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復習
ノイズの性質(ランダム雑音)
• 確率過程
ノイズの値は確率的(性質は平均値と分散で表すが、実
際の値は予測不可能)
• 定常過程
ランダムなノイズの平均や分散が、どの時刻においても
変わらない確率過程を定常過程という。
平均、分散
• 非定常過程
変わらない
平均、分散
平均や分散が変化している
平均、分散
変化している
平均、分散
ノイズの性質
• エルゴード性
– 時間平均がどの時間帯をとっても変わらず(定常過程)、
集合平均とも一致する過程をエルゴード過程という
• 集合平均とは多数の標本記録間での平均
う
集合平均が時間平均と一致
アベレージング(例:9回)
測定1
測定2
:
:
測定9
:
:
9回の測定データの加算平均
移動平均法(MA)
j=
-2
-1
0
1
2
測定データ
×
w(-2)
×
w(-1)
×
w(0)
×
w(1)
×
w(2)
重み
+
y(0)
平滑化された値
単純移動平均法
• 重みが均一(通常の平均)
3点単純移動平均
y (i ) 
1
3
( x i 1  x i  x i  1 )
5点単純移動平均
y (i ) 
1
5
( x i  2  x i 1  x i  x i  1  x i  2 )
– 両端の信号のないところは
• 0とおく
• 5点と3点を併用する
などすればよい
多項式適合法による移動平均
• Savitzky-Golay法
– 最小二乗法によって多項式(2次式または3次式
)に近時できる点を求める
データ
最小二乗法による
2次の近似曲線
この値を平滑値とする
(この値は移動平均で求
めることができる)
計測工学21
相関関数
単純移動平均の周波数特性
• 位相は変化しない
• 振幅特性(ゲイン)は
G 
1
2 f 
2 (1  cos 2  f  )
ただし
 t : サンプリング間隔
fs : サンプリング周波数(
f : 信号周波数
M : 移動平均点数
 : M t [s]
 1 /  t)
単純移動平均の遮断周波数
• 遮断周波数fc:ゲインが1/√2となる周波数
• ゲインの式より
1
2 (1  cos 2  f c ) 
2  f c
1
2
これより
 f c 
1  cos 2  f c
したがって
f c  0 . 443
M (   M  t )は
移動平均点数
M 
0 . 443
fc

1
t

0 . 443
fc
fs
移動平均点数Mを決定する
• 例)
– サンプリング周波数 fs=1kHz
– 遮断周波数 fc=100Hz の場合には
– M=0.443(1000/100)=4.43となり、切り上げて5点と
する(Mは奇数)
• 例題9.2
– サンプリング周波数fs=10kHz
– M=5
– このときの遮断周波数fc=0.443fs/M
=0.443×10000/5=870Hz
演習
• 単純移動平均の遮断周波数に関する演習を
Excelで行う
相関法
• 2つの時系列信号x(t), y(t)の関係の深さ、類
似度を表す
音の伝播
相関利用の例
A
B
A点で観測
B点で観測
この遅れ時間の測定に相関を利用する
相互相関関数
• 2つのデータ系列 x(t), y(t)について、x(t)とmΔt
だけずらしたy(t)(つまりy(t+mΔt))の積の平均
を求める
• 式で表すと
 xy ( m ) 
1
N
N 1
 x (i ) y (i  m )
i0
相互相関関数
 xy ( m ) 
1
N
N 1
 x (i ) y (i  m )
i0
m=0の時
x
x(0)
y
y(0)
10
20
10
20
Φ(m)
m
相互相関関数
 xy ( m ) 
1
N
N 1
 x (i ) y (i  m )
i0
m=5の時
x
x(0)
y
y(5)
Φ(m)
10
20
m
相互相関関数
 xy ( m ) 
1
N
N 1
 x (i ) y (i  m )
i0
m=10の時
x
x(0)
y
y(10)
Φ(m)
10
20
m
相互相関関数
 xy ( m ) 
1
N
N 1
 x (i ) y (i  m )
i0
m=15の時
x
x(0)
y
y(15)
Φ(m)
10
20
m
相関法の注意点
•
相関法を行う前に、データの平均を0にしておく(データから平均を差し引いておく
=オフセットを除去する)
x ( t ), y ( t )は平均 0のデータであるとする
今、オフセットのある
。
データ
X (t )  x (t )  C , Y (t )  y (t )  D
を観測したとする。こ
 XY ( m ) 

1
N

1
N

1
N
1
N
の時、 X ( t ), Y ( t )で相関を求めると
N 1

X ( i )Y ( i  m )
i0
N 1
  x ( i )  C  y ( i  m )  D 
i0
N 1
 x ( i ) y ( i  m )  Dx ( i )  Cy ( i  m )  CD 
i0
N 1
 x (i ) y (i  m )  D
i0
1
N
N 1
 x (i )  C
i0
1
N
N 1

i0
y ( i  m )  CD
1
N
N 1
1
i0
  xy ( m )  CD
となり、オフセットが
大きい場合、相関関数
の変化が埋もれて見え
にくくなる
自己相関関数
• 相互相関関数の式におけるy(t)をx(t)に置き換え、自分自身
との相関をみる
N 1
 xx ( m ) 
1
N
 x (i ) x (i  m )
i0
• 自己相関関数の性質
– 偶関数 Φxx(m)=Φxx(-m)
– m=0で最大
– 不規則信号では、Φxx(0)以外はΦxx(m)=0
– 周期関数に対しては、Φxx(m)も周期関数
(Φxx(m)が最大となるところで、関数の周期がわかる)
自己相関関数
• 相互相関関数の式におけるy(t)をx(t)に置き換え、自分自身
との相関をみる
N 1
 xx ( m ) 
1
N
 x (i ) x (i  m )
i0
相互相関関数(2つの波形の相関関数)
自己相関関数(1つの波形の相関関数)
x(i)
x(i)
m
y(i+m)
x(i+m)
自己相関関数の性質
• 自己相関関数の性質
– 偶関数 Φxx(m)=Φxx(-m)
-m
m
– m=0で最大(2つの波形の類似度最大)
– 不規則信号では、Φxx(0)以外はΦxx(m)=0
– 周期関数に対しては、Φxx(m)も周期関数
(Φxx(m)が最大となるところで、関数の周期がわかる)