Transcript OHP
LC/MSによる環境汚染物質の分析条件の検討 -マネブ系農薬・界面活性剤の分析- ○ 米久保 淳(日本ウォーターズ)、 花田 喜文 (北九州市環境科学研究所) <目的> 古くから農薬として使用されているエチレンビスジチオカーバメー ト系農薬(マネブ、ジネブ、マンゼブ)は、環境ホルモン物質である と共に、PRTR法の対象物質に列挙されている。これらマネブ類の 環境汚染の状況を把握するため、近年環境分析への適用が提唱 されている液体クロマトグラフ/質量分析計(LC/MS)を用いて、 水質、底質及び大気試料を対象とした分析法を開発する。また、カ チオン性界面活性剤として、繊維柔軟剤や整髪料に含有され、環 境水への流出が懸念されている長鎖アルキル基を有する4級アン モニウム化合物のLC/MS法による分析について、基礎的な条件検 討を行う。 1 N,N’-ethylenebis(dithiocarbamate) fungicides 生産量:ジネブ 395t,マネブ 1,682t,マンゼブ 2,556t (’93,輸入量も全て同程度) 用 途:殺菌剤。マネブはジネブより適用範囲が広く、殺菌性、薬効、 薬害もマネブが強い。マンゼブは、マネブに水溶性亜鉛を反 応させて生成。殺菌性はマネブと同等で薬害が少ない。化学的 には混合物ではなく亜鉛イオン配位マネブと判定されている。 溶解性:ほとんどの有機溶媒に不溶 その他:環境ホルモン(モニタリング不能物質群) PRTR法第1種指定化学物質 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 2 分析法の概要 MW = 240 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 3 分析方法 底質試料 5g 水質試料 200mL 大気試料(Hi-Vol ろ紙) ← L-システィン 1g ← アルカリ性EDTA溶液 100mL 精製 200mL ← L-システィン 1g ← アルカリ性EDTA溶液 100mL 振とう 15分 振とう 15分 ← イオン対試薬* 15mL ← イオン対試薬* 5mL 中 和 ・・ 2M 塩酸 抽 出 ・・ 0.1M CH3I/CHCl3-hexane(3:1) 50mL×2 誘導体化 ・・ 室温,30分静置 濃縮・溶媒転溶 ・・ CH3CN 1mL クリーンアップ LC/MS 分析 *) イオン対試薬 : 0.41M 硫酸水素 テトラブチルアンモニウム水溶液 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 4 Dimethyl Ethylenebis(dithiocarbamate) [EBD-dimethyl]:定量用標準品の合成 エチレンジアミン(NH2CH2CH2NH2) 96%エタノール中 ← CS2, CH3I 攪 拌 ← 水 沈 殿 再結晶(クロロホルム,2回) 融点測定結果:104.5-106℃ 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 5 EBD-dimethylのLC/MS測定条件 LC/MS条件 (HPLC) カ ラ ム : Inertsil ODS-80A, 1.5mm id, 250mm, 5μm 移動相 : CH3CN/水(6:4)→ (10分) →100%CH3CN (20分) 流速 : 0.1 mL/min , 注入量 : 1μL カラム温度: 30℃ (MS) 装 置 : プラットフォーム LCZ(Waters社) モード : ESI,負イオンSIM測定 窒 素: 346 L/hr. 温 度 : 脱溶媒 100℃, イオン源 80℃ 電 圧 : サンプルコーン 10V, キャピラリー 3.0kV, マルチプライアー 660V モニターイオン : m/z 239 (M-H) & 191,241 (M+H) 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 6 EBD-dimethyl標準品の マススペクトル及びマスクロマトグラム (-) (+) (-) (-) 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 7 検 量 線 EBD-dimethylの 検 量 線 ピーク強度 0.5 0 0 0.2 0.4 0.6 濃 度 [ μ g/ml] 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 8 装置検出限界の測定 I D L 測 定 結 果( 注 入 量 : 1 μ L ) No1 No2 No3 No4 No5 [単 位 :ng] NO6 No7 Ave. σ IDL 0.050 0.053 0.075 0.043 0.052 0.053 0.055 0.054 0.010 0.0192 S/N=7.9 代表的なクロマトグラム 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 9 クリーンアップ条件の検討 (Sep-PAK C18からの溶出パターン) [%] 100 CH3CN 20%水/CH3CN 60%水/CH3CN 50 0 Fr1 Fr2 Fr3 Fr4 Fr5 分画:各4mL 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 10 物質毎の回収率 ( 添 加 量 : 4 μ g) 標準品純度 測定結果 回収率 [% ] [μ g] [% ] マネブ 70.5 2.39 93.7 ジネブ 86.3 3.06 102.0 マンゼブ 74.5 2.24 84.8 物質名 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 11 添加回収試験結果 試 料 n 添加後 濃度 精製水 500mL 5 0.2ppb 86.3 26.3 海水 500mL 2 2ppb 109% - 2 4ng/m 93% - 大気 250m 3 3 平均回 標準偏差 収率 [%] 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 12 