製作 2680地区 PDG 田中 毅

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原理と実践
2008
製作
2680地区 PDG 田中 毅
最もよく奉仕する者、最も多く報いられる
職業奉仕は
アーサー・フレデリック・シェルドン
が提唱したロータリー固有の
奉仕理念である
シェルドンの奉仕理念と異なる考え方
は職業奉仕理念とは言えない
シェルドンの奉仕理念を知ることが
職業奉仕を理解することにつながる
• シェルドンの一次資料に接することが
必要で、多次資料や伝聞によって職
業奉仕を語ってはならない
• 仏教や儒教と職業奉仕とは無関係
• キリスト教から職業奉仕を語ることの
危険性
• カルビニズム、プロテスタンティズム、
マックス・ウエーバーの天職論とロー
タリーの職業奉仕は無関係
シェルドンによる奉仕理念の提唱
• 1910年 シカゴ大会
• 1911年 ポートランド大会
私の宣言
• 1913年 バッファロー大会
事業を成功させる哲学と職業倫理
• 1921年 エジンバラ大会 ロータリー哲学
• The Rotarian に掲載された数回の小論文
He profits most who serves best の解説
アーサー フレデリック シェルドン
• 1868年 ミシガン州
バーノンで生まれる
• ミシガン大学経営学
部修士課程で販売学
専攻
• 図書販売のセールス
マネージャー
• 1899年 出版社経営
• 1902年 ビジネス
スクール開校
サービス理念を中
核にした販売学を
教える
• 1908年 シカゴ・ク
ラブ入会 情報拡
大委員長
• 1910年 全米ロー
タリークラブ連合会
事業検討委員長
• 人間の本能をむきだしにした弱肉強食
の自由競争を否定
• 事業を営むことは、経営学という学問を
実践すること
• 事業の発展は、末長く利益をもたらす顧
客を確保すること・・・販売学
• 原因結果論・・大きな火には大きな熱
大きな奉仕には大きな報酬
• 利他の心を持って、他人の成功を願うこ
とが、自らが成功する秘訣である
• 職業奉仕とは科学的な企業経営方法
• 職業奉仕は実利的なものであり、宗教的
倫理的な運動ではない
• 合理的な企業経営をすれば最高の利益
が得られる
He profits most who serves best
• 職業奉仕の受益者はロータリアンである
• 結果として職業倫理の高揚につながるが
職業倫理高揚が目的ではない
職業人の目標
自らの事業を継続的に発展させること
自らの事業を継続的に発展させるための
学問的な企業経営の理念と実践方法
職業奉仕
なぜ職業に就いているのか
• 95%
儲けるため
• 5%
職業を通じて地域社会に奉仕するため
儲けの優先・・事業に失敗する最大の原因
専門職務の職業奉仕理念
対価に捉われず、自己が保持する最高
の技術を地域社会の人に提供すること
実業人の職業奉仕理念
自らの利益を優先せずに、自分の職業を
通じて地域社会の人に奉仕すること
その見返りとして最高の利益が得られる
産業別人口割合の激変
• 第一次産業 農業・漁業・林業
4.8 %
• 第二次産業 鉱業・製造業・建設業 26.1 %
• 第三次産業 上記以外の産業
69.1 %
新しい分野の職業の出現
サービス・情報通信・金融
職業に対する考え方の変化
• 従来の職業感
• 額に汗して働く・勤勉
• 永年雇用・年功序列・会社への忠誠
• 労使の目的意識の変化
• 雇用体系の変化
• 職業に関する目的の変化
ロータリアン企業の不祥事
実業と虚業
実業
• アーサー・シェルドンによる職業の定義
• 職業を通じて社会に奉仕するために働く
• 社会に奉仕するための事業
虚業
• 自分が儲けるための事業
虚業による不祥事
•
•
•
•
エンロン・・不正経理・粉飾決算
ライブドア・・不正経理
村上ファンド・・インサイダー取引
スチール・パートナーズ
会社・従業員・顧客の利益のためのM&A 実業
会社乗っ取りのためのM&A
虚業
経営方法の誤りによる不祥事
• 感染隠蔽
鳥インフルエンザ
• 原材料・産地偽装
ミートホープ・船場吉兆
• 賞味期限改変
雪印・白い恋人・フジヤ・赤福餅
ダイエー・中内功氏の評価
なぜ経営破綻に陥ったか
会社は誰のものか
アメリカ的思考
• 株主のもの・・経営者は株主の代理人とし
て株主の利益を最大化するために働く
• 会社の存在理由は利益の最大化
日本的思考
• 社員や顧客のもの・・会社は事業を通じて
