
N: モード番号 (0, 1, 2 ‥‥)
導波モードと定在波
E
N=0
Δϕ = 0
E
N=1
2π
E
N=2
4π
モード番号N は、横方向の強度分布における節の数を表す
入射角度
光伝搬と垂直方向での定在波条件の式より、モード番号Nに対する入射角度θNは、
4 k 0 an 1 sin  N  2 N  2 N
ここで、 Goos-Haenchen Shiftの値 ϕN は一般的には入射角度 θN の関数になるが、
θN が全反射角 θc よりも十分に小さい場合には、  N    と近似できる。
従って、モード番号 N に対する入射角度 θN は、
 N  sin  N 

( N  1)
( N  0 , 1, 2 ,  )
[ rad ]
2 n1 k 0 a
モード番号がある値よりも大きくなると、全反射条件が満たされなくなり、伝搬でき
なくなる。つまり、伝搬可能なモードは、以下の条件を満たす。
N  c
従って、導波路内を伝搬可能なモード番号の最大値 Nmaxが存在し、以下の条件
を満たす。
N
max
 c
モードの数
導波路内を伝搬可能なモード番号の最大値 Nmaxは以下の式で与えられる。
N max  1 
V
V  k 0 a n1  n 2  k 0 an 1 2 
2
 (1)
( 2 )
2
ここで V は、Vパラメータ或いは規格化周波数と呼ばれている
Nmaxよりも大きなモード番号のモードは伝搬できないので、カットオフにあると言う
N=3
カットオフ領域
(放射モード)
ω/c
(k0)
N=2
1/n2
群速度 v g 


曲線の傾きはvg /cで 、群速度に対応
N=0
N=1
1/n1
モードによって群速度の値は異なる
β
導波路の分散関係
単一モード条件: V < π /2
光ファイバーの種類
モード数
屈折率分布
材 料
コア: 屈折率n1
5~10μm
単一モード
n2
Step Index型
コア: 屈折率n1
約50μm
n2
多モード
Step Index型
特 徴、用 途
光ファイバー通信網に幅広く使用
(海底、幹線、メトロ、加入者系)
コア: 石英ガラス
クラッド: 石英ガラス 様々な光部品(光スイッチ、光合
分波器、光増幅器など)に加工さ
れて使用
短距離の光伝送、光インターコネ
コア: 石英ガラス
クション(コンピュータ、ストレージ
クラッド: 石英ガラス
筐体間データ通信)、接続容易
コア: プラスチック
接続や取り扱いが容易なので、
クラッド: プラスチック AV機器用データ通信に利用
コア径約50μm
屈折率分布
Graded Index型
コア: 石英ガラス
クラッド: 石英ガラス
一部の光ファイバー通信網で使用
(接続が容易なので主にLAN用)
比較的高価
光ファイバーにおける導波モード
2a
n2
n1
Step Index型多モード光ファイバー
Vパラメータ
V  k 0 an 1 2 
n1  n 2
2
 
2
2
2 n1
導波モードの数
M 
8

2
V
2
V≦2.4 単一モード条件
ファイバー内の基本モード(HE11)パターン
出典: 末松安晴、伊賀健一共著、光ファイバ通信入門、オーム社
光ファイバーの分散
多モード光ファイバーにおける分散
モード分散 (Mode Dispersion) 伝搬モードによって群速度 vg が異なる
モード3: vg3 モード2: vg2
モード1: vg1
vg1 > vg2 > vg3
モード1を伝搬し
てきた光パルス
モード2
入射光パルスは複数のモードに分配されて伝搬していく モード3
伝搬モードによって群速度が異なるため、光パルスの出射時刻が異なる
光パルスの幅が広がるため、符号間干渉が起こり、符号識別誤りが起こる
光ファイバーの分散
単一モード光ファイバーにも存在する分散
波長分散 Chromatic Dispersion
石英ガラスの材料分散
導波路の構造分散
1: vg1
2: vg2
母材の石英ガラスの屈折率が波長に依存
導波路の伝搬定数が波長に依存
3: vg3
vg1 < vg2 < vg3
入射光パルスが多波長成分を有すると
波長によって群速度が異なるため、出射光パルスの時間幅が広がる
偏波モード分散 Polarization Mode Dispersion