精製水添加試料の SIMクロマトグラム 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 13 カチオン性界面活性剤 (4級アンモニウム化合物)の分析 I 化合物名 略号 示性式 分子量/検出イオン 1. n - デシルトリメチルアンモニウム ブロミド DTMA [CH3(CH2)9N (CH3)3]+ Br - 279.16 / 200 2. n - ドデシルトリメチルアンモニウム クロリド DDTMA [CH3(CH2)11N (CH3)3]+ Cl - 263.24 / 228 3. セチルトリメチルアンモニウム ブロミド CTMA [CH3(CH2)15N (CH3)3]+ Br - 363.25 / 284 4. テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム クロリド TDDMBA [CH3(CH2)13N (CH3)2 CH2C6H5]+ Cl - 367.30 / 332 5. ステアリルトリメチルアンモニウム クロリド STMA [CH3(CH2)17N (CH3)3]+ Cl - 347.33 / 312 6. セチルジメチルベンジルアンモニウム クロリド CDMBA [CH3(CH2)15N (CH3)2 CH2C6H5]+ Cl - 395.33 / 360 7. ジ- n - ドデシルジメチルアンモニウム ブロミド DDDDMA [[CH3(CH2)11]2N (CH3)2]]+ Br - 461.36 / 382 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 14 4級アンモニウム化合物のLC/MS測定条件 (酢酸アンモニウム系 ) LC/MS条件 (HPLC) カ ラ ム : MSpak GF-310 4D, 4.6 mm id, 150mm, 6μm 移動相 : CH3CN/5mM 酢酸アンモニウム+0.3% ギ酸 (25:75)→ (7分) → 35% CH3CN(18分) 流速 : 0.25 mL/min , 注入量 : 20μL カラム温度: 40℃ (MS) 装 置 : ZQ(Waters社) モード : ESI,正イオン Scan/SIM測定 窒 素: 595 L/hr. 温 度 : 脱溶媒 175 ℃, イオン源 70℃ 電 圧 : サンプルコーン 39 V, キャピラリー 3.1kV, マルチプライアー 650V 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 15 7種 4級アンモニウム化合物 (1uM) のTIC 1 AA_1uM 1: Scan ES+ 6.80;200 100 2 1. DTMA 2. DDTMA 8.12 228 3. CTMA 4 4. TDDMBA 3 5. STMA 12.50 284 6. CDMBA 13.92 332 5 6 14.57 15.91 312 360 7. DDDDMA % 7 17.68 382 0 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 18.00 Time 20.00 16 7種 4級アンモニウム化合物 (0.1nM) のSIM 100 % 64 1. DTMA 100 % 55 2. DDTMA 100 % 62 3. CTMA 100 % 49 6.58 7.90 12.91 14.46 4. TDDMBA 100 % 37 5. STMA 100 % 45 6. CDMBA 100 % 41 7. DDDDMA 2.00 4.00 15.47 17.27 19.47 6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00 18.00 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 20.00 Time 22.00 17 7種 4級アンモニウム化合物分析法の評価 化合物名 検量線直線性* 標準偏差 ** (σ) 再現性 ** (%RSD) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 0.998 0.999 0.999 0.999 0.999 0.999 0.999 2.30 0.76 1.03 0.83 1.11 0.94 1.52 DTMA DDTMA CTMA TDDMBA STMA CDMBA DDDDMA 0.02 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.02 LOD (3σ) 0.03 - 0.06 nM LOQ (10σ) 0.10 - 0.20 nM * ** 0.1nM - 1 uM 1nM x 9回 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 18 カチオン性界面活性剤 (4級アンモニウム化合物)の分析 II 化合物名 略号 示性式 分子量/検出イオン 1. n - デシルトリメチルアンモニウム ブロミド DTMA [CH3(CH2)9N (CH3)3]+ Br - 279.16 / 200 2. n - ドデシルトリメチルアンモニウム クロリド DDTMA [CH3(CH2)11N (CH3)3]+ Cl - 263.24 / 228 3. n - テトラデシルトリメチルアンモニウム TDTMA ブロミド [CH3(CH2)13N (CH3)3]+ Br - 335.22 / 256 4. セチルトリメチルアンモニウム ブロミド CTMA [CH3(CH2)15N (CH3)3]+ Br - 363.25 / 284 5. テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム クロリド TDDMBA [CH3(CH2)13N (CH3)2 CH2C6H5]+ Cl - 367.30 / 332 6. ステアリルトリメチルアンモニウム クロリド STMA [CH3(CH2)17N (CH3)3]+ Cl - 347.33 / 312 7. セチルジメチルベンジルアンモニウム