フーコーからサイードの論へ

Download Report

Transcript フーコーからサイードの論へ

ブルデュー、フーコー、サイードの復習
「言説」の定義:社会(又は社会の中の諸集団)の場で流行
している 規範を表す、すべての表現する(解釈される)方法
を指摘する。
・ブルデューによると、言説は社会規範を日常的な諸状況で
それぞれに現す。
・フーコーによると、言説を可能にするのは社会規範であり、
言説は規範を強化する・維持して行くものである。
1
ブルデュー、フーコー、サイード
他者とのやり取りやその中に機能する「権力」関係
は、言説の意味(内容の捉え方)を決める力を持つ。
そのため「権力」又は「象徴的な権力」があると言う。
ブルデューによると言説は「観ずる対象そのものを
生起させる」権力も持つ。
[主な例:言説→政策立案→実現→現実]
2
ブルデュー、フーコー、サイード
知識とは、言説に成立されている体制である。
・フーコーによると、言説をつくる、維持する施設(制度)
は社会を成り立つ施設である、主に学校、教育制度、
学問分野などである。
言説を維持する社会施設以外にある適合できないもの
は禁止される・知識体制から排除されることが多い。
3
ブルデュー、フーコー、サイード
サイードによると、
言説に成立されている知識体制はその知識体制の対
象・客体と同一化される・一体化される。
(他者に関する「知識」は他者の全体であるという観念)
知識体制と一体とならない、いわゆる他者の知識や言説は、
知識体制に介入しないように排除される、 禁止されるこ
ともあるし、知識体制によって濾過されることもある。
4
ブルデュー、フーコー、サイード
サイードによると、
知識は以前から伝達されてきた言説に基づいている。
そのため、権力も、信頼性もあるというように知覚されている。
その結果、知識体制に一体する知識や言説の権力を持つ者
(官僚)は、そうではない者の現状を代わりに語ってあげる。
この意味で、「東洋」の「従属人種」は、自分たちについて
植民地者、帝国主義者によって語ってもらう民とされるし、
帝国主義者によって統治される。
5
サイードの説~その歴史的な背景
西洋以外の諸国に関する研究・知識体制の中
の「オリエンタリズム」とその機能
歴史背景:
古代ローマ帝国に、近東(「東方」)との貿易や外交関係があった。
が、7世紀から、「ヨーロッパ」の中心は地中海とローマ帝国から
北へ移動しつつあった。その結果、
昔からの「東方」との貿易型の関係がその時点から中止され、東
方は「他者」にされてしまって、一時的に「知識体制外」とされた
が、「発見対象」ともされるようになった。
その後、他者としては、ヨーロッパの知識体制の客体ともなった。
6
サイード
十字軍やオリエンタリズム分野のタイムライン
イスラムがローマ帝国の領域に迫って脅かされたヨーロッパの反応
イギリスの十字軍
ローマ法王の下での十字軍
1. 第一
1095年~
(1096)
2. 第二
1144年~
(1147)
3. 第三
1187年~
(1189)
4. 第四
1194年~
5. 第五
1201年~
(1204)
6. 第六
1216年~
(1271)
7. 第七
1227年~
8. 第八
1240年~
(1248)
9. 第九
1269年~
(1270)
10.第十
1271年~
7
サイード
西洋以外の諸国に関する研究・知識体制の中
用語の定義:
ブルデューがp31に言う、
言説の「観ずる対象そのものを生起させる」、そして
「存在へともたらす生産力」による構成されてきた知識体制、
フーコーが言う言説が作った「知識」の領域とその力(=言説
は全ての知識を構築し、全ての知識を濾過する。そして順次に知識
によるまた強化されて行く能力) による構成された知識体制、
知識的な枠組み、知識体制としては、
「事実」と考えたいことに基づく政策を実現する。
8