化学物質

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Transcript 化学物質

パート2
● 安全性についての正しい知識と
理解を広げることが、何よりも大切で
ある。
農薬
輸入食品
添加物
汚染物質
組換え食品
健康食品
微生物
飼料
プリオン
器具・容器包装
カビ毒・自然毒
ウイルス
放射線照射
新開発食品
動物用医薬品
肥料
異物混入
その他
0
こうした不安は、事実に基づくものか?
農薬や食品添加物による健康障害は、
半世紀以前の話であり、そうした事故が
起きないための法整備が終わっており、
現在では・・・・
10
20
30
40
50
60
70
食品の安全性の観点からより不安を感じているもの
内閣府食品安全委員会: 平成15年 食品安全モニター・アンケート調査
「食の安全性に関する意識調査」結果
80
%
件
2,500
2,000
1,500
:細菌
:化学物質(10倍表示)
:自然毒(10倍表示)
:動物性
:植物性
1377
123
1,000
79
500
44
9
0
食中毒事故件数の推移
1997年以降は、1名の場合も計上することになったため、見かけ上多くなっている
細菌
40,000
35,000
細菌
600
30,000
25,000
自然毒
化学物質
自然毒
500
20,000
400
15,000
300
化学物質
200
100
0
食中毒患者数の推移
20
:総数
:細菌
:自然毒
化学物質による死亡者はいない
18
16
14
年 12
間
死 10
亡
数 8
6
4
2
0
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
原因物質別にみた食中毒による死者数の推移
人間は誰しも「自分は正しい」と思っているが・・・・
「過ちて改めざる これを過ちという」 論語
「人は聖人にあらず、誰か過ちなからん、過ちてよく改む。
善これより大なるはなし」 左伝
農水省 「食料の安定供給システムの構築」
40
65名の内、36名は家庭で調理し
た食事が原因で死亡している。
30
累
積
死 20
亡
者
数 10
ハイリスク集団(健康弱者)
0
食事場所別にみた食中毒死亡者数
(1996~2002)
25
20
累
積 15
死
亡
者 10
数
5
これらの事故の大半は、市販のもの
ではなく、自分で採ってきたものを家
庭で調理して起きた!
0
原因食品別にみた食中毒死亡者数
(1996~2002)
自然毒の脅威との戦いが人類史の一側面
50%致死量
μg/kg mouse
ボツリヌス毒
破傷風毒
ジフテリア毒
パリトキシン
テトロドトキシン
サキシトキシン
産生・保有
0.00003
細菌
0.0001
細菌
文化(Culture;耕す)
0.3
細菌
人間が改良を加えてきた物心両面の成果、
特に西洋では精神的生活に関わるものを
0.6
イソギンチャク類
「文化」とし、「文明」と区別する。危害を取り
8.7
フグ、ヒョウモンダコ
除いて<安全に食べる>ことが文化であり、
「ナチュラル=非文化」は危険です。
10
二枚貝
ギンナン中毒:
ボツリヌス毒の1億倍食べないと死なない
10,000
青酸カリ 国内で過去約80人の患者が学会報告され、うち約30人が死亡
青酸配糖体:アミグダリン(ウメ、アンズ、モモ)、ドーリン(イネ科)
ファゼオルナチン(アオイマメ)、リナマリン(キャサバ)
青酸配糖体を含む生薬: キョウニン(杏仁)、トウニン、ショウキョウ
4
2
0
0~4
累
積
死
亡
者
数
12
10
8
6
4
5~9
:動物性自然毒
:植物性自然毒
:大腸菌
:サルモネラ
:ぶどう球菌
:腸炎ビブリオ
10~14
15~19
20~29
ハイリスク者への特別対策
衛生教育
2
0
30~39
40~49
50~59
60~69
70~
年齢
年齢・死亡原因物質別にみた死亡者数
(1996~2002)
死者数
人口
50歳
70歳
15歳
患者数
0
20
40
60
80
100%
食中毒患者数および死者数の年齢別割合
:0~4
:30~39
:5~9
:40~49
:10~14
:50~59
:15~19
:60~69
:20~29
:70~
年齢
昭 和 25 年(1950)
85~
80~84
75~79
70~74
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
15~19
10~14
5~9
0~4
総人口: 84,114,574
:女性
:男性
600
400
200
平 成 12 年(2000)
0
総人口: 126,925,843
0
200
日本における人口構成の変化
400
600
