Transcript 第4回講義
第4回講義 文、法 経済学 白井義昌 経済全体の取引活動をどのよう に把握するか? • 3種の取引 • 市場:取引の場 • 取引の主体 消費者(家計) 国内 生産者(企業) 政府 海外 貸し手 貯蓄(黒字)主体 借り手 赤字主体 3種の取引 • 現在の財サービスと現在の財サービスの 取引 [barter trading] • 現在の財サービスと将来の財サービスの 取引 [inter-temporal trading] • 将来の財サービスと将来の財サービスの 取引 [asset trading] 信用と金融 • 金融取引 資金の余っている貸し手(lender-saver)から 資金の足りない借り手(borrower-spender)への 資金融通を行う取引。 資産とは何か? • 将来の財サービスに対する請求権 実物資産 物的資産 人的資産 金融資産 債券 株式 取引の場 • 財サービス市場 • 生産要素市場 • 金融市場 金融取引を行う場 • 資産市場 海外部門 国内 政府 消費 輸入 政府購入 輸出 総生産 GDP 財・サービス市場 生産者 家計 利 子 所 得 投資 労働 生産への 土地 投入 賃金・地代・利潤 要素 資本 所得 生産要素市場 貯 蓄 労働・資本 貸し出し 金融市場 資産市場 借り入れ 利払い 総生産水準の決定 有効需要の原理を理解する 需要と供給 再考 • 需要曲線:与えられた(提示された)価格の下で買 い手が欲する需要量を決める。これら、価格と需 要量の組み合わせを示す曲線。 • 供給曲線:与えられた価格の下で売り手が望む供 給量を決める。これら、価格と供給量の組み合わ せを示す曲線。 • 市場均衡:需要量と供給量が一致するように価格 が定まる。 • 均衡価格 均衡需給量 (次図を参照) 価格 需要曲線 供給曲線 均衡価格 均衡需給量 需要量 供給量 • 短期的に価格が変化しない状況を考える。 (次図を参照) • 需要と供給はかならずしも一致しない。 • 与えられた価格の下で、欲せられる需要量、 または望まれる供給量のどちらか少ない方 が、取引量を決定することになる。 • 価格が高い水準で与えられているならば、 需要量が取引量を決定することになる。 価格 需要曲線 供給曲線 価格 取引量 需要量 供給量 有効需要の原理 • 財市場において需要の内訳は、消費、投資、 政府購入の3つがある(海外部門がある場 合には純輸出も付け加わる) • これらをたし合わせたものが一国の総需要 (Aggregate Demand)と呼ばれる。 AD=C+I+G+NX • 有効需要の原理とは総生産量は総需要に よって決定される(総生産量は総需要に見 合うように調整される)という考え方である。 • 総生産量が総需要量を上回っているときは 売れ残り(在庫)が出る。企業はこれを減ら そうと生産量を減少させる。 • 逆に総生産量が総需要量を下回っている ときには生産物は品不足になる。企業は生 産量を増大させてこれに対応する。 • 総生産量と総需要量が一致した状態での 生産量が均衡生産量とよばれる。また、そ のような生産量は均衡水準にあるという。 総需要量 AD 45度 AD>Y AD<Y 均衡総生産量 総生産量Y (総供給) 均衡総生産と国民所得 勘定の恒等式 •総需要はある価格と所得水準の もとで、人々が買いたいと思う財 の量である。(計画された総需 要) •国民所得勘定で測られた総支出 は現実に買われた財の量である。 (現実の総需要) • 均衡において、「計画された総 需要」と「現実の総需要」は一致 することになる。 • 理由:均衡において計画された 総需要は総生産に等しい(均衡 生産量)。それは人々の所得に なり、その所得のもとで計画され た総需要が現実の総需要にな るからである。 考えるべきこと • では、 計画された総需要はどのようにさ だまるのか?? 消費はどのように決まるのか? 投資はどのように決まるのか? 純輸出はどのように決まるのか?