ファイバーにねじれなどがあると、直交する2つの偏波モードの縮退が解け、
2つのモード間で群速度に違いが生じるようになる
光ファイバーの波長分散
通常のSMFでは、波長約1.31μmにおいて、材料
分散と構造分散が打ち消し合いゼロ分散となる
単一モード光ファイバー(SMF)の波長分散
光ファイバーの伝搬損失と分散特性
出典: 末松安晴、伊賀健一共著、光ファイバ通信入門、オーム社
通常のSMFは、波長約1.31μmにおいてゼロ分散となるが、
伝搬損失は波長1.55μm付近で最小となる
様々な分散特性を有する光ファイバー
分散シフト光ファイバー (Dispersion Shift Fiber: DSF)
ゼロ分散となる波長を、1.55μm帯にシフトさせた光ファイバー
DSFの構造
・単純ステップ型
・2重コア/セグメントコア型
分散補償光ファイバー (Dispersion Compensation Fiber: DCF)
単一モード光ファイバー(SMF)の分散を補償するためのもので、SMFとは逆の符号
の大きな分散を有する
逆分散光ファイバー (Reverse Dispersion Fiber: RDF)
単一モードファイバー(SMF)と全く逆の分散特性を有する
分散フラット光ファイバー (Dispersion Flat Fiber: DFF)
広い波長域に渡り分散をフラットにしたファイバー
ノン零分散シフト光ファイバー (Non-Zero Dispersion Shift Fiber: NZ-DSF)
WDM用途のため、分散を完全には零にせず、使用波長域で若干の分散を
持たせたもの
その他の光ファイバー
偏波保持(保存)光ファイバー
PANDA: (polarization-maintaining and absorption reducing)型ファイバー
HE11evenモードとHE11oddモードの伝搬定数差が大きく、
少々の外乱では両モード間に結合が生じないため、
ファイバーの固有偏波方向と一致する光を入射させる
とその偏波が保存されたまま伝搬する
HE11xモード
HE11yモード
コア断面が真円から
コア
歪んでいたり、特定
方向に応力がかかる
と基本モードの縮退 PANDA型ファイバーの断面
が解ける
高非線形光ファイバー
波長変換やラマン効果など、非線形光学効果を利用するための特殊な光ファイバー
プラスチック光ファイバー (POF)
850nm波長帯での短距離光リンク用に開発された光ファイバーで、AV機器のデ
ジタルデータ伝送用ケーブルとして身近になっている
フォトニック結晶光ファイバー
T. A. Birks et al., 12B3-1 OECC2000
1. 高屈折率コア型
Holey Fiber
特徴:
・ 分散量を自由に設計可能
・ 高効率非線形光学効果利用可
2. 低屈折率コア型 (コアが空気)
Photonic Bandgap Fiber
特徴:
・ コアが空気なので非線型効果小
・ 超低損失材料の必要は無い
分散補償技術
光学的分散補償
原理: 伝送路としての光ファイバーとは逆の分散特性を有するデバイスを接続する
ことにより、伝送路である光ファイバーの分散を打ち消すもの
分散補償デバイスとしては、以下のものがある
・分散補償光ファイバー (Dispersion Compensation Fiber)
単一モード光ファイバー(SMF)とは逆符号の大きな分散を有する光ファイバーで、
(長さに応じて)大きな分散でも広帯域に補償できる。補償可能分散量は光ファイ
バーの長さで決まり、固定。波長分散の補償のみに対して有効(偏波モード分散
には効果無し)
・分散補償素子
様々なタイプのものが有るが、比較的小さな分散を補償可能。補償する分
散量を可変できるものも有る。ただし、応答速度は比較的遅い
電気的分散補償 (Electronic Dispersion Compensation)
比較的小さく、時々刻々変化する分散量を電気的信号処理により補償可
能。高速応答。偏波モード分散にも効果有り
本日(2/1)のレポート問題
以下の中から、いずれか2つを選んで述べよ。1問について、A4レ
ポート用紙1枚程度を目安とする。 (7点満点)
1. レーザの原理について述べよ。また、半導体レーザが光通信用
の光源として特に優れている点について述べよ。
