進化的手法による 知的最適化とその並列化

Download Report

Transcript 進化的手法による 知的最適化とその並列化

進化的手法による
知的最適化とその並列化
同志社大学 工学部 知識工学科
廣安 知之
最適化(Optimization)



目的関数
制約条件
設計変数
次探索点
Optimizer
Analyzer
制約条件・目的関数
パラメータ最適化
設計変数
連続・離散
静的・動的
設計変数以外の変数の変動の考慮
その他
設計変数
目的関数(設計変数)
寸法最適化など
設計変数
モジュール1(設計変数)
モジュール2(設計変数)
・ ・ ・
モジュールN(設計変数)
評価1(設計変数)
評価2(設計変数)
・ ・ ・
評価N(設計変数)
モジュールの選択
目的関数(評価1,評価値2,・・・,評価N)
コンカレントエンジニアリング
複合領域設計
など
目的関数(選択モジュール)
製品系列設計など
最適化問題の複雑化

設計領域の拡大

増大する局所解
大局的最適解
•設計領域全体の探索
知的な最適化
•少ない計算量
進化的手法による最適化






生物の遺伝と進化 → 冗長性と無駄の削除
多点探索 → 並列処理との親和性
多くの問題に適用可能 → 離散問題など
高い探索能力
高い計算コスト → 多点,繰り返し探索
遺伝的アルゴリズム,遺伝的プログラミング,多点
シミュレーテッドアニーリング
本研究の目的
進化的計算手法による強力な最適化手法の
開発
 並列処理による高コスト問題の解決
 適用問題の拡大と検討

並列計算環境
•PCクラスタの性能検討,管理ツールの構築
•GRID計算環境ミドルウエアの構築
Optimizer
傾斜法
進化的計算手法
遺伝的アルゴリズム
シミュレーテッド・アニーリング
ハイブリッド
単一目的
多目的
連続問題
離散問題
Analyzer
構造シミュレーション
Adventure (東京大学)
Ansys (Ansys Japan社)
エンジンシミュレーション
Hidecs (近畿大学)
Boost (AVL社)
ジョブショップスケジューリング問題
トラベリングセールスマン問題
タンパク質構造シミュレーション
konf90
(岡崎国立共同研究機構・
分子研)
バイオインフォマティクス
2000年6月26日
クリントン-ブレア:ヒトゲノム配列読取終了宣言
バイオインフォマティクス分野の課題
遺伝子の推定
タンパク質の構造,機能推定
細胞のシミュレーション
タンパク質
図の出展:日本製薬工業協会ホームページ
アミノ酸はタンパク質をつくる
アミノ酸がつながると,タンパク質が形成される
アミノ酸配列(タンパク質の一次構造)と
タンパク質の立体構造(三次構造)
アミノ酸配列
立体構造
立体構造と機能
生体内においては,正常でない構造をもつタンパク質は
本来の機能を発揮できないため,病気の原因になっている.
誤った折り畳みによる症例
アルツハイマー病,プリオン病(狂牛病)
(左) 正常なプリオンタンパク
(右) 感染症のあるプリオンタンパク
タンパク質の立体構造と機能が密接に関わっている
立体構造と機能
新薬の開発
タンパク質
新薬候補
タンパク質
新薬候補
第一原理からのシミュレーションによるタン
パク質立体構造予測
最小エネルギー構造に
折りたたまれる
Energy function of protein
Amino acid
sequence
Tertiary
structure
タンパク質立体構造予測
タンパク質立体構造予測のモデル化
設計変数:主鎖と側鎖にある二面角
e.g. 5つのアミノ酸残基を持つMet-enkephalin
C
A
D
Dihedral angle
B
PSA/GAcによるタンパク質立体構造予測
Optimizer
PSA/GAc
遺伝的交叉を用いた並列
シミュレーテッドアニーリング
(Parallel Simulated Annealing using
Genetic Crossover : PSA/GAc)
Protein energy function
ECEPP/2
岡崎国立共同研究機構
遺伝的交叉を用いた並列SA (PSA/GAc)
PSAの解の伝達に遺伝的交叉(Crossover)を用いる手法
d:Crossover interval
d
d
d
d
Crossover
SA
End
SA
Crossover
Crossover
SA
SA
High
Temperature
Low
立体構造予測の対象としたタンパク質
5つのアミノ酸からなるMet-enkephalin
最小エネルギー値が既知
34個のアミノ酸からなる
ヒト副甲状腺ホルモンのフラグメント PTH(1-34)
最小エネルギー値が未知
Met-enkephalinの立体構造予測
最小エネルギー値が既知のタンパク質
5つのアミノ酸からなるMet-enkephalin
設計変数
19個の二面角
1MCsweepごとに
19回の生成処理,受理判定
最小エネルギー構造
E < -11 kcal/mol
Met-enkephalin
Met-enkephalinの立体構造予測
立体構造予測の成功率
Proposed system
SSA
0.90
0.50
96,158 × 19
100,000 × 19
(PSA/GAc)
Success rate
Number of
evaluations
Lowest-energy
conformation of
Met-enkephalin
gained by
proposed system
PTH(1-34)の立体構造予測
最小エネルギー値が未知のタンパク質
34個のアミノ酸からなる
ヒト副甲状腺ホルモンのフラグメント PTH(1-34)
設計変数
178個の二面角
1MCsweepごとに178回の生成処理,受理判定
NMR実験と逐次SA探索によって2個のα-helixが確認
PTH(1-34)の立体構造予測
立体構造予測の結果
Proposed system
(PSA/GAc)
SSA
Lowest-energy
-240.0kcal/mol
-210.0kcal/mol
Number of
evaluations
199,955 × 178
200,000 × 178
Lowest-energy
conformation of
PTH(1-34) gained by
proposed system
2000年度成果

投稿論文

領域分割型多目的遺伝的アルゴリズム(情報処理学会)
国際会議
 講演
 学内論文
 その他

7件
14件
4件
3件
2001年度成果

投稿論文
遺伝的交叉を用いた並列シミュレーテッドアニーリングの検討(情報処理学
会,掲載決定)
 PCクラスタシステムにおける並列遺伝的アルゴリズムのモデルの検討(日本
機械学会,掲載決定)





国際会議
講演
学内論文
その他
4件
20件
4件
3件