Transcript 日本心理学会ポスター
-日本の若者にみられる恋愛普及幻想と恋愛ポジティブ幻想(3)- 1 2 1 ○勝谷紀子 ・若尾良徳 ・天野陽一 ( 1東京都立大学大学院人文科学研究科)( 2和洋女子大学人文学部) 問題 結果 自尊心・抑うつとの関連 基礎分析 恋人がいる人 恋人がいない人は・・・ 変数間の相関 (Table1) 恋愛 普及幻想 「みんな恋人がいる」 恋愛ポジティブ幻想 「恋人がいない人は いる人よりネガティブ 属性を持つ」 焦り 引け目 恋人がいない人 自尊心の低下 抑うつ 有意な結果なし 自尊心 恋愛普及幻想の効果(傾向)& 2つの恋愛幻想の交互作用効果(Fig1) 抑うつ (若尾, 2003) みんな恋人がいるし、恋人 がいるみんなよりも恋人が いない人(私)はネガティブ な属性を持つと推論 抑うつ 有意な結果なし 自尊心 恋愛普及幻想の効果(傾向) 恋愛ポジティブ幻想を抱くほど抑うつ が低く,恋愛普及幻想を抱くほど自尊心 が低い 性差 普及幻想 男性(M=51.43)<女性(M=56.41) 自 尊 心 得 点 の 予 測 値 ポジティブ幻想 有意差なし 抑うつ、自尊心は有意差なし 0.3 普及幻想高 0.2 普及幻想低 0.1 0 -0.1 -0.2 -0.3 -0.4 ポジティブ幻想高 ネガティブな感情・自己評価 につながるのではないか? Fig1 恋人有無による差 ポジティブ幻想低 2つの恋愛幻想と自尊心の関連 ポジティフ幻想 あり群>なし群 (M=47.22) (M=38.44) 目的 普及幻想 あり群<なし群 考察 (M=53.02) (M=56.48) 抑うつ、自尊心は有意差なし 2つの恋愛幻想を持つことが、恋人がい ない焦りや引け目と関連するのかを検討 する 2つの恋愛幻想を持つことが、自尊心や 抑うつにも関連するのかを検討する 方法 分析方法 階層的重回帰分析 説明変数 幻想の主効果、交互作用項 目的変数 焦り、引け目、恋人の欲しさ、 自尊心、抑うつ ※恋愛重要度を統制 ネガティブ感情との関連 一連発表の(1)&(2)とすべて同じ 指標の作成 焦り 恋愛ポジティブ幻想の主効果 恋愛ポジティブ幻想を抱くほど,恋人 がいない焦りを感じる 恋愛普及幻想 恋人推測(日本全体)の評定値 恋愛ポジティブ幻想 ∑(“恋人がいる人”評定値-“恋人がいない人”評定 値) ※因子分析で負荷量の高い33項目を合計 正の値 イメージのよさ[恋人がいない人<いる人] 負の値 イメージのよさ[恋人がいる人<いない人] 0 両者のイメージに差がない 恋人がいない人の結果 恋愛ポジティブ幻想を抱くほど恋人がい ない焦りや引け目を感じていた 普及幻想はその他のネガティブ感情 に影響するのかも? 恋愛ポジティブ幻想のみ高いと自尊心が 最も高く,恋愛普及&ポジティブ幻想が高 いと自尊心が最も低いことを示す結果 予測と一致 恋愛普及幻想を抱くほど恋人が欲しい気 持ちが弱い ユニークネス? 抑うつの結果について 恋愛幻想の抑うつへの直接効果は,恋 人の有無によらず見られない 原因帰属を通じて間接的に影響? 引け目 恋愛ポジティブ幻想の主効果 恋愛ポジティブ幻想を抱くほど,恋人 がいない引け目を感じる ちなみに… 恋人の欲しさ 恋愛普及幻想の主効果 恋愛普及幻想を抱くほど恋人が欲しい 気持ちが弱い 今後の課題 恋人がいない/恋人がいる 恋愛 普及幻想 自分への評価 恋人をつくるための 不適応的な対人行動 恋愛 ポジティブ幻想 他のネガティブ感情 (例:孤独感、嫉妬) 2つの恋愛幻想が精神的不健康につな がるプロセスを明らかにする