2. 光ファイバーの中を光が伝搬するメカニズムについて述べよ。特
に、導波モードとは何かについては詳しく記述せよ。
3. 光ファイバー伝送中に光信号波形が歪む要因について述べよ。
特に、分散が生じるメカニズムについては詳しく記述せよ。
提出期限: 2/8(月)の講義開始前
学生アルバイト募集
於: 電子情報通信学会総合大会
勤務内容: 会場係他
勤務日: 3月15日~19日 (5日間通してやっていただけると
有り難い)
勤務時間: 8:30~17:30
勤務地: 川内キャンパス
給与:日当 7,000円、交通費不支給。超勤:15分単位で200円、
※午前午後通しの勤務については昼食費500円を別途支給
本大会でのアルバイトは、ボランティア精神によるお手伝いですので、
バイト代が安いことはご容赦頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。
光伝送方式
強度変調-直接検波 (Intensity Modulation - Direct Detection: IM-DD)方式
現在の光通信で最も広く用いられている方式。光のコヒーレンス性はあまり利用して
いない
LDのI-L特性
光
出
力
光信号
PD
電流
変調信号(電気)
LDの強度変調
検波出力信号(電気)
PDによる直接検波
コヒーレント方式
光のコヒーレンスをより積極的に利用する先進的方式。光の振幅、周波数、位相
などに情報を載せるASK, FSK, PSKなどがある。IM-DD方式に対して受信感度
が改善される。今後、主流になっていくものと思われる
アナログ変調方式
CATVによる映像のアナログ伝送や、マイクロ波の光伝送、リモートアンテナなど、
ごく限られた用途で用いられている
光変調方式
光ファイバー通信で用いられる変調方式
変調対象
デジタル変調
アナログ変調
多値
二値 (バイナリ)
AM (IM)
Q
ASK (OOK)
振幅変調
I
1
0
FM
1
QASK
0
FSK
Q
01
11
周波数変調
I
00
0
1
PM
0
1
10
QPSK
Q
PSK
位相変調
I
y
0
1
0
0
1
0
y
偏波変調
x
x
16QAM
Q
デジタル変調方式
OOKの場合、
I 位相は関係無い
つまり、コヒーレントでなくても良い
Q
OOK : on-off keying
ASK : amplitude-shift keying
e e(t) = Em sin (t + )
Q
t

I
t
I 0
o
constellation map
Em
-Em
Q
QASK : quadrature amplitude-shift keying
I
FSK : frequency-shift keying
QASK
PSK : phase-shift keying
Q
Q
QPSK : quadrature phase-shift keying
1
I
DPSK : differential phase-shift keying
10
001
000
110
I
00
101
100
11
01
0
Q
I
010
111
011
BPSK
QAM : quadrature amplitude modulation
QPSK
Q
8PSK
Q
I
4QAM
(QPSK)
I
16QAM
伝送帯域
同軸ケーブルによる伝送
出展: http://www.hitachi-cable.co.jp
Loss2/B = 一定
Loss: 伝搬損失(dB/m), B: 伝送帯域(Hz)
同軸ケーブルの場合、伝搬損失によって帯域が制限される
光ファイバーによる伝送
多モード光ファイバー
BL 
c
n1 
主にモード間の群速度差によるモード分散によって制限
B: 帯域(Hz), L: 長さ(m)
単一モード光ファイバー
Δ = 0.005とすると、BL = 40MHz・km
波長分散と偏波モード分散によって制限
単一モード光ファイバーの伝送帯域
波長分散による帯域制限
i) 光源の波長スペクトル幅 Δλsが広い(FP-LDやLEDを使用の)場合
BL  5  10
13
B: 帯域(Hz)、L: 長さ(m)、Δλs: 光源のスペクトル幅 (nm)
s
例えば、Δλs = 1nm、L = 50kmの時、B = 1GHz
