製作 2680地区 PDG 田中 毅

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2580

地区 職業奉仕セミナー

アーサー

F.

シェルドン

製作

2680

地区

PDG

田中 毅

最もよく奉仕する者、最も多く報いられる

職業奉仕は アーサー・フレデリック・シェルドン が提唱したロータリー固有の 奉仕理念である シェルドンの奉仕理念と異なる考え方 は職業奉仕理念とは言えない シェルドンの奉仕理念を知ることが 職業奉仕を理解することにつながる

• シェルドンの一次資料に接することが 必要で、多次資料や伝聞によって職 業奉仕を語ってはならない • 仏教や儒教と職業奉仕とは無関係 • キリスト教から職業奉仕を語ることの 危険性 • カルビニズム、プロテスタンティズム、 マックス・ウエーバーの天職論とロー タリーの職業奉仕は無関係

シェルドンによる奉仕理念の提唱

• 1910 年 シカゴ大会 • 1911 年 ポートランド大会 私の宣言 • 1913 年 バッファロー大会 事業を成功させる哲学と職業倫理 • 1921 年 エジンバラ大会 ロータリー哲学 • The Rotarian に掲載された 2 回の小論文 The symbolism of service The philosophy of service 1918 年 9 月号 1921 年 2 月号 He profits most who serves best の解説

アーサー フレデリック シェルドン

• 1868 年 ミシガン州 バーノンで生まれる • ミシガン大学経営学 部修士課程で販売学 専攻 • 図書販売 • 1899 年 出版社経営 • 1902 年 ビジネス スクール開校

1906 年、この学校の広 告を偶然に見た私は、 入学金 10 ドル、授業料 月額 5 ドルを払って 684 番目の学生として入学 した。 そして 6 ケ月の 間に 40 冊の教科書を 受け取った 道徳律起草委員 ジョン・ナトソン

シェルドンのひととなり

• • • • • • • 経営学者 販売学の体系化 哲学者 宗教嫌い 文学者 詩人 教育者 音楽家 宇宙の摂理・自然の法則 GOD 韻文 という言葉の拒否 文章の論理性と美しさ 教育論・学校経営 チェロ奏者・夫人はピアニスト 家族でファミリー・オーケスト ラ

シェルドン入会の経緯

当時のシカゴ・クラブは 親睦互恵派のハリー・ラ グルスと奉仕・拡大派の ポール・ハリスがことごと く対立していた。 ハリー・ラグルス

ハリー・ラグルス ハリー・ラグルスは自派 の勢力を伸ばすために、 アーサー・シェルドンと チェスレー・ペリーをシカ ゴ・クラブに入会させた。 しかし二人は、ラグルス と袂を分かち、ポールの 両腕となって活躍した。

当時の時代背景

成功を夢見た人たちが集まった、無法と腐敗の街

職業奉仕とは 継続的に 利益をあげる ための 科学的な 企業経営方法 無秩序な自由競争 同業者はライバル 法さえ犯さなければ 金を儲けた者が成 功者 だますより、だまさ れる方が悪い 誇大広告・虚偽広 告の横行

1910 年シカゴ大会

1910 年 8 月 17 日 第 1 回全米ロータリークラブ連合会年次大会 He profits most who serves his fellows best を提唱

1910 年 シカゴ大会のスピーチ • 19 世紀の実業界は、人間の本能をむき だしにした弱肉強食の競争主義 • 20 世紀の実業人を成功に導く方法は、 利益を他人とシェアするサービス学を遵 守すること • 正しい経営学とは他人に利益をもたらす こと • 販売学と は他人に対して奉仕する学問

Service の既成概念

• • • • 神に対する Service 国に対する Service 主人に対する Service 事業上の Service ・・・新しい概念 ロータリーの哲学としての一般奉仕概念 職業奉仕理念

1911 年ポートランド大会

He profits most who serves best を提唱

1911 年ポートランド大会

1911 年 8 月 23 日 第 2 回全米ロータリークラ ブ連合会年次大会 ポートランド大会 3 日目 Arthur F. Sheldon チェスレー・ペリーが演 説原稿を代読 ロータリー宣言の結語と して採択 大会議事録に全文掲載

