Polaris - 大阪大学X線天文グループ

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X線ガンマ線偏光観測小型衛星Polaris
Polaris Working Group
林田清、常深博、高原文郎、穴吹直久(阪大)、
村上敏夫、米徳大輔(金沢大)、
郡司修一、門叶冬樹、櫻井敬久、柴田晋平、滝沢元和(山形大)、
三原建弘、玉川徹、小浜光洋、磯辺直樹(理研)、
鶴剛、松本浩典、谷森達、窪秀利、身内賢太朗(京大)、
堂谷忠靖、高橋忠幸、斎藤芳隆(ISAS/JAXA)、
小賀坂康志、田村啓輔、古澤彰浩(名大)、
片岡淳、河合誠之、植野優(東工大)、
北本俊二(立教大)、
深沢泰司、水野恒史、片桐秀明(広島大)
2006年12月に理学委員会小型衛星検討WGとして発足
X線偏光観測で探る宇宙(一例)

宇宙空間の磁場と高エネルギー電子


シンクロトロン放射であれば偏光方
向は磁力線と直交
ブラックホール周辺の降着円盤

散乱X線は強く偏光
ブラックホールと降
着円盤の“想像図”
かに星雲
2.6/5.2keVで19%
偏光方向はトロイダル
磁場を示唆
Credit: Ben Bromley
(Harvard-Smithsonian
Center for Astrophysics)
http://imagine.gsfc.nasa.g
ov/YBA/cyg-X1mass/black-holes.html

ガンマ線バーストの輻射機構と偏光
SN1006
超新星残骸
宇宙線粒子の加速
の現場
磁場の向きによっ
て加速の効率が大
きくかわる
X線イメージはNASA/CXC提供
Waxman, 2004, Nature 423, p.388
Polaris (Polarimetry Satellite)の目的と構成

10mCrab以上のX線天体の偏光測定 偏光版UHURU衛星
多層膜スーパーミラーと複数の焦点面偏光計により、ワイドバンドの偏光度測定
 超新星残骸、BH連星系、NS連星系、パルサー、活動銀河核、銀河団を観測


ガンマ線バーストの偏光検出

広視野偏光計による年間10発程度のガンマ線バーストの偏光測定
ミラー
6mx4台/12m1台
Multi Layer
GIP (Ne Gas Pixel)
LI_on_SIP (Li)
SIP (Plastic double-hit)
SIP (Plastic single-hit)
1000
0.35
0.3
0.25
0.2
100
0.15
12m/1WXT
6m/4WXT
0.1
0.05
ガス偏光計
10
1
10
0
0.1
100
X-ray energy(keV)
1
10
100
Ex(keV)
散乱偏光計
MDP 4-10keV
GIP (Ne Gas Pixel) 4-10keV 100ks
GIP (Ne gas Pixel) 4-10keV 1Ms
SIP+Li Scatt 4-10keV 100ks
SIP+Li Scatt 4-10keV 1Ms
MDP 10-20keV
SIPL+Li Scatt 10-20keV 100ks
SIP+Li Scatt 10-20keV 1Ms
MDP 20-40keV
100
SIP single Hit 20-40keV 100ks
SIP Single Hit 20-40keV 1Ms
SIP Double Hit 40-80keV 100ks
MDP 40-80keV
100
100
100
10
10
10
10
1
1
1
1
0.1
0.001
0.01
0.1
Flux (in Crab)
1
0.1
0.001
0.01
0.1
Flux (in Crab)
1
0.1
0.001
0.01
0.1
Flux (in Crab)
1
0.1
0.001
SIP Double Hit 40-80keV 1Ms
0.01
0.1
Flux (in Crab)
1
X線偏光観測の現状とPolaris







X線天文学における偏光観測は、1970年代のかに
星雲からの偏光検出以降、30年にわたって…
40年
PHENEX気球実験2006,2008,…
SUMIT、InFOCms気球実験
PoGO-Lite気球実験2008,…
ソーラーセイル用GRB偏光計
基礎開発(GEM,m-PIC,散乱イメー
ジング偏光計、多層膜)
理論計算
世界的にみても先行している国内のアクテイビ
ティをPolarisに結合させる。
2007年度は、デザイン検討をさらにすすめる。
X線天文学における観測

すざく衛星 2005-
30年前と現在
年代
1970’(Einstein衛星
以前)
2000’(Chandra, XMM, Suzaku)
観測対象
全天で~300個
1平方度あたり>1000個
感度(かに星雲単位)
1/100
1/108
エネルギー分解能(E
/DE)
5 (PC)
50 (CCD)
>100 (Grating)
1º (コリメータ)
0.5″
角度分解能
偏光測定
かに星雲
(2.6/5.2keV)
2010’(NeXT, Simbol-X)
かに星雲(2.6/5.2keV)
偏光測定は1970年台以降ほとんど進
展がない
超巨大ブラックホール
可視光偏光観測→活動銀河核の統一的描像
1型
無偏光
E
2型 偏光
可視域での偏光成分の観測
(2型AGN NGC1068)
Antonucci & Miller 1985, ApJ, 297, 621
X線偏光観測が期待される対象