クロリド CDMBA [CH3(CH2)15N (CH3)2 CH2C6H5]+ Cl - 395.33 / 360 8. ジ- n - ドデシルジメチルアンモニウム ブロミド DDDDMA [[CH3(CH2)11]2N (CH3)2]]+ Br - 461.36 / 382 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 19 8種 4級アンモニウム化合物 (1uM) のTIC 1 AA_std_DIW_scan1 1: Scan ES+ 6.69 100 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 2 7.97 3 10.01 4 5 12.61 14.37 6 15.31 DTMA DDTMA TDTMA CTMA TDDMBA STMA CDMBA DDDDMA 7 17.15 % 8 19.29 0 Time 2.50 5.00 7.50 10.00 12.50 15.00 17.50 20.00 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 22.50 20 8種 4級アンモニウム化合物 (1uM) のマススペクトル AA_std_DIW_scan1 338 (6.750) 100 200 1: Scan ES+ AA_std_DIW_scan1 723 (14.450) 4.13e7 100 1. DTMA % % 1: Scan ES+ 4.13e7 332 5. TDDMBA 333 201 240 0 AA_std_DIW_scan1 405 (8.090) 0 1: Scan ES+ AA_std_DIW_scan1 768 (15.350) 4.13e7 100 100 2. DDTMA 228 % % 6. STMA 1: Scan ES+ 4.13e7 312 313 229 0 AA_std_DIW_scan1 504 (10.070) 100 256 0 1: Scan ES+ AA_std_DIW_scan1 858 (17.150) 4.13e7 100 3. TDTMA % % 1: Scan ES+ 4.13e7 360 7. CDMBA 361 257 0 AA_std_DIW_scan1 630 (12.590) 100 284 % 0 1: Scan ES+ AA_std_DIW_scan1 970 (19.390) 4.13e7 100 4. CTMA % 1: Scan ES+ 4.13e7 8. DDDDMA 382 383 285 0 m/z 200 250 300 350 400 0 m/z 200 250 300 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 350 400 21 8種 4級アンモニウム化合物 0.1%SDS添加(1uM) のTIC AA_DIW_00 100 % 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 1: Scan ES+ 8.04 228 DTMA DDTMA TDTMA CTMA TDDMBA STMA CDMBA DDDDMA 13.07 14.89 15.85 284 332 312 10.33 256 17.72 360 19.92 382 6.64 200 0 AA_SDS_00 1 100 2 8.10 228 7.72 228 % 3 10.47 256 4 13.33 284 7 15.78 6 17.64 312 360 1: Scan ES+ 8 19.82 382 5 14.87 332 10.09 256 12.77 284 4.96 227 0 AA_SDS_00 2: Scan ES14.20 14.32 265 265 100 14.72 265 0.1% SDS % 15.08 265 15.39 265 18.27 293 0 Time 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00 18.00 20.00 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 22.00 24.00 22 4級アンモニウム化合物のLC/MS測定条件 (改善系 ) LC/MS条件 (HPLC) カ ラ ム : MSpak GF-310 4D, 4.6 mm id, 150mm, 6μm 移動相 : CH3CN/0.4mM 4,4’-Bipyridyl+0.8mM 塩酸 (35:65)→ (7分) → 45% CH3CN(25分) 流速 : 0.25 mL/min , 注入量 : 20μL カラム温度: 40℃ (MS) 装 置 : ZQ(Waters社) モード : ESI,正イオン Scan/SIM測定 窒 素: 595 L/hr. 温 度 : 脱溶媒 175 ℃, イオン源 70℃ 電 圧 : サンプルコーン 39 V, キャピラリー 3.1kV, マルチプライアー 650V 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 23 8種 4級アンモニウム化合物 (1uM) のTIC (改善系 ) 2 BPY_DIW_01 100 1: Scan ES+ 6.34 3 6 7.06 12.59 5 4 1 11.63 DTMA DDTMA TDTMA CTMA TDDMBA STMA CDMBA DDDDMA 7 13.95 9.91 4.68 % 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 8 15.80 2 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00 18.00 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 20.00 22.00 Time 24 8種 4級アンモニウム化合物 (1uM) のマススペクトル (改善系 ) BPY_DIW_01 235 (4.698) 1: Scan ES+ BPY_DIW_01 581 (11.629) 1.52e7 100 100 % 1. DTMA 200 332 5. TDDMBA % 333 201 199 0 BPY_DIW_01 317 (6.341) 0 1: Scan ES+ BPY_DIW_01 632 (12.651) 1.52e7 100 228 100 1: Scan ES+ 1.52e7 2. DDTMA % 229 199 312 6. STMA % 1: Scan ES+ 1.52e7 313 199 0 BPY_DIW_01 354 (7.082) 0 1: Scan ES+ BPY_DIW_01 700 (14.013) 1.52e7 100 100 1: Scan ES+ 1.52e7 256 3. TDTMA % 257 199 0 1: Scan ES+ BPY_DIW_01 788 (15.776) 1.52e7 100 100 284 225 250 275 % 4. CTMA 285 199 0 200 361 199 0 BPY_DIW_01 496 (9.926) % 360 7. CDMBA % 300 325 350 375 400 m/z 425 1: Scan ES+ 1.52e7 8. DDDDMA 199 0 200 225 382 383 250 275 300 325 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 350 375 400 m/z 425 25 8種 4級アンモニウム化合物 0.1%SDS添加(1uM) のTIC (改善系 ) BPY_DIW_01 6.34 228 100 4.68 200 % 7.06 256 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 11.6312.59 13.95 9.91 332 312 360 284 15.80 382 2 BPY_SDS_01 6.32 2282 100 4.92 1 200 % 7.32 3 256 1: Scan ES+ BPI 1.46e7 DTMA DDTMA TDTMA CTMA TDDMBA STMA CDMBA DDDDMA 1: Scan ES+ BPI 1.48e7 12.77 14.09 11.81 5 6312 7 360 8 4 10.23 332 15.90 284 382 4.54 200 3 BPY_SDS_01 100 % 2: Scan ESBPI 6.52e7 31.06 265 0.1% SDS 15.65 293 0 Time 5.00 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 35.00 26 SDS添加による再現性の変化 化合物名 1: DTMA 2: DDTMA 3: TDTMA 4: CTMA 5: TDDMBA 6: STMA 7: CDMBA 8: DDDDMA SDS無添加 Average StDev %RSD Average StDev %RSD Average StDev %RSD Average StDev %RSD Average StDev %RSD Average StDev %RSD Average StDev %RSD Average StDev %RSD 1602943 149582 9.33 1664826 155690 9.35 1883116 221193 11.75 1944991 229031 11.78 2063715 217990 10.56 2095608 147181 7.02 1771813 79061 4.46 874417 50107 5.73 0.1% SDS 添加 1698885 167361 9.85 2053784 231014 11.25 2785912 245065 8.80 2298289 158124 6.88 2490780 201878 8.11 2550431 273099 10.71 2307274 196774 8.53 1872488 221971 11.85 各成分1uM 含有の標準溶液に0.1% SDS 添加/無添加のN=5 Scan mode 分析より算出 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 27 まとめ (1) : マネブ類の分析 LC/MSを用いた環境試料中のマネブ、ジネブ及びマンゼブの分 析法開発を試みた結果、以下の知見が得られた。 1.LC/MSでのマネブ類の装置検出限界は、0.019μg/mLであった。 2.この値は、水質試料では0.038ppb、大気試料では0.076ng/m3に 相当し、十分環境分析に適用可能な濃度レベルであった。 3.物質毎の回収率は 84.8~102% であり、物質間の差はなかった。 4.精製水を用いた低濃度添加回収試験では、平均回収率が86.3%と 良好な値が得られた。 5.しかし、内標準等が用いられないため、相対標準偏差 は26.3%と 比較的大きく、測定値にばらつきが見られた。 6.マネブ類をヨウ化メチルで誘導体化することにより、高感度の環境 分析を実施することが出来る。 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 28 まとめ (2) : カチオン性界面活性剤の分析 LC/MSを用いたカチオン性界面活性剤の一種である長鎖アルキ ル基を有する4級アンモニウム化合物の分析法について酢酸アン モニウムを移動相として検討し、以下の知見が得られた。 1. LC/MSでの4級アンモニウム化合物の検出限界及び定量限界は、 それぞれ 0.03-0.06, 0.1-0.2 nMであった。 2.本法による 0.1-1000 nM における検量線の直線性はいずれの化 合物も 0.99 < と良好な値が得られた。 3.しかし、実試料を想定した 0.1% SDS 添加溶液においてSDS溶出 部の成分に感度低下等の著しい影響が認められた。 4.今後の課題として、SDS添加の影響が比較的少ない改善系での分 析法の検討と実試料による評価が挙げられる。 第4回日本水環境学会MS技術研究委員会シンポジウム (2001,九州国 際大学) 29