大腸菌の低浸透圧応答における 膜脂質と機械刺激受容チャンネルMscL

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大腸菌の低浸透圧応答における
膜脂質と機械刺激受容チャンネルMscL
指導教員 大西純一 教授
41311 奥田芳子
大腸菌のリン脂質合成経路
グリセロール 3-リン酸
ホスファチジン酸
CDPジアシルグリセロール
PGPシンターゼ (pgsA)
ホスファチジルセリン
ホスファチジルエタノールアミン(PE)
ホスファチジルグリセロールリン酸
ホスファチジルグリセロール(PG)
カルジオリピン(CL)
大腸菌の低浸透圧応答
内膜 (細胞質膜)
外膜
H 2O
H2細胞質
O, イオン
Mechanosensitive
channel (Msc)
MscL
MscS
MscM
実験に使用した菌株
菌株
特徴
S301A
lacY 欠損
S330A
PG, lacY 欠損
S301AE MscL, lacY 欠損
S330AE PG, MscL, lacY 欠損
体積測定方法
D.W.
3 H Oと14C-ラクトースの混合液
2
遠心
大腸菌液
取り込まれた放射線量を測定
H2O
シリコンオイル
細胞質
ラクトース
過塩素酸
lacY 欠損株
細胞質体積 = H2O体積 - ラクトース体積
低浸透圧ショック後の細胞質体積変化
0.18 M NaCl
0.18M
NaCl
(565
mosM)
%
0 M NaCl
0M NaCl
(250
mosM)
%
100
100
75
50
25
0
100
75
50
25
0
75
50
25
0
0min 5min 10 min
♦ S301A
%
0.3 M NaCl
0.3MmosM)
NaCl
(775
0min 5 min 10 min
■ S301AE
▲ S330A
0 min 5
min
10 min
● S330AE
PG‾
PG‾,MscL‾
MscL‾
低浸透圧培地で最も細胞質体積が減少しやすかった。
PG欠損株では細胞質体積が減少後、回復する傾向が見られた。
Wild type
より細かい間隔での細胞質体積測定
%
100
PG-,MscL-
75
S330A
S330AE
50
PG-
25
0
0 min
4 min
8 min
12 min
PG欠損株はPG・MscL二重欠損株よりも体積が大幅に減少し、その後回復した。
まとめ
• 低浸透圧培地で生育した大腸菌はMscが開口しや
すい。
• PG欠損株では低浸透圧ショックによってMscが開
口しやすい。
• PG欠損株のMscLを破壊すると細胞質体積の減少
を抑制できる。
• 膜脂質の組成がMscの開口調節に影響を与える。