1911 年 ポートランド大会のスピーチ 私の宣言 • 事業を営むことは、経営学という学問 を実践すること • 事業の発展は、末長く利益をもたらす 顧客を確保すること・・・販売学 • 人生の成功は、自然の法則を調和さ せることで得られる • 利他の心を持って、他人の成功を願う ことが、自らが成功する秘訣である

1913 年 バッファロー大会のスピーチ 事業を成功させる哲学と職業倫理 • 大きな Service を行えば、大きな profits が得られる 原因結果論 • • • Service を行った人が現世において受 け取る見返りが profits である 黄金律を実業界に適用した言葉が He profits most who serves best である 奉仕の三角形の原型はインド哲学で ある

1921 年エジンバラ大会

1921 年 6 月 14 日 エジンバラ国際 大会において ロータリー哲学 と称する演説を 行う

1921 年 エジンバラ大会のスピーチ ロータリー哲学 • 奉仕は継続的な利益を得るための人 間関係の基本的法則 • 職業奉仕はリピーターを得るための 科学的かつ道徳的な経営方法 • 職業は利益を得るための手段ではな く、社会に奉仕するために存在する • 実業家の倫理基準を、専門職種の倫 理基準に引き上げる

幸福の三角形

L H C M • L: Love & Respect 同僚からの愛・尊敬 • C: Conscience 良心・自尊心 • M: Money 物質的な富 • H: Happiness 幸福・満足 職業奉仕の実践 profit • • 物質的な富 物質的な富によって得 られる精神的な価値 同僚からの愛・尊敬 良心・自尊心 清貧

奉仕と能力の三角形

Q1 Q2 I S S V M • Q1: Right Quality 正しい質 • Q2: Right Quantity 正しい量 • M: Mode of Conduct 正しい様態 • S: Satisfactory Service 満足感のある奉仕 P • I: Intellectual Power 知的能力 • S: Spiritual Power 精神的能力 • P: Physical Power 肉体的能力 • V: Volitional Power 意思の力

創造主の三角形

O O P O • O: Omniscience 全知 • O: Omnipotence 全能 • O: Omnipresence 普遍的存在 • P: Provider 創造主・提供者 シェルドンの文献に は神という言葉が使 われていない ロータリーの職業奉 仕を天職論で説明す ることは誤り イギリスにおけるシェ ルドンへの反発

なぜ職業に就いているのか

• • 95 % 儲けるため 5 % 職業を通じて地域社会に奉仕するため 儲けの優先・・事業に失敗する最大の原因

実業と虚業

実業 • • • アーサー・シェルドンによる職業の定義 職業を通じて社会に奉仕するために働く 社会に奉仕するための事業 虚業 • 自分が儲けるための事業

• 職業奉仕とは科学的な企業経営方法 • 職業奉仕は実利的なものであり、宗教的 倫理的な運動ではない • 合理的な企業経営をすれば最高の利益 が得られる • • He profits most who serves best 職業奉仕の受益者はロータリアンである 結果として職業倫理の高揚につながるが 職業倫理高揚が目的ではない

職業人の目標

自らの事業を継続的に発展させること 自らの事業を継続的に発展させるための 学問的な企業経営の理念と実践方法

職業奉仕

専門職務の職業奉仕理念

対価に捉われず、自己が保持する最高 の技術を地域社会の人に提供すること

実業人の職業奉仕理念

自らの利益を優先せずに、自分の職業を 通じて地域社会の人に奉仕すること その見返りとして最高の利益が得られる

顧客に満足度を与える具体的経営方法 • • • • • • • 高い品質 適正な価格 公正な広告 安全性・賞味期限 経営者・従業員の接客態度 豊富な品揃え 高い商品知識 需要供給のバランス 虚偽・誇大広告 高度な専門知識 アフター・サービス PL 法 リピーター新規顧客の獲得 結果として高い職業倫理に繋がる

事業における人間関係学

• • • • 自分が事業上得た利益は、自分ひとりのもので はない。 自らの事業は、従業員、取引業者、顧客、同業者 によって支えられている。 これらの人々と、利益を適正に配分すれば、自ら の事業は継続し発展することを、自らの事業所で 実証する。 自らそれを実証することによって、業界全体の職 業倫理を向上させる。 He profits most who serves best