ii) 光源の波長スペクトル幅 Δλs が狭い(DFB-LDを使用の)場合
B
L  2 . 15  10
12
B: 帯域(Hz)、L: 長さ(m)
従って、L = 100kmに対して、B = 6.8 GHz
光ファイバーの場合、伝搬損失は通常0.2dB/kmと同軸ケーブルに比べて
遥かに小さいので、分散による信号波形の歪が伝送帯域を制限している。
分散による光パルスの広がりは、多モード光ファイバーの場合はモード分
散によって制限される。一方、単一モード光ファイバーでは、モード分散は
ないが波長分散などによって制限される。
伝送中継技術
光-電気変換 OE/EOによる3R (Reamplification、Reshaping、Retiming)再生
送信機
OE/EO
中継器
OE/EO
中継器
OE/EO
中継器
光中継器の構成
受信機
出典: 末松安晴、伊賀健一共著、
光ファイバ通信入門、オーム社
光増幅器による2R (Reamplification、Reshaping)再生
光信号を一旦電気信号に変えることなく、光のまま増幅、等化を繰り返して中継
送信機
光増幅器
光増幅器
光増幅器
受信機
3R再生とは
振幅増幅 (Reamplification) 弱くなった信号強度を増幅して強くする
ファイバー
1 0 1 1 0
減衰
増幅
1 0 1 1 0
1 0 1 1 0
t
t
t
波形整形 (Reshaping) 分散などの影響で劣化した波形を整える
波形劣化
ファイバー
1 0 1 1 0
1 0 1 1 0
波形整形
1 0 1 1 0
t
t
タイミング再生 (Retiming) 符号のビットタイミングがズレたのを修正する
タイミングのズレ
タイミング 1 0 1 1 0
1 0 1 1 0
1 0 1
10
ファイバー
修正
t
t
t
信号の多重化伝送
複数の信号を1本の伝送路に乗せる手法
多重化方式
時分割多重 Time Division Multiplexing (TDM)
多重化を行う領域
電気信号の時間
周波数多重 Frequency Division Multiplexing (FDM)
電気信号の周波数
サブキャリヤ多重 Subcarrier Multiplexing (SCM)
電気信号の周波数
符号分割多重 Code Division Multiplexing (CDM)
電気信号の符号
光時分割多重 Optical Time Division Multiplexing (OTDM)
波長分割多重 Wavelength Division Multiplexing (WDM)
光符号分割多重 Optical Code Division Multiplexing (OCDM)
偏波分割多重 Polarization Division Multiplexing (PDM)
空間多重 Space Division Multiplexing (SDM)
光信号の時間
光の波長
光信号の符号
光の偏波(偏光)面
空間
電気信号の多重化
t1 t2 t3
時分割多重化
t1 t2 t3
時間
1秒
一人当たりの帯域
f1 f2 f3 f4
周波数
利用可能な周波数帯域
周波数多重化
多重化の方法
制限速度15 mphの一般道路 (多重化無し)
制限速度60 mphの1車線高速道路 (時分割多重、周波数多重)
制限速度15 mphの4車線一般道路 (波長多重、空間多重)
電気によるTDMおよびFDM伝送
2.4 Gbps
光源
光変調
光検出器
復調
光ファイバー
時間領域または
周波数領域で多重化
2.4 Gbps
bps: bit per second
Multiplexer
1Gbps
2.4 Gbps
100 Mbps
64 kbps
Demultiplexer
1Gbps
100 Mbps
64 kbps
複数本の光ファイバーによる空間多重伝送
光源
光変調
1Gbps
光変調
光源
光源
光検出器
64 kbps
光変調
光検出器
100 Mbps
光ファイバー
光検出器
復調
復調
1Gbps
100 Mbps
64 kbps
1Gbps
復調
100 Mbps
64 kbps
一本の光ファイバーによる波長多重伝送
光源
光源
光源
λ1
1本の光ファイバー
光変調
