Transcript 発表スライド
オノマトペを表現する身体動作を入力とした インタラクティブ絵本 21世紀プログラム課程 宮崎 絢 指導教員 富松 潔 教授 (芸術工学部 芸術情報設計学科) 研究概要 ・ オノマトペを表現する身体動作を入力とし、その絵を描 くシステムの開発 ・ システムを利用した絵本のプロトタイプ制作及び評価 くるくる 研究のモチベーション 2つのモチベーション ・ 遊びとしての新規性 古くからある遊びをコンピュータ技術で融合 遊びに新しい楽しみを付加する ・ 表現としての新規性 オノマトペを表現する身体動作からインタラ クティブに絵を生成する オノマトペの特徴 音象徴語であり非言語的な要素を含んでいる • 外国人がイメージを共有しづらい • 子どもの興味・関心を引きやすい • 非言語コミュニケーションの手段となる ユーザーシナリオ くるくる = くるくる 調査 オノマトペを表現する動作・イメージに関する調査 対象:【調査1,2】大学生男女 10名 【調査3】4歳~10歳の子ども 8名 調査方法:質問紙及びビデオ撮影 調査結果 • 形状の特性 – 丸いか、角ばっているか • 類似するオノマトペの関係 – くるくるとぐるぐる、ころころとごろごろ • 動作との関係 – 上昇と下降、回転や静止、速度の変化 体系化 形状・大きさ・速度・回転・点滅・移動方向 くるくる ぶくぶく ゆらゆら ぐるぐる ぽろぽろ ひらひら かくかく システム全体図 Webカメラ 赤外線LED光源 入力部 Flashを利用した手位置のセンシング 指定色ピクセルを白色に塗りつぶし、 面積の重心座標を求める 出力部 二次元平面状のマウスカーソルの動きに応じて オノマトペを表現する絵を表示 評価 オノマトペに対するイメージとの一致性評価 • オノマトペを表現する身体動作または絵に ついてはおおむね適切である • 身体動作と絵の表示は自然に対応付けら れていない →センシングの改善が必要 まとめ 表現としての新規性 • オノマトペの音と属性には関連性が見られる • オノマトペは形状や大きさなどの属性を持ち、 それらはプリミティブな図形で表現しても意味 を損なわずイメージを共有できる まとめ 遊びとしての新規性 • オノマトペを身体動作で表現しようとする行為 には面白さがある • 子どもと大人など複数人で行うことによるコミ ュニケーションの効果 参考文献 [1] 井口尚行 他,シリーズ「子どもの遊び」,明治図書出版,1969, [2] 辻井正,坂本竜生, メアリー・D.シェリダン 他,図説「子どもの発達と障害」,同朋舎出版, 1983.12〜1984.8 [3] 筧寿雄,田守育啓オノマトピア:擬音・擬態語の楽園,勁草書房,1993 [4] 富川和代,絵で学ぶ擬音語・擬態語カード,スリーエーネットワーク,1997 [5] 小野正弘,日本語オノマトペ辞典,小学館,2007 [6] 前川峻志,田中 孝太郎,Built with Processing デザイン/アートのためのプログラミング入 門,2007 [7] 白井暁彦,長谷川晶一,小池康晴,佐藤誠,タンジブルプレイルーム:「ペンギンホッケー」, 日本バーチャルリアリティ学会論文誌Vol.7, No.4, 2002 [8] 馬場哲晃,牛尼剛聡,富松潔,人体接触検知を利用したコンピュータゲーム, インタラクショ ン2007論文集, 情報処理学会,pp45-46,2007 [9] 上園幸郎,ダウン症児のコミュニケーションにおけるオノマトペの機能,琉球大学教育学部 紀要 第44集 Ⅱ,1994 [10] Onomatopoeia(擬音語・擬態語)に関する音韻分析,丹野眞智俊,1981 [11] 財団法人イメージ科学研究所,ゲームソフトが人間に与える影響に関する調査報告書, 2003