職業奉仕実践のまとめ

顧客の満足度を最優先して、自ら の職業を通じて他人に奉仕する リピーターと新規顧客の獲得 継続的な事業の発展 職業倫理の高揚

職業倫理訓 ( 道徳律 ) の策定

• 1913 年 バッファロー大会 ロバート・ハントによって、事業上適用すべき実 践例の収集がおこなわれる。 • 1914 年 ヒューストン大会 パーキンスによってその成果が発表される。 • 1915 年 サンフランシスコ大会 「職業人のためのロータリー道徳律」 として、正 式承認される。 • 1916 年 「 A Talking knowledge of Rotary 」に収 録、配布される。

職業倫理訓の具体的内容

1.自らの職業に誇りを持ち、職業を通じて社会 に奉仕すること 2.自己改善によって実力を培い、He profits most who serves bestの成果を実証すること 3.経営者が自分の事業の成功を夢見るのは当 然のことである。しかし、最高の正義と道徳に 基づかない成功は望んではならないこと

4.商行為による対価の授受は、関係者全員に 利益をもたらさなければならないこと 5.自らの職業の倫理基準を高め、そのことが最 高の利益をもたらすものであることを、同業 者に実証すること 6.自分が扱った商品には、最後まで責任を負う こと 7.ロータリアンの最も大きい財産は友人であり、 友情を通じて得られたものに大きな価値があ ることを理解すること。

8.利益のために友人の信頼関係を利用しては ならない 9.道徳的に疑義のあるような条件や機会を利 用した取引をしてはならない 10. ロータリアンだからという理由で、特別な配 慮を払ったり、期待してはならない。 11. 「すべて人にせられんと思うことは、他人に もその通りにせよ」という黄金律の普遍性を信 じ、地球上の資源をシェアしなければならない

• • • 職業に対する不断の努力が正しく賞賛さ れるように心がけ、自己の職業の尊さを確 信すること 事業を成功させて、適正な報酬や利益は 受けるべきであるが、自己の立場を不当 に利用したり、人に疑われる行いをして自 尊心を傷つけてまでも利益や成功を求め ないこと 事業を遂行するにあたっては、他人の事 業を妨害しないように心がけ、顧客や取引 先に誠実であり、自己にも忠実であること

• 世人に対する自己の立場や行いに疑い が生じたときは、世人の立場に立って解 決にあたること • 真の友情は損得の上に築かれるもので なく、心と心の触れ合いによるものであ ることを自覚し、手段としてではなく目的 として友情をもつこと • 国家および地域社会に対する公民の義 務を忘れず、かわらぬ忠誠を言動にあら わし、すすんで時間と労力と資力をささ げること

• 不幸な人には同情を、弱い人には助力 を、貧しい人には私財を惜しまないこと • 批評は謙虚に、賞賛は惜しみなく、建設 を旨として破壊をさけること

ライオンズ道徳綱領

シェルドンの逝去

• 1929 年 世界大恐慌 • 1930 年 シェルドン退会 モットー廃止問題 社会奉仕活動へ移行 • • 1935 年 シェルドン逝去 テキサス州ミッション 後にアンナ・グリフィス夫 人の出生地 ニューヨーク 州キングストンに埋葬

職業奉仕理念の衰退

1931年 道徳律の頒布禁止 1948年 RI職業奉仕委員会廃止 1951年 道徳律の廃止 1980年 RI細則より道徳律の文字削除

職業奉仕理念の変化

クラブが行う職業奉仕の実践 • • • 職場訪問 優良従業員表彰 ボランティア活動 第二モットーの受難 • He profits most who serves best の使用停止 • They profit most who serve best への変更 • He / She profits most who serves best の無視

定款上の四大奉仕

• 奉仕の第二部門である職業奉仕は、 事業および専門職務の道徳的水準を 高め、品位ある業務はすべて尊重さ れるべきであるという認識を深め、あ らゆる職業に携わる中で奉仕の理想 を生かしていくという目的を持つもの である。 会員の役割 には、ロータリー の理念に従って自分自身を律し、事 業を行うことが含まれる

決議 23-34 手続要覧から削除

• 決議 23-34 を手続要覧、ロータリー章典 の本文より削除 • 歴史的に重要な文書は添付文書とし て別途収録する • 決議 23-34 の多くの部分が、現在の社 会奉仕の原則と合致しない ロータリーの奉仕理念の危機

奉仕理念の研鑽と奉仕活動の実践 の双方が必要 奉仕活動を実践せずに 徒に理念のみをもてあそぶ人に ロータリアンの資格はない ロータリーの哲学は実践哲学

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