Transcript UDP送信感覚
1999年度 卒業論文
UDPパケットの最適な送信間隔の検討
早稲田大学理工学部情報学科
G96P026-4 小川裕二
研究の概要
UDPを使用してデータを送信する際に、
UDPデータグラムの送信間隔がスループット
に与える影響
送信データの大きさ毎の、最大スループット
を実現する最適な送信間隔
理論値を求める (1/4)
[仮定]
・データリンクレベルでの送信時間は全体の
送信時間に含めない
・送信開始は1つめのデータグラムが送信
バッファに書き込まれた時刻とする
・送信バッファに入った瞬間に処理されるも
のとする
理論値を求める (2/4)
送信するデータの大きさ
k[byte]
UDPデータグラム1個の大きさ n[byte/個]
送信個数 m[個] ( m = k / n )
送信間隔 itv[sec/個] とすると、
全てのデータを送るまでに
要する時間 t[sec]は
t = itv ×( m – 1) となる
理論値を求める (3/4)
受信側の受信速度 S[sec/個]
受信バッファ容量
BUFF[byte]
受信バッファに入る個数 b[個] (b = BUFF /
n)
送信開始からx[sec]経過時、
受信バッファにある個数 b(x)[個]は
b(x) = x/itv – x/S となる
理論値を求める (4/4)
送信時間が最小になるのは
x = t で、
受信バッファを使い切ってる時だから、
代入して、
送信間隔とデータサイズの関係式
itv = {1 – BUFF / ( k – n )}×S
を得る。
実験方法(1/2)
・受信速度、受信バッファ容量を固定
・送信するデータサイズを決める
送信間隔を徐々に増やし、
受信バッファが溢れなくなる値を最適な送信
間隔として計測する。
受信バッファの上限は41600 byte
実験方法(2/2)
実験 受信速度 [sec/
個]
0.10
1
受信バッファ容量[byte]
41600
2
1.00
41600
3
1.00
31200
4
1.00
20800
5
1.00
10400
6
0.50
41600
実験結果 (実験1)
データグラムの大きさ [byte]
42688
57408
72128
86848
101568
116288
131008
145728
itv [sec]
0.01
0.03
0.04
0.05
0.06
0.07
0.07
0.07
結果のグラフ (実験1)
実験結果 (実験2)
データグラムの大きさ [byte]
42688
57408
72128
86848
101568
116288
131008
145728
itv [sec]
0.06
0.30
0.44
0.54
0.59
0.62
0.69
0.72
結果のグラフ (実験2)
実験結果 (実験3)
データグラムの大きさ [byte]
42688
57408
72128
86848
101568
116288
131008
145728
itv [sec]
0.31
0.48
0.59
0.66
0.71
0.75
0.72
0.75
結果のグラフ (実験3)
実験結果 (実験4)
データグラムの大きさ [byte]
27968
42688
57408
72128
86848
101568
116288
131008
145728
itv [sec]
0.31
0.55
0.66
0.73
0.78
0.81
0.83
0.85
0.86
結果のグラフ (実験4)
実験結果 (実験5)
13248
27968
42688
57408
72128
86848
101568
116288
131008
145728
0.33
0.31
0.55
0.66
0.73
0.78
0.81
0.83
0.85
0.86
結果のグラフ (実験5)
実験結果 (実験6)
データグラムの大きさ [byte]
42688
57408
72128
86848
101568
116288
131008
145728
itv [sec]
0.10
0.15
0.22
0.27
0.30
0.32
0.34
0.36
結果のグラフ (実験6)
結論
・UDPによるデータ送信において、送信する
データの大きさと送信間隔は、前述の理論
式で示すことができる。
・データの送信にかかる時間は、受信側の処
理能力に依存する。
今後の課題
この実験における時間の測定は、ユーザレ
ベルでの測定であり、また、データリンクレ
ベルでの伝送時間を無視してるので、これ
による誤差が生じる。
これらの問題を考慮した理論式の確立と実
験を行う必要がある。