社会に貢献するため。株主は資金の提供
者。社員と顧客が満足度を持てば、結果
的に利益があがり株主が儲かる
会社は誰のものか
最近の考え方
• 現代社会において、経営者や従業員の暴
走を止める力を持っているのは株主では
なく、顧客や取引先
Yahoo リサーチ・モニターの調査
• 株主のもの
31.6 %
• 従業員のもの
25.2 %
• 経営者のもの
15.6 %
• 地域社会のもの
15.3 %
Jリーグの所有者は誰か
•
•
•
•
•
•
株主の企業・スポンサーの自治体
人気を牽引する選手・監督・役員
サポーター・地元社会
メディア・スポーツ用品メーカー
対戦相手
観客
全ての関係者が支えあっている社会
ロータリーが考える職業感
職業は社会に奉仕するために存在する
健全な事業を営むには
•
•
•
•
•
従業員
取引業者・下請業者
顧客
同業者
地域社会・行政
すべての協力が必要
Fellows
事業における人間関係学
• 自分が事業上得た利益は、自分ひとりのもので
はない。
• 自らの事業は、従業員、取引業者、顧客、同業者
によって支えられている。
• これらの人々と、利益を適正に配分すれば、自ら
の事業は継続し発展することを、自らの事業所で
実証する。
• 自らそれを実証することによって、業界全体の職
業倫理を向上させる。
He profits most who serves best
企業の社会的責任
社会性を果たす
• 顧客の求める商品やサービスを、適正価
格で、適時に提供する
公共性を果たす
• 環境保護、独占禁止法違反、粉飾決算、
詐欺商法等の反社会行為や公共の福祉
に反する商行為をしない
公益性を果たす
• 国家や社会への貢献
アメリカの賞賛される企業
フォーチュン誌 2007年
1 GE
• 革新性
2 スターバックス
• 人的管理
3 トヨタ
• 資産活用
4 バークシャー・ハサ
• 社会的責任
ウエイ
• 経営の質
5 サウスウエスト航空
• 財政の健全さ
6 フェデックス
• 製品・サービスの品質
7 アップル
• 長期投資
8 グーグル
顧客に満足度を与える具体的経営方法
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•
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•
高い品質 安全性・賞味期限
適正な価格 需要供給のバランス
経営者・従業員の接客態度
豊富な品揃え
公正な広告 虚偽・誇大広告
高い商品知識 高度な専門知識
アフター・サービス PL法
リピーター新規顧客の獲得
結果として高い職業倫理に繋がる
職業奉仕実践のまとめ
顧客の満足度を最優先して、自ら
の職業を通じて他人に奉仕する
リピーターと新規顧客の獲得
継続的な事業の発展
職業倫理の高揚
職業倫理訓(道徳律)の策定
• 1913年 バッファロー大会
ロバート・ハントによって、事業上適用すべき実
践例の収集がおこなわれる。
• 1914年 ヒューストン大会
パーキンスによってその成果が発表される。
• 1915年 サンフランシスコ大会
「職業人のためのロータリー道徳律」として、正
式承認される。
• 1916年 「A Talking knowledge of Rotary」に収
録、配布される。
職業倫理訓の具体的内容
1.自らの職業に誇りを持ち、職業を通じて社会
に奉仕すること
2.自己改善によって実力を培い、He profits
most who serves bestの成果を実証すること
3.経営者が自分の事業の成功を夢見るのは当
然のことである。しかし、最高の正義と道徳に
基づかない成功は望んではならないこと
4.商行為による対価の授受は、関係者全員に
利益をもたらさなければならないこと
5.自らの職業の倫理基準を高め、そのことが最
高の利益をもたらすものであることを、同業
者に実証すること
6.自分が扱った商品には、最後まで責任を負う
こと
7.ロータリアンの最も大きい財産は友人であり、
友情を通じて得られたものに大きな価値があ
ることを理解すること。
8.利益のために友人の信頼関係を利用しては
ならない
9.道徳的に疑義のあるような条件や機会を利
用した取引をしてはならない
10. ロータリアンだからという理由で、特別な配
慮を払ったり、期待してはならない。
11. 「すべて人にせられんと思うことは、他人に
もその通りにせよ」という黄金律の普遍性を信
じ、地球上の資源をシェアしなければならない
