半正定値計画法による 構造最適化問題

Download Report

Transcript 半正定値計画法による 構造最適化問題

半正定値計画問題(SDP)の
工学的応用について
SDPの応用分野及び研究
•
•
•
•
•
確率的交通計画(MIT)
旅客機の機体設計(米, ボーイング社)
建築物構造最適化(京大)
データマイニング(京大, IBM 基礎研他)
その他(制御分野、量子物理化学など)
半正定値計画法を用いた
1次固有振動数制約での最適設計
• 制約:トラスの全ての固有振動数が指定値以上。
• 目的:全部材体積を最小化する。
• 設計変数:部材断面積を求める。
固有値制約下でのトラスの最小重量設計
• 地盤(地震動)との共振を避ける。
• 風荷重による振動を避ける。
• 動的な剛性の指標
固有値制約での最適設計の実験例
対称な構造物では対称な解が得られる
m  174 , n  106  174
固有値制約での最適設計の実験例
トポロジー最適化の手法
固有値制約下でのトラスの最小重量設計
m
min
 A iL i
i 1
s.t. X 
m
 A iF i  F 0
第 i 部材
A i (K i   M i) 
非構造質量
M 0  F0
Ai Fi
i 1
A i  0, X  O
A i :第i 部材の断面積
L i :第i 部材の長さ
K i :第i 部材の剛性行列
M i :第i 部材の質量行列
Li
固有値制約での最適設計の実験例
2層平板トラス
m  128 , n  111  128
線形座屈係数制約での最適設計の実験例
円筒形トラス
m  792 , n  645  792
線形座屈係数制約での最適設計の実験例
円筒形トラス
m  792 , n  645  792
問題の難しさ
• 最適解において、最小の固有値がしばしば重複
することが知られている。
• 従来の方法では、設計変数に対する固有値の感
度係数を求める必要がある。
• 最小固有値が重複する場合には感度係数が不
連続になるため、特に重複度が大きい場合は、
従来の方法では解くことは極めて難しい。
SDP を用いる利点
• 固有値が重複する場合でも容易に解くことができ
る。
• 従来の方法より、解法の取り扱いが簡単。
• 計算時間が短く、より大規模な問題を扱うことが
可能。
• SDP の等式標準形で書ける条件であれば,制約
条件の付加が容易である。
問題の特殊構造
• 疎な問題に属する。
• 不等式制約条件(部材の断面積の下限)を持つ。
• SDPA の数値実験の題材としても適している。
結論
• 指定1次固有値を有するトラスの最適設計問題
をSDP の形に定式化し、SDPA を用いて解いた。
• 最適解で1次固有値が重複する場合も問題なく
解くことができるので、大規模な問題も解くことが
可能である。
• 構造物が対称な場合には、対称解に収束する。
• 最適性必要十分条件の導出と、既往の必要条
件との比較。
今後の課題
• 骨組構造の1次固有値制約下での最適化への
拡張。
• 座屈荷重係数を指定したトラスの最適設計への
応用。
• 実用的な最適トポロジーを求める際の、組み合
わせ的手法の考慮。
1次固有値制約下での骨組の最小重量設計
m
min
 AmiL i
mini 1  A i L i
m
i 1
第 i 部材
非構造質量
2
Ai Gi  A i ( K i   M i ) 
M 0  F0
2
Ai Gi  A i F i
s.t. X m  2A i F i mF 0
s.t. X  i A1 i G i   A i F i  F 0
i 1
i 1
A i  0, X  O
A i  0, X  O
A i :第i 部材の断面積
Li
L i :第i 部材の長さ
K i :第i 部材の剛性行列(伸び
)
M i :第i 部材の質量行列
Gi:第
i部材の剛性行列(曲げ
)