パルサー風領域における誘導コンプトン散乱について

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パルサー風領域における
誘導コンプトン散乱について
阪大宇宙進化グループ D3
田中 周太
共同研究者:高原 文郎
24, Feb., 2012, Multi-Messenger Astronomyで迫るコンパクト天体@京大
1
パルサー星雲
パルサー星雲は中心
パルサーが作る
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
パル
サー
光円柱~108cm
Ⅰ磁気圏
衝撃波~0.1pc
Ⅱパルサー風領域
不連続面~2pc
Ⅲパルサー星雲
(衝撃波)
Ⅳ超新星残骸 Ⅴ星間物質
2
KCモデル
 パルサー風を1/100以下に減速
σ~10-3@ RTSが必要!!
速度
終端衝撃波で加速された粒子が溜まり、輝いている
距離
 スペクトルの折れ曲がり@1014Hz
Γw~106@ RTSが必要!!
光度
Kennel&Coroniti1984a⬆,b⬇
可視
X線
Crabの膨張速度、スペクトルを説明
3
電波スペクトル
The Crab Nebula
X線と電波のベキ指数の差
Object
αr -αx
Crab
0.8
3C58
0.9
G21.5-0.9
1.2
F µn a
>0.5はシンクロトロン冷
却ではできない。
Tanaka & Takahara 10
Broken-PLでないと合わない
4
Γw問題
logN(γ)
1 < p1 < 2 < p2 < 3 & σ<<1
Ne± =
ò N(g )dg » N(g
2.
Ee± =
ò
3.
Lspin  (1   ) Ee  wN GJmec2
1.
min
∝γ-p1
)g min
∝γ-p2
 
E
e
N(g )g me c2 dg = N(g b )g bme c2
γmin
γb
γmax
logγ
1 と粒子数保存: Γw~103, κ~106 for Crab [γbは何が決める?]
2 と衝撃波加熱: Γw~106, κ~103 for Crab [粒子数が非保存]
σ問題とは独立のΓw問題
5
Γw問題の解、その壱
Broken PL particle -> 乱流スペクトル
 シンクロトロン放射(青)
→ジッター放射(赤)
 低振動数側のベキ指数が乱流
の波数スペクトルに依存
→天体ごとに違うスペクトル
Fleishman & Bietenholz 07
放射メカニズムに押し付ける
6
Γw問題の解、その弐
One-zone -> Multi-zone
シンクロトロン冷却モデル
断熱冷却モデル
Reynolds 09
 冷却が効きすぎる
→KC modelは使えない。
Tanaka.com
 速度プロファイルに依存
→KC modelは使えない。
磁場の空間構造に押し付ける
7
モチベーション
 上記以外にも、SN explosion起源説(Atoyan&Aharonian 96)や
Filament起源説(Lyutikov 03) ->わかった気になるモデルはない。
 κΓw~109(for Crab)は、Lspinより明らかだが、κとΓwが独立に決まる物
理はないのか。 -> 電波パルスの誘導コンプトン散乱を考える
パルサー風の物理状態を制限したい
8
誘導コンプトン散乱
パルサー風による電波パルスの散乱
(Tbが大きいので誘導項が重要)
 誘導項を含んだ散乱の式
 電子の反跳が必要
 平坦でない分布関数が必要
自発散乱率
< 1@光円柱
誘導項の効果
> 1015@108Hz
これだけだとτ>1010になる
9
Wilson & Rees 78
5重積分を含んだ
非線形微分積分方程式
冷たいプラズマ、プラズマと光子の向きが一致などを仮定
→τ < 1にはΓw > 104が必要(電波パルスは見えてる)
→Γw問題に制限(PWNの電波観測と矛盾)
仮定にどの程度依存? τ>1ではどうなる?
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定式化
 冷たいプラズマを仮定
 図(→)のようなgeometryを仮定
 θv=θv0
∝ (Γw)-4
~ 1016 for Crab
スペクトルを仮定して、積分を数値的に評価
Γw, θv, θkmaxがパラメータ
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光学的厚み: 静止プラズマ
静止プラズマ(Γw =1)の場合解析的に積分可能, θvに依らない
|τ(ν)|
/
ν/ν0
θkmaxによって絶対値が変化
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光学的厚み: パルサー風
θkmaxとθvを(Γw)-1で規格化するとΓw依存性は消える
θkmax = 0.1 / Γw
θkmax = 10 / Γw
色の違いは
θvの違い
左右で
縦軸が違う
縦の広がり, τ∝(θkmax/θv)4
横の広がり
θkmax,θvと(Γw)-1の大小が重要
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まとめ1
 n(ν)がbroken PLの場合に関して、局所的なτ(ν)を求めた。
 静止プラズマでは、解析解を再現。
 τ∝(Γw)-4, θkmax, θvは(Γw)-1で規格化できる。
 θkmaxとΓwの大小により、τ(ν)の形状が大きく変化。
→n(ν)の発展の仕方も大きく変わる。
 Crabでτ<1を要請するなら、光円柱でΓw > 104は必要そう。
(Giant Pulseの場合もう一桁は大きくないとダメ)
τ > 1でどうなるかわからない
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Zel’dovich & Sunyaev 72の落
書き
まとめ2
Coppi+ 93の数値計算
 数値計算の手法を改良する必要がある
 Zel’dovich & Sunyaev 72などで言われている通り、静止プ
ラズマでν空間のshockが起ちそう(上図)。
→shockを解く物理がないと、スペクトルの発展は追えない。
 パルサー風の場合は、shockが起つかさえ不明。
→τ>1でスペクトルがどこまで変化するのかも不明。
スペクトルの発展はまだ追えない
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課題
 スペクトルの発展を追えるようにする。
→数値発散の原因を特定。
 静止プラズマの場合でshockをならす物理を調べたい。
 Background光子の影響が重要(右上図)?
Coppi+ 93の数値計算
 有限温度の効果はどこまで無視できるか。
 偏光、磁場の効果(σの値)、etc.
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