シンクロトロン放射




散乱



降着円盤による散乱、トーラスによる散乱、反射星雲
セイファート銀河の連続成分の輻射機構
磁場と散乱



SNR(パルサー星雲型、SN1006型、シェル型)
ブレーザー、マイクロクェーサー
ガンマ線バースト
連星系パルサー
単独パルサー
制動放射
輻射機構、天体の幾何学、磁場の構造の解明
古くて新しい問題
(硬)X線偏光観測で探る宇宙(一例)
宇宙空間の磁場と高エネルギー
電子

ブラックホール周辺の降着円盤
– シンクロトロン放射であれば偏光
方向は磁力線と直交
ブラックホールと降
着円盤の“想像図”
かに星雲
2.6/5.2keVで19%
40keV>で?
SN1006
超新星残骸
宇宙線粒子の加速
の現場
磁場の向きによっ
て加速の効率が大
きくかわる
X線イメージはNASA/CXC提供
Credit: Ben Bromley
(Harvard-Smithsonian
Center for Astrophysics)
http://imagine.gsfc.nasa.g
ov/YBA/cyg-X1mass/black-holes.html
100%
偏光度

降着円盤で
反射されたX
線の偏光度
の期待値
10%
1%
Ex(keV)
Matt, 1993, MNRAS 260
Anomalous X-ray Pulsar
超強磁場(>1014G)とQEDの証明

Swank et al.,2004 SLAC workshop
偏光検出に関わる物理
• ブラッグ反射(結晶あるいは多層膜) OSO-8
– ブラッグ角を満たすエネルギーのX線に対して、σ偏光は反射率
1、π偏光は反射率cos2Θ
• トムソン(コンプトン)散乱
ビーム測定、PHENEX
– 入射X線の電場ベクトルの垂直な方向に散乱されや
すい
• 光電子放出の異方性
CCD,ガスマイクロ
– 入射X線の電場ベクトルに平行な方向に放出されや
すい
• L殻光電吸収における蛍光X線の放出方向
グラファイト結晶
1975-1978
OSO-8衛星(米)
比例計数管
ブラッグ偏光計
ブラッグ条件を満た
す2.6keV, 5.2keV付
近の狭いバンドの光
子しか利用できない
期待される感度とターゲット(9ユニット)
S=1crab;B=3Crab
S=0.1Crab;B=3Crab
S=0.05Crab;B=3Crab
S=1Crab;B=1.5Crab
S=0.1Crab;B=1.5Crab
S=0.05Crab;B=1.5Crab
10
40keV以上の領域で
•1Crab以上の天体
Cygnus X-1
Crab Nebula
•50mCrab-1Crabの天体
Crab Pulsar、 Sco X-1
Vela X-1、1700-377
GX 301-2、 1657-415
GX1+4、GX5-1
NGC4151、 Cen-A
Cygnus X-3、 Her X-1
1
3hours
1000
10
4
1day
10
5
1week
2weeks
10
6
10
7
Observation time (sec)

2010年以降、南半球での大陸間横断フライトが実現し、>1週間の観測
時間が確保できれば、10個以上の天体がターゲットになる。
– データ処理装置の省電力化、大容量化が必須
(小型)衛星計画



X線偏光観測衛星はOSO8(1970年代)以降実現されていない
2003年にアメリカのSMEX(小型衛星)計画公募に提出された37件のうち、4
件がX線偏光計画。ただし、いずれも非採択。
日本のX線ガンマ線小型衛星計画 Polaris
– 2006年12月小型衛星検討WGのひとつとして承認された
– 阪大、山形大、金沢大、宇宙研、理研、東工大、名大、京大、広島大他
– 目的


かに星雲の1/100の明るさのX線源の撮像偏光観測 ミラー焦点距離
広視野偏光計によるガンマ線バーストの偏光測定 6mx4台
– 2010年半ばの実現が目標
– 気球実験の成果を直接、間接に利用




散乱偏光計 PHENEX, PoGO-Lite
ミラー SUMIT
(ガス偏光計 SMILE)
(インドの小型衛星計画でもX線偏光を検討中)
Polaris
ガス偏光計
散乱偏光計
X線天文における偏光観測

X線天文学の30年前、現在、近未来
InFOCus, SUMIT,etc
年代
1970’(Einstein衛星
以前)
2000’(Chandra, XMM, Suzaku)
観測対象
全天で~300個
1平方度あたり>1000個
感度(かに星雲単位)
1/100
1/108
エネルギー分解能(E
/DE)
5 (PC)
50 (CCD)
>100 (Grating)
1º (コリメータ)
0.5″
角度分解能
偏光測定
かに星雲
(2.6/5.2keV)
かに星雲(2.6/5.2keV)
>40keV
CygX-1(>40keV)
2010’(NeXT, Simbol-X)
10keV以上で左に迫
る感度を目指す
>1000 (カロリメータ)
?
10個程度のX線源(>30-40keV)
100個程度のX線源(0.3-80keV)
かにパルサー(>30keV)
PHENEX2006, 2008
PHENEX2009
PoGO-Lite2008/2009
PHNEX2010-,PoGO-Lite
Polaris