万人
米国の食品規格コード(Food Code )
1-201 用語の定義と適用範囲
(44)高感受性集団(Highly susceptible
population)とは、次の理由で、一般集団の人より食
品媒介性疾患に罹りやすい人をいう。
(i) 免疫低下者、就学前児童、老人
(ii) デイケア施設、腎臓透析センター、病院または
療養所、看護付老人ホームなどの健康管理または
補助生活を受けている人。
日本においても、ハイリスク集団(健康弱者)に
関する法的根拠を設けることが重要である
閾値がない
化学物質
栄養素
▲
閾値がある
化学物質
▲
健
康
へ
の
悪
影
響
▲
●
●
●
NOAEL
●
無有害作用
濃度
●
●
●
●
●
●
●
化学物質の用量・反応関係
LOAEL
最小有害作用
濃度
用量(摂取量)
WHO: Hazardous chemicals in human and environmental health - A resource
book for school, college and university students. 2000
一日摂取許容量(ADI )=
無有害作用濃度
100
食品中の残留許容濃度
生
体
反
応
の
強
度
閾
値
致死量
無
有
害
作
用
濃
度
中毒量
閾値がある
化学物質
薬効
用量
一日摂取許容量と残留許容濃度(一般毒性)
3.日常的に食べている食品にも、回避できない若干の危険性がある
ベンゾピレン
魚
のそ
焼れ
けで
も
こ
げこ
げ
目
の
な
い
サ
ン
マ
を
食
え
る
か
トリプトファン
Trp-P1
Trp-P2
二級アミン + 硝酸塩
魚
野菜
ニトロソ化合物
胃の中で反応
発癌物質→胃癌
唾液中の
硝酸塩
亜硝酸
硝酸塩は腸で吸収された後に亜硝酸となり、唾液に分泌され、それ
が胃内で二級アミンと反応してニトロソアミン(発癌物質)を形成。
日常的に暴露されているリスク、避けることのできないリスクより
十分に低いことをもって安全とする。
一生の間に100万人に1人以下でしか起きない確率
発
癌
率
閾値がない
化学物質
10-6
低濃度直線性
実質的安全量
用量
DNA 障害性物質の安全性基準
パート3
● 食生活における不安をなくし、安全
性についての自信を取り戻すためには、
農場から食卓までの関係者すべての努
力が必要とされている。
● 衛生対策の強化には、モノも労働も必
要です。その経費を公正に負担する社会
システムを皆で考え、作り上げよう。
個人レベルの
不安
安全
安心
健康障害の
発生頻度
自信
品質・安全性
保証システム
信頼性
安全
健康障害の
発生頻度
安全性への信頼性と自信を回復するために
リスクが減るのは2箇所だけ
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
の
モ
デ
ル
薬食動病
剤中物気
耐毒薬
性菌残
菌 留
農
査に に と
基よ畜
づる検
く法査
検律員
的温 間増 る 輸
基度 も殖 に 送
準管 長に つ 距
も理 く必 れ 離
な等 な要 、
細が
いの るな 菌 延
。法 。時 び
場
食肉センター
流 通 過 程
素 飼 畜 動
畜 料 舎 物
薬
・
飲 環
水 境
食 解 カ 出
肉 体 ッ 荷
ト
検
査
輸 市 問 小
送 場 屋 売
店
ばを し を調
、室 か 殺理
菌温 し 滅時
はで 、 すの
増の 食 る加
殖放 材 。熱
す置 や は
るす 料 細
。れ 理 菌
消費過程
調 保 喫
理 存 食
食肉の安全性に関わる社会システム(1)
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
の
モ
デ
ル
農場における
適正な衛生管理
Pathogen
Reduction / HACCP
病原体低減/HACCP
解体処理工程など
食肉センターの
衛生管理
GAP
QAP
?
HACCP
流通過程が
変わらなければ
農
消費者は
?
リスクは
残る!
場
食肉センター
流 通 過 程
消費過程
素 飼 畜 動
畜 料 舎 物
薬
・
飲 環
水 境
食 解 カ 出
肉 体 ッ 荷
ト
検
査
輸 市 問 小
送 場 屋 売
店
調 保 喫
理 存 食
食肉の安全性に関わる社会システム(2)
Sanitary
Food Transportation
Act
食品輸送衛生法
(米国、1990)
GHP: Good Handling Practice
流通業における適正取り扱い規範
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
の
モ
デ
ル
GAP
QAP
流通過程の
衛生基準
?
消費者
教育
?