• 職業に対する不断の努力が正しく賞賛さ
れるように心がけ、自己の職業の尊さを確
信すること
• 事業を成功させて、適正な報酬や利益は
受けるべきであるが、自己の立場を不当
に利用したり、人に疑われる行いをして自
尊心を傷つけてまでも利益や成功を求め
ないこと
• 事業を遂行するにあたっては、他人の事
業を妨害しないように心がけ、顧客や取引
先に誠実であり、自己にも忠実であること
• 世人に対する自己の立場や行いに疑い
が生じたときは、世人の立場に立って解
決にあたること
• 真の友情は損得の上に築かれるもので
なく、心と心の触れ合いによるものであ
ることを自覚し、手段としてではなく目的
として友情をもつこと
• 国家および地域社会に対する公民の義
務を忘れず、かわらぬ忠誠を言動にあら
わし、すすんで時間と労力と資力をささ
げること
• 不幸な人には同情を、弱い人には助力
を、貧しい人には私財を惜しまないこと
• 批評は謙虚に、賞賛は惜しみなく、建設
を旨として破壊をさけること
ライオンズ道徳綱領
四つのテスト
ハーバート・テーラー
1954年 RI会長
1932年、倒産寸前のク
ラブ・アルミニューム社
再建のために考え、実
践したスローガン
1954年、その版権をRI
に寄贈
Four way test
1. Is it the truth ?
2. Is it fair to all concerned ?
3. Will it build goodwill and better friendships ?
4. Will it be beneficial to all concerned ?
1.真実かどうか?
事実かどうか ?
2.みんなに公平か?
すべての取引先に対して公正かどうか ?
3.好意と友情を深めるか?
信用を高め取引先をふやすかどうか ?
4.みんなのためになるかどうか?
すべての取引先に利益をもたらすかどうか ?
職業奉仕理念の変化
クラブが行う職業奉仕の実践
• 職場訪問
• 優良従業員表彰
• ボランティア活動
第二モットーの受難
• He profits most who serves best の使用停止
• They profit most who serve best への変更
• He / She profits most who serves best の無視
定款上の四大奉仕
• 奉仕の第二部門である職業奉仕は、
事業および専門職務の道徳的水準を
高め、品位ある業務はすべて尊重さ
れるべきであるという認識を深め、あ
らゆる職業に携わる中で奉仕の理想
を生かしていくという目的を持つもの
である。会員の役割には、ロータリー
の理念に従って自分自身を律し、事
業を行うことが含まれる
決議23-34 手続要覧から削除
• 決議23-34を手続要覧、ロータリー章典
の本文より削除
• 歴史的に重要な文書は添付文書とし
て別途収録する
• 決議23-34の多くの部分が、現在の社
会奉仕の原則と合致しない
ロータリーの奉仕理念の危機
職業奉仕の
事例研究
事業所における実践
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虚偽表示・隠蔽
適正な利潤分配
公平な従業員対策・技能評価
内部告発への対処
株式不正取引 会社乗っ取り・M&A
新しいサービス・商品の開発
業界における実践
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不公正競争の是正 贈収賄、談合
公取法違反
自由競争 下請対策、看板方式
代金決済 手形
同業者との協力
業界全体の繁栄
同業者の不祥事はロータリアンの責任
クラブにおける実践
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職業奉仕理念の学習
職業奉仕事例研究
職業情報交換
ロータリアンの不祥事はクラブの責任
地域社会における実践
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事業紹介ビューロー
マンパワー紹介ビューロー
職業情報の交換と提供
グローバル・ネットワークの活用
不良サイト監視
禁制品監視
ロータリー運動とは受益者のニーズに
適応した奉仕活動を実践すること
奉仕活動を実践せずに
徒に理念のみをもてあそぶ人に
ロータリアンの資格はない
ロータリーの哲学は実践哲学
原理と実践
2008
製作
2680地区 PDG 田中 毅