λ2
λ3
1Gbps
64 kbps
光変調
100 Mbps
光変調
λ1
光検出器
λ2
光検出器
λ3
光検出器
復調
Wavelength
Multiplexer
1Gbps
100 Mbps
64 kbps
Wavelength
Demultiplexer
1Gbps
復調
復調
100 Mbps
64 kbps
光ファイバー通信における超多重化
電気通信における多重化 (時分割多重、周波数)
数~数十Gbpsの高速道路
1本の同軸ケーブル
だから光ファイバー伝送は、超ブロードバンド
光ファイバー通信における多重化
電気領域での多重化 (時分割多重、周波数多重)+光領域での波長多重化
波
長
に
よ
る
多
重
化
各々が数~数十Gbpsの高速道路
(数十~数百波長)
1本の光ファイバー
ノードの処理速度がボトルネック
ノード
ノード
(ルータ)
光リンク
(光ファイバ)
ノード
(ルータ)
ノード
リンク容量: 10Tbps
(40Gbps × 256波 WDM)
高速道路
ノード処理速度: 100Gbps
渋滞
料金所
フォトニックノードによるボトルネック解消
ノード
ノード
(ルータ)
光リンク
(光ファイバ)
ノード
(ルータ)
ノード
リンク容量: 10Tbps
(40Gbps × 256波 WDM)
高速道路
ノード処理速度: 100Tbps
ETCシステム
広がりを見せる光通信
今後光通信は、より近距離の通信にも浸透していくことであろう
Light Peak
出典: C. Gunn, “CMOS Photonics™ Technology Enabling Optical Interconnects” Luxtera, Inc.
広がりを見せる光通信
サーバーの筺体間データ通信は、今や電気から光へ
サーバーのBackplane
Active optical cable
(光トランシーバー)
ムーアの法則
半導体素子に集積されるトランジスタの数は、18ヶ月で倍増する
という経験則による半導体技術の進歩に関する予測
Intel社の創設者の一人であるGordon Moore氏が1965年に提唱
ムーアの法則に従うIntel MPUの進化
LSIの性能限界
・ クロック周波数高速化の限界
- バッファ導入による回路複雑化、
消費電力増大
- クロック高速化によるノイズ問題顕在化
マルチコア化の流れ
・ コア間、プロセッサ-メモリ間データ伝送
の高速化限界、多層配線の限界
電気配線の限界
LSIチップの断面 (出展: 米Intel社)
130nm 6層銅配線
LSIチップ内光配線
・ 光配線による高速データ通信
・ 消費電力の低減
グローバル
電気配線層
ローカル
配線層
・ 電磁ノイズの低減
光配線層
Tr層
電気配線
電気配線
光配線
電気配線によるLSIチップ
光配線によるLSIチップ
本日(2/8)のレポート問題
以下の中から、いずれか2つを選んで述べよ。1問について、A4レ
ポート用紙1枚程度を目安とする。(7点満点)
1. 光ファイバーの伝送帯域は何によって決まるのか?また、単一
モード光ファイバーと多モード光ファイバーでは、どちらがより多く
の情報を送ることができるのか?その理由と併せて述べよ。
2. 光3Rとは何か? 3Rの中で光増幅器による中継ではできないも
のはどれか?
3. 光ファイバー通信における信号多重化方式について述べよ。
提出期限: 2/11(木) ← 当初アナウンスより一日早めましたのでご注意願います。
注) 成績を取り纏められる安達先生への報告が2/12(金)17:00となったため、
私の方での採点・成績処理の都合上、一日早くしました。
学生アルバイト募集
於: 電子情報通信学会総合大会
勤務内容: 会場係他
勤務日: 3月15日~19日 (5日間通してやっていただけると
有り難い)
勤務時間: 8:30~17:30
勤務地: 川内キャンパス
給与:日当 7,000円、交通費不支給。超勤:15分単位で200円、
※午前午後通しの勤務については昼食費500円を別途支給
本大会でのアルバイトは、ボランティア精神によるお手伝いですので、
バイト代が安いことはご容赦頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。