HACCP
農
場
食肉センター
流 通 過 程
消費過程
素 飼 畜 動 食 解 カ 出
輸 市 問 小
調 保 喫
「農場から食卓まで」の、全ての段階で安全性確保対策を実
畜 料 舎 物 肉 体 ッ 荷
送 場 屋 売
理 存 食
ト
環
薬
検
店
・
飲
施することによって、初めてリスクが小さくなる。
査
水 境
食肉の安全性に関わる社会システム(3)
A: 細菌、ウイルス、寄生虫、害虫などの 生物学的危害因子
B: 重金属やカビ毒などの 加熱によっても失活しない危害因子
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
の
モ
デ
ル
A
B
加熱調理
衛生検査
生産過程
処理・加工過程
流通過程
消費過程
危害因子の種類による
「農場から食卓まで」を通したリスクの変動
食品による健康障害の現状
リスク・アナリシス
農薬A
食品Ⅱ~X
食品Ⅰ
リスクの低減目標
リスクの低減目標
農薬B~X
リ
ス
ク
レ
ベ
ル
第三者による監視(モニタリング)
現状
改善後
生産段階
処理段階
危害分析
CCP設定
モニタリング
記録
検証
危害分析
CCP設定
モニタリング
記録
検証
加工段階
流通段階
消費段階
費用の発生
リスク・アナリシスとHACCPとの関連性(残留農薬)
食品による健康障害の現状
リスク・アナリシス
危害因子A
危害因子B~X
リ
ス
ク
レ
ベ
ル
食品Ⅱ~X
食品Ⅰ
リスクの低減目標
リスクの低減目標
第三者による監視(モニタリング)
現状
改善後
生産段階
処理段階
加工段階
流通段階
消費段階
危害分析
CCP設定
モニタリング
記録
検証
危害分析
CCP設定
モニタリング
記録
検証
危害分析
CCP設定
モニタリング
記録
検証
危害分析
CCP設定
モニタリング
記録
検証
危害分析
CCP設定
モニタリング
記録
検証
リスク・アナリシスとHACCPとの関連性(細菌)
健康弱者
(ハイリスク集団)
自主衛生管理
免疫低下者(HIV、糖尿病、
癌、重度の疾患など)
子供、老人、妊婦、病弱者
に対する特別措置
高度の安全性 = 付加価値
第三者認証
HACCP
(食肉処理場・食品工場)
HACCP
(食肉処理場・食品工場)
一般健康成人
衛生教育
農場でのQAP
一般的衛生管理
法律による規制
一般的衛生管理
食品衛生法
一般衛生基準
(PP;Prerequisite Program)
適性製造規範
(GMP;Good Manufacturing Practice)
衛生標準作業手順
(SSOP;Sanitation Standard Operation Procedure)
衛生基準
営業許可
営業停止
食品の安全性に関わる社会システム:食品工場
低
衛生教育に掛かる費用
個人衛生
自主衛生管理
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
法的規制
高
商品価格
HACCP等
の費用
衛生検査と監視に使われる税金
ハイリスク集団
一般健康成人
リスク管理と経費負担のモデル
低
個人衛生
自主衛生管理
法的規制
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
法的規制
高
衛生教育に掛かる費用
法的規制の水準を上げると、その分、
衛生対策費と監視業務の経費を税金で
賄わねばならない。赤字国債が問題と
なっている現状で、実行できますか?
商品価格
HACCP等
の費用
国民経済として
無駄な経費
衛生検査と監視に使われる税金
ハイリスク集団
一般健康成人
リスク管理と経費負担のモデル
適性農業基準とは
(GAP;Good Agricultural Practice)
HACCP手法に基づく一般的衛生管理の認証基準例
チェックリスト
評価点
非参加農場
50点未満
50点以上
60点以上
70点以上
80点以上
90点以上
認証マーク
無印 安 自 安
全分心
★
性に価
を見格
☆
購合で
☆☆ 入 っ
でた
☆☆☆ き
る
☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
衛生管理
コスト
市場価格
市場価格
10%上乗せ
20%上乗せ
30%上乗せ
40%上乗せ
50%上乗せ
農畜水産物の安全性向上のための社会システム
○○地域における
適性農業基準(GAP)
●●地域における
適性農業基準(GAP)
HACCP手法に基づく一般的衛生管理の認証基準
○○県食品安全推進会議
●●県食品安全推進会議
全国的に統一された 適性農業基準(GAP)
生産者、消費者、流通業者ならびに専門家が参加する
全国食品安全推進会議
品質保証計画(QAP)
第三者としての民間の認定機関・試験機関
「肉牛編」
日本中央競馬会
特別振興資金助成事業
「乳牛編」
平成16年度 獣医師生涯研修事業
HACCP手法研修用教材
「採卵鶏編」
「基礎編」
「養豚編」
「ブロイラー編」
企画・出版
社団法人
日本獣医師会
「巧言は徳を乱る。小、忍ばざれば、即ち大謀を乱る」 論語
「上手すぎる弁舌は、徳性に害がある。小さいことは多めに見ておか
ないと、大きい計画に害がある」 貝塚茂樹訳註、中公文庫
「不安を増幅して金儲けする『タカリ屋評論家』は、 『オレオ
レ詐欺』より影響が大きい分、悪質である」 岡本嘉六評
70万頭以上のBSE感染牛を食べたイギリスで、これまでに発生した
新型ヤコブ病患者はわずか146名に過ぎない。免疫学的検査方法が
確立した後にBSEが発生した日本では、イギリスでは見逃されていた
発症前の感染牛がこれまで14頭見つかった。脳や目を食べる習慣が
ない日本で、「全頭検査」を止めたら、新型ヤコブ病が多発すると思い
ますか?
他方、西ナイルウイルスが侵入した米国では年間200名以上が死亡
している。この外にも、新型肺炎(SARS)などの多数の新興感染症が
あります。国民の健康を守るために、税金をどこに振り向けたら良い
のでしょうか?
「人は聖人にあらず、誰か過ちなからん、過ちてよく改む。
善これより大なるはなし」 左伝